2019 19 Sep

【DeNAマーケティング部特集vol.3】認知広告や新指標作成など、デジタルマーケティングの新たな可能性にチャレンジ。その取り組みの背景に迫る。

【DeNAマーケティング部特集vol.3】認知広告や新指標作成など、デジタルマーケティングの新たな可能性にチャレンジ。その取り組みの背景に迫る。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2019.09.19

  • Facebookでシェアする!
  • Twitterでツイートする!
  • はてなブックマークでブクマする!

Web広告出稿に加えてYouTube出稿やASOなど、デジタルマーケティング施策全般のプランニングと実行を担うデジタルマーケティンググループ。ゲームアプリ市場の競争環境が激化する今、さまざまなチャレンジを試みる彼らのミッションや役割、そしてグループを構成するチーム体制、そして今後の展望等について、川口隆史、坊拓磨、齋藤岳の三人に伺いました。

川口 隆史 | デジタルマーケティンググループ グループマネージャー
2009年DeNA入社。2012年からマーケティング領域に従事し、Mobageの会員獲得目的の広告出稿担当、アプリマーケティングの立ち上げ担当、さまざまなゲーム/エンタメアプリのデジタルマーケティング担当を経て、2016年よりゲーム領域のデジタルマーケティング責任者に。

坊 拓磨 | デジタルマーケティンググループ
2014年Web専業代理店に新卒入社し、スマホアプリを中心とした広告代理店営業に従事。2016年DeNA入社。広告チームのリーダーとしてチームマネジメント、メンバー育成を担当しながら、自身でも複数のタイトル戦略立案や施策推進を行っている。

齋藤 岳 | デジタルマーケティンググループ
2015年Web専業代理店に新卒入社し、さまざまな商材の広告代理店営業に従事。2017年DeNA入社。複数のタイトルにおけるデジタル広告の戦略立案や施策推進、DeNAのゲームタイトル全般のGoogleプロダクトを活用した広告担当を務めている。

各領域にスペシャリストを配置した、
独自のデジタルマーケティング体制

ーーまずはデジタルマーケティンググループの基本的なミッションについて教えてください。

川口:デジタルマーケティンググループのミッションは、各ゲームタイトルの拡大に向けたデジタルマーケティング施策のプランニングおよび実行です。Vol.2でも登場したマーケティングプロデューサーと連携し、事前登録期~リリース後までの全てのデジタルマーケティング施策を担当しています。

具体的な施策としてはWeb広告出稿がメインですが、他にもYouTuberとのタイアップ動画の出稿やASO(アプリストア最適化)も担っています。

プロジェクトに参加するタイミングとしては、マーケティングプロデューサーは開発初期段階から入っていきますが、我々は最初のうちはマーケティングプロデューサーの相談相手としていろいろ壁打ちしつつ、事前登録の少し前から本格的にアサインされていきます。

デジタルマーケティンググループ グループマネージャー
川口 隆史

ーーグループ内の体制についても教えてください。

川口:グループ内にはチームが3つあります。1つ目は「 クリエイティブチーム 」で、広告用のバナーや動画制作などを担当しています。

2つ目は「 レポートチーム 」です。主に広告のレポートを作成・運用していくのですが、その基盤部分の構築や、アドテクを使った広告効果改善のための技術的サポート、アプリのSDK周りなどのシステム的な部分も担当しています。

そして3つ目が「 広告チーム 」です。坊と齋藤がこのチームのメンバーで、坊がリーダーを担っています。このチームの役割は主に2つありまして、1つ目は「広告メニュー担当」、もう1つが「タイトル担当」です。

ーー「広告チーム」の役割について、もう少し詳しく教えてください。

川口:まず「広告メニュー担当」ですが、当社では広告メニューごとに担当者がいます。たとえばFacebook広告はAさん、Twitter広告はBさんといった具合です。そのAさんは我々がプロモーションを展開している全タイトルのFacebook広告に責任を持ち、効果を出すように代理店や媒体社とやりとりを行っています。

