2019 14 Feb

【イベントレポ後編】GDMプランナー向け座談会vol.13 ~コミュニティファーストなプロダクト運営~

【イベントレポ後編】GDMプランナー向け座談会vol.13 ~コミュニティファーストなプロダクト運営~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2019.02.14

  • Facebookでシェアする!
  • Twitterでツイートする!
  • はてなブックマークでブクマする!

毎回様々なゲストをお招きして、最新の技術や情報をシェアするDeNA主催のゲームクリエイター向け勉強会の【Game Developer’s Meeting】(以下、GDM)。

2019年1月18日(金)に開催されたGDMでは、株式会社コルクの佐渡島庸平氏を招き、DeNAの香城卓(通称:けいじぇい)と住吉政一郎とともに、『逆転オセロニア』を事例とした座談会を実施しました。

イベントレポート後編となる本記事では、盛り上がった第二部のテーマ3~6をもとにした対談内容を紹介していきます! 

前編の模様はコチラをご覧ください。

第二部:For2020 これからのコミュニティ談義

テーマ(3):コミュニティ論、大事! どうやって勉強すればいいの? 

けいじぇい:まず最初の教科書は、佐渡島さんの本ですね! 

佐渡島氏:よろしくお願いします(笑)。「宇宙兄弟」のファンコミュニティを運営するときに、そもそも資料が少なくて、自力じゃ勉強しないと感じたので、一緒に学ぶ人を1人1万円くらいで募集しようと考えたのが書籍を作ったきっかけなんです。お金を取ったら、やらないわけにいかないし、自分を追い込もうと思って(笑)。

10人くらい来るかな……って「コルクラボ」で募集したら、150人くらい集まっちゃって(笑)。とりあえず面接後、80人程度でスタートしました。そこで実験的に試して培った知見を書籍にして、ファンコミュニティに活用しました。

そこで感じたのは「何でも実践してみる」ことです。オンラインサロンや、「ポルカ」(フレンドクラウドファンディングアプリ)などに自ら参加して、自分のSNSコミュニティがどんな状況かを知ることも大切ですよ。

DeNA香城卓(通称:けいじぇい・写真左)と株式会社コルク代表 佐渡島庸平氏(写真右)

前に佐渡島家で「ヘイ(平)ペック」を開催したことがあるんです。僕や親をはじめ、親戚の名前には全員「平」が付いているんですが、最近「平」が足りなくなり、次生まれた子供には「この平が付いた名前を予約! 」みたいに、話し合いの場所を設けたことがあります。

後日、佐渡島家以外で、「平」が付いた名前の人だけを集めたらどうなるんだろうと思って、店を借り切って飲み会を企画してみたら、40人くらい知らない人が集まっちゃって(笑)。

そんな、一風変わった飲み会の幹事を開催して、次回告知や、参加者が仲良くなるならどうするか、どんな設定ならウケるか、など、企画を考えていると気づくことが多いですよ。

住吉:「ヘイ(平)ペック」、面白いけどハードル高くないですか(笑)。でも確かにチームの飲み会でみんなが必ず来るようなアイデアや、小規模のコミュニティで実践することは勉強になりますね。

佐渡島氏:「(平)が名前につく人にしか分からない話」とかは盛り上がりますよ(笑)。あと、コルクラボにはそれぞれの部に責任者がいて、どんな方法で部署を回しているか、コミュニティマネジメントをうまくやれているのか、良く観察をしています。

けいじぇい:それでも残念ながら、コミュニティはまだまだアカデミックな意味で成立しておらず、語り尽くせないほど、不安定な言葉だと思います。

佐渡島氏:そうですね。人間の感情面はまだほとんど研究されていないわけで、人間関係のあり方なども研究が進んでいません。人が人間関係の中でどうすれば心地よいのかなど、解明されていない部分が多く、解説マニュアルもありません。

少し前に、コミュニティイベントに参加した際に、4人の登壇者に対して、マイクが2本しかなくてまともに対談にならなかったことがあります。話し終わって次に回すような感じで、雑談も盛り上がらないんです。そんな風にマイクの本数だけでも、イベントの雰囲気がガラッと変わってしまうんですね。

けいじぇい:明文化もされていない、感情の仕組みやコミュニティのあり方を数字で出せないことが、難しいところですね。

住吉:特に汎用化が難しいんですよね。コミュニティごとに打ち手もまったく違うので、まず初期は観察してから諸々の判断をすることも多いです。

テーマ(4):コミュニティ運営、実際にやってみての失敗談

佐渡島氏:「コルクラボ」の立ち上がりイベントは、勉強目的として社内で実施が決まっていたのですが、応募人数が想定より増えてしまったので、正会員以外は、オンライン参加で値段を半額にしたんです。

