DeNAグローバル戦略の過去と未来。海外12年のキャリアをもつ谷口が見据える、これからの景色とは?

今、DeNAは[su_highlight background=”#fcff99″]再び海外展開に大きなチャレンジ[/su_highlight]を試みつつある。DeNAが運営する各タイトルのグローバル配信が続く中、組織として今後どのような取り組みを考えているのかーーグローバルプロデュース戦略室の谷口潤(写真左)と、国際統括部グローバル推進部の崎山文乃(写真右)の二人の対談を通じてお届けします。

12年の海外経験を、DeNAにインストールしたい

崎山文乃(以下、崎山:海外でのゲーム開発経験が豊富な谷口さんと、こうして対談するのは何だか照れますね(笑)。今回はDeNAが進める海外展開において、谷口さんが室長を務める「[su_highlight background=”#fcff99″]グローバルプロデュース戦略室[/su_highlight]」がどのような役割を担うのかなど、いろいろお聞きしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

崎山 文乃 | 国際統括部グローバル推進部 部長
戦略コンサルタントやゲーム会社での経営企画、ヘルスケア業界でのマーケティングを経て、2012年1月にDeNA入社。ブラウザゲームの海外展開全般に携わり、2016年から中国戦略を担当。現在は中国のみならず、グローバル展開に向けた全社サポートに尽力。

谷口潤(以下、谷口:はい、よろしくお願いします(笑)。私は今年の7月に入社したばかりですが、DeNAはさまざまな可能性を秘めていると日々感じています。これからの展開が本当に楽しみです。

※編集部注釈:インタビューは2019年9月に実施

崎山:では、まずは自己紹介からしましょうか。谷口さんのこれまでの経歴について、教えていただけますか?

谷口:はい、自己紹介をする前に、まずは自分のアイデンティティーについてまず話させてください!

崎山:アイデンティティーですか?

谷口:そうです。これは僕のルーツでもあるのですが、[su_highlight background=”#fcff99″]「海外」と「エンターテインメント」[/su_highlight]の2つが自分の人生で大切にしているアイデンティティーです。

まず「海外」についてなのですが、僕が幼少の頃、近所に7か国語を喋る叔父が住んでいました。叔父の家にはよく遊びに行っていたのですが、叔父の家に留学生などが出入りするような環境に刺激を受けて、海外に憧れを持つきっかけとなりました。

崎山:幼少の頃から「海外」が身近にあったのですね!

谷口:そうですね! そしてもう一つの「エンターテインメント」ですが、高校時代の友人と東京のテーマパークに遊びに行った際に、見るもの全てにすごい刺激を受けたんです。「こんなステキな場所で自分も働けたら面白そうだ!」と感じて、高校3年の春休みから片道2時間半かけて通ってアルバイト経験しました。

そこからエンターテインメントに生涯関わっていきたいと強く感じるようになり、それ以来「海外」と「エンターテインメント」というこの2つキーワードで自分探しをするようになりました。

そしてこの2つにマッチする仕事を探していた時に見つけたのが、海外との関わりが大きいSEGAという会社です。1993年に入社し、そこからずっとゲーム業界でキャリアを積んできました。

崎山:ちなみにゲーム自体は好きだったのですか?

谷口:もちろん! 特にRPGゲームをよくプレイしていて、その中でも『ドラゴンクエスト』シリーズや『ファイナルファンタジー』シリーズはすごくハマりました。


谷口 潤 | グローバルプロデュース戦略室 室長
2019年7月入社。これまでオーストラリアに1年、アメリカに6年、カナダに6年間ほど滞在し、ゲーム業務経験は、アメリカとカナダの12年間。ちなみに、横浜生まれ・大阪育ちの生粋の日本人。趣味はアウトドア全般、車、自転車、水泳、サッカー。

崎山:では、改めて谷口さんのこれまでのキャリアについて聞かせてください。SEGAではどんな経験をされてきたのですか?

谷口:入社後は海外コンシューマー事業部に配属され、貿易実務を担当していました。

崎山:最初からゲーム開発に携わっていただわけじゃなかったんですね!

谷口:そうですね。三国間貿易という、中国や東南アジアの会社にシッピングオーダー(船積み指図書)を出して、ハードやソフトを欧米に輸出する仕事をしたり、アジア販売部に異動してタイやフィリピンに筐体を営業することもしていました。

そして入社3年目のタイミングでゲーム開発部署に異動し、そこからアシスタントプロデューサーとしての仕事が始まりました。

崎山:そこから本格的にゲーム開発に?

谷口:はい。まずはこれまでの営業経験や英語力を活かして、海外ライセンサーとの交渉や契約関連の業務、さらにパブリシティーやプロモーション企画、イベント運営などを担当し、[su_highlight background=”#fcff99″]プロデューサーへとステップアップ[/su_highlight]していきました。

崎山:その時にはすでに海外に住んでいたのですか?

谷口:いえ、ずっと日本です。ただ海外で働きたい気持ちはずっとあったので、英語の勉強などは続けていました。

崎山:その後、米国の大手ゲームスタジオに移られたんですね。

谷口:そうですね、英語を勉強し続けてきた甲斐もあって、海外勤務(アメリカ/シアトル)が実現しました。当時37歳だったのですが、プロデューサーから[su_highlight background=”#fcff99″]ゲームデザイナー(企画)にもジョブチェンジ[/su_highlight]し、僕にとって大きな人生の転機でしたね。

崎山:言葉も文化も違う土地でのジョブチェンジには、相当な覚悟があったと思います。そこまで谷口さんを駆り立てるものとは何だったのでしょうか?

谷口:[su_highlight background=”#fcff99″]当時、北米でのゲーム開発が凄まじく進化していた[/su_highlight]ので、その中で修行をしたかったのが一番の動機です。またプロデューサーとしてもクリエイティブ側の業務が分からないと駄目だと実感した為です。

そのスタジオでは開発の進め方やツール、ゲーム内企画などにおいて、ゲームを科学的に開発するための最先端メソドロジーを実践していました。ゲームという枠にとらわれず、心理学者などの有識者も参加し、学術的なアプローチも行っていたんです。

崎山:それは10年以上前の話ですよね。当時の開発の進め方で、特に印象に残っているエピソードなどありますか?

谷口:カーレースゲームのコースを例に挙げますと、ゲームデザイナーが「このコースは面白いよ!」と、刺激的で素晴らしい架空のサーキットを作ってみたものの、実際にプレイしてみると、すぐコースアウトしてしまったり、とても難しかったりするんです。

僕は上級プレーヤー側ではないので、ゲームディレクターに対して、このコーナーはもう少し緩くした方が良いのではとフィードバックを返すと「あなたは上級者でもないし、レースゲームを知らないし、わかっていない!」ということに往々にしてなるわけですね。

ところがそのスタジオだと、100人に試遊してもらって「上級プレイヤーでさえ87%がファーストコーナーでコースアウトしている」というデータをプレイテストを通じて取得し、そこから建設的にチームで改善を進められるメソッドを持っているんです。

このような外部からのデータにより公平にジャッジして、「このコーナーは1.2倍に拡幅して、更に150度の角度にした方がいい」といった軌道修正をしてテストを繰り返していくのですが、その時点で[su_highlight background=”#fcff99″]私の知る当時の日本の開発レベルを越えていた[/su_highlight]と思います。

崎山:なるほど、そのようにして当時から世界市場で勝ち抜くためのメソッドを経験し続けてきたんですね。

谷口:ゲームの企画やディレクションなど、当時を今振り返っても、本当に多くの学びがありました。アメリカ勤務の後はバンダイナムコへ転職し、[su_highlight background=”#fcff99″]カナダでバンクーバースタジオの立ち上げ[/su_highlight]に参画しました。そこでは[su_highlight background=”#fcff99″]開発統括やプロデューサー、Biz Dev[/su_highlight]などを担当して現在に至ります。

DeNAの海外展開〜第一章〜

谷口:僕の自己紹介が長くなってしまいましたが、今度は崎山さんがこれまで関わってきたDeNAの海外展開について聞かせください。以前は積極的に海外展開にチャレンジしていたと思います。その時はどのような状況だったのでしょうか?

崎山:ご存知の通り、DeNAは「[su_highlight background=”#fcff99″]Delight and Impact the World[/su_highlight]」というスローガンを掲げ、世界中に驚きを与えるようなサービスで、楽しみと喜びを提供していこうとする会社です。

当時はブラウザゲームが日本でものすごく成長していて、Mobageが絶好調な時期だったんです。国内市場の成長はDeNAが牽引していくくらい、勢いがありました。

そこで海外展開を進めるにあたって、スマートフォン向けのゲームを開発している米国ngmoco社を2010年に買収しました。私はそのDeNAの海外展開を強化していくために2012年に入社し、現在に至るまで海外市場に携わっています。

谷口:当時の会社の雰囲気などはどうだったのでしょうか?

崎山:とにかく海外でも成功するぞ!という意気込みに溢れていましたね。ただ当時は、国・地域によって通信インフラが大きく異なりますので、そこは大きな課題でした。さらにモバイルゲーム市場においてはブラウザからアプリへのシフト転換時期でもあったので、なかなか思い描いたような展開が難しかったと思います。

谷口:当時のDeNAのブラウザゲームの勢いはすごかったですからね。

崎山:そうですね、ブラウザゲームが非常に好調だったため、なかなかアプリに踏み切れなかった反省があります。

アプリは開発や運営方法など、ブラウザとは全然違います。結果として徐々にアプリにシフトしていったのですが、アプリシフトは社内でもかなり大変なチャレンジでした。

谷口:そんな状況の中でも、海外展開は諦めずに続けてきたんですよね?

崎山:はい。アプリ化を推進していく中、日本国内で北米向けのゲームを開発したり、北米で現地向けのゲームを開発したりなど、さまざまなチャレンジをしてきました。

そうやってモノづくりにフォーカスしていった結果、日本では日本向けのゲームを、中国では中国向けのゲームを開発する体制にシフトしていきました。北米スタジオを残念ながらクローズするという意思決定を行ったのは、2016年でしたね。

谷口:とはいえ、[su_highlight background=”#fcff99″]海外への情熱の灯火は、今もDeNA社内にずっと残っている[/su_highlight]と感じていますよ。僕は過去にカナダとアメリカでゲーム開発を行ってきましたけど、DeNAの企業カルチャーは、その当時在籍していた会社とあまり変わらない印象を受けました。

崎山:谷口さんの信念にありましたよね。「会社を見る上で重要視しているのは、人を集めることができるブランド力と人である」と。

谷口:そうですね、ゲームは一人では作れません。DeNAには素晴らしい才能を持った、一緒に仕事がしたいと思える人たちが集まっているんだろうなというのは、外から見て感じていましたし、実際その通りでした。

皆さんにはとても温かく迎えて貰っていて、中途の立場でもとても仕事がしやすい会社です。ここでなら過去の経験も存分に発揮でき、他のメンバーと大きなシナジーを生み出して、DeNAの海外展開の第二章を推進していけるのではと感じています。

2019年、海外展開は第二章へ

崎山:DeNAが本格的に海外展開を推進するにあたって、その中核を担うグローバルプロデュース戦略室が誕生しました。

私たちグローバル推進部は海外のマーケティング等を担当する役目を担っていますが、ゲーム開発のエキスパートではないため、谷口さんのジョインは本当に嬉しかったんですよ。

海外で成功するってそんな簡単なことではありませんから、同じような意識や温度感でモノづくり側に入って動いていただける方が来てくれたというのは、とにかく興奮しました。

谷口:ありがとうございます(笑)。

崎山:谷口さんが入ってからは、社内にも少しずついい意味で変化が生まれていますよね。

たとえば[su_highlight background=”#fcff99″]Slackチャンネルで気軽に相談[/su_highlight]が出来ていたり、定期的に[su_highlight background=”#fcff99″]プロデューサーが集まって相談する場[/su_highlight]を作っていただいたりなど、明らかに変わってきていると感じています。

谷口:これまでのキャリアの中で、今はじめてサポート側にいて、すごく新鮮な気持ちです。プロジェクトの関わり方も、今までのように前線から牽引するのではなく、後方や横から支えるという形に変わってきています。

僕のバックグラウンドがプロデューサーや企画やBiz Devといった領域ですので、その観点からサポートすることに自信があります。今はゲーム事業部内の各部長とコミュニケーションを図りながら部全体をサポートしたり、プロデューサーに対してタイトル開発/運営のサポートすることが多いですね。

崎山:谷口さんにはすでに海外に向けたIPタイトルにも携わってもらっていますが、本当に心強いと感じています。

あと谷口さんの場合、[su_highlight background=”#fcff99″]「この場合には、海外ではこういうツールや手法があると便利だよ!」[/su_highlight]などの引き出しをたくさんお持ちだと思います。これは社内のプロデューサーからすると、とても有意義な情報だと感じています。

谷口:これまで僕が北米中心ではありますが、海外で積み上げてきた長年のノウハウや知見やネットワークがありますので、そういうことは[su_highlight background=”#fcff99″]社内に積極的にシェアしていきたい[/su_highlight]ですね。

あとは、社内の各部署において沢山の海外知見があることも認識しています。先人の方々が必死の努力で蓄えてきたノウハウを、会社としてきちんと資産として整理し、活用していけるように体系立てることも一刻も早く進めていきたいですね。

全員が最前線で戦える体制づくり

崎山:次に谷口さんが室長を務めるグローバルプロデュース戦略室のミッションに話を移していきたいのですが、具体的にはこれからどのように動いていくのでしょうか?

谷口:海外市場での飛躍を担うことをミッションにしています。我々が海外展開の成功に向けた案内役や黒子となり、[su_highlight background=”#fcff99″]「DeNAのゲームは海外でも普通に遊ばれている!」[/su_highlight]という状態まで引き上げていきたいですね。

ただ、「部署のミッションを実現させていく」のではなく、「会社として海外展開を成功していくには、今何をすべきか?」という視点でも取り組んでいきたいです。

崎山:そうですね!

谷口:だからこそ、僕や崎山さんの役割をすみ分けするよりも、一緒に足りないところを補いつつ、活動範囲を狭めないように事業を推進したり、旗振りするのが大きなミッションかと思います。

崎山さんの世界中の各拠点を繋げたり、マーケティング拠点を立ち上げてきた経験はすごく心強いです。僕のバックグラウンドはゲームプロデュースや開発側ですので、役割分担しつつもうまくシナジーを発揮できたらいいですよね!

崎山:海外展開はスケールが大きく、推進していく難易度はかなり高いです。1人のスーパースターが入ればうまく回るものでもありませんし、逆に全員がスーパーヒーローである必要もないと思っています。

DeNAらしい、[su_highlight background=”#fcff99″]人と人との良いシナジーを生み出すことが大事[/su_highlight]ですし、そんな未来を早く実現させていきたいですね。

谷口:そうですね。当然ながら僕も1人で全部解決できるとは到底思っていません。たとえばグローバルといっても数多くの国や言語や文化がある中で、自分の「知見が通用する国」と「全く経験がない国」は必ず出てくると思います。

皆さんから頼られる部分もありますが、正直わからない部分もあるわけです。その時には、僕の人脈を活かして他の誰かに相談したりなど、何かしらの方法で対応していきたいと思います。

崎山:そういえばDeNAというの会社の「強み」はどのあたりで感じていますか? 谷口さんはまだ社歴が浅いので、率直な感想を聞いてみたいです。 

谷口:やっぱり、皆さん、スマートでエネルギッシュな方々が多いです。あとはコトに向かうパッションもあって、スピーディーで、DeNAが掲げる「[su_highlight background=”#fcff99″]永久ベンチャー[/su_highlight]」のスピリッツがうまく体現できているんだろうなと。

これはあくまで個人的な印象ですが、DeNAはどことなく北米のカルチャーに影響を受けているんじゃないかと感じます。

崎山:え、そうなんですか!? ちょっとそれは意外でした(笑)。

谷口:あと細かい話になりますが、給料の見直しが年に2回あったり、いいアイデアをフレキシブルに取り入れる柔軟性をみんなが持っていてやりやすいですしね。

谷口:組織的には、新規タイトル開発の専門的に調査する「[su_highlight background=”#fcff99″]ユーザーインテリジェンス部[/su_highlight]」や、DeNAのAI知見をゲームに活かす「[su_highlight background=”#fcff99″]AI推進部[/su_highlight]」、これまでの様々なナレッジが蓄積されている「[su_highlight background=”#fcff99″]分析部[/su_highlight]」や「[su_highlight background=”#fcff99″]マーケティング部[/su_highlight]」など、各スペシャリストが同じ拠点にいて、気軽に相談できる環境があることは、本当に心強いと思います。

ヒットの確率を1%でも高く!ゲームの“面白さ”を科学する、DeNAの新たな挑戦【ユーザーインテリジェンス部 小東祥】

プロデューサーや専門家らと共に、UX向上を目指す。“ゲーム✕AI”を推進する「ハブ役」の正体とは?

【DeNA分析部特集Vol.5(前編)】未来を予測し、最適解を導き出し続ける組織 〜分析の高度化に向けた次のチャレンジとは〜

【DeNAマーケティング部特集vol.1】ROIだけが判断軸ではない。「遊び続ける必然性」を創造し続ける、次の一手とは?

 

ビジネス面をバックアップする「グローバル推進部」

谷口:改めて崎山さんが部長を務める、グローバル推進部についても聞かせてください。

崎山:グローバル推進部は先程も少し触れましたが、部内に[su_highlight background=”#fcff99″]海外マーケティングを担当するチーム[/su_highlight]があります。現在グローバルに運用しているタイトルについては、そのマーケティング担当者が各タイトルのチームに参加して運用しています。

谷口:具体的にはどんな風に仕事を進めているのでしょうか?

崎山:たとえばバナーですが、日米のプレイヤーではそれぞれ好まれるクリエイテイブが異なります。アメリカ向けのバナーを日本人が頑張って作成するよりも、現地のデザイナーに依頼した方が効率的ですし、より現地のテイストにあったものが制作できます。

また、コミュニティマネジメントに関しても、日本とは手法が異なりますので、[su_highlight background=”#fcff99″]現地でデザイナーやコミュニティーマネジメントの専門家を採用[/su_highlight]し、連携しながら業務を行っています。

その他にも、海外でのマーケティング活動全般において、[su_highlight background=”#fcff99″]日本のチームと海外のマーケティング拠点のチーム双方と連携[/su_highlight]しているのがグローバル推進部です。

谷口:日本と海外拠点とのコミュニケーションにも工夫が必要そうですね。

崎山:はい、拠点をまたぐコミュニケーションは言葉や文化、時差の問題があります。何か解決した方が良いことがあればすぐに連絡・相談をしてもらい、各拠点のメンバーとオンラインで定期的に話をしています。

やはり双方で見えているものも違いますし、拠点ごとでみたらこれがベストだと思うことも実際はそうでないこともあるので、最適化は難しいんですね。それを日々試行錯誤しながらも、今は経験値を溜めている感じです。

谷口:ちなみに、ブラウザゲーム時代の知見や経験は今でも役に立っているのでしょうか?

崎山:個人的に役に立っていると感じるのは「人とのつながり」です。人間関係や信頼関係って、一朝一夕にできるものではありませんからね。

ノウハウは先ほど話があったように、谷口さんに集めていただいていますが、アメリカのスタジオでパブリッシングをしていた時もマーケティングは行っていましたので、そのノウハウも活かしつつ、[su_highlight background=”#fcff99″]海外市場向けのマーケティングを実践[/su_highlight]しているところです。

2020年に向けて今やるべきこと

崎山:では最後に、谷口さんが今感じているグローバルプロデュース戦略室の課題について教えてください。今は組織を作っていくフェーズかと思いますが、いかがでしょうか?