もう1つの「タイトル担当」は、たとえば『逆転オセロニア担当』というように、特定タイトルを担当します。マーケティングプロデューサーと密に連携し、担当タイトルのデジタルマーケティングの戦略やクリエイティブ方針などを考えて実行していくのが役割です。

「広告メニュー担当」は特定領域に関して徹底的に深く、「タイトル担当」は広く全体をみるイメージで、この2つは兼務する方針にしています。例えば、Aさんはfacebook広告の広告メニュー担当、かつ『逆転オセロニア』担当、という形で取り組んでいます。

このようにデジタルマーケティンググループは、3チーム(4役割)構成という、 業界内でも比較的充実したな体制 となっています。

ーー各チームの雰囲気はいかがでしょうか?

齋藤:チームの雰囲気としては、DQ(DeNAQuality)の中の「発言責任」が体現できているチームであると思っています。

※DQ(DeNA Quality):チームとして最大限のパフォーマンスを発揮するために掲げられた、全社員に必要な共通の姿勢や意識(「こと」に向かう・全力コミット・2ランクアップ・透明性・発言責任)

おそらくデジタルマーケティングの領域がロジックに基づく内容が多いこともあるのですが、会議体として、誰かが課題を持ち寄ってきてそれに対してみんなで議論する場や、たまたま出会った他社の広告についてどう思ったかを議論する場があり、自分の意見を求められる機会が多い環境であるから、というのも理由だと思っています。

ーー広告クリエイティブなども議論の対象になったりするのですか?

齋藤:はい、なりますね。例えばコピーをみんなで考えて実際に配信してみた際に、誰が発信したコピーが一番良かったかを競い合ったりすることもあります。

デジタル広告はすぐに結果が出る良い面もあり、常に楽しみながらやれますし、結果として楽しんでやったクリエイティブのほうが結果が良かったりすることも数多くありますね。

齋藤 岳

ーー先ほど充実したな体制という話がありましたが、現在の体制になったキッカケはあるのでしょうか?

川口:もともとDeNAはMobageという単一のゲームプラットフォームの会員獲得を目的としたプロモーションしていたので、タイトル毎という概念がありませんでした。

当時の体制としては、メニューごとに担当者を付けるといったもので、そのやり方を経験するうちに各メニューについて詳しくなり、他社に比べて先進的かつ効果的な取り組みができるようになっていきました。

その後アプリの時代になってからタイトルという軸が出てきたので、メニューカットという軸は残しつつ、タイトル担当も付けようというスタイルに変化していきました。

アプリゲームの会社として組織を作るという場合に、このような体制にするべきかの正解はわかりませんが、我々としてはこの体制が一番良いのではないかと考え、現在に至ります。

ーー他にデジタルマーケティンググループの強みなどありましたら教えてください。

川口チームが3つあり役割を分けることで、各担当者がスペシャリストとして高いレベルの知識を有していることが組織の強みだと思います。

その結果、まだどこも行っていない新しい施策に積極的に取り組むことが出来ており、代理店や媒体社と一緒に新しい事例を定期的に世に出すことが出来ています。

赤裸々に話し合える、代理店とのオープンな関係性

ーー広告出稿では、広告代理店との協力も必要だと思います。代理店とはどのようにお付き合いしているのでしょうか?

:複数の代理店とお付き合いさせていただいており、特に頻繁に接している代理店とは良好な関係を築けていると思っています。

その理由としては2つあります。1つ目は私たちの体制が広告メニューごとに分かれていることです。DeNAでその部分に一番詳しい広告メニュー担当が、代理店の担当の方と日々密にやりとりしているので、非常に質が高い議論ができているということです。

2つ目は代理店のマネージャーの方と一緒に、現在の体制や日々の課題を赤裸々に話す場を毎月設けており、会社同士のオープンなお付き合いができていることです。

良い部分はお互い褒め合い、課題の部分に関しては改善方法を意見し合う場を、頻繁に設定できているところも良好な関係性を維持できている理由だと考えます。

坊 拓磨

ーーそのような代理店とのやりとりの中で、具体的にどのような改善を重ねてきたのでしょうか?