すると「自分たちは選ばれなかった」と感じる人が出てしまい、正会員よりもすごいプレゼンを準備して驚かせよう! みたいにカーストになってしまいました。

人は、きっかけがあれば人との優劣を付けてしまうので、フラットに運用するのは大変ですね。

けいじぇい:『オセロニア』では、運営初期にいろいろ失敗の経験がありましたね。

住吉:ゲーム内でリアルイベント告知をわかりやすい目立つ場所に変えたら、応募が殺到したので運営チームで人数を見て喜んでいたんですが、当日を迎えると、参加者がほとんど来なかったんです……。

熱量が高いプレイヤーと、なんとなく面白そうで応募したライトなプレイヤーの温度差の違いを実感しました。

けいじぇい:やっぱり大きい数字が出るのは嬉しいし、運営陣は舞い上がっちゃうんですよ。これはアクティブユーザーの裏側にあるコミュニティのサイズを見誤った事例になりました。

住吉:それからは、ゲーム内での積極的で派手な告知はしていません。

けいじぇい:そうですね。これまでのコミュニティのサイズ感を大事にして、そのプレイヤーが来てくれたら喜ばれるような導線を作っています。

佐伯:そういえば、「コルクラボ」のイベントでカースト状態になってしまったときの解決策って、どんなものだったんですか? 

佐渡島氏:次回の開催時には価格設定を一律1万円にして、応募者全員が参加できるスペースを借りました。

さらに、オンラインとオフラインの動きを活発にしようと、掲示板で投稿数が多かったベスト3の人が、僕と食事に行ける権利をゲットできる、というルールを作ってみたら、サイトのPVが1ヶ月30万超えとかしちゃいました(笑)。

ですが、3ヶ月くらいするとみんな投稿疲れして、なんとなくサービスに対して反感を持ち始めたんです。あまり熱量を上げすぎず、煽らないことが大事です。時代が変わっても、あまり特殊なことはせずに、淡々と粘って積み上げていくことが一番かもしれませんね。

テーマ(5):コミュニティベースの中、頭一つ抜け出す方法!

けいじぇい:コミュニティが多様化している現代では、コミュニティごとの雰囲気やカラーを作り上げて、それを維持していくことが大切ですね。

例えば、過去に運営に携わっていたメンバーや、昔のプレイヤーが今のファンミーティングに来ても、変わらない、楽しい! と感じるような、コミュニティのブランディングを保つことが不可欠です。

佐渡島氏:コミュニティ運営では、所属する人数や参加率の把握をしつつ、掲げていることと、やっていることをできるだけ一致させるような試みを行うことが重要ですね。

けいじぇい:そうだと思います。幹事のようなコミュニティの場を広げてくれる人、サービスの周りにいる応援してくれるコアなファンたちがどこの地域に住んでいて、どんなことを考えているのかを、また自分たちのファンの温度について、より高い解像度でしっかり見て、理解することが重要です。

テーマ(6):For2020 コミュニティベースの未来

DeNA住吉政一郎(写真右)

住吉:インターネット内のコミュニティも変化し続け、人間を表現するのがだんだんと巧みになってきています。リアルで人間味のある人の心を言語化して、それをプロダクトに最大限活かせるような人たちが、今後重要になる未来が訪れるのではないのでしょうか。

けいじぇい:コミュニティを基準にしていくことが、世の中がハッピーになる気がします。

人がコミュニティに属するときは、「人とつながりたい、何かに貢献したい」といった、前向きな感情の結びつきを求める気持ちが大きいと感じました。将来的に、アカウントを通じて、他の世代や違う地域に住む人とつながる場所が生まれていけば嬉しいですね。

佐渡島氏:当時流行したSNSなどをきっかけに、いろんな切り口で集まった集団の呼び方を「コミュニティ」と呼ぶようになっていきました。

これが今までの「会社」や「学校」と同じくらい、当たり前なカタチになってきたときに、すべてをひっくるめてコミュニティという言葉ではなく、より細分化された適切なネーミングが生まれてほしいですね。

現在では、「野球とグルメ」みたいにコミット具合が違うコミュニティが、全部同列になってノウハウの定義がズレています。この先もっと言葉が分かれていけば、チェックポイントが明確になる現象が起きていくはずです。

佐伯:なるほど。そうやって未来的には、さらに細分化された、数多くのコミュニティが生まれて育っていくわけですね。本日はありがとうございました。

懇親会の模様

事前応募人数が100名を超える規模となった今回のGDM。おなじみとなった軽食のお寿司とピザをつまみながら、登壇者と来場者の交流が行われました。

GDM運営チームオススメのデザート

懇親会のデザートには、銀座と南青山にお店を構える和菓子やさんより、季節の生菓子をご用意。来場者の中でもデザートのファンが、実は多いとか……!? 

GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

GeNOMの最新情報は、公式Twitter アカウントやFacebookページにて確認いただけます。ぜひフォローをお願いします!