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2019.07.24

【DeNAデザイン部特集Vol.3】開発現場を支える影の立役者CPM(クリエイティブプロジェクトマネージャー)の正体に迫る

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DeNAデザイン部には、開発チームにアサインされているアーティスト陣のマネジメント全般を担うCPM(クリエイティブプロジェクトマネージャー)という職能が存在します。

「DeNAデザイン部特集Vol.3」では、CPMグループを束ねる河瀬貴夫と、VO(ヴィジュアル・オーナー)徳永真也を迎え、それぞれの担当領域やお互いの関係性、グループの今後の展望などについてインタビューしました。

※VO(ヴィジュアル・オーナー):ゲーム全体のグラフィックを監督するという意味でのアートディレクター。出自は2Dアーティスト、3D背景モデラー、モーションデザイナーなどさまざま。

開発規模の拡大に伴って誕生した、CPMとVO

――早速本題なのですが、CPM(クリエイティブプロジェクトマネージャー)の仕事内容を教えてください。

▲河瀬貴夫
デザイン部 CPMグループ マネージャー
2012年DeNA入社。組織マネジメントやVOなどを経て、CPMグループのマネージャーに就任。前職ではゲーム開発会社にて、フロントエンドやアニメーションの開発者としてゲーム制作に従事。

河瀬:CPM(クリエイティブプロジェクトマネージャー)とは開発チームにアサインされたアーティストのマネジメントを専属で担当し、彼らが作業に集中できるようにクリエイティブ分野の制作環境を整える職能のことです。

具体的には、プロダクトの方向性のキャッチアップし、ビジョンをチームに伝えるサポートやチームビルドの他、開発環境の整備やスケジュール/コスト管理、外注管理、版元さんとの交渉窓口など、担当業務の範囲はかなり広いですね。

――かなり広範囲に渡る業務内容なんですね!

河瀬:そうですね。この後にもお話しますが、各開発現場によってCPMの動きも異なります。そのため、CPMとしてのスタンスは決まっているものの、具体的にどのようにアクションを進めるかについては、各開発現場にアサインされるCPM次第といえます。

こちらがCPMグループのビジョンなのですが、このビジョン実現に向けて「何でもやる」のがCPMといっても過言ではありません。【デザイン部特集Vol.2】ではCPMの大西がモニター整備などを手がけたエピソードもありましたが、必要に応じて環境改善を進めることも大切なことです。

社内資料より抜粋

――続いて、徳永さんが携わるVOの仕事内容を教えてください。

徳永:VOは、ゲーム開発におけるアートやグラフィックの方向性を決め、チームの進むべき目標を定める職能になります。

タイトルの開発状況にあわせて1名のVOがチームにアサインされ、グラフィック周りや、画作りのクオリティ担保を中心に担当します。

――あれっ、徳永さん! お顔が……!

徳永:すっ、すみません……。顔はちょっと恥ずかしいので、写真は首から下だけで勘弁してください……><

――おぉ、そうなんですね(笑)。では、改めてCPMとVOが生まれた経緯を教えてください。

河瀬:CPMとVOは、いわゆる「アートディレクター」と呼ばれる職種と同じような業務を担当します。役割が分かれたのは、アートディレクターに求められる領域が、開発規模の拡大に伴って広範囲になり過ぎたためです。

そこで、より専門性を発揮しながらプロジェクトを円滑に進めるため、CPMは、アーティストへのマネジメントや開発フローをスムーズに進める環境を構築し、VOはクオリティを担保するという役割分担になりました。

ちなみにCPMという職能が生まれたのは2016年、VOは2017年なので、CPMの方がちょっとだけ早かったんですね。

――CPMが設置される前は、マネジメントに関わる仕事はどの職能が担当していたんですか?

河瀬:以前はクリエイティブディレクターやアートディレクターなどが役割分担していました。チームによってはPM(プロジェクトマネージャー)が担当することもあったようです。

近年では、CPMとVOが二人三脚でプロジェクトを支える体制が最適だと認識しているので、可能な限り各開発プロジェクトにCPMをアサインしています。

――CPMを設置してから社内の環境はどう変わりましたか?

河瀬:デザイン部に限らず、プランナーやエンジニア、プロデューサーなどから、これまで大変だったスケジュールや外注管理などの業務がなくなり、本業に専念できると感謝の声をもらっています。

また、アーティストが日々どんなことを考えているのか、作業の進捗も含めて、チームでは見えにくかった部分がクリアになり、課題が明確になったという話をよく聞きますね。

――現在CPMは何名くらいいるんですか?