谷口:そうですね! 今は海外展開に向けての人材が必要部署に於いて足りていない状況ですので、これからは仲間を増やして層を厚くし、縦横無尽に動きながら、[su_highlight background=”#fcff99″]皆で一緒に海外に向けて盛り上げていくんだ[/su_highlight]という空気を更に醸成していきたいですね。

その為にも海外に向けて、同じ情熱を持った人が集まるような土台を作りたいですし、そういう人達と一緒に海外での成功に向けてチャレンジしていきたいと思っています。

DeNAでは[su_highlight background=”#fcff99″]今後も新規タイトル開発を進めていきます[/su_highlight]ので、海外展開の経験があるプロデューサーやクリエイターにとっては、面白い未来が待っているのではないでしょうか。

崎山:ゲーム業界以外の職種の人だと、法務や経理/会計といったバックオフィス系も今後は活躍の裾野は広がると思います。ビジネスにおいては海外との取引や税務などもセットですから、そこに力添えをいただけると嬉しいですね。

ただ、どの仕事もそうですが、正解があるわけではありません。理想と現実の間には必ずギャップがありますが、そのような状況に対して自分で課題を見つけて、ビジネスを推進できる環境はあると思います。

谷口:DeNAは各人に自走力が求められている文化があり、[su_highlight background=”#fcff99″]手を挙げれば何でも挑戦できる環境[/su_highlight]があると思います。そのため、フロンティアマインドはやはり必要ですね。

あとは国籍や年齢や前職など関係なく、お互いに能力を認め合って尊敬しあいながら“ONE TEAM”で仕事を進める事を大事にしていきたいと思います。

執筆:及川知也
編集:佐藤剛史/細谷亮介
撮影:波多野匠

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

【DeNAマーケティング部特集vol.4】SNS、リアルイベント、You Tubeーー各担当者が語る、コミュニティマーケティングの現在地とこれから

DeNAが運営中のモバイルゲームの各タイトルでは、ゲーム内イベント・キャンペーンのほかに、公式SNSや公式YouTubeチャンネル、リアルイベントなどで、最新情報の提供だけでなく、プレイヤーと交流できる多種多様なコンテンツ施策を実施しています。

そして、それらのコンテンツ企画・運用を担うのが、ゲーム事業部のコミュニティマーケティンググループです。今回「DeNAマーケティング部特集vol.4」では、同グループに所属するSNS運用担当の「なおこす」、リアルイベント企画・運営担当の「まなてぃ」、公式YouTube担当の「ちゃんもも」に、今まで手がけてきた取り組みやそれぞれの想い、今後の展開などを聞くことができました。

なお、本インタビューの聞き手は、3人の上司でもあり良き相談相手もある、マネージャー鶴川将志(鶴川が登場する記事は以下をご覧ください)が担当しています。

【DeNAコミュニティテック最前線】ゲーム運営の課題をテクノロジーで解決! データをフル活用するコミュニティマーケティングは新たなステージへ

プレイヤーの熱量を、全力で施策に組み込む


なおこす | SNS運用担当
2018年新卒入社。入社直後にIPタイトルのSNS運用や生放送の企画を経験。現在オリジナルタイトルのコミュニティマネージャーとして、プレイヤーに向けたオンライン・オフライン施策を担当。

――それでは簡単に自己紹介をお願いします。

なおこす:現在オリジナルタイトルのコミュニティマネージャーとして、公式SNSなどを担当しています。DeNAには新卒で入社し、IPタイトルの公式SNS運用を経て、現在はオリジナルタイトルのプレイヤーに向けて、オンライン・オフライン問わず、さまざまな施策に関わっています。

――入社後は具体的にどのような取り組みをしてきたか、改めて教えてください。

なおこす:まずIPタイトルの担当になった時には、原作であるアニメシリーズを鑑賞したり、楽曲を聴いたりすることで、世界観を深く知ることから始めました。そして実際のゲームプレイを通じて、どんなプレイヤーの方がゲームを楽しんでいるかを理解することから実践しました。

その後は、既存のプレイヤーに向けて、より楽しめるようなSNSのキャンペーンを企画していきました。プレイヤーの方々はIPのファンが多いので、「ファンだったらどう感じる?」を徹底的に考えていました。そうして生まれた施策が、プレイヤーの方々に楽しんでもらえて、版元様からも好評だったときは、とても嬉しかったですね。

まなてぃ:施策をうまく成功させたの、同期入社の私より全然早かったよね!

なおこす:そうかも! 2018年5月にマーケティング部に配属されて、すぐに責任ある仕事を任せてもらったんです。そこで「私がやらなきゃ!」って気持ちがすぐに強くなって、成長がスピードアップした気がしますね。

――「できるできない」ではなく、「やるかやらないか」というのがDeNAのカルチャーですよね。その後関わることになったオリジナルタイトルについて教えてください。

なおこす:オリジナルタイトルでは、主にSNSやキャンペーン施策の企画/推進に関わっています。入社してからTwitterのキャンペーンをたくさん実施してきました。

施策に関しては以前のIPタイトルで培ったノウハウを流用するわけではなく、ゲームシステムやプレイヤーの属性の違いを理解し、きちんとプレイヤーの皆さんに楽しんでもらえるように、ユニークなアイデアをプロデューサーやプランナーと一緒に考えています。

その際、すでにゲームを楽しんでいただいているプレイヤーだけを盛り上げるのでなく、まだゲームタイトルを知らない方でも楽しんでいただけるように意識しています。

――特に印象に残っている施策はありますか?

なおこすTwitterのハッシュタグを用意して一緒に楽しみましょう、というキャンペーンを実施した際は、大きな反響がありました。特にTwitterはたくさんのプレイヤーのおかげでいつも盛り上がっているのですが、この施策でも皆さんが参加してくださって嬉しかったです!

ちゃんもも:Twitterトレンド入りしてたよね!

なおこす:そうなんです! 担当しているオリジナルタイトルのプレイヤーの皆さんは熱量が高く、ファンアートもたくさんありますし、キャラクターの紹介文を書いてくださったりする方もとても多いんです。ですので、プレイヤーの皆さんと一体となって盛り上がりを創出できたらと思って企画しました。

結果として、ゲームタイトルを知らなかった方にプレイしていただけるきっかけにも繋がりました。ゲームタイトルの関連ワードでも10位以内に入って、とても嬉しかったですね。いつも盛り上げてくださっているプレイヤーの皆さんのおかげなので、本当に感謝しかないです。

――今まで失敗もあったと思うんですが、そこから学んだことを教えてください。

なおこす:担当しているゲームタイトルでは、オンラインだけでなく、オフラインの施策にも挑戦しています。ただ当初はどのプレイヤー層に向けてどんな体験を提供するのかなど、テーマや軸を定めることができず、開催に至らなかったこともありました。

その時に学んだことは、プレイヤーの期待を超え続ける「重要さ」と「難しさ」です。特に一度実施したことがある施策の第二弾以降は、前回の期待を更に超えなければならないので、難易度がかなり高くなります。

ここはプロデューサーをはじめとした運営メンバーと一緒にテーマを考え、全員が納得した施策だけをプレイヤーに届けるようにしています。

――これまでの失敗があるからこそ今がある、という事ですよね。

なおこす:そう言えると思います。とにかくプレイヤーの皆さんの熱量は本当に高いので、期待を超える体験を提供し続けることに関して、一切妥協はしません。

――施策を実施する中で、一番大事にしていることは何ですか?

なおこす:プレイヤーの皆さんがそれぞれ自由に楽しめることです。ゲームが好きな方々の中でも、キャラクター、バトル、ストーリーと好みが違いますし、キャラクターを揃えて楽しんだり、自分でイラストを描いたり、実際にコラボカフェに足を運ぶ人など、楽しみ方も千差万別です。

そのように、多種多様なプレイヤーそれぞれが楽しめるような話題を提供することを、特に大事にしています。

――施策の振り返りはどうやっていますか?

なおこす:オンライン周りでは、キャンペーンや施策を実施する前にしっかりと目的とゴールを決め、その目的を達成するため必要な要件整理を最初にしています。

その際には私一人だけではなく、各運営メンバーとも連携して設計するようにしています。また、施策実施後には、目的を達成できているかどうかの振り返りを定量/定性の両軸で必ず行っています。

――その振り返りが、さっき出た「プレイヤーの期待を超え続ける」に繋がるんだね! ちなみに業務で連携する際に、どのようなメンバーと連携していますか?

なおこす:他タイトルのSNS担当者との連携が多いです。リアルイベントやYouTube番組を実施するときなど、SNS運用における懸念点などについて細かく相談しています。最近話題になっているキャンペーンや施策の話もよくしますね。

同じチーム内ではプロデューサーやマーケティングメンバーとの連携が多いと思います。希望を伝え合うだけでなく、一緒にマーケティングプランの全体像を考え、その中でオンライン・オフラインそれぞれのコミュニティに対して、どういう話題を提供していくかを設計していきます。

【DeNAマーケティング部特集vol.2】ロジカルとパッションの絶妙なバランスで戦略を描く!マーケティングプロデューサーの仕事術

――今後はどのようなことにチャレンジしていきたいですか?

なおこす:コミュニティはゲームにおいて必要不可欠な存在になっていると思います。そのコミュニティが持つ熱量を伝播させて、多くの人にゲームを知っていただき、ずっと遊んでもらいたいと考えています。

また、私個人としては、今はゲーム事業を担当していますが、他事業などに対しても、コミュニティのノウハウを共有して活用できればいいと思っています。

こだわりを重ねて、最後の意思決定に責任を持つ


まなてぃ | コミュニティマネージャー
2018年新卒入社。『逆転オセロニア』のコミュニティマネージャーとして、オンライン・オフライン施策を担当。

――それでは自己紹介に加えて、学生時代の経験もあわせて教えてください。

まなてぃ:現在は『逆転オセロニア』のコミュニティマネージャーとして、オセロニアンの皆さんに、ファンミーティングや公式大会などのリアルイベント、YouTubeチャンネルの「オセロニアンちゃんねる」など、オンライン・オフライン問わずさまざまな施策をお届けしています。

※オセロニアン…『逆転オセロニア』のプレイヤーから自然発生したオセロニアファンの呼称。現在では、公式で使わせていただいている。

私は小さい頃からF1などのモータースポーツが好きで、学生時代はレースチームのアンバサダーとして、MCやレポーターをしながら、国内外を飛び回っていました。

その後、2018年にDeNAに新卒入社し、より多くの人に影響を与えたり、喜んでいただける仕事がしたいと思い、現在では『逆転オセロニア』を盛り上げられるように頑張っています。

――メイン担当はリアルイベントですが、それを推進する上で他部署との連携は多いよね?

まなてぃ:そうですね。リアルイベントを開催するための企画や大会ルールの設計、情報出しの設計やオリジナルキャラクターデザインの作成、特設サイト制作、『逆転オセロニア』公式Twitterを担当するいちこちゃんとの連携などなど……ゲーム内外で多種多様な担当者との連携が必要になるので、各セクションとの連携はかなり多いです。

もちろん、イベント進行はオンタイムでやらなければいけないので、時間などの「制約」と「こだわり」の線引きに関しては、毎日意思決定と戦っているイメージです。

――仕事で大切にしていることを教えてください。

まなてぃ:『逆転オセロニア』が一番大事にしている「安心・安全」というコンセプトをずっと大切にしています。

自分たちがゲーム内外関わらず、どんな施策をやる時でも、前提の「安心・安全」というコンセプトが崩れていると、どんなに面白い施策だったとしても、本当の意味でワクワクしてもらえないと考えています。まだまだ十分ではない部分も多いですが、『逆転オセロニア』を楽しんでもらう為の大前提として、このコンセプトはこれからも大事にしていきたいですね。

特にコミュニティマネージャーは、「プレイヤーに一番近い運営」であるべきだと思うので、オセロニアンの皆さんへ届けるメッセージングの責任は、しっかり担っていくべきと考えています。それはゲーム内お知らせの文言やSNSでの配信はもちろん、イベントや生配信での発言一つとっても同じです。

また、社内のメンバーに向けて施策のメッセージングを伝える際は、ドキュメント等でアウトプットした上で、「本当にこれで正しく伝わるかな?」と、人一倍アンテナを立ててコミュニケーションすることも意識しています。

――今までの案件で一番感動したことは何ですか?

まなてぃ:やっぱり『逆転オセロニア』3周年のイベント「オセロニアンの祭典 3rd Anniversary」ですね。イベントを通して、個人的に感動させられるような、たくさんの素晴らしい驚きが詰まっていたんです。

イベント内の大会コンテンツ「オセロニアンスターズ 2019」では、高校生のオセロニアンが地区代表として参加してくださって、当時まだ実装されたばかりで本格的に使われていなかった新スキルの持ち味を最大に生かしたデッキを使って、会場・配信をとっても盛り上げてくださったんです。スタッフも舞台裏で大興奮でした!

ゲームの大会って、勝つことが目的のはずなのに、見ている観客を盛り上げよう、楽しませようという思いを大切にしてくださる姿に、自分も一人のオセロニアンとして心から楽しませていただきました!

また、オセロニアンが制作した絵を表彰するコンテンツ「オセロニアンセレクション’19」では、受賞した方が、現物を実際のイラストや作品を会場まで持ってきてくれて、来場者に披露してくれたんです。イベントを盛り上げていただく為のご協力が本当にありがたかったです。

――本当にありがたいよね!

まなてぃ:そうですね! あと、Twitter上に#オセロニアートというハッシュタグで画像を投稿してくれる「アート勢」の熱量もとても高いんですよ。最近では、オセロニアン主催のオセロニアート展が開催されるなど、皆さんが盛り上げてくださることが嬉しいですね。

『逆転オセロニア』チームの一員として、今後もオセロニアンの皆さんが喜んでくれるコンテンツをゲーム内外で提供し続けていくことは、私たちの使命と言えます。

――これまでの経験の中で、自分が一番成長したと感じる瞬間はありますか?

まなてぃ:「オセロニアンの宴2018-19冬」のオーナーを担当したときですね。この経験を通じて、自分のこだわりを限界まで詰め込むことの大切さを痛感しました。

――具体的には?

まなてぃ:イベント準備を当日に間に合わせることは大前提として、ノベルティグッズひとつに関しても何を貰ったら嬉しいかはもちろん、貰ったあとにオセロニアンの皆さん同士でどんなコミュニケーションが発生するか考えたりなど、デザインも徹底的にこだわりました。

全国をまわるイベントでしたので、前の会場のアンケートでオセロニアンの皆さんからいただいた一つひとつの不満の声についても、きちんと次の会場では改善し、満足度を上げていきたいという思いを詰め込んでイベントを行っていきました。

開催後に「ノベルティが素敵だった!」「安心して楽しめる大会のルールだった」などコメントをいただいたときは、こだわりや大切にしたところがきちんと伝わっていることを感じました。この経験を通じて、やれることは全部やるべきと痛感したので、とにかくこだわりを詰め込むようにしています。

どんな些細なこだわりや直前の調整も全ては、オセロニアンの皆さんの良い思い出になるために必要なことだと思っています。

――今はチームリーダーをしていますが、メンバーと接する時に大切にしていることは何ですか?

まなてぃ:難しいですが……最後の意思決定は「各メンバーが責任を持って決めること」ですね。

リアルイベントでは、たくさんの人の力を借りて実施します。そのため、さまざまな意見が飛び交いますし、ときには意見が対立することもあります。

でも、コミュニティチームのみんなは、オセロニアンの皆さんと顔を合わせる機会が一番多いんです。だからこそ、自信と責任をもって各メンバーが意思決定をすることが大切だと思っているんです。

――なるほど! では意思決定をする上で、大切なことはありますか?

まなてぃ:リアルイベントでは、何十回も参加してくださってている方から、 今回が初参加だという方もいらっしゃいます。ゲーム内も一緒で、何年間も楽しんでくださっている方から、まだ『逆転オセロニア』をはじめて数ヶ月の方もいらっしゃいます。

コミュニティは毎日動いていますので、さまざまなオセロニアンの方がいらっしゃるコミュニティの”今”をきちんと理解して、方向を考えられること。そして、プロジェクトとしての成功やオセロニアンの皆さんの満足度など、さまざまな観点を踏まえて、最後は各メンバーが”今”のコミュニティに向き合った上で、決め切ることが大切だと思っています。

ただ、意思決定してもらったことに対して、各施策オーナーに「なんでそうしたの?」とは聞かないことを私の中のルールとしています。もちろん問題を発見した時は、追って調整させてもらう時もありますが……。

――新卒2年目とは思えないコメント……(笑)。

まなてぃ:そうですか?(笑)。 でも決めなきゃいけないことって本当に多いんですよ。

例えば細かいところだと、イベントのお土産のネックストラップの幅を何mmにするとか……。そういう小さいことから、個人でしっかり決めて行かないと、今後大きい意思決定ができるようにならないと思います。もちろん、相談がダメな訳ではないので、私も含めて、悩んでいる時はしっかり相談するようにしています!

――今後はどんな挑戦をしていきたいですか?

まなてぃ:『逆転オセロニア』はゲーム性に限らず、ゲームの世界観を愛してくださったり、キャラ愛が本当に強い方だったり、キャラクター(駒)のスキルを考察したり、YouTubeやMirrativでの動画配信で盛り上げてくださったり、自主運営の大会を作ってくださったりなど、多彩な趣向性のオセロニアンによって支えられています。そしてそんなオセロニアンの皆さんが『逆転オセロニア』の魅力をどんどん大きくしてくださっていると思っています。

だからこそ私も、『逆転オセロニア』のさまざまな面を楽しんでいただけるような施策ができればなと思っています。そしてオセロニアンの皆さんが作り上げてくださっているたくさんのコンテンツや活動を、公式としてもっと盛り上げる施策を実現していきたいです。

――ちなみにDeNAで実現したいキャリアなどはありますか?

まなてぃ:まずは、引き続きオセロニアンの皆さんに「『逆転オセロニア』を好きで良かった」と思っていただける体験を届けていくことです。今絶賛準備中の、「オセロニアンの戦 2019」にもたくさんのご応募をいただいており、オセロニアンの皆さんに楽しんでいただけるように頑張ります!

そして今後も引き続き、安心して応援してくださるような環境を作れるコミュニティマーケターになりたいです。コミュニティマーケティングという仕事が、より世の中に認められるように頑張っていきたいですね!

「共感と応援の時代」へ


ちゃんもも | 公式YouTube担当
「オセロニア情報局」の元メンバーで、現在は『逆転オセロニア』公式YouTubeと、プロバスケットボールクラブ「川崎ブレイブサンダース」YouTubeチャンネルを担当。

――それでは簡単に自己紹介をお願いします。

ちゃんもも:2017年3月から2019年6月までの2年間、『逆転オセロニア』の公式YouTubeチャンネル「オセロニア情報局」の中の人として、オセロニアンの皆さんにゲームの最新情報をお届けしつつ、裏では編集や撮影などを担当していました。

プロデュースする立場に回りたいという夢のため、今年6月に演者を卒業し、現在は新しい情報局のメンバーの「ルルカ」をサポートしています。

また、8月からプロバスケットボールクラブ「川崎ブレイブサンダース」の公式YouTubeチャンネルでも、選手の魅力を多くの人に知ってもらえるようなYouTube運用をしています。

――動画に出演するケースは今までのDeNAではあまりなく、出演に関して覚悟が必要だったと思うのですが、出演の経緯を教えてください。

ちゃんもも:SNSが普及し、「個」がメディア化されるようになり「個の時代」と言われるようになりました。そんな中で私は「個」を応援できるような仕事がしたいなーってずっと思っていたんです。

ただ、応援するためには、まず自分が「個」としての気持ちを理解することが大切だと感じ、出演を決めました。もちろん『逆転オセロニア』が好きだったことは大前提としてあります。

――実際に出演してどうでしたか?

ちゃんもも:YouTubeは視聴者との距離が近いメディアなので、フィードバックも毎回リアルタイムで見れて楽しいですが、反面大変なことも多かったです。もちろん、オセロニアンの皆さんと同じコンテンツでやり取りできるのは楽しかったですね。

――大変なことも多い中、長期間出演できたの理由は何ですか?

ちゃんもも:やっぱり応援してくださるオセロニアンの皆さんがいたから、という理由に尽きると思います。卒業した今でも、応援のお手紙をいただくこともあって、自分の頑張る糧になっています。

まなてぃ:情報局の2周年イベントの反響もすごかったもんね。企画がちゃんももで、運営が私でした。

ちゃんもも:当初想定していたよりも本当にたくさんの方に応募いただいて、嬉しかったですね。

――情報局では、どのくらいの頻度で動画をアップしていましたか?

ちゃんもも:以前は週に2本前後、多い時は毎日アップしていました。

――そこまでの高頻度だと振り返りの時間が足りないと思いますが、どうやって振り返りをしてきましたか?

ちゃんもも:YouTubeのコメントやTwitterでの投稿はすべて目を通しています。

あとは、情報局の運営メンバーは常に「ユーザーファーストなのか」という軸で議論をしていて、そういった心がけが、次のアクションのスピードだったり、正しい改善だったりに繋がっていたんだと思います。

――人の個性を見て仕事の振り方を分けていると思いますが、チームビルディングで大切にしていることは何ですか?

ちゃんもも:普段の仕事においても、メンバーの「個」が最大限活きるような環境を作りたいと思っています。一人ひとりと向き合って、良いところを引き上げていくことが私の仕事かなあって。

まなてぃ:ちゃんももって、かなり男前なんです(笑)。でもこの職能は本当に根性が必要かも。

――メンバーとのコミュニケーションに関して大切にしていることは何ですか?

ちゃんもも:『逆転オセロニア』プロデューサーのけいじぇいさんから、「共犯者をつくりなさい」と教えてもらったことが、現在の私のスタンスになっています。

何かを実行するときもトップダウンで「これやって!」ではなく、一緒に巻き込んで作っていくような体制に変えてから、スムーズに進むようになりました。

――「YouTube×コミュニティ」についてどう考えていますか?

ちゃんもも:今の時代は「共感と応援の時代」に突入していると感じています。SNSの普及などによって「個」がメディアになれるようになり、その「個」が夢を追っている姿に共感して、一緒になって応援するスタイルに変化していると思います。

私がYouTubeのコンテンツで一番大事にしているのは「等身大」なんです。番組内でガチャが出なければ出ないって正直に伝えますし、弱いキャラクターを強いとは決して言いません。そのような等身大でプレイする私たちの姿を見て、共感してもらってコミュニティが生まれ、その力が巡り巡ってゲームにも貢献できていると思っています。

「川崎ブレイブサンダース」の動画に関しても、変わらない想いで作っているので、選手という「個」を見てもらい、プロでも失敗するという共感を覚えてもらうために、敢えてNGシーンも載せています。それを魅力のひとつとして、ファンになって応援してもらいたいと企画しました。

今後もこのようなメディア運用は、YouTubeのコミュニティの作り方としてはスタンダードになっていくのではないでしょうか?

