2019 25 Jun

DeNAのビジネスプロデューサーは信念と熱量で勝負! ブラウザゲームの開発経験が活きる理由とは

DeNA大沼諒昌

DeNAのビジネスプロデューサーは信念と熱量で勝負! ブラウザゲームの開発経験が活きる理由とは

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2019.06.25

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DeNA大沼諒昌

『逆転オセロニア』とマクドナルド様のコラボレーションなど、数々の新しい驚きと楽しさを生み出したビジネスプロデューサー大沼諒昌。誰もが驚くような組み合わせで、新たなエンタメを生み出すビジネスプロデューサーの仕事とは、一体どのようなものなのでしょうか。GeNOM編集部が紐解いていきます。

大沼 諒昌 | Ryosuke Onuma

2012年DeNA新卒入社。ブラウザゲームのプランナーからスタートし、大型IPタイトルのプロデューサーなどを経て、『逆転オセロニア』のビジネスプロデューサーに就任。数々の大手企業とのコラボレーションを手がけてきた豊富な実績を持つ。現在はeスポーツ事業に従事。特技はマジック。

――「ビジネスプロデューサー」という職能は業界の中でも珍しいと思います。まずはビジネスプロデューサーの役割を教えてください。

一言で分かりやすくお伝えすると、ゲーム内のイベントやリアルイベントで、異業種の企業様との「コラボ」や「イベント」を企画し、実現させていく仕事です。

具体的な流れとしては、まずは企画全体の青写真を描いて、社内外のステークホルダーに相談し始めます。そこから、プレイヤーの体験や関係者のメリットを考えつつ、周囲のメンバーを熱量高く巻き込んでいき、あらゆる課題を乗り越えながら企画を実現する。これが私の考えるビジネスプロデューサー像です。

そのため、常日頃からゲームと企業、企業と企業、ゲームとサービスなど「何と何を結びつけて、どんなものを生み、どんな人に向けて提供すると面白いか? 」など妄想をしたりもしています。

――仕事を進める上で、特に大変だと思うことは何ですか? 

ビジネスプロデューサーの仕事は、コラボによって誰も見たことがない価値(=楽しさ)を生み出すことで、それによってプレイヤーや関係各社が喜んでくれることを目指しています。

常に未知の企画を生み出していくことになるので、実現に向けての進め方など一切正解はありません。それに加えて、企画から実現まで思ったように進むこともありません。前例のないことばかりなので、どこで何が起きるのか分からず、いつも大変ですね(笑)。

でも、そういう状況の中でも、前のめりに「これが実現したい! 」という情熱を絶やさないことを大事にしています。実現することが目的ではないですが、やったほうが良いと考えた以上は、ピンチをチャンスに切り替えながら、実現してしまうような情熱的な人が、ビジネスプロデューサーに向いているタイプかもしれませんね。

――企画力も大事ですが、さらにそれを実現させていく「情熱」も大事なのですね。

はい。さらに実現に向けては、その情熱とともに、事業としていかに成功させるかというビジネス的なジャッジもしていきます。数々の意思決定をする必要もありますし、このあたりは世界観や理想の体験を描いて企画を実現させていく、過去のブラウザゲームのプロデューサー経験が活きていると思います。

コラボ企画実現の舞台裏

――『逆転オセロニア』3周年(2019年2月)で開催されたマクドナルド様とのコラボは印象深い企画でした。このときの立案のきっかけや、印象に残っている出来事を教えてください。

2018年に開催した2周年のときにもマクドナルドさんとはコラボさせていただいていて、今回のコラボのキッカケは、そのときにさかのぼります。

当時、いろいろな経緯から是非マクドナルドさんとコラボさせていただきたい、と思うに至った際、まだまだ『逆転オセロニア』(以下、オセロニア)は日本で一番プレイされているゲームとは言えないため、先方にとって『オセロニア』と組むメリットを提供できます! と、胸を張って言える企画を設計するのに苦労しました。