:広告運用をしていく中で、今のまま続けていても抜本的な改善に繋がらないと感じた際は、「課題感の共通認識をお互いすり合わせたい」といった打診などを行ってます。課題感の共通認識をしっかりすり合わせることで、確度の高いネクストアクションが生まれ建設的な議論ができることが多々あります。

また、お互いにとって意味のある会議体に適宜変更したりもしてますね。議題に対して必要なメンバーを募り、必要な時間だけ割くという部分は常日頃から意識しております。

会議体を検討していくなかで、代理店と媒体社とDeNAとで三社が同じ目線で一つの施策や目標に対し、達成するためには何が必要かについて真剣にディスカッションする場が生まれたりもしています。

デジタルマーケティングの新しいチャレンジ

ーー時代が変化する中、デジタルマーケティングにおいても新しい取り組みが求められていると思います。具体的に行っているチャレンジについて教えてください。

齋藤:ゲームアプリ市場はレッドオーシャン化してきており、ゲームユーザーに選んでもらう難易度は日々上がっていると感じています。

そういった状況において、他社が行っていないことや、業界の先駆けになるような試みをやっていくことは必要不可欠だと考えており、積極的にチャレンジを行っています。

直近取り組んでいるチャレンジとしては、定量的に振り返ることができる認知広告の出稿です。アプリマーケティングは「ダイレクトレスポンス」と言われる、直接インストールに誘導する広告がメインですが、先ほどお話ししたように現状の市場においてはやはり選んで貰う難易度も高く、ダイレクトレスポンスも獲得パフォーマンスが落ちてきている現状があります。

そこで、まずはタイトル自体を面白そうと思ってもらうために、インストールまではいかないものの、タイトルに対する「認知度」や「好感度」を上げることを目的とした広告に積極的にチャレンジしています。

ーーこのようなチャレンジをする中で、難しさを感じた部分はありますか?

齋藤:このような広告はすぐに効果がでるものではないので、定量的に効果を示すことが難しいです。そこをどうやって定量的に評価し、意味のある投資を行っていくか、ということについて熱量高く取り組んでいます。

また、もう一つのチャレンジとして、既存ユーザーと広告を作っていく取り組みも行っています。今の市場は、企業からの一方的な広告よりも、友達の口コミやオススメのほうが効果的なケースも多いと感じています。そこで、こちらが考えた広告クリエイティブだけではなく、既存ユーザーの声を広告にうまく活用させていただくという施策にもチャレンジしています。

具体的には、広告の誘導先をTwitterのハッシュタグにして、未インストールユーザーに既存ユーザーのTwitter上での盛り上がりをみていただく、という広告配信のアプローチなどです。

ーーこちらはインストールが最終的な目標になるのでしょうか?

齋藤:そうですね。直接ストアに遷移させるというより、新規ユーザーに既存ユーザーが楽しんでいる部分をみてもらうことでインストールにつなげることを目標にしています。
こちらは以前実施した時には想定以上の効果がありましたので、他にもこういうアプローチができないか常に考えているところです。

このあたりはコミュニティマーケティンググループとも連携し、グループを超えたチャレンジをしています。

施策に合わせてフレキシブルにKPIを設定

ーー坊さんにも同じ質問です。デジタルマーケティングの新しいチャレンジとして、具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか?

:これまでさまざまなWeb広告を出稿して、新規インストール数の拡大を目指してきました。その過程の中で、計測しきれなかったインストール数や、復帰ユーザーのアクションなど、副次効果は結構あるのではと感じていました。

そこで、それらの副次効果を新規インストール数の価値に変換して、成果に組み込んだvNUUという指標を作りました。

ーーvNUUを作ることでどのようなことが可能になったのでしょうか?