――自分がステージに登って好きなコンテンツを作るイメージですよね。

ちゃんもも:近いですね。そのステージで頑張っている姿を見て、有名にさせてあげたいと思ったり、その変化を常に捉えている人がコミュニティで成功すると思っています。

元情報局の「ちゃんもも」や「さをり」みたいな、ゲームプレイも下手で、どこにでもいる普通の人の番組を熱心に見てくれるのって、オセロニアンの皆さんが「応援したい」と思ってくれた気持ちの表れなんじゃないかなと。情報局の卒業時も快く送ってくれたので、この2年で得たものはとても大きいと感じています。

――今後YouTubeはどう進化していくと思いますか?

ちゃんもも:より大きなコミュニティになっていくのは間違いないですね。演者と視聴者の距離が近づいているからこそ、言葉が持つ魔法のような力を感じました。発する内容で希望を与えることもできるし、幻滅させることもできます。

なのでYouTubeに関して他の人との連携時は、表現や言葉じりなどをすごく考えて話しています。

――今後やっていきたいことを教えてください。

ちゃんもも:私はやっぱり「個」が輝く瞬間をこれからも作っていきたいですね。現在はYouTubeというメディアが得意なので、『逆転オセロニア』と「川崎ブレイブサンダース」をしっかり盛り上げていきたいと考えています。

――期待しています!


以上、コミュニティ運営の最前線で活躍する3名のインタビューをお届けしました。

DeNAのマーケティング部では、3年ほど前からコミュニティマーケティングの専門部署を立ち上げており、定量的・定性的にもかなりのノウハウを蓄積しています。彼女たちがそれらのノウハウを駆使し、またある時には過去にとらわれずに新たな「仕掛け」を展開していく今後の活動に、ご期待ください!

インタビュー:鶴川 将志
執筆:細谷亮介
編集:佐藤剛史
撮影:波多野匠

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
[su_note note_color=”#ffffff” radius=”10″]

GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

GeNOMの最新情報は、公式Twitterアカウントやにて確認いただけます。ぜひフォローをお願いします!

[/su_note]

【DeNAマーケティング部特集vol.3】認知広告や新指標作成など、デジタルマーケティングの新たな可能性にチャレンジ。その取り組みの背景に迫る。

Web広告出稿に加えてYouTube出稿やASOなど、デジタルマーケティング施策全般のプランニングと実行を担うデジタルマーケティンググループ。ゲームアプリ市場の競争環境が激化する今、さまざまなチャレンジを試みる彼らのミッションや役割、そしてグループを構成するチーム体制、そして今後の展望等について、川口隆史、坊拓磨、齋藤岳の三人に伺いました。

[su_note note_color=”#ffffff”]

川口 隆史 | デジタルマーケティンググループ グループマネージャー
2009年DeNA入社。2012年からマーケティング領域に従事し、Mobageの会員獲得目的の広告出稿担当、アプリマーケティングの立ち上げ担当、さまざまなゲーム/エンタメアプリのデジタルマーケティング担当を経て、2016年よりゲーム領域のデジタルマーケティング責任者に。

坊 拓磨 | デジタルマーケティンググループ
2014年Web専業代理店に新卒入社し、スマホアプリを中心とした広告代理店営業に従事。2016年DeNA入社。広告チームのリーダーとしてチームマネジメント、メンバー育成を担当しながら、自身でも複数のタイトル戦略立案や施策推進を行っている。

齋藤 岳 | デジタルマーケティンググループ
2015年Web専業代理店に新卒入社し、さまざまな商材の広告代理店営業に従事。2017年DeNA入社。複数のタイトルにおけるデジタル広告の戦略立案や施策推進、DeNAのゲームタイトル全般のGoogleプロダクトを活用した広告担当を務めている。

[/su_note]

各領域にスペシャリストを配置した、
独自のデジタルマーケティング体制

ーーまずはデジタルマーケティンググループの基本的なミッションについて教えてください。

川口:デジタルマーケティンググループのミッションは、各ゲームタイトルの拡大に向けたデジタルマーケティング施策のプランニングおよび実行です。Vol.2でも登場したマーケティングプロデューサーと連携し、事前登録期~リリース後までの全てのデジタルマーケティング施策を担当しています。

デジタルマーケティンググループ グループマネージャー
川口 隆史

川口:具体的な施策としてはWeb広告出稿がメインですが、他にもYouTuberとのタイアップ動画の出稿やASO(アプリストア最適化)も担っています。

プロジェクトに参加するタイミングとしては、マーケティングプロデューサーは開発初期段階から入っていきますが、我々は最初のうちはマーケティングプロデューサーの相談相手としていろいろ壁打ちしつつ、事前登録の少し前から本格的にアサインされていきます。

【DeNAマーケティング部特集vol.2】ロジカルとパッションの絶妙なバランスで戦略を描く!マーケティングプロデューサーの仕事術

ーーグループ内の体制についても教えてください。

川口:グループ内にはチームが3つあります。1つ目は「[su_highlight background=”#fcff99″]クリエイティブチーム[/su_highlight]」で、広告用のバナーや動画制作などを担当しています。

2つ目は「[su_highlight background=”#fcff99″]レポートチーム[/su_highlight]」です。主に広告のレポートを作成・運用していくのですが、その基盤部分の構築や、アドテクを使った広告効果改善のための技術的サポート、アプリのSDK周りなどのシステム的な部分も担当しています。

そして3つ目が「[su_highlight background=”#fcff99″]広告チーム[/su_highlight]」です。坊と齋藤がこのチームのメンバーで、坊がリーダーを担っています。このチームの役割は主に2つありまして、1つ目は「広告メニュー担当」、もう1つが「タイトル担当」です。

ーー「広告チーム」の役割について、もう少し詳しく教えてください。

川口:まず「広告メニュー担当」ですが、当社では広告メニューごとに担当者がいます。たとえばFacebook広告はAさん、Twitter広告はBさんといった具合です。そのAさんは我々がプロモーションを展開している全タイトルのFacebook広告に責任を持ち、効果を出すように代理店や媒体社とやりとりを行っています。

もう1つの「タイトル担当」は、たとえば『逆転オセロニア担当』というように、特定タイトルを担当します。マーケティングプロデューサーと密に連携し、担当タイトルのデジタルマーケティングの戦略やクリエイティブ方針などを考えて実行していくのが役割です。

「広告メニュー担当」は特定領域に関して徹底的に深く、「タイトル担当」は広く全体をみるイメージで、この2つは兼務する方針にしています。例えば、Aさんはfacebook広告の広告メニュー担当、かつ『逆転オセロニア』担当、という形で取り組んでいます。

このようにデジタルマーケティンググループは、3チーム(4役割)構成という、[su_highlight background=”#fcff99″]業界内でも比較的充実した体制[/su_highlight]になっています。

ーー各チームの雰囲気はいかがでしょうか?

齋藤:チームの雰囲気としては、DQ(DeNAQuality)の中の「発言責任」が体現できているチームであると思っています。

※DQ(DeNA Quality):チームとして最大限のパフォーマンスを発揮するために掲げられた、全社員に必要な共通の姿勢や意識(「こと」に向かう・全力コミット・2ランクアップ・透明性・発言責任)

おそらくデジタルマーケティングの領域がロジックに基づく内容が多いこともあるのですが、会議体として、誰かが課題を持ち寄ってきてそれに対してみんなで議論する場や、たまたま出会った他社の広告についてどう思ったかを議論する場があり、自分の意見を求められる機会が多い環境であるから、というのも理由だと思っています。

ーー広告クリエイティブなども議論の対象になったりするのですか?

齋藤:はい、なりますね。例えばコピーをみんなで考えて実際に配信してみた際に、誰が発信したコピーが一番良かったかを競い合ったりすることもあります。

デジタル広告はすぐに結果が出る良い面もあり、常に楽しみながらやれますし、結果として楽しんでやったクリエイティブのほうが結果が良かったりすることも数多くありますね。

齋藤 岳

ーー先ほど充実したな体制という話がありましたが、現在の体制になったキッカケはあるのでしょうか?

川口:もともとDeNAはMobageという単一のゲームプラットフォームの会員獲得を目的としたプロモーションしていたので、タイトル毎という概念がありませんでした。

当時の体制としては、メニューごとに担当者を付けるといったもので、そのやり方を経験するうちに各メニューについて詳しくなり、他社に比べて先進的かつ効果的な取り組みができるようになっていきました。

その後アプリの時代になってからタイトルという軸が出てきたので、メニューカットという軸は残しつつ、タイトル担当も付けようというスタイルに変化していきました。

アプリゲームの会社として組織を作るという場合に、このような体制にするべきかの正解はわかりませんが、我々としてはこの体制が一番良いのではないかと考え、現在に至ります。

ーー他にデジタルマーケティンググループの強みなどありましたら教えてください。

川口チームが3つあり役割を分けることで、各担当者がスペシャリストとして高いレベルの知識を有していることが組織の強みだと思います。

その結果、まだどこも行っていない新しい施策に積極的に取り組むことが出来ており、代理店や媒体社と一緒に新しい事例を定期的に世に出すことが出来ています。

赤裸々に話し合える、代理店とのオープンな関係性

ーー広告出稿では、広告代理店との協力も必要だと思います。代理店とはどのようにお付き合いしているのでしょうか?

:複数の代理店とお付き合いさせていただいており、特に頻繁に接している代理店とは良好な関係を築けていると思っています。

その理由としては2つあります。1つ目は私たちの体制が広告メニューごとに分かれていることです。DeNAでその部分に一番詳しい広告メニュー担当が、代理店の担当の方と日々密にやりとりしているので、非常に質が高い議論ができているということです。

2つ目は代理店のマネージャーの方と一緒に、現在の体制や日々の課題を赤裸々に話す場を毎月設けており、会社同士のオープンなお付き合いができていることです。

良い部分はお互い褒め合い、課題の部分に関しては改善方法を意見し合う場を、頻繁に設定できているところも良好な関係性を維持できている理由だと考えます。

坊 拓磨

ーーそのような代理店とのやりとりの中で、具体的にどのような改善を重ねてきたのでしょうか?

:広告運用をしていく中で、今のまま続けていても抜本的な改善に繋がらないと感じた際は、「課題感の共通認識をお互いすり合わせたい」といった打診などを行ってます。課題感の共通認識をしっかりすり合わせることで、確度の高いネクストアクションが生まれ建設的な議論ができることが多々あります。

また、お互いにとって意味のある会議体に適宜変更したりもしてますね。議題に対して必要なメンバーを募り、必要な時間だけ割くという部分は常日頃から意識しております。

会議体を検討していくなかで、代理店と媒体社とDeNAとで三社が同じ目線で一つの施策や目標に対し、達成するためには何が必要かについて真剣にディスカッションする場が生まれたりもしています。

デジタルマーケティングの新しいチャレンジ

ーー時代が変化する中、デジタルマーケティングにおいても新しい取り組みが求められていると思います。具体的に行っているチャレンジについて教えてください。

齋藤:ゲームアプリ市場はレッドオーシャン化してきており、ゲームユーザーに選んでもらう難易度は日々上がっていると感じています。

そういった状況において、他社が行っていないことや、業界の先駆けになるような試みをやっていくことは必要不可欠だと考えており、積極的にチャレンジを行っています。

直近取り組んでいるチャレンジとしては、定量的に振り返ることができる認知広告の出稿です。アプリマーケティングは「ダイレクトレスポンス」と言われる、直接インストールに誘導する広告がメインですが、先ほどお話ししたように現状の市場においてはやはり選んで貰う難易度も高く、ダイレクトレスポンスも獲得パフォーマンスが落ちてきている現状があります。

そこで、まずはタイトル自体を面白そうと思ってもらうために、インストールまではいかないものの、タイトルに対する「認知度」や「好感度」を上げることを目的とした広告に積極的にチャレンジしています。

ーーこのようなチャレンジをする中で、難しさを感じた部分はありますか?

齋藤:このような広告はすぐに効果がでるものではないので、定量的に効果を示すことが難しいです。そこをどうやって定量的に評価し、意味のある投資を行っていくか、ということについて熱量高く取り組んでいます。

また、もう一つのチャレンジとして、既存ユーザーと広告を作っていく取り組みも行っています。今の市場は、企業からの一方的な広告よりも、友達の口コミやオススメのほうが効果的なケースも多いと感じています。そこで、こちらが考えた広告クリエイティブだけではなく、既存ユーザーの声を広告にうまく活用させていただくという施策にもチャレンジしています。

具体的には、広告の誘導先をTwitterのハッシュタグにして、未インストールユーザーに既存ユーザーのTwitter上での盛り上がりをみていただく、という広告配信のアプローチなどです。

ーーこちらはインストールが最終的な目標になるのでしょうか?

齋藤:そうですね。直接ストアに遷移させるというより、新規ユーザーに既存ユーザーが楽しんでいる部分をみてもらうことでインストールにつなげることを目標にしています。
こちらは以前実施した時には想定以上の効果がありましたので、他にもこういうアプローチができないか常に考えているところです。

このあたりはコミュニティマーケティンググループとも連携し、グループを超えたチャレンジをしています。

【DeNAマーケティング部特集vol.4】SNS、リアルイベント、You Tubeーー各担当者が語る、コミュニティマーケティングの現在地とこれから

施策に合わせてフレキシブルにKPIを設定

ーー坊さんにも同じ質問です。デジタルマーケティングの新しいチャレンジとして、具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか?

:これまでさまざまなWeb広告を出稿して、新規インストール数の拡大を目指してきました。その過程の中で、計測しきれなかったインストール数や、復帰ユーザーのアクションなど、副次効果は結構あるのではと感じていました。

そこで、それらの副次効果を新規インストール数の価値に変換して、成果に組み込んだvNUUという指標を作りました。

ーーvNUUを作ることでどのようなことが可能になったのでしょうか?

:副次効果分も成果に組み込んだことにより、本来の成果値で効果判断が可能になりました。

またそれによって、代理店とのコミュニケーションも、計測ツール上の数字だけでなく、それ以外の効果も含んだ数値を元に本質的な議論ができるようになり、結果として日々の広告効果改善に繋がっています。

ーー新たな指標をつくり、それをKPIとしているんですね!

:そうですね、それ以外にも「YouTubeチャンネル登録」や「LINE友達登録」、「動画視聴」などをそれぞれの価値を試算した上でKPIとすることにもチャレンジしています。インストール数だけでなく、提供したいユーザー体験にあった適切なKPIを設定することが重要だと思ってます。

“DeNA✕ゲーム✕デジタルマーケティング”の可能性

ーー今のゲーム市場の競争環境において、難しさを感じることはありますか?

川口:CPIの相場感がどんどん上がっていると感じています。我々もLTVを鑑みてCPIを設定するのですが、その範囲内でやろうとすると難易度が上がり、インパクトある成果を出せなくなってきます。よって、認知に向けた取り組みや、指標自体を見直すことなど、さまざまなことにチャレンジしています。

ーーゲームアプリを扱うことの面白さについては、どう感じてますか?

川口:まずはゲームアプリ業界はWeb広告の予算が比較的大きいので、代理店や各媒体社がゲームの広告効果を上げることにすごく力を入れてくれる、というのがあります。

坊からも話はありましたが、代理店や媒体社と「こんなことができたらもっと効果的なのでは?」といった話をしながら、新しい広告のカタチを模索していける環境であるのは、マーケターとして非常に面白いと思います。

あとは業界内でも、我々と同じようなことを考えている他社の方もたくさんいますので、いろんな人と情報交換や勉強会などをしながら切磋琢磨していくことができるのも非常に刺激的だと思ってます。

ーー代理店でなく事業会社であることの面白さについてはどうですか?

:仕事の領域を広げることができるのは面白い点ですね。齋藤の事例でもあったように、Web広告だけでなくコミュニティマーケティングなど、他の領域に越境して一緒に施策を進めていくことも多いです。

あとは見れるデータがかなり多いので、さまざまな仮説を立てやすくなりました。仮説をいくつもたてられることは「施策の成功確度」をあげていくことに繋がるので、とても良い環境だと思います。

ーー最後に、デジタルマーケティンググループとしての今後の展望を教えてください。

川口:デジタルマーケティングの力でDeNAのゲームをヒットに導いていきたいです。

そのためにも、今の厳しい市場環境でもインパクトが出せる新しいチャレンジを引き続き行っていきたいと考えています。

これまでも強みとしてきたダイレクトレスポンスをゴリゴリやる、というのはしっかり継続しながらも、ブランディングや認知といったこれまでアプリゲームではあまりやりきれていない施策を、しっかり定量評価しながらPDCAを回すことで形にしていきたいです。
我々の取り組みの中から次のゲームマーケティングの王道と言われる施策を生み出せるといいな、と思っています。

また、そこで得られた知見をしっかりDeNAのゲーム以外の事業にも展開し、デジタルマーケティングが強い会社といえばDeNAだよね、と言うブランドを作っていきたいですね。

ーーなるほど、ありがとうございました!

インタビュー・編集:佐藤剛史
執筆:及川知也
撮影:波多野匠

※本記事は2019年9月時点の情報です。

[su_note note_color=”#ffffff” radius=”10″]

GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

GeNOMの最新情報は、公式Twitter アカウントにて確認いただけます。ぜひフォローをお願いします!

[/su_note]

【DeNAマーケティング部特集vol.2】ロジカルとパッションの絶妙なバランスで戦略を描く!マーケティングプロデューサーの仕事術

年々厳しさを増すアプリゲームの競争環境。今回はその市場に新たな可能性を切り開いていくマーケティングプロデュースグループを束ねる遠藤潤二と橋本貴広、そして第一線で担当タイトルのマーケティング戦略を担う古屋満春と木村圭江に、マーケティングプロデューサーとしての役割や業務内容、DeNAに入社して感じた事、これからの展望について語っていただきました。

[su_note note_color=”#ffffff”]

遠藤 潤二 | マーケティングプロデュース第一グループ グループマネージャー
2011年DeNAに入社。ゲーム事業専門のマーケティング組織(現マーケティング部)を立ち上げ、自身もマーケティングプロデューサーとして、数々のタイトルの新規立ち上げや運用をリード。現場のマーケティング、プロモーションを取り仕切る。

橋本 貴広 | マーケティングプロデュース第二グループ グループマネージャー
Webの広告代理店を経て2015年DeNA入社。現在はゲームタイトルのマーケティング全般(テレビCMやイベント等含む)の戦略を策定し、関連部署と連携して全体を推進するチームのマネジメントに従事。趣味は子どもと遊ぶこと。

古屋 満春 | マーケティングプロデュース第一グループ
2016年DeNA入社。前職ではリードプランナーとして、アプリゲームの企画やディレクションを担当し、新規立ち上げや運用に携わる。DeNAに入社後はマーケティングプロデューサーとして、大型IPタイトルをはじめとした複数タイトルのマーケティング戦略立案と推進に従事。

木村 圭江 | マーケティングプロデュース第二グループ
2017年DeNA入社。前職含めブラウザゲーム時代からアプリゲーム全盛期にかけ、マーケティングプロデューサーとして国内外複数タイトルの戦略策定や、マーケティング業務全般の推進を行う。音大卒、無類のエンタメ好き。

[/su_note]

マーケティング戦略を牽引する、重要なポジション

ーーまずはマーケティングプロデューサーの役割について教えてください。

遠藤:マーケティング領域の責任者として、テレビCMやデジタルマーケティング、リアルイベントなど、オンライン・オフライン問わず、マーケティング戦略の全体設計を描き、担当タイトルをグロースさせていくことが大きなミッションとなっています。[su_highlight background=”#fcff99″]事業責任をゲームプロデューサーと一緒に担っており[/su_highlight]、他の専門職種と比べるとそこが大きく異なる部分だと思います。

我々が旗振り役として、デジタルマーケティングコミュニティマーケティングなどの各スペシャリストの職能のメンバーと連携をしながら動いていく事になるため、マーケティングプロデューサーの動き方ひとつで、担当タイトルの市場でのポジショニングや方向性が大きく変わる可能性もあります。バジェットや責任は大きいですが、0から作っていくので、その分大きなやりがいや達成感も味わえます。

マーケティングプロデュース第一グループ グループマネージャー
遠藤 潤二

ーーゲームアプリを扱うという観点で、マーケティングプロデューサーのやりがいはどのようなものがあるのでしょうか?

橋本:今のアプリゲーム市場は競争環境が激しく、プレイヤーの目もかなり肥えてきている背景があります。その中で正確にプレイヤーのインサイトやトレンドを把握したうえで、さらにその想像を超える本当に面白いゲームを届けていかないと、市場の中で生き残れないというのが実情です。

ただその反面、このような市場だからこそ、さまざまな施策を通じて「遊ぶ必然性」と「遊び続ける必然性」を創造し続けることはマーケターとしての腕が問われますし、そこがやりがいや面白さにつながってくると感じています。

https://genom.dena.com/other/marketing_department2019/

ーー新規タイトルと運用中のタイトルでは、マーケティングプロデューサーので動き方はどのように変わっていくのでしょうか?