そこで着目したのが、『オセロニア』は、リアルイベントに家族連れでも安心して遊べたり、対戦で負けた人も笑顔で帰れるようなアットホームな雰囲気が支持されている点。そのほか、友達と一緒に対戦したり、情報交換したりできるゲーム性も相まって、私個人としてもマクドナルドで集まって『オセロニア』で遊ぶ、といったイメージが持ちやすかったんです。

2019年2月2日に開催された3周年記念リアルイベント「オセロニアンの祭典」の様子

そこで、目指しているコンセプトやアプリのダウンロード数だけでなく「マクドナルドさんと一緒に夢を描きたい」とご相談させていただいたところ、先方の担当者様が尽力してくださったのもあって、コラボが実現できました。その過程には、実にいろいろなドラマがあったのですが、最終的には大きな成功になったと思います。

そして今回は3周年ということで、マクドナルドさんともう一度コラボしたいとご相談させていただいたところ、すぐにご担当者様と顔を突き合わせて、企画を詰める機会をいただけました。

――なるほど、昨年の実績が今年の実現につながったのですね。コラボイベントを企画する際に、何かコツはあるのでしょうか? 

まずは、ペルソナ(人物像)やユーザー体験を徹底的に細部まで想像・設計することです。

2周年の時のコラボ企画の話になりますが、そのときは「俺たちオセロニア部」というコンセプトをまず決めました。クラスで仲の良いグループの中で一人『オセロニア』をやっている男子高校生を想像してペルソナに設定したんです。ピンポイントですよね(笑)。

その男子高校生は普段から「みんなも『オセロニア』やってほしいな」と思っていて、以前『オセロニア』に誘ったものの友達はダウンロードしてちょっと遊んだだけで離脱してしまった、という状態なんです。

独自コンテンツや限定キャラクターが登場した、3周年コラボ時のゲーム内画面

そんな中、実施したコラボを利用して「今プレイしたらセットが割引になるって! もっと遊ぶとハンバーガーが無料でもらえるぞ! 」みたいな、友達を再度誘うきっかけになるようなネタをたくさん提供しようと考えました。あわせて、有名YouTuberが出演するCMを見て「もしかして昨日CMでやってたアレ? 」みたいに話題にもなりやすいかな、と考えました。

そんな風に誘われた友達が、実際にゲームをやってもストレスなくランクを上げたり、所持していないキャラクターもお試しで使える強いデッキで遊べるように、まずはゲームをサクサク楽しんでもらうような施策も組み込んでいったんです。

実は悩んでいた新卒時代

――企業コラボなど、新たな企画を生み出すことに苦労されていた経緯もありますが、全体的には順調にキャリアを積まれている印象があります。

いえいえ、そんなことはありません。2012年に新卒入社して、1年目は新規のブラウザゲームの開発プランナーになりましたが、恥ずかしながらノーバリューでそのプロジェクトを卒業しました。当時は、毎日大量のインプットを受けて、わかっているつもりだけどわかってない! みたいな未熟者でした。今でこそ笑い話ですが、当時はとても悔しかったのを覚えてます(笑)。

その後、2年目以降はいくつかのブラウザゲームプランナーを担当しました。運用プロジェクトに途中から参加する際には、そこでは意見を言い合いつつ、信頼関係を築きながらタイトルに貢献していくことを学びました。

それから入社6年目くらいまで、ブラウザゲームの大型IPタイトルにプロデューサーとして関わらせていただき、仲間の支援も盛大に受けながらではありますが、このタイトルを好調に運用できたことは、現在の自信にもつながっています。

悩んで、そして徹底的に考え抜く

――時期が前後しますが、ビジネスプロデューサーに転身したきっかけを教えてください。

若手の時期に他のプロジェクトで、現在『オセロニア』のプロデューサーのけいじぇいさん(※1)に本当にお世話になったんです。その恩返しの意味でも、彼を日本一のプロデューサーにしたいと思い、社内で募集がかかったタイミングで立候補しました。

※1…『逆転オセロニア』プロデューサー香城の愛称

――ビジネスプロデューサーになった当初は、どんな状況でしたか?