河瀬:現在はCPMは約20名ほど在籍しており、プロジェクトの規模によってアサインされる人数は増減します。特に3D系の大規模プロジェクトでは、数人のCPMで対応しています。

CPMは開発現場を支える影の立役者

――CPMとVOは、アートディレクターから派生した職能だと分かりました。では改めて、CPMとVOの関係性や、共に組むメリットを教えてください。

徳永:私はゲーム業界に約20年ほど従事していますが、CPMという職能名はこれまで聞いたことがなく、PM(プロジェクトマネージャー)がCPMの役割を担っていました。

現在私が担当している開発チームでも専属のCPMと一緒に業務をしているのですが、メンバー一人ひとりをサポートしてくれて本当に助かっています。

というのも、DeNAにはプロ意識が高いクリエイターが揃っており、僕のチームにも多くのアーティストがアサインされていますが、私一人でマネジメントするのには限界があるんですよ。

――チーム一丸となって動くには、全体を見渡せる司令塔も必要になっていきますしね!

徳永:そうですね。その個性ある集団を一人でリードするのは難しく、クリエイティブの方向性決めやメンバーとのコミュニケーション、開発進行管理や環境整備など、得意不得意を補い合うことがCPMとVOの関係だと思っています。

私はコミュニケーションが苦手なので、CPMにその部分をお任せしています。特にメンバーのメンタル面もサポートしてくれているので、とても助かっています。

河瀬:プロジェクトを動かす中で、アサインされているアーティストの抱えている悩みをいち早く吸い上げることが、CPMにとって一番大事な仕事だと考えています。ですので、一番最初にCPMに相談してもらえる環境づくりを意識して動いています。

――ちなみにVOからCPMによく相談しているのでしょうか?

徳永:現在タッグを組んでいるCPMは自分と同じ年齢なんですが、彼のほうがなんとなく精神年齢が高くて(笑)、今では部活の先生と生徒のような間柄になっていていろいろ相談しています。

普段はあまり矢面に立たないCPMですが、チーム内に大小関わらず何らかの問題が起きたとき、もしくは起きそうなときには全体を見ながら対応してくれるので、本当に頼りになりますね。

――VOから見たCPMの「ありがたみ」について教えてください。

徳永:これまで話してきた通り、マネジメントやコミュニケーション、メンバーのサポートを担ってくれることは本当にありがたいですね。特にチーム内の連携や外部会社との調整も担当してくれるので心強いです。

また、私の場合は壁打ち相談の相手として、アーティスト目線ではなく広い視野での意見をもらっています。それに、ほとんどのMTGにも参加して近況をキャッチしてくれているので助かっています。

常に現場の中心で見守るCPM

――CPMはいつも現場の中心にいるイメージでしょうか?

河瀬:はい。なるべくプロジェクトの中枢に位置して、開発の進捗を見つつ、メンバーのコンディションを気にかけるようにしています。

もちろん、早めにアラートを上げてくれるとキャッチしやすいのですが、アーティストから悩みを引き出していくことも大切だと思います。そのためにはCPMとアーティストが良い関係値を築けていないと成り立たないため、普段からの関係作りも重要です。

たとえば、あるプロジェクトのCPMは、とにかくチームメンバーをランチに誘っているようにしています。そこでフランクに交流しながら、メンバーとの距離を縮めるようにしているようです。

――CPMとして大事にしている点などはあるのでしょうか?

河瀬:これは自分のポリシーでもあり、メンバーに話していることなんですが、CPMが誰か特定の人物の肩を持つような態度を取ると、チームは崩壊してしまうので、CPMは「常に中立の立場」で話すことを重要視しています。

CPMの個人的意見でなく、プロジェクトが向かうべき方向性を淡々と伝えるようにするのがポイントです。

社内資料より抜粋

臨機応変な対応力こそ、CPMの本質

――タイトルによって開発スタイルも異なると思うのですが、その観点からCPMの動きを詳しく教えてください。

河瀬:大きく分けると「新規開発タイトル」と「運用中タイトル」で動き方はまったく変わってきます。

まず「新規開発タイトル」においては、初期からCPMとVOを配置してプロジェクトに参加し、CPMはVOやアーティストのサポートに徹します。

「運用中タイトル」では、VOが配置されていない場合が多いので、CPMがチームを牽引していることがほとんどです。2Dデザイナー出身のCPMは、自分のプロジェクトでアートのディレクションをするような人もいますよ。

――やはり新規開発タイトルには、工数がかかっているんですね。

河瀬:そうですね。開発中はどんな問題が起きるのか想定しにくいケースもあるで、その都度迅速に対応できるような体制を意識しています。新規開発タイトルには、かなり初期の段階からCPMとVOが同時に参加しています。

――開発プロデューサーやディレクターとコミュニケーションを取ることも重要ですよね?

河瀬:もちろん、大切ですね。大前提として、プロデューサーとCPMとVOはプロジェクトに対する方向性や温度感を合わせていることが重要です。この時点で話がまとまっていないと、開発を進めても必ず認識のズレが生まれてきます。

徳永:開発中はプロジェクトのプロデューサーとCPMの意見が割れたりするケースもあるので、その都度話し合うようにしています。最初はきちんと足並みが揃っていたのに、開発途中で意見が食い違ってしまうことも、よくあることですからね。

河瀬:そこは本当に難しい所ですね。エンタメに関して「おもしろい」という定義は、主観的な面も強く現れてしまうので、意見はかなり割れることもあります。ゲームがリリースするまで、規模の大小はあれど話し合いは続いていくイメージですね。

――開発を外部の協力会社に依頼する場合、CPMはどのような動きになりますか?