橋本:タイトルが世に出ているか出ていないかの違いはあるものの、根本的な部分では変わりません。何よりも、プレイヤーに驚きをもって喜んでもらえる価値を提供できるか、が重要です。

とはいえ、具体的な動き方でいうと当然変わってきます。新規タイトルでは、開発初期段階からゲームプロデューサーとタッグを組んで、マーケティングの全体設計やマーケティングチームの構築などに着手します。

マーケティングプロデュース第二グループ グループマネージャー
橋本 貴広

一方、運用タイトルでいうと、ゲームをアップデートしてより良くしていくという点では同じですが、それに加えて「ゲームの面白さを届けていく」ことや、「ゲームをプレイし続けてもらう」ことが新たに加わるミッションとなります。

実際に「プレイヤーが面白いと感じているポイントはどこなのか?」「ネガティブに感じている部分はどこなのか?」など、プレイヤーの声の行間に潜んでいる部分、それを読み解いて提供すべき価値が何なのかをしっかり把握した上で、市場に投じることが大事だと思っています。

そのためにも統合型マーケティングを強い推進力で実行していくことは重要ですし、ときにはプレイヤーの声を直接聞いて軌道修正していく柔軟性も必要です。

積極的な越境で、プレイヤーにデライト(楽しさ)を届けていく

ーー「ゲームの中身をどのようにしていこうか?」という部分にも入り込んでいるのでしょうか?

橋本:はい、マーケターは最もプレイヤーに近い立ち位置であるため、[su_highlight background=”#fcff99″]マーケットインの観点で開発メンバーと一緒にゲームを作っていく[/su_highlight]という動きはとても重要です。フェーズごとに差はありますが、基本的にはゲームプロデューサーやディレクターらと一緒に、我々マーケティングプロデューサーも「どうやってこのタイトルを面白くしようか?」という話をすることが多いです。

繰り返しになりますが、マーケティングプロデューサーは、集客面のことだけを考えればいいということはありません。「こうやったらもっと面白いんじゃないか?」という議論は、垣根なく皆で言い合ったりしています。

また、開発チーム側からも「こんなプレイヤーにゲームを届けていきたい」「こんなマーケティング施策をやってみたい」と意見を出してくれています。実行の際には、ゲーム外の領域に関しては我々マーケティング部が担当しますので、皆のやりたい内容を集約し、吟味しながら進めていきます。

遠藤:開発チームとマーケティング部の連携力の高さもDeNAの強みだと思います。市場の競争が激化している中、チームの全員が連携をしてプレイヤーファーストな施策を考えていかなければなりません。

その観点から言うと、開発チームはゲームの中だけ、マーケティングチームははゲームの外だけをやればいい、ということではなくなってきているとは感じます。必然的に越境せざるを得ない状態になってきているかなと思いますね。

ーーマーケティングプロデューサーとしては、開発チームからの要望もまとめながら施策を推進していく「コミュニケーション能力」が求められていきそうですね。

橋本:そうですね、意見を各メンバーが出すということは非常に良いと思うのですが、方向がバラバラではシナジーは活かせないので、最初に前提としてのマーケティング戦略・ビジョンを強く掲げ、チームメンバーの発言の意図を読み取りつつ、「コト」に向かって実行に移していくチカラが必要だと思っています。

妥協なき化学反応を引き起こす

ーー古屋さんと木村さんにもお話を伺っていきたいと思います。DeNAのマーケティングプロデューサーとして、入社後に感じたエピソードなどあれば教えてください。

古屋:入社してみて驚いたことは、想像以上にセクションや役割関係なく、誰もが積極的に発言していく文化があるということです。「誰が言ったか」でなく、「何を言ったか」が反映されるところが印象的に感じましたね。

もちろん発した意見・アイディアがタイトルやプレイヤーにとって有益だとチーム内で合意されれば、誰の意見かは問われずに、ゲーム内の機能やイベントとなって実装されることもあります。

ーーでは、入社直後から古屋さんも積極的な発言を?

古屋:そうですね。年間の開発計画や運営計画を決めるフェーズから、開発プロデューサーやプランナー、エンジニア、デザイナー等の開発チームのリーダー陣はもちろん、マーケティング担当である私や分析チームのリーダーなどが参加して何度も会議を重ねて決めていきました。実際に私が提案した内容も機能となって実装されました。

こういったゲーム内での体験を作るフェーズから携わることができるため、ゲーム内とゲーム外の[su_highlight background=”#fcff99″]メッセージを一貫させたマーケティングをプランニング・実行できる[/su_highlight]ことは利点だと思います。

マーケティングプロデュース第一グループ
古屋 満春

木村:私が入社してびっくりしたのは、仕事に向かう姿勢としてプレイヤーへのデライト精神が役割関係なく一人ひとりに浸透しているところだと思います。

入社早々に担当したキャンペーンのランディングページを作るというのがありましたが、スケジュールも迫っている中、まあまあ良いものができたと個人的に思っていたものの、皆でもう一度集まってレビューした際、「もうちょっと良くできるのではないか?」という意見が挙がったんですね。

そこからスケジュール的には厳しかったですが、ブラッシュアップしてさらにより良いものができたことは、今でもしっかり心に刻まれています。

ーー意思決定からの実行スピードは早かったんですね。

木村:はい。DeNAは社員数が多いこともあり、入社当時は意思決定のスピードが多少なりとも遅いのではと想定していたのですが、良い意味で想定外でした。むしろ速いくらいです。オフィスのいたるところにあるスタンディングのMTGスペースもあり、「今話せますか?」という感じでクイックにMTGし、すぐに方針が決まるパターンが多いですね。

マーケティングプロデュース第二グループ
木村 圭江

ーー開発チームの一員として、すぐにDeNAの文化を体感されたのですね。では、DeNAマーケティング部という組織への印象はいかがでしたか?

木村:マーケティング部の体制はすごく整っていると感じています。現在マーケティング部自体は70名程いて、1タイトルにつく人数も多いです。きちんと役割分担や連携ができているので、マーケティングプロデューサーの重要な職務の1つでもある「[su_highlight background=”#fcff99″]戦略を考える[/su_highlight]」ことにもしっかりと集中できるのが嬉しいですね。

一般的にはマーケティングプロデューサーとはいえ、事務的な作業や調整事項が多くなり、「考える時間」が少なくなってしまうケースもあると思います。それがDeNAだと、単に体制が整っているだけでなく、部内にそれぞれのスペシャリストがいるので、任せられる部分は任せて、考える部分は考える、といった役割分担がしっかりできますね。

ーーマーケティングプロデューサーとして一番嬉しい瞬間ってどんな場面ですか?

古屋:自分が描いたストーリー通りに物事が動くときは、仕事やっていても気持ちいいですね!

担当するタイトルによっては、これまでにない新しい遊び方を広げていくブランディング活動も不可欠になります。新しいエンタメをプレイヤーに届け、それが「面白い!」という生の声や、数字という目に見える結果として跳ね返ってきた時には嬉しさを感じます。

木村:私もプレイヤーの声を直接見たり聞いたりした時はやっぱり嬉しいですね。こういう感情になってほしい、というストーリーを描いたものに対し、プレイヤーの方々が実際に楽しんでくれたり、さらに「こんなものがもっと欲しい!」と言ってくれたりした時はすごく嬉しいです。特にリアルイベントではそれを感じます。

以前、担当タイトルで、街頭ビジョンをジャックして交通広告を展開したのですが、ゲームのアップデート時期と重ねて、オフラインのイベントで盛り上がりを作ろうと試みました。その際、定量的効果が見づらいという課題があったものの、いろいろな手法を用いた結果、良い効果が生まれました。

ーー良い効果とは?

木村:プレイヤーが「これ、待ってたよ!」みたいなことを言ってくれたり、1地点だけではなく、複数の場所で実施したことによって、地方在住のプレイヤーも喜んでくれて、長期的に見てファンが増えた・戻ってきてくれた、ということは大きな出来事でした。

そんなことを通じて、改めてゲームの面白さを伝えていくためには、定性的な自由な発想も必要なんだなと思いましたね。

ーーそういった企画はどのようにして生まれるのですか?

木村:開発メンバー含めたチームで話しているうちに自然と出てきたりします。もともとその担当タイトルがすごく好きなメンバーが集まっているので「こういう施策があったら良いよね!」という意見がカジュアルに出てくる場になっているので、それをどうしたら現実的にできるのかを話していくうちに実現した、という感じです(笑)。

“ロジカル ✕ パッション”の方程式

ーーDeNAではロジカルに物事を考える文化があると思います。戦略を決める際にも、綿密に数字を見ながら動いていくのでしょうか?

古屋:前提として、「どんなプレイヤーに何を届けたいか?」といった定性的に成し遂げたい目標を定め、その実現に向けて定量的に目標とするKPIを設定し、それに伴う予算やプランをまとめていくのですが、どうしても定量的に計算できるところには限界があるのが現実です。

遠藤:ゲームはエンターテインメントなので、すべてを定量だけで判断するものではないと思っています。もちろん定量的に設計できることはやりきることが前提ですが、それだけに固執してしまうと、想像できる範囲のものしか生み出せず、グロースするチャンスを失いかねません。

そういう意味では、「全体を通してどうすべきなのか?」「やる意義があるのかどうか?」を考慮した上で、定量と定性、そして担当者のパッションなど、あらゆる要素をバランスよく考えていく必要があると思います。

vol.1で今西が「新しいことへのチャレンジを7:3の割合でやっていく」と話していましたが、その比率はあくまで目安で、5:5の時もありますし、3:7という場合もあります。そのさじ加減を我々が責任を負って決めていくという感じです。

チャレンジし続けること、は歓迎される

ーー古屋さんと木村さんはマーケティングプロデューサーとして、今後どんなことをやっていきたいと考えているのでしょうか?

古屋:抽象的な表現になってしまいますが、業界や社内で「事例がない施策」には積極的にチャレンジしていきたいと考えています。マーケティング手法が多様化している現況下で、特定の手法しか実施しないことは、長期的に見て組織の衰退を意味していると思うんです。

これまで有名芸能人を起用した施策などさまざまな施策を実施してきましたが、ここを意識して取り組むことで組織としての知見を増やし、マーケティング部の組織力を高めていきたいと考えています。

また、事業会社のマーケターの利点として、「[su_highlight background=”#fcff99″]タイトル創出の早期フェーズから関われること[/su_highlight]」と「[su_highlight background=”#fcff99″]タイトルの意思決定者と近い距離感で話せること[/su_highlight]」があると思います。

そのためにも新規タイトルの開発フェーズから、面白さを広げていくための機能・施策だったり、遊び続けてもらうための機能・施策を開発チームと共に考えていき、その過程を踏まえた上でより本質的なマーケティング戦略を描いていくことが理想です。

今でも実現できている部分もありますが、より追求していきたいと考えています。

木村:私は2つあります。1つ目は「コミュニティマネジメントの視点強化」です。マーケティング部にはコミュニティマーケティンググループがあり、マーケティングの全体戦略を考える上でも、コミュニティマネジメントは今の市場では重きを置くべきポイントだと思います。

【DeNAマーケティング部特集vol.4】SNS、リアルイベント、You Tubeーー各担当者が語る、コミュニティマーケティングの現在地とこれから

コミュニティマネジメントの視点はサービス開発初期から取り入れ、機能に盛り込む必要もあります。必要に応じて開発チームへの提案をするのも、マーケティングプロデューサーの役割だと考えています。

2つ目は「知恵を絞る0円マーケティング」です。今の市場で勝つためには、ある程度大きなマーケティング費用の投資が必要ですが、たとえ費用が0円でも、知恵を絞ることによってプレイヤーの喜ぶコンテンツを作ったり、より多くの方にタイトルを知ってもらうために何ができるかを考え抜くようにしています。

最近では、あるキャラクターとコラボするという施策を行ったのですが、その際にゲームUIを模した設備をダンボールで手作りし、コラボキャラの着ぐるみが現実の世界でゲームを体験する様子を動画で紹介したのですが、多くの反響をいただきました。

ーー各マーケティングプロデューサーが描いた戦略は、マネージャーがチェックをするのですか?

遠藤:チェックというよりも、レビューはしっかりと行いますね。その中で、完全なダメ出しというのはあまりしていないと思うのですが、実際どうですかね?(笑)

古屋:ダメ出しとかはありませんでしたね、そういえば(笑)。共有や相談は遠藤さんや橋本さん、そして開発プロデューサーらと行っていますが、戦略的に「こうしたい!」というwillの部分は任せてもらっています。

描いたマーケティング戦略に対し、どうしたらもっと良くなるかという観点でマネージャーからアドバイスをいただくことはありますが、承認されないと実行できないという事はありません。

遠藤:何事にも勝率というのは当然ありますが、勝つための選択肢は必ずしも1つではないと思いますので、最終的には現場の目線をもったマーケティングプロデューサーが「これでいける」と思ったものを実行すべきだと考えています。

マネージャーとしてという観点だと、勝てそうな道をただ提示するだけではなく、決めた道の中で勝てるようにフォローしていくという事も重要だと考えます。もちろん、現場のマーケティングプロデューサーが「いける」と思っていないと感じたら、その時は全力でダメ出しをしますけどね(笑)

ステークホルダーが多いからこそ、大事にしたいこと

ーーマーケティングプロデューサーは、どんなキャラクターの人が多いのですか?

遠藤:ロジカルタイプの人もいれば、パッションタイプの人もいますし、本当に色んなタイプのメンバーがいると思いますよ。共通点といえば、当たり前ですがマーケティングが好きな人、そして日々情報にアンテナを張っている人くらいでしょうか。

仕事の進め方や、広告メニュー1つとってもそうなのですが、我々の扱っているものはエンターテインメントなので、時代の移り変わりによって、楽しさの価値や提供方法は変わってきます。ですから、時代に合わせたやり方で、プレイヤーに伝わりやすい内容で常にアップデートしていく必要があると思っています。

今後もDeNAでは新規タイトルをリリースしていく予定ですので、必然的にマーケティングプロデューサーの増員も行っていくことになります。さまざまなバックグランドを持つ方をお迎えし、さらに賑やかな組織にしていきたいですね。

ーー最後に、マーケティングプロデューサーとして、一番大事にしていることを教えてください。

橋本:マーケティングプロデューサーはゼネラリストなので、多くのステークホルダーと関わりながら進めていく役割を担います。フェーズによってステークホルダーが変化していきますので、いかにうまく推進できるかが、マーケティングプロデューサーに求められる役割であると思います。

そのため、人間的な部分でいうと「思いやり」ですね。基本的にはプレイヤーファーストで考えなければならない部署なので、「プレイヤーに対して本当に思いやりが持てるか?」「これを見たらプレイヤーはどう思うか?」という部分もそうですし、社内に対しても「こういう依頼をしたらどう感じるか?」「うまく回すためにはどういう仕組みや環境を作ってあげるか?」などを含め、思いやりがないと仕事にならないですよね。

そういう意味でも全方位に対して「思いやり」を大事にしてますし、メンバーにもそれを大事にしてほしいと思っています。

ーーありがとうございました!

インタビュー・編集:佐藤剛史
執筆:及川知也
撮影:波多野匠

※本記事は2019年9月時点の情報です。

[su_note note_color=”#ffffff” radius=”10″]

GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

GeNOMの最新情報は、公式Twitter アカウントにて確認いただけます。ぜひフォローをお願いします!

[/su_note]

【DeNAマーケティング部特集vol.1】ROIだけが判断軸ではない。「遊び続ける必然性」を創造し続ける、次の一手とは?

『逆転オセロニア』や『メギド72』などのオリジナルゲームの他、さまざまなIPタイトルを運営するDeNAゲーム事業部では、日々プレイヤーにゲームの面白さをどう伝えていくか試行錯誤を繰り返しています。そこで重要になるのがマーケティング力。今回は、競争環境が激しい市場のなか、マーケティング部が果たすべき役割やDeNAならではの強み、そして今後の目指すべき姿について、マーケティング部長の今西陽介(写真左)、そして副部長の坂田裕貴(写真右)に語っていただきました。

[su_note note_color=”#ffffff”]

今西 陽介 | マーケティング部 部長
2004年入社。入社後は、Mobage、ポケットアフィリエイト、モバオク、モバコレなど、複数のモバイルサービスの立ち上げに従事。現在は、DeNAゲーム事業のマーケティング部で、マーケティングプロデューサー、デジタルマーケティング、コミュニティマーケティング、ゲームメディアPRなどの領域を管轄。

坂田 裕貴 | マーケティング部 副部長
2015年新卒入社。内定者時代から新規事業立案や『逆転オセロニア』の開発を進め、同アプリリリース後に総合ディレクターを経験。現在は主に「ゲームプロダクト全般のマーケティング」や「マーケティング機能強化戦略と推進」を担う。

[/su_note]

マーケティングに、プラスαの価値を

――まずDeNAゲーム事業におけるマーケティング部の役割について教えてください。

今西:マーケティング部の役割としては大きく2つあります。1つ目はプレイヤーに自社のゲームをダウンロードしていただくこと。2つ目はダウンロードしていただいたゲームを継続的にプレイしていただくことです。「マーケティング」という言葉は事業を発展させる仕組みを作ることですので、特に2つ目が重要だと思っています。

これはあくまでも一般的な例ですが、せっかくゲームをダウンロードしてくれても、翌日以降も遊んでくれるプレイヤーの数はその半分以下になってしまう傾向があるので、いかに長く遊んでもらうか試行錯誤を続けています。

ーーそうなると日々の運用にマーケティング部の真価が問われるのですね。

今西:そうですね。今は市場にクオリティが高いゲームアプリが無数に存在しており、ダウンロードしてもらうことはもちろん、ダウンロードしてもらった後も、ずっと遊び続けてもらうことは本当に難しい時代です。

特に数年前あたりから動画配信サービスなど、膨大な時間を使う高品質なアプリが増えてきました。プレイヤーの可処分時間の使い方として、これまでゲームに充てていた時間をそのような動画閲覧などに使うトレンドになってきていますので、ゲーム自体に「新しいもの」が求められてきていると思います。

マーケティング部 部長 今西陽介

今西:では「新しいもの」とは何なのか?というと、たとえば位置情報や万歩計などの機能を利用した、ゲームをしながら健康に結びつくようなコンテンツのように、プラスαの価値を出していくことが重要ではないかと感じています。

そのプラスαの価値の一つとして、マーケティング部では[su_highlight background=”#fcff99″]「コミュニティマーケティング」[/su_highlight]を組織的にチャレンジをしています。プレイヤー同士が触れ合う場を、運営会社が用意・演出していくことで、ゲームを長く遊び続けてもらうことを考えています。

業界に先駆けて培ったコミュニティ運営力

――マーケティング部の強みを教えていただけますか?

今西:ノウハウ面で言うと先ほどもご紹介した「コミュニティマーケティング」があります。業界内でコミュニティマーケティングという専門部署を持っている企業はまだ比較的少ないのが現状だと思いますが、我々マーケティング部では3年ほど前から専門部署を立ち上げて取り組んでいます。

そして現在では数々のリアルイベントやSNSなど、オンライン/オフライン問わずさまざまな施策を実行し、定量的にも定性的にもかなりのノウハウを溜めることができました。そしてそれを新規タイトルのコミュニティ立ち上げ時に活かせていることは、とても大きな強みだと思います。

また、デジタルマーケティングにおいても、アプリマーケティングの前のブラウザゲーム時代から蓄積してきたアドネットワーク運用の他、FacebookやGoogle、Twitterを活用した施策においても多数のサービス運用経験があります。「コミュニティマーケティング」と「デジタルマーケティング」の融合も、DeNAならではの強みといえます。

マーケティング部ではマーケティングプロデュース、デジタルマーケティング、コミュニティマーケティング、PRの4つのグループがあり、部全体では70人程度の構成となっている。

【DeNAマーケティング部特集vol.2】ロジカルとパッションの絶妙なバランスで戦略を描く!マーケティングプロデューサーの仕事術

【DeNAマーケティング部特集vol.3】認知広告や新指標作成など、デジタルマーケティングの新たな可能性にチャレンジ。その取り組みの背景に迫る。

【DeNAマーケティング部特集vol.4】SNS、リアルイベント、You Tubeーー各担当者が語る、コミュニティマーケティングの現在地とこれから

【DeNAコミュニティテック最前線】ゲーム運営の課題をテクノロジーで解決! データをフル活用するコミュニティマーケティングは新たなステージへ

ーー時代にあわせてマーケティング手法を柔軟に変化させているのですね。

今西:もちろんです。たとえば昭和の時代、テレビCMで流れているものが流行っているイメージがありました。しかし今は様々な情報ソースがありますので、テレビで流れているものよりも、友達や有名人(インフルエンサー)が「面白い」と言っているものが受け入れられやすい傾向があります。

そして友達と一緒にプレイする方が、ゲームを長く続けやすいというデータがありますので、友達紹介や気軽にゲームの良さを伝えやすくするところに工夫を凝らしていく必要があるかと思います。ですので、「プレイヤーの声を最大化するものは何か?」に着目するところが、当社におけるコミュニティマーケティングの重要なポイントとなります。

坂田:ただそれはマーケティング部だけでは実現できません。ゲーム開発段階から開発側と一緒にしっかりタッグを組んで「これだとプレイヤーに伝わらないのでは?」「もっと伝えやすくしよう!」といった軸で、ディスカッションを重ねていくことが求められています。

また、リリース後にもプレイヤーからのフィードバックを共有し、ゲームを楽しみ続けられる情報やコンテンツを積極的にアナウンスすることも重要で、そのような「顔が見える運営」を続けることが、コミュニティマーケティングの基本だと考えています。

マーケティング部 副部長 坂田裕貴

――ただ、「コミュニティマーケティング」はKPI設定(数値化)が難しい印象があります。

今西:そうですね。会社全体として言えるのですが、DeNAではロジカルに物事を考えていく傾向があり、数字をベースとした上で意思決定を行う文化が根付いています。

一方で、ROIにとらわれすぎてしまい、「コミュニティマーケティング」もそうですが、新しいことにチャレンジできなくなってしまう懸念もあります。だからこそ、そうならないように、マーケティング部では[su_highlight background=”#fcff99″]新しいことへのチャレンジを7:3の割合でやっていく[/su_highlight]ことにしています。7割はROIがきちんとわかるもの、残り3割はきちんとチャレンジしていこう、というものです。

坂田:施策一つひとつの費用対効果を測ることは重要ですが、それに縛られすぎてしまうと、自分たちでマーケティングの可能性を狭めてしまう可能性もあります。プレイヤーに喜んでもらうために僕らができること。その思いつく限りの施策を実行し、PDCAをまわしていくことも大事だと考えています。

遊ぶ必然性と、遊び続ける必然性

――ゲームマーケティングにおける難しさ、面白さについてはどう考えていますか?