最初は「ビジネスプロデューサーの存在価値って、一体なんなんだ……」って悩んでいた時期があり、正直苦しかったのを覚えています。まわりがバリバリ仕事をこなしている中、2週間くらい進捗せず、アイデア用のノート1ページも埋まらず、何も思いつかない時期もありました。アウトプットに何が必要なのかも理解できず、一週間、ずっとゲームの動画だけを見て過ごすこともありました。

――かなり悩んだ時期があったんですね。そこからどのように気持ちを切り替えていったのでしょうか?

まずは基本に立ち戻り、『オセロニア』のプレイヤーをもっと楽しませることは何だろう、と徹底的に考えるようになりました。そのためにもプレイヤー目線に近づくため、リアルイベントも全部参加して会場でプレイヤーの熱量を肌で感じたり、ゲームもすごい勢いでプレイしたんです。はじめて最高クラスに到達できたときは、とても嬉しかったですね(笑)。

――そんな経験を通じて、先ほどのマクドナルド様との企画のように、他のプレイヤーと交流するようなイベントを実施してみようと思ったんですね。

そうですね。最終的に「もっとプレイヤーが熱狂するためには、こんなイベントが良いかもしれない」とある程度、自分のアイデアに自信を持ち始めたのが半年後くらいで、実際に開催までこぎつけたのは、さらにその半年後くらいでしたね。

ブラウザ時代の経験が、今に繋がっている

――冒頭でも少し触れていただきましたが、ブラウザゲームのプロデューサー経験はどのように活きているのでしょうか?

ブラウザゲームの魅力って、他のプレイヤーと交流するソーシャル性にあると思います。今流行っているSNSや動画配信サービスなども、すべて「人」と関係しているコンテンツですよね。

ですので、「プレイヤー同士」や「来場者同士」など、いろいろな人の組み合わせにプラスして「これを組み合わせたら、もっと盛り上がる!」と考える設計方法に、過去のブラウザゲーム開発時代に経験した「コミュニティを活性化させる」という手法が活きていると思います。

ブラウザゲームのプロデューサーは、コミュニティの形成が得意な部分が一番の武器でもありますし、その点は『オセロニア』もリアルイベントなどコミュニティを重視しているタイトルなので、親和性はとても高かったですね。

また、IPを利用したタイトルを担当していたとき、版元様がいかにそのIPを大切に扱っているかを学んだ経験は、現在の自分の下地になっています。

――開発チームとのコミュニケーションにも活きていそうですね。

そうですね! 自分が企画した施策については、社内の各セクションに作業をお願いする立場でもあるので、説明責任が常に問われます。その点においても、デザイナーやエンジニアなど開発側の目線や心情もわかっているので、相手の立場に立って施策の説明をしたり、具体的な実装の相談に乗れたりしているかなと思います。

業界での活躍の場は確実に増えている

――ブラウザゲームのプロデューサー経験もそうですが、いろいろな開発チームの中で磨き上げられてきた大沼さんのコミュニケーション能力が、ビジネスプロデューサーにも活きているように感じます。

そうですね、ビジネスプロデューサーになれる人って、ちょっと調子乗ってるような人が合っているかも知れません(笑)。冒頭でお話したこととちょっと重複しますが、「このゲームを自分が支えてやる! 」みたいに、熱量が高く、やりたいことに溢れている人のほうがいいですし、市場的にもそんな気概を持った人は貴重な存在だと思いますよ。

ただ私の場合、この仕事においてゲームプロデューサーなどの経験が役立ちましたが、「IPの取扱いには自信がある」「渉外活動なら負けない」という違った強みがある方でも、チャレンジし甲斐のある仕事だと思っています。自分の道は自分で切り拓いていく、という気概のある方でしたらチャレンジいただきたいと思っています。


 

以上、まったく新しい驚きを生み出す使命を持った、DeNAのビジネスプロデューサー大沼のインタビューでした。

これからも、強い信念とコミュニケーション能力の高さ、何より人と人の関係性が大好きな「人柄の良さ」を存分に活かして、世の中にはまだないような、ワクワクする化学反応を起こしてくれると期待しています。

インタビュー・執筆:細谷亮介
編集:佐藤剛史/細谷亮介
撮影:佐藤剛史

※この記事は2019年3月時点の情報です。

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