:副次効果分も成果に組み込んだことにより、本来の成果値で効果判断が可能になりました。

またそれによって、代理店とのコミュニケーションも、計測ツール上の数字だけでなく、それ以外の効果も含んだ数値を元に本質的な議論ができるようになり、結果として日々の広告効果改善に繋がっています。

ーー新たな指標をつくり、それをKPIとしているんですね!

:そうですね、それ以外にも「YouTubeチャンネル登録」や「LINE友達登録」、「動画視聴」などをそれぞれの価値を試算した上でKPIとすることにもチャレンジしています。インストール数だけでなく、提供したいユーザー体験にあった適切なKPIを設定することが重要だと思ってます。

“DeNA✕ゲーム✕デジタルマーケティング”の可能性

ーー今のゲーム市場の競争環境において、難しさを感じることはありますか?

川口:CPIの相場感がどんどん上がっていると感じています。我々もLTVを鑑みてCPIを設定するのですが、その範囲内でやろうとすると難易度が上がり、インパクトある成果を出せなくなってきます。よって、認知に向けた取り組みや、指標自体を見直すことなど、さまざまなことにチャレンジしています。

ーーゲームアプリを扱うことの面白さについては、どう感じてますか?

川口:まずはゲームアプリ業界はWeb広告の予算が比較的大きいので、代理店や各媒体社がゲームの広告効果を上げることにすごく力を入れてくれる、というのがあります。

坊からも話はありましたが、代理店や媒体社と「こんなことができたらもっと効果的なのでは?」といった話をしながら、新しい広告のカタチを模索していける環境であるのは、マーケターとして非常に面白いと思います。

あとは業界内でも、我々と同じようなことを考えている他社の方もたくさんいますので、いろんな人と情報交換や勉強会などをしながら切磋琢磨していくことができるのも非常に刺激的だと思ってます。

ーー代理店でなく事業会社であることの面白さについてはどうですか?

:仕事の領域を広げることができるのは面白い点ですね。齋藤の事例でもあったように、Web広告だけでなくコミュニティマーケティングなど、他の領域に越境して一緒に施策を進めていくことも多いです。

あとは見れるデータがかなり多いので、さまざまな仮説を立てやすくなりました。仮説をいくつもたてられることは「施策の成功確度」をあげていくことに繋がるので、とても良い環境だと思います。

ーー最後に、デジタルマーケティンググループとしての今後の展望を教えてください。

川口:デジタルマーケティングの力でDeNAのゲームをヒットに導いていきたいです。

そのためにも、今の厳しい市場環境でもインパクトが出せる新しいチャレンジを引き続き行っていきたいと考えています。

これまでも強みとしてきたダイレクトレスポンスをゴリゴリやる、というのはしっかり継続しながらも、ブランディングや認知といったこれまでアプリゲームではあまりやりきれていない施策を、しっかり定量評価しながらPDCAを回すことで形にしていきたいです。
我々の取り組みの中から次のゲームマーケティングの王道と言われる施策を生み出せるといいな、と思っています。

また、そこで得られた知見をしっかりDeNAのゲーム以外の事業にも展開し、デジタルマーケティングが強い会社といえばDeNAだよね、と言うブランドを作っていきたいですね。

ーーなるほど、ありがとうございました!

インタビュー・編集:佐藤剛史
執筆:及川知也
撮影:波多野匠

※本記事は2019年9月時点の情報です。

GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

GeNOMの最新情報は、公式Twitter アカウントにて確認いただけます。ぜひフォローをお願いします!

【関連リンク】
デジタルマーケティング求人情報

DeNAが明かす、デジタルマーケティングの成功・失敗事例とチャレンジにおける考え方 :MarkeZine(マーケジン)

クリエイティブを全員で「考えぬく」DeNAのデジタルマーケティングに迫る | フルスイング – DeNA