坂田:これはどの業界でもそうだと思うのですが、市場の未来をしっかりと予測していくこと。そこに難しさがあると思います。

市場ではアプリゲームのリリース本数が増え続け、3Dを駆使した高品質のものであったり、ゲームの設計自体あまり複雑ではないようにみえるものの、ものすごく奥深いものになったりしてきているゲームも多く目にするようになりました。

そうなるとプレイヤーにとって、高品質なゲームが毎週リリースされて当たり前、という消費財に近い概念になってきていると感じています。プレイヤーの可処分時間の使い方自体にも変化が出ている中で、今後どのようなゲームがプレイヤーに受け入れられていくのかを見定めていくことは本当に重要なことです。

――過去を分析し、その上で未来を見据えていく姿勢が問われそうですね。

坂田:そうですね。一方、面白さでいうと、市場の成熟やプレイヤーの目が肥えている中で「遊ぶ必然性」と「遊び続ける必然性」を作ることが肝になってくると思いますし、そこを如何にして仕掛けていくかを考えていくことは、非常にエキサイティングだと思います。

アプリゲームの市場規模は非常に大きく、そこにテレビCMやリアルイベント、デジタルマーケティング、そして冒頭で今西からあった「コミュニティマーケティング」、さらには他社様とのコラボなど様々な施策を組みわせて「遊ぶ必然性」と「遊び続ける必然性」を追求していくことは、アプリゲームのマーケティングならではの醍醐味だと思います。

また、ゲームというエンタメの「面白さ」は人それぞれ異なる面もあるので、定量だけでなく、定性的にもプレイヤーからの反応を得られることも、ゲームマーケティングならではの面白さであり魅力だと思います。

――坂田さんは今年から副部長に就任されていますが、その前は『逆転オセロニア』の総合ディレクターとして数々の事業ジャッジをされてきました。今お話にあったような感覚はその時から持ち続けていたのでしょうか?

坂田:はい。『逆転オセロニア』は、誰もが一度は遊んだことのある「オセロ」のルールを取り入れ、個性的なキャラクター(駒)が登場するドラマチック逆転バトルです。それをどのようにしてプレイヤーに「これって手軽に遊べて面白いよね!」と思っていただけるのかは、相当考えてきました。

たとえば、何かしらのタイアップやコラボレーションを活用して「遊ぶ必然性」を作るという企画にもチャレンジしました。

2018年に日本マクドナルド様とコラボした時には、今『逆転オセロニア』を遊んでミッションをクリアするとボテト・バーガー・ドリンクの無料クーポンがもらえる、というイベントを実施しました。そのようなイベントによって各種メディア・媒体の中で「遊ぶ必然性」を訴求していくというのはユニークな仕掛けだったと思います。

日本マクドナルドコラボ

――ちなみに話は変わりますが、リアルイベントを通じて、印象に残った出来事などはありますか?

坂田:そうですね、2つほど印象的なことがありまして、1つ目はイベントに来場してくれたプレイヤーがタイトルのプロデューサーと話をして泣きながら喜んでいただいた、ということがありました。これは自分が好きなゲームの世界を創造したプロデューサーと話せたという、プレイヤーの人生の原体験として大きな出来事だと感じました。

2つ目は、リアルイベントの会場で運営を手伝った開発メンバーのモチベーション変化です。初めてリアルイベントに参加する開発メンバーって最初はすごく戸惑うのですが、そのようなメンバーが実際イベントに行ってプレイヤーと触れてみて、こういう部分に困っているんだという部分を直接感じられるようになると、今まで曖昧だったプレイヤー像が意識できるようになります。

そうすると、翌日以降の開発メンバーのモチベーションが明らかに高くなるのがわかります。我々アプリゲームを運営している会社にとって、プレイヤーの顔は非常に見えにくいので、誰のために楽しませているのかが明確になると、サービス品質やゲームの面白さが圧倒的に上がると思うんですね。それは副次的な効果として感じた部分です。

今西:リアルイベントの重要なポイントとなりますが、目の前にいらっしゃる1人のプレイヤーを喜ばせられないのに、まだ顔も見えないプレイヤーを喜ばせられるはずがなく、その1人のプレイヤーの深層心理を理解する場としてはとても良いのかなと思います。このプレイヤーに喜んでいただくためには、こんな要素が必要だよね、というのを知るのと知らないのとでは運営側は全然違ってきますね。

部署を越境し、ゲーム開発の成功に向けて伴走する

――マーケティング部としては、今後さらにどのようなチャレンジをしていくのでしょうか?

今西:プレイヤーが他のサービスへ可処分時間を使う理由と、当社のサービスを利用いただく必然性をどういうものにするのか。ここをしっかり考えて提供していくことしかないと思っています。

あとは冒頭にも話したように、ゲームプラスαの価値をどう作っていくかでしょうか。たとえば何かゲームやりながらもベネフィットが得られるものを用意しないと、プレイヤーがゲームをやる理由がないのかなと思います。ゲーム開発段階からその要素を取り入れ、マーケティングでどう広めていくかも重要になるのではないかと思います。

――マーケティング部のメンバーも、ゲーム開発の企画にどんどん関わっていくと?

今西:そうです。マーケットインでプロダクトマーケティングからきちんと入っていくことが、今後さらに求められるということだと思いますね。マーケティング部署や開発部署が分断されているのではなく、部署を越境した上で相手をリスペクトしながらもっとこうやったらいいゲーム作れるよ、というディスカッションをやっていかなければ生き残れないと感じます。

https://genom.dena.com/other/marketing_producer2019/

特にマーケティングプロデューサーは一緒になってゲーム制作に積極的に参加し、アイデアを出していかなければよいものはできません。普段から[su_highlight background=”#fcff99″]仕事は越境してこそ成果に結びつく[/su_highlight]と思っているのですが、越境する際に相手をリスペクトすることを忘れるとトラブルになってしまうので、そこは注意しながら進めるようにしていますね。

NEXTマーケティングを担う旗手となる

――今期から副部長というポジションが新設されましたが、改めて部長・副部長の役割を教えてください。

坂田:正直僕と今西さんの役割分担って明確にはありません。一言でいうと今西さんはマネジメントの要素が強く、僕は事業戦略やマーケティング戦略を実行していく要素が強いです。ですので、2人でケースバイケースでオーナーを分けて「コト」に進んでいければと思っています。

今西:坂田君とは「阿吽の呼吸」というか、お互い考えていることがそんなにずれないんです。状況に応じて役割分担を自然にしている感じですね。

――坂田さん、副部長として今後の抱負があればぜひ聞かせてください。

坂田:マーケティングの専門性で言えば、以前からマーケティング部にいるメンバーの方がスキルは当然高いと思っています。僕の今までのキャリアの中で誇れるものがあるとすれば、『逆転オセロニア』では、事業責任者の視座ですべての意思決定を経験してきたこと。そして経営目線や経営からの要求水準を十二分に理解していることです。

だからこそ、これからのゲーム市場の動向を見据えて「中長期経営計画に基づくマーケティング領域の強化」を成し遂げていきたいと思っています。そのためにも各プロデューサーや事業部長、関係各所などともディスカッションを日々行っており、「コミュニティマーケティング」に次ぐDeNAならではの新しいマーケティング戦略をこれから実現させていきたいと思っています。

――最後に話題は変わりますが、DeNAではゲーム以外にも多様な事業展開しています。マーケティング部はゲーム事業以外にも関わっているのでしょうか?

今西:はい。DeNAの中でも我々が担当するゲーム事業のバジェットが非常に大きい分、ノウハウも貯まっています。組織上はゲーム事業にコミットしていますが、バジェット比率が高いことを考えると、当然ノウハウの蓄積量は多いので他事業をサポートして行くのは当然かと思いますし、それがDeNAの事業全体をドライブさせることだと思っています。

――将来的には他事業部への異動も可能なのでしょうか?

今西:そうですね、ヘルスケアやオートモーティブ、スポーツ、新規事業などへの異動は可能です。DeNAには異動希望制度もありますので、マーケティング部のメンバーが自発的に他部署へキャリアチャレンジができる土壌も用意されています。

個人的な意見ですが、ゲーム事業だけでマーケティングスキルを磨くのは、ゴールとしては小さすぎると思っています。マーケターの中でもトップクラスの実力や市場価値を持つにはどんなスキルが必要であるかを模索し、それを実行する場がゲーム事業以外にもあるのであれば、積極的にアクションを起こしてほしいですね。

坂田:事業を発展させていくマーケティング手法を考えていくことは、どんな事業体や職種であっても必須です。ですから入社後にゲーム事業以外にも興味を持ち、他のさまざまな領域にトライしたい人にはどんどんしてほしいと思います。とはいえ、ゲーム領域のマーケティングが一番面白いと言える魅力的な部署にしていくことが、我々部門長としてのミッションであると思っています。

――ありがとうございました!

インタビュー・編集:佐藤剛史
執筆:及川知也
撮影:波多野匠

※本記事は2019年7月時点の情報です。

[su_note note_color=”#ffffff” radius=”10″]

GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

GeNOMの最新情報は、公式Twitterアカウントにて確認いただけます。ぜひフォローをお願いします!

[/su_note]

【DeNAデザイン部特集Vol.3】開発現場を支える影の立役者CPM(クリエイティブプロジェクトマネージャー)の正体に迫る

DeNAデザイン部には、開発チームにアサインされているアーティスト陣のマネジメント全般を担うCPM(クリエイティブプロジェクトマネージャー)という職能が存在します。

「DeNAデザイン部特集Vol.3」では、CPMグループを束ねる河瀬貴夫と、VO(ヴィジュアル・オーナー)徳永真也を迎え、それぞれの担当領域やお互いの関係性、グループの今後の展望などについてインタビューしました。

※VO(ヴィジュアル・オーナー):ゲーム全体のグラフィックを監督するという意味でのアートディレクター。出自は2Dアーティスト、3D背景モデラー、モーションデザイナーなどさまざま。

開発規模の拡大に伴って誕生した、CPMとVO

――早速本題なのですが、CPM(クリエイティブプロジェクトマネージャー)の仕事内容を教えてください。

▲河瀬貴夫
デザイン部 CPMグループ マネージャー
2012年DeNA入社。組織マネジメントやVOなどを経て、CPMグループのマネージャーに就任。前職ではゲーム開発会社にて、フロントエンドやアニメーションの開発者としてゲーム制作に従事。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:CPM(クリエイティブプロジェクトマネージャー)とは開発チームにアサインされたアーティストのマネジメントを専属で担当し、彼らが作業に集中できるようにクリエイティブ分野の制作環境を整える職能のことです。

具体的には、プロダクトの方向性のキャッチアップし、ビジョンをチームに伝えるサポートやチームビルドの他、開発環境の整備やスケジュール/コスト管理、外注管理、版元さんとの交渉窓口など、担当業務の範囲はかなり広いですね。[/su_column][/su_row]

――かなり広範囲に渡る業務内容なんですね!

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:そうですね。この後にもお話しますが、各開発現場によってCPMの動きも異なります。そのため、CPMとしてのスタンスは決まっているものの、具体的にどのようにアクションを進めるかについては、各開発現場にアサインされるCPM次第といえます。

こちらがCPMグループのビジョンなのですが、このビジョン実現に向けて「何でもやる」のがCPMといっても過言ではありません。【デザイン部特集Vol.2】ではCPMの大西がモニター整備などを手がけたエピソードもありましたが、必要に応じて環境改善を進めることも大切なことです。[/su_column][/su_row]

社内資料より抜粋

――続いて、徳永さんが携わるVOの仕事内容を教えてください。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

徳永:VOは、ゲーム開発におけるアートやグラフィックの方向性を決め、チームの進むべき目標を定める職能になります。

タイトルの開発状況にあわせて1名のVOがチームにアサインされ、グラフィック周りや、画作りのクオリティ担保を中心に担当します。
[/su_column][/su_row]

――あれっ、徳永さん! お顔が……!

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

徳永:すっ、すみません……。顔はちょっと恥ずかしいので、写真は首から下だけで勘弁してください……><[/su_column][/su_row]

――おぉ、そうなんですね(笑)。では、改めてCPMとVOが生まれた経緯を教えてください。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:CPMとVOは、いわゆる「アートディレクター」と呼ばれる職種と同じような業務を担当します。役割が分かれたのは、アートディレクターに求められる領域が、開発規模の拡大に伴って広範囲になり過ぎたためです。

そこで、より専門性を発揮しながらプロジェクトを円滑に進めるため、CPMは、アーティストへのマネジメントや開発フローをスムーズに進める環境を構築し、VOはクオリティを担保するという役割分担になりました。

ちなみにCPMという職能が生まれたのは2016年、VOは2017年なので、CPMの方がちょっとだけ早かったんですね。[/su_column][/su_row]

――CPMが設置される前は、マネジメントに関わる仕事はどの職能が担当していたんですか?

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:以前はクリエイティブディレクターやアートディレクターなどが役割分担していました。チームによってはPM(プロジェクトマネージャー)が担当することもあったようです。

近年では、CPMとVOが二人三脚でプロジェクトを支える体制が最適だと認識しているので、可能な限り各開発プロジェクトにCPMをアサインしています。[/su_column][/su_row]

――CPMを設置してから社内の環境はどう変わりましたか?

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:デザイン部に限らず、プランナーやエンジニア、プロデューサーなどから、これまで大変だったスケジュールや外注管理などの業務がなくなり、本業に専念できると感謝の声をもらっています。

また、アーティストが日々どんなことを考えているのか、作業の進捗も含めて、チームでは見えにくかった部分がクリアになり、課題が明確になったという話をよく聞きますね。[/su_column][/su_row]

――現在CPMは何名くらいいるんですか?

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:現在はCPMは約20名ほど在籍しており、プロジェクトの規模によってアサインされる人数は増減します。特に3D系の大規模プロジェクトでは、数人のCPMで対応しています。[/su_column][/su_row]

CPMは開発現場を支える影の立役者

――CPMとVOは、アートディレクターから派生した職能だと分かりました。では改めて、CPMとVOの関係性や、共に組むメリットを教えてください。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

徳永:私はゲーム業界に約20年ほど従事していますが、CPMという職能名はこれまで聞いたことがなく、PM(プロジェクトマネージャー)がCPMの役割を担っていました。

現在私が担当している開発チームでも専属のCPMと一緒に業務をしているのですが、メンバー一人ひとりをサポートしてくれて本当に助かっています。

というのも、DeNAにはプロ意識が高いクリエイターが揃っており、僕のチームにも多くのアーティストがアサインされていますが、私一人でマネジメントするのには限界があるんですよ。[/su_column][/su_row]

――チーム一丸となって動くには、全体を見渡せる司令塔も必要になっていきますしね!

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

徳永:そうですね。その個性ある集団を一人でリードするのは難しく、クリエイティブの方向性決めやメンバーとのコミュニケーション、開発進行管理や環境整備など、得意不得意を補い合うことがCPMとVOの関係だと思っています。

私はコミュニケーションが苦手なので、CPMにその部分をお任せしています。特にメンバーのメンタル面もサポートしてくれているので、とても助かっています。[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:プロジェクトを動かす中で、アサインされているアーティストの抱えている悩みをいち早く吸い上げることが、CPMにとって一番大事な仕事だと考えています。ですので、一番最初にCPMに相談してもらえる環境づくりを意識して動いています。[/su_column][/su_row]

――ちなみにVOからCPMによく相談しているのでしょうか?

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

徳永:現在タッグを組んでいるCPMは自分と同じ年齢なんですが、彼のほうがなんとなく精神年齢が高くて(笑)、今では部活の先生と生徒のような間柄になっていていろいろ相談しています。

普段はあまり矢面に立たないCPMですが、チーム内に大小関わらず何らかの問題が起きたとき、もしくは起きそうなときには全体を見ながら対応してくれるので、本当に頼りになりますね。[/su_column][/su_row]

――VOから見たCPMの「ありがたみ」について教えてください。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

徳永:これまで話してきた通り、マネジメントやコミュニケーション、メンバーのサポートを担ってくれることは本当にありがたいですね。特にチーム内の連携や外部会社との調整も担当してくれるので心強いです。

また、私の場合は壁打ち相談の相手として、アーティスト目線ではなく広い視野での意見をもらっています。それに、ほとんどのMTGにも参加して近況をキャッチしてくれているので助かっています。[/su_column][/su_row]

常に現場の中心で見守るCPM

――CPMはいつも現場の中心にいるイメージでしょうか?

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:はい。なるべくプロジェクトの中枢に位置して、開発の進捗を見つつ、メンバーのコンディションを気にかけるようにしています。

もちろん、早めにアラートを上げてくれるとキャッチしやすいのですが、アーティストから悩みを引き出していくことも大切だと思います。そのためにはCPMとアーティストが良い関係値を築けていないと成り立たないため、普段からの関係作りも重要です。

たとえば、あるプロジェクトのCPMは、とにかくチームメンバーをランチに誘っているようにしています。そこでフランクに交流しながら、メンバーとの距離を縮めるようにしているようです。[/su_column][/su_row]

――CPMとして大事にしている点などはあるのでしょうか?

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:これは自分のポリシーでもあり、メンバーに話していることなんですが、CPMが誰か特定の人物の肩を持つような態度を取ると、チームは崩壊してしまうので、CPMは「常に中立の立場」で話すことを重要視しています。

CPMの個人的意見でなく、プロジェクトが向かうべき方向性を淡々と伝えるようにするのがポイントです。[/su_column][/su_row]

社内資料より抜粋

臨機応変な対応力こそ、CPMの本質

――タイトルによって開発スタイルも異なると思うのですが、その観点からCPMの動きを詳しく教えてください。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:大きく分けると「新規開発タイトル」と「運用中タイトル」で動き方はまったく変わってきます。

まず「新規開発タイトル」においては、初期からCPMとVOを配置してプロジェクトに参加し、CPMはVOやアーティストのサポートに徹します。

「運用中タイトル」では、VOが配置されていない場合が多いので、CPMがチームを牽引していることがほとんどです。2Dデザイナー出身のCPMは、自分のプロジェクトでアートのディレクションをするような人もいますよ。[/su_column][/su_row]

――やはり新規開発タイトルには、工数がかかっているんですね。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:そうですね。開発中はどんな問題が起きるのか想定しにくいケースもあるで、その都度迅速に対応できるような体制を意識しています。新規開発タイトルには、かなり初期の段階からCPMとVOが同時に参加しています。
[/su_column][/su_row]

――開発プロデューサーやディレクターとコミュニケーションを取ることも重要ですよね?

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:もちろん、大切ですね。大前提として、プロデューサーとCPMとVOはプロジェクトに対する方向性や温度感を合わせていることが重要です。この時点で話がまとまっていないと、開発を進めても必ず認識のズレが生まれてきます。[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

徳永:開発中はプロジェクトのプロデューサーとCPMの意見が割れたりするケースもあるので、その都度話し合うようにしています。最初はきちんと足並みが揃っていたのに、開発途中で意見が食い違ってしまうことも、よくあることですからね。
[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:そこは本当に難しい所ですね。エンタメに関して「おもしろい」という定義は、主観的な面も強く現れてしまうので、意見はかなり割れることもあります。ゲームがリリースするまで、規模の大小はあれど話し合いは続いていくイメージですね。[/su_column][/su_row]

――開発を外部の協力会社に依頼する場合、CPMはどのような動きになりますか?