河瀬:外部の協力会社がメインで開発し、DeNAがプランニングやマーケティング等を担当してタイトル運用する座組みの場合、そこにDeNAのアーティストは本来介入しないのですが、必要に応じてCPMがスケジュールや業務整理などを担当する場合もあります。

特に外部から納品されてきたグラフィックが想定と異なる場合などは、CPMが介入してスケジュールを整理したり、適切なアーティストをアサインして集中的にクオリティを向上させる動きをするときもあります。

――開発チーム側からこんなCPMが欲しい、みたいな要望もありそうですね!

河瀬:よくありますね。プロデューサーからヒアリングした課題感や、チーム全体の動きを考慮して、マッチしそうなCPMをアサインするようにしています。

また、スキルに応じてカバーできるようなチーム体制も整えているところなので、どんな環境にも対応できるような状態を目指しています。

常にフラットな気持ちで「コト」に向かう

――CPMという職能は、どのような人物だと適任なのでしょうか?

河瀬:第一に必要なのは、コミュニケーション能力です。ゲーム開発ではさまざまな人と関わるので、各ステークホルダーと満遍なく、そして円滑に対話ができる人だと良いです。

また、プロジェクトごとの座組みも多彩なので、マネジメント方法についての引き出しの広さも要求されますが、その点は今後の経験によってもカバーできると思います。

現在各プロジェクトで活躍しているCPMのみなさん

――CPMに求められる経験・スキルなどはありますか?

河瀬:何らかのゲーム開発経験があれば好ましいですが、ゲーム以外のスケジュール管理や進行管理を経験していた人も現在のCPMにもいるので、基本的にゲームが好きならば問題ないと思います。実際自分もそうですしね。

スケジュール管理やツールの使い方などは、後からいくらでも習得できるので、マネジメントなどの経験、もしくは強い興味がある方だといいですね。

――「マネジメントをしたい」という本人の気持ちが重要だと?

河瀬:はい、とても大事だと思います。とにかく毎日何かしらの問題と向き合うことが多いので、強い意志が求められます。また、冷静であることも大事ですね。毎回感情が揺さぶられてると「コト」に向かうことも難しくなります。熱くなるときはなってほしいですが(笑)

今のCPMメンバーの将来の目標もそれぞれなのですが、ずっとCPMをやっていたい人もいれば、部長や事業部長を目指す人、将来的にアーティストのスペシャリストになりたいと思う人などさまざまです。いずれにしても、CPMの役割の中で磨かれるマネジメント経験は、キャリア的にも大きな財産になることは間違いないと思います。

――そういえば河瀬さん、本日のインタビューでもほとんど動じないで話しますよね。

河瀬:そう、ですか(笑)。最近自分の仕事が一日中しゃべることなんで、余計フラットになっているのかもしれません。

ただ、チームメンバーと接するときは「何考えているかわかんない人と仕事できない」と思われないようにコントロールすることは大事だと思っています。

ニヤリ

――CPMグループ内の連携も気になります。CPM同士で相談することはあるのでしょうか?

河瀬:最近では連携を強めるようにしています。CPMは各プロジェクトに散らばってごく少人数でアサインされていくので、各々が抱えるミッションもバラバラで、共有できることは意外と少ないんです。

ただ、自分がマネージャーになってからは、CPMとして必要なマネジメントスキルやコアとなる重要なスキルに関して、みんなで集まって共有するようにしています。

また、CPM全員を集めてプロジェクトの進捗確認をしたり、勉強会やさまざまな共有をする定例MTGも月に1回実施しています。

各プロジェクトのCPMが進捗確認や知見を交換する定例MTGの様子

――河瀬さん自身でワークショップを開いたり、セミナーを受講していると聞きましたが?

河瀬:はい。CPMメンバーと実施している1on1では、プロジェクトの進捗確認だけではなく、CPMが何の目的を持ってやっているのかなど、僕が外部のセミナーで学んだことを取り入れて伝えたりすることもあります。

――最後に、CPMグループとしての展望について教えてください。

河瀬:メンバー全員のマネジメント力が引き上がった状態を保つことを目指していきたいですね。

グループの目標には「マネジメント力を上げること」を掲げていますが、管理することを目標にしないように、最終的にプロダクトに向かって欲しいと強く話しています。そしてCPMの各メンバーが、ここでの経験を通じ、キャリアアップなどの目的を実現して欲しいと願っています。

――ありがとうございました!

インタビュー・執筆:細谷亮介
編集:佐藤剛史
インタビュー撮影:栗原美穂

※本記事は2019年7月時点の情報です。

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