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:外部の協力会社がメインで開発し、DeNAがプランニングやマーケティング等を担当してタイトル運用する座組みの場合、そこにDeNAのアーティストは本来介入しないのですが、必要に応じてCPMがスケジュールや業務整理などを担当する場合もあります。

特に外部から納品されてきたグラフィックが想定と異なる場合などは、CPMが介入してスケジュールを整理したり、適切なアーティストをアサインして集中的にクオリティを向上させる動きをするときもあります。[/su_column][/su_row]

――開発チーム側からこんなCPMが欲しい、みたいな要望もありそうですね!

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:よくありますね。プロデューサーからヒアリングした課題感や、チーム全体の動きを考慮して、マッチしそうなCPMをアサインするようにしています。

また、スキルに応じてカバーできるようなチーム体制も整えているところなので、どんな環境にも対応できるような状態を目指しています。[/su_column][/su_row]

常にフラットな気持ちで「コト」に向かう

――CPMという職能は、どのような人物だと適任なのでしょうか?

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:第一に必要なのは、コミュニケーション能力です。ゲーム開発ではさまざまな人と関わるので、各ステークホルダーと満遍なく、そして円滑に対話ができる人だと良いです。

また、プロジェクトごとの座組みも多彩なので、マネジメント方法についての引き出しの広さも要求されますが、その点は今後の経験によってもカバーできると思います。[/su_column][/su_row]

現在各プロジェクトで活躍しているCPMのみなさん

――CPMに求められる経験・スキルなどはありますか?

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:何らかのゲーム開発経験があれば好ましいですが、ゲーム以外のスケジュール管理や進行管理を経験していた人も現在のCPMにもいるので、基本的にゲームが好きならば問題ないと思います。実際自分もそうですしね。

スケジュール管理やツールの使い方などは、後からいくらでも習得できるので、マネジメントなどの経験、もしくは強い興味がある方だといいですね。[/su_column][/su_row]

――「マネジメントをしたい」という本人の気持ちが重要だと?

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:はい、とても大事だと思います。とにかく毎日何かしらの問題と向き合うことが多いので、強い意志が求められます。また、冷静であることも大事ですね。毎回感情が揺さぶられてると「コト」に向かうことも難しくなります。熱くなるときはなってほしいですが(笑)

今のCPMメンバーの将来の目標もそれぞれなのですが、ずっとCPMをやっていたい人もいれば、部長や事業部長を目指す人、将来的にアーティストのスペシャリストになりたいと思う人などさまざまです。いずれにしても、CPMの役割の中で磨かれるマネジメント経験は、キャリア的にも大きな財産になることは間違いないと思います。[/su_column][/su_row]

――そういえば河瀬さん、本日のインタビューでもほとんど動じないで話しますよね。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:そう、ですか(笑)。最近自分の仕事が一日中しゃべることなんで、余計フラットになっているのかもしれません。

ただ、チームメンバーと接するときは「何考えているかわかんない人と仕事できない」と思われないようにコントロールすることは大事だと思っています。[/su_column][/su_row]

ニヤリ

――CPMグループ内の連携も気になります。CPM同士で相談することはあるのでしょうか?

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:最近では連携を強めるようにしています。CPMは各プロジェクトに散らばってごく少人数でアサインされていくので、各々が抱えるミッションもバラバラで、共有できることは意外と少ないんです。

ただ、自分がマネージャーになってからは、CPMとして必要なマネジメントスキルやコアとなる重要なスキルに関して、みんなで集まって共有するようにしています。

また、CPM全員を集めてプロジェクトの進捗確認をしたり、勉強会やさまざまな共有をする定例MTGも月に1回実施しています。[/su_column][/su_row]

各プロジェクトのCPMが進捗確認や知見を交換する定例MTGの様子

――河瀬さん自身でワークショップを開いたり、セミナーを受講していると聞きましたが?

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:はい。CPMメンバーと実施している1on1では、プロジェクトの進捗確認だけではなく、CPMが何の目的を持ってやっているのかなど、僕が外部のセミナーで学んだことを取り入れて伝えたりすることもあります。[/su_column][/su_row]

――最後に、CPMグループとしての展望について教えてください。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

河瀬:メンバー全員のマネジメント力が引き上がった状態を保つことを目指していきたいですね。

グループの目標には「マネジメント力を上げること」を掲げていますが、管理することを目標にしないように、最終的にプロダクトに向かって欲しいと強く話しています。そしてCPMの各メンバーが、ここでの経験を通じ、キャリアアップなどの目的を実現して欲しいと願っています。[/su_column][/su_row]

――ありがとうございました!

インタビュー・執筆:細谷亮介
編集:佐藤剛史
インタビュー撮影:栗原美穂

※本記事は2019年7月時点の情報です。

[su_note note_color=”#ffffff” radius=”10″]

GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

GeNOMの最新情報は、公式Twitterアカウントにて確認いただけます。ぜひフォローをお願いします!

[/su_note]

【DeNA分析部特集Vol.5(後編)】未来を予測し、最適解を導き出し続ける組織 〜アナリストとして成長し続けるための環境とは〜

DeNAのゲーム事業において、参謀として様々な意思決定をサポートする分析部。Vol.4までは、アナリストをはじめとした各メンバーの役割を紹介してきました。さらに、Vol.5前編では、2011年から始まったDeNAゲーム事業における分析の歴史や現在のカルチャー、そして今後の課題などを分析部マネージャー3人の方に語っていただきました。

https://genom.dena.com/other/analysis_department2019_a/

Vol.5(後編)では、分析部の研修プログラムやキャリアなどをご紹介していきます。前編に引き続き、部長の藤江清隆に加え、マネージャーの吉川正晃と松﨑友哉の3人に話をうかがいました。

若手からシニアまでをサポートする研修の仕組み

――これまでの分析部特集で、個々の役割からビジョンまでを聞かせていただきました。後編ではまず、分析部の研修システムについて教えてください。

藤江清隆(以下、藤江:分析部では研修プログラムを充実させており、SQLを全く書けない人が書けるようになったりなど、一人前のアナリストとして活躍できる技術的なスキルアップを研修として用意しています。

そのため、アナリストとして必要なロジカルシンキングやゲーム業界の動向、マーケティングの基礎知識など、幅広く座学を受けられる体制になっています。

――そうすると、研修は若手メンバーが対象で、シニア向けには行わないのでしょうか。

藤江:いえ、そういうわけではありません。分析にも行動ログ分析やユーザーリサーチ、市場分析などいろいろな領域があり、それぞれ求められるスキルセットも異なります。

たとえば、行動ログ分析においてはシニアレベルのスキルを有していてもユーザーリサーチは未経験、といったケースもままあります。そういった場合、業務上の必要に応じて足りないスキルを身につけるための研修を受けることができます。

分析部 部長/藤江清隆

――具体的にはどのような研修を行うのでしょうか。

松﨑友哉(以下、松﨑:技術的なキャッチアップの面で言うと、まずはデータの流れをフロー図で可視化し、それぞれの役割において、どのような技術やツールを使っているかということをオリエンテーションします。そして、その方がどの役割を担うかによって、どの研修を受けるかを相談していきます。

研修というと座学がメインのイメージがあるかもしれませんが、分析部では思考力はもちろん、コミュニケーションの取り方も重視しているので、そこに苦手意識がある方でも、DeNAなりの分析の考え方をキャッチアップできると思います。

――研修はどのような流れで進めるのでしょうか。

松﨑:分析部の資料などを講師の方に説明してもらいながら、課題を解いてそのフィードバックを受けるので、キャッチアップはしやすいと思います。この研修が終わった瞬間から、社内で価値を出し始めることができるように、ひとりひとりカスタマイズした研修プログラムを組んでいることも、分析部ならではの特徴だと思います。

分析部 マネージャー/松﨑友哉

https://genom.dena.com/develop/analyst/

どんな初歩的な質問でも、誰かが迅速で答えてくれる

――講師はどんな方が務めるのですか?

松﨑:基本的には講師は現場で一緒に働くリーダーや、その部署で一番環境を理解しているメンバーが担当します。座学でわからないことがあれば、その場で質問をすることも可能です。

藤江:社内の連絡ツールとして使っているSlackチャンネルの中で、「お助けコーナー」という質問チャンネルがあり、新メンバーは必ずここに参加します。

ここでは、どんな初歩的な質問をしても構いません。自分のメンターが忙しくて聞きづらい時でも、Slackチャンネルなら40人近く在籍する分析部の誰かがすぐに答えてくれます。分析部のメンバーは、かつてここで質疑応答しながら、徐々にキャッチアップしていきました。

もちろん自分で調べることも大切ですが、わからないことはすぐに聞くというのも、アナリストとして求められる姿勢だと思っています。ちなみに、この「お助けコーナー」にはマネージャーは参加していないので「こんな初歩的な質問をするのは恥ずかしい」「同じようなことを何回も聞くのは気が引ける」など気にせずに、安心して質問ができます。

――それは良いコーナーですね。一方で、シニアの方から研修について「こうした方がよいのでは」といった意見が出たら、どんな対応をされますか?

吉川正晃(以下、吉川:意見はありがたく頂戴し、一緒に研修を良くしてもらうお手伝いに少しだけ参加してもらいます。「こうしたらどうか?」といった意見は常に受け付けていますので、特にシニアの方であればこれまでの経験を積極的にフィードバックしていただければと思います。

もちろん、研修生に対して講義や資料の改善点などのアンケートは取っているので、その内容をもとに常に内容のアップデートはしています。

――なるほど。常に研修プログラムがアップデートされているというわけですね。ところで、個人差はあると思いますが、期間はどのぐらいでしょうか。

吉川:早い人ですと1ヶ月、遅くても大体2ヶ月ぐらいでしょうか。前半で登場した岩尾のように、既に一定のスキルがある場合は2週間ほどで研修を終えるケースもあります。

分析部 マネージャー/吉川正晃

本人の特性と意思を尊重して、次のキャリアアップを目指す

――シニア向けの研修の方向性を教えてください。

藤江:分析部では、幅広く柔軟な対応ができるようになることを重要視しています。使えるスキルの種類が増えるほど、担当できる範囲も広がっていきます。

もちろん、本人の志向や特性を見ながら、特化型とオールラウンダー型に分かれていきます。ただ、機械学習やAIに関しては専門性が高いので、その領域のスキルに特化して伸ばしたいという人が多い傾向にあります。

――特性と個人の意思、どちらが優先されるものなのでしょうか。

藤江:総合的に判断しますが、基本的には本人の意思、やりたいかどうかを重視します。実際に業務に関わってはじめて「自分に向いている」「この分野は難しい」と判断できることもあるので、本人と納得いくまで話し合い、その後のキャリアステップを検討していきます。

機械学習の分野であれば、社内に在籍するKagglerのような世界トップクラスのプレイヤーと交流することで、スキルレベルを可視化して自分なりの判断材料にすることもできると思います。

――ほかの部署のメンバーと交流することで、自分の向き不向きを理解することができると?

吉川:はい。分析部の中だけでなく、社内を見渡してもさまざまなスキルや経験を持った人がいます。そういった人たちとも交流をすることで新しい知見を得たり、逆に自分の足りない部分をアドバイスいただけることも、DeNAという会社の魅力だと思います。

実際に、ネット上ですごい技術を持っているな、と思っていた人が実は社内にいたというエピソードもありました。すぐに社内のSlackで直接連絡して、世界レベルの情報を聞きにいけたそうですが、部署間の交流に隔たりがないところも、DeNAという会社ならではだと思います。

藤江:AI、機械学習、データサイエンスは似通った要素も多いですし、社内全体でさまざまな分野で高レベルの人たちが働いているので、切磋琢磨したい人には向いていると思いますね。モチベーションが高い人は、積極的にそういう人とコンタクトを取って共同で勉強会などを実施しています。

https://genom.dena.com/develop/mlanalyst_ai/

業務とメンバーとの議論の中で、スキルレベルを向上させる

――マネージャーとして活躍されている吉川さんや松﨑さんは、ご自身の成長をどのように実感していますか?

吉川:私の場合、社内の異動で分析部にジョインしました。分析について未経験でしたので、最初の壁は正しい事業課題を設定することでしたが、解決すべき課題の洗い出しや優先順位の付け方が得意になりました。

これは、分析部での業務と、メンバーとの議論の中で成長したものです。自分が欲しい知見を問いかければ、メンバー全員が回答してくれるので、次々と自分の経験値になっていきました。

――スキルレベルも上がった実感はありますか?

吉川:関わるタイトルが増えるほど、行動ログ分析だけでなく、ユーザーリサーチの知見や、ゲームのデザインについても幅広い理解が必要になってきます。

そのため、アナリストとして担当するタイトルが運用タイトルだけでなく、行動ログがまだ存在しない開発中タイトルもスコープに入ったときには、自分のスキルレベルが向上したと感じましたね。

行動ログだけで見ていた最初のフェーズから、どのようにリサーチ手法を活用すべきかという観点が増えたフェーズを経て、ゲームの中身へのインプットへと領域が広がり、現在では機械学習について判断する機会も増えていきました。

――松﨑さんはいかがですか?

松﨑:私の場合、前職はSEだったため未経験ながら、いちアナリストとしてやりがいのある業務を任せてもらい、非常に成長できる環境にありました。そうやって、タイトルをいくつか任されていく中で、事例を自分の中に積み重ねて経験していくほど、質の良い仮説を速いペースでアウトプットできるようになったことが成長実感としてありますね。

2年ぐらい経つと、それなりに結果も出てきて、これからどう成長していこうか考えていたところで、マネジメントというキャリアとしてのステップをうまく組み合わせていただけました。

マネジメントに携わり始めると、事業に対して自分がどう関わるかではなく、分析部として、組織のメンバーがどのように、どういった形で関わっていくかを考えるようになり、視野が広がっていったと思います。

分析部から広がるキャリアアップの道

――マネージャーとしての研修はあるのでしょうか。

藤江:ありますが、それよりも大切なのは、マネージャーの前にチームリーダーを経験し、マネジメントスキルを実地で身につけていくことだと考えています。まずはチームリーダーとして複数人のユニットを束ねられるかを見ていきます。

松﨑:チームリーダーを任された時期は、複数のタイトルを担当しながらだったので、まず余裕がなくなくなったのを覚えています(笑)。その段階で、どうやったら複数の業務を最適化できるんだろうと考えるようになりました。

結果として、自分がアウトプットを出すというのはHOWのひとつに過ぎず、他のメンバーが同じようにアウトプットして出しても、事業に対するインパクトは変わらないということに気付きました。いかに、組織全体を巻き込んでアウトプットを出していくかという思考が鍛えられましたね。

――チームリーダーからマネージャーへというステップアップも、ひとつのキャリアアップかと思いますが、分析部でチャレンジしていくことで将来拓かれるキャリアにはどのようなものがあるのでしょうか?

藤江:大きく分けて、部内でのキャリアアップと、部署単位で異動してのキャリアアップの2つがあります。一般的な分析部内のキャリアとしては、マネージャーになるだけでなく、スペシャリストとして現在携わっている業務領域を究めていく働き方もあります。

また、アナリストとしても、最初はひとつのタイトルの参謀、次に複数タイトルを横断しての参謀、さらには開発部長や事業部長の参謀と、担当範囲をどんどん広げていくのもわかりやすいキャリアアップの例だと思います。

一方、部署を異動してのキャリアアップは幅広いです。分析から事業責任者、事業管理をする部署で経営層の意思決定をサポートする人や、プロデューサーを束ねるマネージャーのような役割を担っている人もいます。

また、今注目されている分野として、人事を技術や分析の力で最適化させていく「HRtech」という領域がありますが、分析部から異動してその領域を担当している人もいます。

効率よく仕事をして趣味やコミュニケーションを楽しむ

――最後に、分析部の皆さんの働き方やプライベートについても教えてください。聞くところによると、現在ベビーラッシュだそうですね。

吉川:ベビーラッシュですし、サウナラッシュでもあります(笑)。

――えっ、サウナですか?

吉川:私と松﨑は毎週通っているんです。最近は、他部署の方も誘って、会社から歩いていけるサウナに入ってコミュニケーションしています。趣味のゲームの話をしたりして、思ったより息抜きになっていますね。

藤江:この業界は激務で毎晩遅く帰るというイメージが強いかもしれないですが、決してそんなことはありません。

分析に関わる職業柄、きちんと寝て休んで、頭をクリアな状態で効率よく仕事をして、きちんとアウトプットをしたら、早めに帰ろうという方針なんです。

もちろんゲーム開発にコミットすることが最優先なので、運用タイトルが大変な時期や、新作リリース直前は忙しい時期もありますが、基本は効率重視でやってほしいと、メンバーにはマネージャーからオーダーしています。

特に、子どもが生まれたばかりのメンバーは19時には帰宅して、子育てや奥さんのサポートをしていますね。早く帰るけれど、最大限のバリューは出すことは大前提としています。

松﨑:私たちもサウナ行くために、決まった日は業務を効率的に終わらせて早く帰るようにしています(笑)。

藤江:普段から会社と家の往復だけにならず、他のエンタメやゲームを楽しむことを積極的にやってもらいたいですね。もちろん、人によってはデータ分析やKaggleに取り組むなど、趣味として分析に取り組んでいる人もいます。

サウナ通いにしても、会社以外の場所で部外の人とネットワークをつなげていくと、仕事もやり易くなりますし、分析部だけで閉じるようなコミュニティーにはしてほしくないと思っています。

――ちなみに、日常で「分析部あるある」みたいな行動ってあるのでしょうか。

吉川:すぐ「本質」とか言っちゃいます。

松﨑:「あるべき」とか。

吉川:すぐ分析したがるのは職業病みたいなものですが、それゆえに気にしているのはオン/オフを切り替えることなんです。オフの時は思考しない、分析はプライベートに使わないように心がけています。

藤江:もともとDeNAは、社風がロジカルという傾向もあります。ロジックや数字を重視してゲームを開発しているという部分では、業界でトップレベルに近いのではないかと思います。ただし、これは良し悪しの話ではなく、いろいろな個性の会社があって良いと思っています。

思いやパッションも大事ですが、ロジックや数字の裏付けをきちんと作って、パッションとロジックの両輪でものを作っていくのがDeNAの社風です。だからこそ、分析の果たす役割も他社と比べて大きいと思いますし、DeNAの分析が意思決定に確実に寄与していると胸を張って言えると思います。

――ありがとうございました。


DeNAにおいて意思決定のサポートを担う分析部は今後も参謀として活躍し、さらにAIや機械学習などの導入でますます精度を上げていくことが期待できます。

インタビューにご対応いただいた分析部の皆さん、ありがとうございました!

※本記事は2019年3月時点の情報です。

[su_note note_color=”#ffffff” radius=”10″]

GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

GeNOMの最新情報は、公式Twitterアカウントにて確認いただけます。ぜひフォローをお願いします!

[/su_note]

【DeNA分析部特集Vol.5(前編)】未来を予測し、最適解を導き出し続ける組織 〜分析の高度化に向けた次のチャレンジとは〜

DeNAが様々なゲームやサービスを運営していくうえで、欠かせない存在となっている分析部。Vol1〜4までは、アナリストやユーザーリサーチ、データエンジニア、MLアナリストといった分析部のメンバーの役割を紹介してきました。

シリーズ最終回となるVol.5では前後編に分けて、分析部ならではのカルチャーや課題、研修プログラム、メンバーの意外なブームまでを紹介していきます。今回の前編では、分析部を束ねる部長の藤江清隆、マネージャーの中川友喜と岩尾一優の3人に話をうかがいました。

ブラウザゲーム時代から積み重ねられてきた、分析への信頼

――分析部特集では、Vol.1~4まではメンバーの具体的な業務を紹介してきましたが、改めて「分析部」の役割を教えてください

藤江清隆(以下、藤江:現在の分析部は、DeNAのゲーム事業における意思決定のサポートという役割を担っています。

新規タイトルの開発だと「今後どんなゲームを開発をしていけば成功できるのか」、運用中のタイトルあれば「今後どういう方針で運営していくか」など、ゲームの開発現場にはさまざまな意思決定が求められます。このような大小問わずさまざまな粒度の意思決定のサポートをすることが、分析部の役割です。

――具体的な人数や構成について教えてください。

藤江:分析部全体で40名強(2019年3月時点)です。アナリストやユーザーリサーチャー、データエンジニア、機械学習を強みにしたMLアナリストらが所属しています。

――人数としても大所帯ですね。DeNAのゲーム事業部は、いつぐらいから「分析」に力を注いでいるのでしょうか?

藤江:歴史的な話になりますが、分析組織としては2011年からありました。当時、DeNAはブラウザゲームが中心でしたので、その分析をメインとしてやっていました。

当時のメンバーは外資系コンサルティング会社出身などのシニアメンバーが中心となり、小規模組織ではありましたが、圧倒的に速いスピードとクオリティーでサービスをクリティカルに改善する示唆を提供することができ、DeNAゲーム事業の中で「分析は重要だ!」というイメージを強く持ってもらうことができました。

それから8年間、立ち位置や組織の形は事業の状況に合わせて変化を続けてきましたが、事業やサービスの成功にコミットし、正しい意思決定を支えるという方針はブレずに運営してきました。

分析組織、しかも横断型となると、一般的には分析結果を事業に反映できるかが課題になることも多いと思います。DeNAの場合は、これまで8年間の信頼を積み重ねてきたこともあり、サービス側のメンバーにも分析アウトプットを積極的に取り入れていく文化が根付いているため、分析としては非常に動きやすくなっています。

分析部 部長/藤江清隆

ゲーム開発ならではの、分析の面白さと難しさ

――ゲーム分析には、どのようなスタンスが求められるのでしょうか?

藤江: 世の中には数多くのインターネットサービスがあり、その裏にはさまざまな分析手法があると思います。我々分析部は、他の業種の方や他社のアナリストとお話させていただく機会が多いのですが、その中で“ゲーム開発ならではの面白さと難しさ”というものを感じています。

これは表裏一体なのですが、ゲームというものは、分析するにしても事業を進めていくにしても、正解というものがありません。「プレイヤーが楽しめればいい」というゴールは明確ですが、楽しみ方は千差万別。レベルを上げて強くなりたい、コミュニティを楽しみたいなど、プレイヤーがゲームに求めている価値や体験は全然違ってくるのです。

ですので、ゲームのサービスの完成度を上げる、改善するといった場合でも、何を目指すべきかという指標がとても多彩なんですね。それが分析としての面白い部分でもありますし、ゲームならではだと思います。

分析として何をすればいいかという正解がないので、自分で課題を設定して、考えていかなければいけないことは、難易度としては高いと思います。まず自分の担当タイトルが決まった際に、プレイヤーがゲームに何を求めているのかを理解し、分析の手法を設計していくことが求められるのです。

――ゲームのジャンルに合わせた柔軟な分析が求められそうですね。

藤江:そうですね。ゲームによって分析の目的や手法も変わっていきますので、「このように分析するのが正しい!」という答えがありません。先ほどお話ししたように自分で課題設計して答えを求めていく思考力も大事です。

さらに、タイトルを運営しているプロデューサーらの意思決定におけるサポートがとても大事ですので、彼らが何を考えているか、何を課題として考えているかということを、きちんと対話して引き出し、その本質を捉えることも重要です。つまり、コミュニケーション能力も非常に重要になってきますね。

そのため、単純にデータを見るだけで、ロジカルに「これが正解だ!」と考えるタイプの人はDeNAの分析部にいません。チームの開発メンバーと一緒になって、「こうすればプレイヤーが楽しめるだろう」という方向をきちんと見定めて、事業が前に進むような意思決定のサポートができることが、ゲームの分析で求められるものと考えています。

https://genom.dena.com/develop/analyst/

変化の早い業界だからこそ、未来予測を行っていきたい

――マネージャーである中川さんは、ゲームにおける分析部としてのチャレンジについてはいかがですか。

中川友喜(以下、中川:考えとしては藤江と同じですが、分析もゲームという事業も、非常に変化が早いので、即時キャッチアップしていかないと業界的にも立ち遅れてしまいます。

ゲーム市場も成熟を迎える中で、今はこれまでの成功体験の殻を破り、次はどういうところに価値を見出して、組織としてより貢献しなければいけないかを考えるタイミングなのではと思います。

分析部 マネージャー/中川友喜

――長期運用タイトルも増えていき、今後差別化が激しくなっていく業界の中で、DeNAのゲーム分析はどう変化していくのでしょうか。

藤江:事業としてどうすれば成功確度を上げられるのかという“勝ち筋”を見定めていきたいと思っています。

分析部は、2019年から組織として「事業・サービスの未来を見通し、100%の成功へと導く」というビジョンを掲げています。過去を分析しパターン化することは、従来の分析業務の中で一定レベルに達していると思いますが、それだけではさらなる事業の加速に対しては不十分だと考えています。そこで「未来予測」を重要課題として位置づけ、組織として目指すビジョンにも組み込みました。

実際にこれからやっていくべきことは、新たに生み出すゲームの方向性について示唆を出したり、どんなIPと連携すれば事業として成功確度が上がるかということを、きちんと見定めていくことです。未来を予測するという分析は、これからはより多く求められるだろうと思っています。

具体的なアプローチとして、AIや機械学習分野に強いメンバーの増強や、Vol.4でお話したようなAIスペシャリストとの連携を通じてより精緻な未来予測に取り組んでいます。

https://genom.dena.com/develop/mlanalyst_ai/

ゼロベースから始まった、入社半年での新部署設立

――DeNAは、今後も新規タイトルリリースを控えていると思うのですが、分析部の体制や人員も変化していくのでしょうか?

藤江:理想像としては、ひとつひとつのタイトルに専任のアナリストをアサインできる規模にすることを目指しています。運用タイトルも増えれば、アナリスト以外の分析部メンバーも必要になるため、さらに組織を拡大していく方向で考えています。

その中で、岩尾のように、新部署を立ち上げるような提案を実現できる地盤を固めていこうと思っています。

https://genom.dena.com/develop/date_engineer/

――Vol.3で紹介された入社半年で新部署を起ち上げた岩尾さんのエピソードは反響がありましたが、上司の藤江さんとしてはその当時はどのように感じていたのでしょうか。

藤江:Vol.3でも出ていましたが、まずこの話はミッションとしてトップダウンで依頼したわけではありません。業務に取り組む中、現在の分析部の組織全体をとらえた時に、もっとこうした方がいいのではないか、この機能を強化するべきではないかと岩尾からの提案を受けて、ゼロベースから考えました。

もともと分析部は、意思決定が早いことが強みのひとつです。そこに、マネージャー陣も課題だと思っていた部分を、岩尾が的確に改善点を提案してくれたので、意思決定者であるマネージャーも「それやろう!」とすぐに承諾できたという状況でしたね。

岩尾一優(以下、岩尾:中途で分析部に入社した自分は、最初はSQLやシステムの細かい部分を見て「なんとなく、無駄なところがあるな」と感じていました。

さらに全体を見ていくうちに、コストの規模感や、どれぐらいのタイトルを運用して、どんなペースでデータ量が増えていくかを徐々に可視化していきました。それによって、分析が売り上げに貢献する以前に、システム面の本来不要なコストがかかり過ぎているということが分かったんです。

その問題に対して、具体的に削減する案をすでに思いついていたので、特定のタイトルで実際に導入して削減を実現させ、「これだけコストの削減が可能です」ということを説明したというわけです。

分析部 マネージャー/岩尾一優

藤江:岩尾のように、エンジニアとしてのバックグラウンドを持っているメンバーもがいることも、分析部の強みになっています。実は、分析部はDeNA社内の中でも、メンバーのバックグラウンドが非常に多彩なので、いろいろな視点があることも含めて、分析部としての強みになっていると思います。

意思があるメンバーには、社歴関係なくどんどん任せていきたい

――藤江さんとしては、最初にこの新組織立ち上げの提案があった時、「岩尾ならこのぐらいできる」と予想していたのでしょうか?

藤江:正直に言いますと、当初はそこまで一気に組織を立ち上げるイメージはなく、機能を強化していけばOKくらいに感じていました(笑) 。ですので、入社早々に想定以上の意欲とスピード感で取り組んでくれた印象ですね。今後はほかのメンバーでもこのような提案を出してくれたら、任せていきたいとは思っています。

分析部の平均年齢は比較的若く、20代のマネージャーもいます。その中で、アナリストとしての本業だけでなく、分析部という組織全体を変えていける可能性のある課題を、社歴関係なくどんどん任せて、一緒に組織を変えていこうという取り組みを行っていきたいですね。

――権限委譲や、意思決定を早くする体制が、分析部の中にあるということでしょうか。

藤江:そうです。DeNAという会社自体が、事業のサイクルや意思決定の速度もはやいので、権限委譲して、メンバーが正しく意思決定をして事業や組織を変えていけるような体制を作っていくことは大事だと思っています。今後はシニアメンバーも積極的に迎え入れていきたいと考えているので、さまざまな経験を組織にも反映させていきたいですね。

――マネージャーのお二人から見た、分析部のカルチャーってどんなものなのでしょうか。

岩尾:当事者意識がすごく高いですね。事業への貢献意欲が高いメンバーばかりなので、私もさらに意欲をかき立てられるような環境だと思います。

中川:私も同じです。前職を経験したうえで感じたことは、個々のメンバーが課題と当事者意識を持ち、どう解決していくかをすごく必死に考えている組織だと思っています。さらに、こうしていきたいと思ったら、立場や役職に関わらず、必要なことは自分で動きながら解決をどんどん推進していくメンバーが多いですね。

多彩なスキルを、身につけてほしい

――ちなみに、分析部内では横の異動はありますか? アナリストがユーザーリサーチをやりたいと希望した場合はどうなるのでしょうか。

藤江:一言で分析やアナリストといっても、いろいろなスキルを持った人がいます。いわゆる行動ログの分析を主体としたアナリストもいれば、ユーザーリサーチを基本の武器としているアナリストもいますし、岩尾のようにデータエンジニアの技術をベースにしている人もいます。

つまり、いろいろなパターンのスキルセットの人が、分析部には在籍しているということです。部の方針としては、スキルセットの組み合わせを、できるだけ多彩なパターンで身につけてほしいと思っています。

今後、分析のアナリストとして価値を高めていくためには、どれだけ珍しくてニーズの高い組み合わせのスキルセットを身につけられるかが重要になってくるかなと思います。

なので、メンバーから「機械学習をもっとやっていきたい」とか「今は、行動ログしか分析できないけれど、将来的にユーザーリサーチも経験したい」などの希望があったときには、できるだけ叶えられるようなアサインを考えています。

――マネージャーとメンバー間の日頃のコミュニケーションも大事になりそうですね。

藤江:そうですね、「自分はこれをやっていきたい!」といった思いは、1on1などでどんどんマネージャーに話してもらうようにしています。もちろん、100%希望に沿えるわけではありませんが、話したことによって初めて動き出すプロジェクトもたくさんありますので、できるだけメンバーのやりたいことを聞く方針でやっています。

分析のさらなる高度化に向けて

――今まで何か良い話ばかりだったのですが(笑)。逆に、課題などはありませんか?

藤江:分析の高度化を実現させていくこと、そしてそれに伴う強い組織を構築していくことが、我々の課題になっているかなと思います。

そのためのアプローチとして、ユーザーリサーチやAIの活用など、いろいろな方法を模索しています。幸い人数も多く、さまざまなことに興味を持っているメンバーがたくさんいるので、それぞれの得意分野で、より高度化し、バリューを出すためには、自分たちでどういうスキルを身につけたらいいかを考えながら進めています。

高度化という観点では、従来の分析手法にとらわれない新しいアウトプットを作ろうという部内プロジェクトに取り組んでいます。ユーザー体験やそこで生まれる感情を把握・分析できないかという大テーマに向かって専門性を有するメンバーがチャレンジしており、ゲーム業界の大規模外部セミナーで発表するレベルの成果も生まれています。

https://genom.dena.com/develop/user_research/

岩尾:分析部は、個々のスキルが高いメンバーが多い反面、スキルが属人化しやすい状況になっていると思います。システム運用は誰が携わっても同じ結果になるのがベストであって、特定の人が作業したから障害が起きたなど、対応者によって結果が変わることがあってはなりません。

そういった一定の品質を保つプロセスやノウハウは、誰が関わっても同じ結果になるように、徹底して培っていかなければいけないとも思っていますし、そこに向けてもチャレンジしている最中です。

――ありがとうございました。後編では、一人前のアナリストにまで育成する研修プログラムやキャリア、さらには裏話をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

 

※本記事は2019年6月時点の情報です。

[su_note note_color=”#ffffff” radius=”10″]

GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

GeNOMの最新情報は、公式Twitterにて確認いただけます。ぜひフォローをお願いします!

[/su_note]

【DeNAデザイン部特集Vol.1】事業に資するクリエイティブ集団が見据える未来、そして求められる役割とは

ゲームづくりにおいて、どんなに優れた企画や仕様があっても、デザインの良し悪しでコアゲームの面白さが伝わらない=本来プレイヤーに伝えたいUXが伝わらない、といった結果に陥ります。DeNAゲーム事業のデザイン部は、まさにそのような部分を司るビジュアルや操作性など、あらゆる全てのユーザー体験を担保し、事業に貢献していくクリエイティブ集団です。今回【DeNAデザイン部特集】と題し、Vol.1では部長の宇佐美(写真:右)と副部長の楠(写真:左)に、昨年の振り返りと、今期に掛ける想いをインタビューしました。

2018年度の振返り

ーー 2019年2月上旬に、デザイン部として初となる合宿もありましたが、改めて昨年度の良かった点や課題点を教えてください。

宇佐美:まずは課題点ですが、これは前回の合宿でも議題に挙げましたように、昨年はプロトやα版/β版など、デザイン部の各開発フェーズにおける関わり方に課題があったと認識しています。

https://genom.dena.com/other/designer_trainingcamp/

それに関して今期は、組織体制を改善することできちんとテコ入れを行いつつ、各開発フェーズでのデザイン観点でのレビューの他、技術追求・選定に関するポリシー策定、クオリティを担保するための補助機能の強化など、様々な取り組みを通じて、アウトプットの質をもっと高めていこうとしています。

ーー タイトルごとに細かなディレクションも必要ということなのでしょうか?

宇佐美:というよりも、デザイナーのアサイン要望がこれまでは開発チームからのニーズに応えてアサインするケースが多かったので、受け身ではなく、デザイン部側でもきちんと能動的に動いていこうと思っています。

プロトやα開発/β開発など、各開発フェーズでデザイナーに求められることがプロジェクトによって異なっていたので、「α開発ではデザイン観点でここのクオリティを目指そう」といった共通認識を持つために、各開発チームのプロデューサーやディレクターと連携していくつもりです。

アサイン要望を開発チームから受けた際にも、「なぜそのフェーズでその人が必要なのか」という理由も関係者できちんと事前に話し合い、アサインされたデザイナーが100%以上の能力を発揮できるような体制を目指したいと思っています。

ーー 組織間のコミュニケーションがポイントになりそうですね!

宇佐美:はい、ボタンの掛け違いにならないように、デザイン部もプロダクトを成功させる意思をしっかりと発信しつつ、アサインに関しても中長期的な戦略を策定して、各プロデューサーやディレクターと共通認識を持っていこうと思います。

ーー なるほど、デザイナーの働き方にも良い意味で変化が出てきそうですね。副部長である楠さんは昨年を振り返っていかがですか?

:そうですね、ゲームという1つのプロダクトにおいて、「新規開発」と「運用」のそれぞれで、デザイナーが果たすべき役割が整理できたと思います。これはポジティブなことです。

宇佐美:そうそう、大きな成長のひとつとして、デザイナーに「コスト意識」も芽生えてきたよね。組織全体でユーザーファーストに繋がるような、意味のある「コストの使い方やタイミング」が浸透してきたと感じています。

ーー コストの使い方のメリハリができたということですね。

:はい。ただ一方で、ビジネスとして運用にやりがいを持って取組む熱意を、メンバーに浸透させる難しさを感じた一年でもありました。

ゲームというコンテンツをビジネスと絡めてデリバリーさせていくことの重要性を、もっと個人に浸透させていくことが今後の課題ですね。まったく出来ていないというわけではないのですが。

2019年度の取組み

ーー ではここから本題ですが、今年度のデザイン部の取組みについて教えてください。

宇佐美:基本的にミッションなどは去年と変わっていません。新規タイトルでは世界にインパクトを残すような表現技法や新技術を取り入れつつ、さらに多くのプレイヤーに楽しんでもらえるようなチャレンジをしていきたいですね。

運用中のタイトルにおいても、デザイナーとしてプレイヤーが求めているコンテンツをコスト意識を持ちながら提供し続けるために、努力を重ねて行くべきだと考えています。

社内向け資料より一部抜粋

:先日、AppleやGoogleが発表したゲームストリーミングサービスなどをはじめ、これからも様々な技術革新が起こっていく中で、技術トレンドに対応しながらクオリティを担保しつつ、市場の中の競合と切磋琢磨していかなければならないと感じています。

その中で「戦う土俵」をどこに設定するかを決めるのが大事で、「同じ土俵で戦うのか」「違う戦い方を模索するのか」などを戦略的に考え抜き、推進していきたいと思っています。

もちろん、デザイン部だけでそれは実現できないので、ゲーム事業部全体で、どういった戦略で世界にインパクトを与えていくのかを考え続けていきたいですね。

――現在はそのようなプロジェクトが実際に動いているんですか?

宇佐美:今は情報を収集する時期だと思っています。海外のカンファレンスなどにも積極的に参加したり、国内の企業と新技術に関する勉強会を行ったりなど、最先端のトレンドに乗り遅れないようにしています。

また、今期からデザイン部の中に「テクニカルアーティストグループ」(以下、TAグループ)を新設しました。これまでツールの選定と最適化や、デザイナーの作業環境やシェーダー周りの構築など、エンジニアリングの知識が必要な領域に関しては技術部門に依頼してカスタマイズしていたのですが、コミュニケーションの不足で意図が伝わらなかったり、単純に多忙だったりで満足なカスタマイズが出来ない状況もいくつかありました。

そのため、デザイン部内である程度完結できる組織を新設することで、意思決定も作業もスピーディーにできるようにし、技術面でも遅れを取らないようにしていきたいと考えています。

編集部補足:デザイン部配下にはUIや3D、フロントエンドなど職能ごとに13のグループに分かれており、事業ニーズにフレキシブルに対応できる開発体制を敷いている。

【イベントレポ(前半)】GDMテクニカルアーティスト座談会~やってみる、から一歩先へ~

――合宿で話していたR&Dやエンジニアとの連携に関しては、このTAグループがハブ(中核)になってくれるのを期待していると?

宇佐美:そうですね。基本はTAグループがハブとなって、他職能の技術に強いメンバーからDCCツールのノウハウを集め、クオリティを担保するためのパフォーマンスを最大限に発揮できるよう動いていく予定です。

――話は変わりますが、デザイン部のカルチャーなどはあるのでしょうか?

:カルチャーとちょっと話は違うかもしれませんが、昨年は「整理した年」でした。良かった部分だけでなく、改善点も多かったので、今期は新しく構築する年にしたいと思っています。ぶっちゃけ、カルチャーをつくるような余裕がなかったです(笑)。

宇佐美:楠も私もゲームクリエイター出身ではないので、技術面は意思決定も含めて各グループのマネージャーに任せて、僕たちは事業貢献のための戦略策定などに注力しつつ、他の事業部との連携や、ゲーム開発におけるデザイン組織としての立ち位置を明確にするために時間を使っていこうと思っています。

手前味噌な話ではありますが、デザイン部には、本当に能力の高いメンバーが揃っているので、ゲーム開発に資するための意思決定やフローの設計は彼らに任せようと思っています。ですので、メンバーには思いっきり暴れて欲しいですね。もちろん良い意味でですが(笑)。

:デザインの領域において僕らが介入しすぎてしまい、クオリティキャップになってしまうリスクもあると思います。意思を持って現場のマネージャーやメンバーに任せ、その分僕らは先に話した戦略周りもそうですし、この記事のような対外向けの発信や業界内での関係値づくりなどを積極的にやっていきます。得意なことを得意な人がやるというシンプルなコンセプトで、きちんと役割分担をして組織を運営していきたいですね。

――先ほど「役割分担」というキーワードが出ました。デザイン部の「部長」と「副部長」は、それぞれどのような「役割」を担っているのでしょうか?

:部長、副部長というと組織図としては上下がありますが、基本的には並列(同権限)で物事を進めています。実際、「2人でやること」「それぞれがやること」をある程度ハッキリ分けて、それをメンバーに共有しています。

宇佐美:2人で担当するのは、組織戦略・戦術の立案と推進。そして組織戦略に合わせた組織構造の設計とアサイン、採用や組織コンセプトにアジャストする人材の育成と評価です。

そして主に私が担当するのが、新規開発ゲームの意思決定やタイトル評価の会議など、DeNAゲーム事業部にとって重要な会議体への参加。さらに他事業部とのコミュニケーション窓口やフロント業務、開発運用問わずゲーム開発を支える横断組織としてのフィジビリティーの担保にも責任を持ちます。

宇佐美:楠の担当は、グローバル戦略や人事と連携した新卒育成、アウトソーシング推進です。また楠は交友関係が広いので、外部に対しての組織ブランディングの形成、そしてDGT(DeNA Games Tokyo)の取締役は引き続き担当します。

:いわゆるDeNAからDGTへのタイトル移管などの話が今後出たときに、本社のデザイン部の顔と、DGT取締役の顔を活かしてコミュニケーションを円滑にして、スムーズにプロジェクトを動かしていきたいと思っています。

宇佐美:このように役割は得意領域に応じて分けてはいますが、基本的にすべて2人で判断しています。オーナーが違うだけ、というイメージです。

――ではこのような体制のもと、DeNAの今後のゲーム戦略として「グローバル」が一つのキーワードになっていくかと思います。この点に関して、デザイン部ではどのような対策等を考えているのでしょうか?

宇佐美:国内外の今後のゲーム市場の成長率を考えたとき、デザイナーとしても日本以外の国に力を示していく必要性があると思います。そこで現在は各国の文化やゲームに関する様々な情報を、リサーチを含めて収集するための体制構築を行っています。

その部分は楠がオーナーとなってDeNAゲーム事業部の各部署と連携し、主に中国市場におけるデザインのトレンドなどを調査しています。

:現在は、僕と数人のメンバーで『伝説対決』や『永遠の七日』のタイトルの運営に参画し、PDCAを回しながらあるべき姿の定義から推進しているところです。

――DeNAのデザイン部のメンバーには、将来的にどのようになって欲しいと思いますか? やはり世界を視野に入れた飛躍でしょうか?

:「デザイン部ってどんな組織?」と問うとき、DeNAのような事業会社だと、事業のトレンドも時代によって変わりますし、それに合わせて組織の形や求められる能力も変わってくると考えています。

今後、事業のトレンドにおいても技術のトレンドにおいても、変化の波が大きく広がることは間違いないですし、一番必要なのは「フレキシブルさ」だと思っています。

なので、組織として様々な環境の変化に直面しても、常に事業に資する組織でありたいという話はしています。もちろん、そこに属するクリエイターの一人ひとりにも、フレキシブルさが求められると思っています。

――様々な環境においても、自立的に考えて動いて欲しいと?

:そうですね。デザイナーとして、むしろ変化の早い環境を楽しんで欲しいという気持ちはあります。そこはDeNAらしさかもしれませんね。

宇佐美:著名なIPホルダーとの協業を進めていく中で、たくさんの人にプレイしてもらえるタイトルを開発していること自体が、デザイナーたちにも大きな経験値になっていると思います。「自分たちがやっていることは本当にスゴイことなんだ!」と意識して欲しいですね。

もちろん、開発中は大変なこともありますが、将来振り返ったときに絶対にポジティブな経験になっているはずです。

そういった恵まれた環境の中で、自分で意思決定をして、キャリアプランを考えて自走して欲しいと思っています。それを僕たちが強制してしまうと、全然つまらないただの「作業」になってしまうので、変化の中での意思決定すらも楽しんでもらえれば嬉しいです。

――では最後の質問です。先ほどの内容を踏まえ、これからの1年間は、デザイン部のメンバーにはどのように成長・活躍して欲しいと考えていますか?

宇佐美:環境やチャンスは僕らができる限り作っていくので、そこで自分で考え、判断してアウトプットして欲しいですね。自身のプロフェッショナル領域を正しく理解して、いちクリエイターとして活躍する「意識」を強く持ってもらいたいです。

さらにデザイン部全体としては「事業に資する」というポリシーを強く持っているので、事業のトレンドを正確に理解して、DeNAという会社のあるべき未来の姿の実現に、キッチリ貢献できるように動いていきたいですね。

:クリエイターってスキルや技術的なトレンドに意識が向かいがちなのですが、それだけじゃなく、DeNAという組織として、大局観を持ってゲーム市場を捉えながら仕事をして欲しいですね。自分が活躍している環境の外は、どんな世界が広がっているかを常に想像することが大事だと思います。

もちろん日々の業務が忙しくなると、視野も狭くなりがちですが、そんなときほど一度立ち止まって俯瞰して、事業や市場など自らが置かれている環境を見つめ直すことを心がけるといいですね。

――ありがとうございました。

※本記事は2019年4月時点の情報です。

[su_note note_color=”#ffffff” radius=”10″]

GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

GeNOMの最新情報は、公式Twitterにて確認いただけます。ぜひフォローをお願いします!

[/su_note]

【DeNAデザイン部:合宿レポート】組織運営のホンネを部長と参加メンバーに聞きました

DeNAデザイン部が
初の合宿を実施

DeNAゲーム事業のデザイン部には、UIデザイナーや3Dデザイナー、フロントエンドエンジニアなど、ゲームのクオリティを担保する多くのクリエイターが所属しています。

そんなデザイン部が、2019年2月に一泊二日の箱根合宿を実施。部長やマネージャー陣、若手メンバーなどが参加し、来期に向けた組織運営のあり方についてディスカッションを行ってきました。

今回、GeNOM編集部ではデザイン部部長の宇佐美、そして合宿に参加したメンバー2名にインタビューを実施。合宿に込めた期待や感想を聞いてきました。

組織課題に皆で向き合い、
今後に活かしていきたい

ーー まずは宇佐美さん、合宿お疲れ様でした。今回、デザイン部で初となる合宿を開催されましたが、その目的を教えてください。

宇佐美:今回の合宿は、デザイン部における組織課題を抽出して、その課題に対しての解決アプローチを皆で考えていこうというものです。現場からの声を直接聞いてみたい、もっと吸い上げていきたい、という私の想いも強かったですね。

私は昨年6月に部長に就任したのですが、それ以来いろいろな課題が見えてきました。もちろん、各マネージャー陣との連携は随時行っているのですが、部長や副部長、マネージャー陣だけで話しても、組織課題の根本的な解決にまでは至らないだろうと感じていたんです。

そこで、現場で活躍する各デザイナーの声を吸い上げることで、効果的な解決アプローチ法を検討するために合宿を企画しました。

ただ、デザイン部は200名弱ほどの大所帯。本当は多くのメンバーに参加してほしかったのですが、まずは初回ということもあって、一部のメンバー(シニア、ミドル、若手からそれぞれ数名)に参加してもらい、小規模で開催することにしました。

宇佐美 優/デザイン部部長

ーー なるほど、今後も継続的に合宿を開催するためのフィジビリティでもあったのですね。では合宿の内容を教えていただけますか?

宇佐美:合宿初日は、事前に決めた以下3つの組織課題テーマをもとに、具体的な「課題」とその「解決アプローチ法」をディスカッションするというチーム毎のワークショップを実施しました。そして翌日、各チームで話し合った内容を、全員の前で発表するという流れで行いました。

ーー 限られた時間の中、集中して組織課題を向き合ったのですね。宇佐美さんは合宿では具体的に何を期待していたのでしょうか?

宇佐美:これは私の経験則でもあるのですが、いざプロジェクトにアサインされると、そのプロジェクトにコミットすることになるので、どうしても組織課題についてまで考える時間や余裕がなくなってくると思うんです。

一方で、日頃から組織課題について考えているメンバー多いと思います。そこで今回は箱根という、敢えて仕事に手をつけられない場所で、日頃から思っていたけど具現化しきれていない課題や、課題に思っていたけど具体的な解決案にまで至っていないことなどを、シニア、ミドル、若手メンバーが一緒になって議論できることを楽しみにしていました。

また、各メンバーが今後の仕事に対する取り組みや、組織に対する想いも変わっていくことも期待していました。

ーー 実際に、合宿を開催されていかがでしたか? 率直な感想を聞かせてください。

宇佐美:期待値以上でした。ワークショップをやる前は、各チームとも議論の方向性が変わってしまったりしないか心配していたのですが、事前に3つの課題テーマを発表していたこともあり、みんなかなり意見がまとまっていましたね。

ワークショップのチームはシニア、ミドル、若手の各メンバーで構成された

宇佐美:出てきた意見としては、今の現場で起きている生の声は拾い切れていなかったので、「今こういうことに困っているんだ」とか、逆に、私が思っていた課題についてが「急いでシューティングするほどのことではなかったんだ」などの気づきや発見はありました。それは2日目の発表を聞いてても同じです。

2日目の発表の様子

宇佐美:ただ、課題の本質的な部分については、私の思っていたことと大きなズレはなかったので、ちゃんとみんなと目線は揃っていたんだなと再確認ができました。

各チームの発表を通じて、全員に現状の課題と解決策の考えが共有された

宇佐美:今回の合宿で出てきた課題に対する各アプローチ方法については、詳細を詰めていきつつ徐々に組織に反映していきたいと思います。

さらに今後はデザイン部だけでなく、他の部を巻きこんで進める施策もあるでしょう。たとえば、技術研究であればエンジニアとPJTを組んで進めていくなど、ちゃんと考えていきたいなと思います。

ーー 宇佐美さん、ありがとうございました。今後の施策を楽しみにしています。ではこの後、合宿に参加されたお二人にもインタビューしてきますね!

宇佐美:はい、お願いします。私がいない方が変に遠慮せずにいろいろ話してくれると思いますので(笑)。

率直に発言することで生まれた、一体感

ーー 合宿に参加された坂元さん、戸谷さんにお伺いします。まず、合宿前は個人的に組織課題に対してどのように感じていたのでしょうか?

坂元:合宿前は、組織についてあまり意識していなかったのが正直なところです。デザイン部として「こういう方針で組織運営していきます」というシェアはあるものの、実際には日々、目の前のプロジェクトに集中するのみでした。組織について考える余裕がなかったのかもしれません。

坂元 温子(社歴1年目/2018年新卒入社)
デザイン部 UIデザイナー

戸谷:私は中途入社する際、リーダーとして組織をみて欲しいと当時から言われていたんです。そこで入社後から組織の動きなどを見つつ、組織の中で不透明性などがあれば、有志のメンバー同士で課題共有していたのですが、なかなかこれといった解決策までは考えられていなかったのかなと思います。

戸谷 大輔(社歴4年目/中途入社)
デザイン部 IPタイトルのリードデザインを担当

ーー 合宿時はどのような姿勢で参加したのでしょうか? 

坂元:あらかじめ、ワークショップの課題テーマや、当日ディスカッションする3人1組のチームメンバーは発表されていたので、事前に共有された3つのテーマに対する個人的な考えや、組織に対する疑問をまとめておき、それを先に同じチームのメンバーに送って意見交換などしていました。

また、私はまだ組織全体の動きを把握できていないので、事前にマネージャーからデザイン部内の動きなど「こういう状況だよ」とシェアをいただきました。その上で、組織の全体像と自分の仕事の進め方なども踏まえ、「これが課題なんじゃないか?」という意見も予め整理して合宿に参加しました。

他のメンバーも自分の意見を事前に整理してきたので、当日は他の人の話も聞きながら、「確かにそれは課題だね」「こうしたらもっと良くなるのでは?」と建設的にディスカッションを進めることができたのは良かったです。

合宿は一泊二日で時間も限られていたので、私のチームだけでなく、他のチームも同じように合宿に臨んでいたと思いますよ。

各チームの初日の様子

坂元:あと、自分が考えてきた課題については、他のチームのメンバーとも意見もずれていなかったので、良い再認識の場にもなりました。

戸谷:大体みんな似たような意見だったよね?

坂元:そうですね。2日目の発表で出てきた各チームの課題や解決方法は、似た内容が多かったと思います。

戸谷:3つの組織課題テーマはみんな普段考えている課題でしたし、今回の合宿は再認識の場であったと自分では感じています。あと、私は当日参加できなかったメンバーの分まで、きちんと組織の課題や解決法について発言するように心がけました。

ーー 合宿後にご自身に変化はありましたか?

戸谷:組織課題の解決方法について、有志だけの間で話すとふわっとしてしまうので、今回は部長や副部長、マネージャー陣が入り、組織の意思決定の場で話せることができたので、今後はより具体的に話を詰めていきたいと思います。

坂元:私はまだ経験が足りないので、「他のプロジェクトで困っていること」や「組織がこんな感じだから、プロジェクトのここが困っている」といった話を他のメンバーから聞けたことは個人的に大きな収獲でした。

今後私も同じようなことで困った場合には対処や相談もしやすいですし、仕事の進め方にも活きていくと思います。今回は組織課題のテーマでしたが、仕事をする上でも、他の人と情報共有できたことは本当に大きな経験でした。

ーー ありがとうございました! お二人の視点においても、それぞれ意義があった合宿のようですね。今後の活躍に期待しています!

参加者の満足度83%

デザイン部として今回が初めての合宿ということもあり、一部運営に課題は残りましたが、この点はしっかりを振り返りを行って改善していくとのこと。

「次回はもっとメンバーを巻き込んで、一人ひとりの声を組織運営に活かしていきたいですね」とは、冒頭にインタビューした部長の宇佐美の言葉。引き続き、このような形式の合宿や社内ディスカッションを通じて組織運営に活かしていくそうです。

その他、参加者の感想(アンケートより一部紹介)

[su_quote]自分の考えをマネージャー含む他のメンバーに伝えたり、逆に他の方の考えを聞ける貴重な機会でした。組織課題について考えるのはもちろん、議論の前勉強として組織・チームについて今まで知らなかったことを学び考えることができたのも非常に大きな収穫だと感じています。環境的に、リラックスして思考・議論できたのもよかったです。[/su_quote]

[su_quote]デザイン部メンバーがなんとなく持っていた課題感が共有されたところは重要なポイントだと思う。また、解決案についてある程度現実味のあるアイデアもいくつか見られたのも良かった。全体に、次のステップへの発想の起点を得られた感じがしたので、意味があると感じることが出来た。[/su_quote]

[su_quote]様々な世代に対して日ごろマネージャー陣のみで語られている組織のコアな内容も生の声で共有できたことが何より大きく、新卒などの若い世代がしっかりした意見を持っているというのを再確認できたのも収穫かと思います。[/su_quote]

※本記事は2019年3月時点の情報です。

【イベント運営】GDMで実際に起こったヒヤリな事件 BEST5(GDM運営調べ)

DeNAゲーム事業部では、「GDM」というゲームクリエイターを対象にした勉強会イベントを月1回ほど定期開催しています。

毎回様々なテーマ・ゲストを設定し、座談会や勉強会を開催しています。懇親会も同時開催しており、毎回ご好評をいただいています。(過去のGDMレポートはこちら

今日は、GDM運営チームから「GDM運営してて実際に起こったヒヤリ!な事件BEST5」をお送りしたいと思います!

ランキングには、ハプニングもあれば、しょっちゅう遭遇するトラブルも含まれます。GDMに参加したことがある方なら、記憶にある方もいらっしゃるかも……?イベント運営をご経験された方は、共感いただけるところもあるかもしれません。

 

それでは発表します!

 

第5位:恐怖! イベント当日にケータリングが届かない!

GDMの懇親会では、いつも季節に合わせたおやつをご用意しています。毎回楽しみにしてくださっているお客様もいらっしゃり、いつも頭を悩ませつつ楽しく選んでいます。

7月開催のGDMでの出来事です。夏のイメージに合うお菓子を選び、到着日時指定で発注しました。イベント当日、予定の時間になってもおやつが一向に届きません。配送業者に問い合わせ、やっと届いたと思いきや、発注していた数量の1/5しかありませんでした!

イベントに間に合わないのは確実だったので、急遽近くの和菓子店に駆け込み、数量が確保できる水菓子を用意し、事なきを得ました……。

▼運営の独り言
普段は、事前に発注できるものは2週間前くらいには手配するようにしている。今回もルール通りに手配していたが、時にはこういった不足の事態も起こるものだ。
トラブルが起こることも想定しつつ、事前にできる確認やダブルチェックは入念に行おう!

 

第4位:迫りくる撤収時間、終わらない懇親会

普段GDMを開催している、DeNAの社員食堂「サクラカフェ」には、決まった利用時間があります。

とある回での出来事です。予定どおり座談会が終わり、懇親会へ進行。料理も振る舞われ、会話が弾んでいました。その回は参加者数も多く、懇親会もいつも以上に盛況でした。懇親会の終了時間が近づき、アナウンスをするも、なかなかお帰りになる流れがつくれずにいました。

この日は勉強会の内容が好評だったことも相まって、かなりのお客様が終了時間になっても残っておられました。刻一刻と迫る撤収時間とにらみ合いながら、心を鬼にして、残っているお客様にご退出いただくようアナウンスを繰り返しました。

なんとか撤収時間を確保し、汗だくで片付けを済ませました……。ギリギリ撤収時間に間に合いましたが、本当に肝が冷えました。

▼運営の独り言
盛り上がってくれるのは嬉しいが、撤収時間は守らないといけない。まだ実践前だが「次こういう流れになったら、蛍の光を流そう」というアイデアが出た。妙案だ。是非試してみよう!

 

第3位:ケータリング発注数の見立ては、何度やっても難しい!

懇親会では、お腹にたまるようなガッツリお肉系から、簡単につまめる軽食まで、たくさんの種類のケータリングをご用意しています。毎回頭を悩ませるのは、ケータリングの発注数。イベントへの公開と同時くらいのタイミングで発注する必要があり、直前で微調整はするものの、ある程度予測しながらの発注となります。

稀に、イベント当日が雨になったり、いろいろな偶然が重なって当日キャンセルが増えてしまい、予測していた来場者数を大幅に下回る時もあります。そうなると、準備していたケータリングもたくさん余ってしまいます。

シミュレーションをして計画を立てていても、未だに悲しい結果になることもしばしば。イベント運営の難しいところだなぁと痛感します。

▼運営の独り言
これまでの経験から、だいたいの発注数の目安は立てられるが、当日キャンセルが増えたり、色々なことが重なると想定外の事は起こるものだ。こういう時のためにも、ケータリング業者様に、最終発注数の変更期限を確認しておくことも大切だ!
※余ったケータリングはスタッフが美味しくいただきました。

 

第2位:本番直前! 登壇資料が映らない

いつものように、開始前の準備タイムで、登壇者のPCでプロジェクターの投影チェックをしていました。

ところが、何度試しても投影できません。この日は登壇者のスケジュールの都合で事前チェックができず、当日ぶっつけで接続確認をした為、当日になって初めて不具合が発覚したのでした。

本番前の緊張もあり、登壇者の焦りはピークに……なんとか心を落ち着け、運営が用意していた予備のPCを使い、事なきを得ました。

▼運営の独り言
PCの資料が投影されないケースとして考えられるのは、プロジェクターとPCのコネクタが合わない事や、機種との相性等がある。投影で使用するPCの種類や、コネクタの事前確認は必ず行うようにしている。忘れがちだが、重要なチェックポイントだ。

できるだけ前日に会場入りして、当日と同じ環境を再現してテストすることも心がけている。当日焦らないように、細部に至るまでできる限りのシミュレーションをしておこう!

 

第1位:今絶対見たよね……? まさかのカンペ無視事件

GDMでは、運営側でタイムキーパーを配置して進行しています。とある回の登壇パートで、事前に設計した時間配分から大幅に押していました。会場の利用時間には限りがあるので、あとに続く懇親会の時間がどんどん短くなってしまいます。

登壇者の目の前に陣取っていたタイムキーパーが事態を察知し、「あと5分」のカードを見せます。ところが、「あと3分」「あと1分」と順にカードを見せても、一向に締まる気配がありません。

ここまで来たら、一切の進行を司会者に委ねるしかありません。そうこうしているうち、司会者が機転を利かし「予定終了時間がきていますが、このまま話を聞きたいか、懇親会に移りたいか挙手願います」と即席アンケートをとってくれました。ほとんどのお客様が話を聞きたいと回答され、座談会は続行。

懇親会の時間は短くなったものの、イベント全体の満足度は高い状態で終える事ができました。

▼運営の独り言
当日の司会進行とタイムキーパーを一緒に担うのは、ある程度場慣れていないと難しい。GDMでは司会者の希望も考慮しつつタイムキーパー担当を配置している。

タイムキーパーが役割を全うするには、登壇者全員から見える位置に陣取って、必ず気付いてもらえるよう力いっぱいアピールすることが大切だ。登壇者に、タイムキーパーの位置を知らせておくことも重要だ。

何度も言うが、準備万端で望んでもハプニングはつきもの。このエピソードの司会者のように、運営スタッフは臨機応変に対応できることが、イベント成功の秘訣だ!

 


 

GDM運営で実際に起こったヒヤリ!な事件、いかがでしたでしょうか。まだまだ至らないところも多いですが、ご覧頂いたように様々なハプニングを乗り越えながら、GDMを運営しております。次のネタも絶賛企画中ですよ!

GDMの情報は、GeNOMを通してお伝えしていきますので、これを読んで興味を持ってくださった方は、気軽に参加してみてくださいね。

 

【GDMの情報はこちらでも配信中!】
▼Game Developers Meeting 公式Facebookページ:
https://www.facebook.com/GameDevelopersMeeting/
▼Peatixイベントページ:
https://gamedevelopersmeeting.peatix.com/view

GeNOM(ゲノム)はゲーム事業部の”ありのまま”をお伝えする、DeNA公式オウンドメディアです

GeNOMはDeNAが運営する公式オウンドメディア

はじめまして GeNOM編集部です。

GeNOMは、DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するオウンドメディアです。

ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介などを通して、
DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えするために、このメディアを運営しています。

ゲーム開発は楽しいことばかりじゃない。
大変なこと、辛いこと、悔しいことが毎日山のように起こります。

それでも、その先にいるプレイヤーにデライトを届ける為に、
毎日たくさんのクリエイターがDeNAでゲームづくりに没頭しています。

GeNOMを通して、いいところも悪いところもひっくるめて、
DeNAのゲーム開発現場を知ってもらい、少しでもDeNAのゲーム開発に
興味を持ってもらえたらと思います。