2019 21 Jun

【DeNA分析部特集Vol.5(後編)】未来を予測し、最適解を導き出し続ける組織 〜アナリストとして成長し続けるための環境とは〜

【DeNA分析部特集Vol.5(後編)】未来を予測し、最適解を導き出し続ける組織 〜アナリストとして成長し続けるための環境とは〜

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2019.06.21

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DeNAのゲーム事業において、参謀として様々な意思決定をサポートする分析部。Vol.4までは、アナリストをはじめとした各メンバーの役割を紹介してきました。さらに、Vol.5前編では、2011年から始まったDeNAゲーム事業における分析の歴史や現在のカルチャー、そして今後の課題などを分析部マネージャー3人の方に語っていただきました。

【DeNA分析部特集Vol.5(前編)】
未来を予測し、最適解を導き出し続ける組織 〜分析の高度化に向けた次のチャレンジとは〜
https://genom.dena.com/other/analysis_department2019_a/

Vol.5(後編)では、分析部の研修プログラムやキャリアなどをご紹介していきます。前編に引き続き、部長の藤江清隆に加え、マネージャーの吉川正晃と松﨑友哉の3人に話をうかがいました。

若手からシニアまでをサポートする研修の仕組み

――これまでの分析部特集で、個々の役割からビジョンまでを聞かせていただきました。後編ではまず、分析部の研修システムについて教えてください。

藤江清隆(以下、藤江:分析部では研修プログラムを充実させており、SQLを全く書けない人が書けるようになったりなど、一人前のアナリストとして活躍できる技術的なスキルアップを研修として用意しています。

そのため、アナリストとして必要なロジカルシンキングやゲーム業界の動向、マーケティングの基礎知識など、幅広く座学を受けられる体制になっています。

――そうすると、研修は若手メンバーが対象で、シニア向けには行わないのでしょうか。

藤江:いえ、そういうわけではありません。分析にも行動ログ分析やユーザーリサーチ、市場分析などいろいろな領域があり、それぞれ求められるスキルセットも異なります。

たとえば、行動ログ分析においてはシニアレベルのスキルを有していてもユーザーリサーチは未経験、といったケースもままあります。そういった場合、業務上の必要に応じて足りないスキルを身につけるための研修を受けることができます。

分析部 部長/藤江清隆

――具体的にはどのような研修を行うのでしょうか。

松﨑友哉(以下、松﨑:技術的なキャッチアップの面で言うと、まずはデータの流れをフロー図で可視化し、それぞれの役割において、どのような技術やツールを使っているかということをオリエンテーションします。そして、その方がどの役割を担うかによって、どの研修を受けるかを相談していきます。

研修というと座学がメインのイメージがあるかもしれませんが、分析部では思考力はもちろん、コミュニケーションの取り方も重視しているので、そこに苦手意識がある方でも、DeNAなりの分析の考え方をキャッチアップできると思います。

――研修はどのような流れで進めるのでしょうか。

松﨑:分析部の資料などを講師の方に説明してもらいながら、課題を解いてそのフィードバックを受けるので、キャッチアップはしやすいと思います。この研修が終わった瞬間から、社内で価値を出し始めることができるように、ひとりひとりカスタマイズした研修プログラムを組んでいることも、分析部ならではの特徴だと思います。

分析部 マネージャー/松﨑友哉

【DeNA分析部特集Vol.1】
3周年を迎えた『逆転オセロニア』を支え続けるDeNAゲーム分析の強さとアナリストに求められる役割とは?
https://genom.dena.com/develop/analyst/

どんな初歩的な質問でも、誰かが迅速で答えてくれる

――講師はどんな方が務めるのですか?

松﨑:基本的には講師は現場で一緒に働くリーダーや、その部署で一番環境を理解しているメンバーが担当します。座学でわからないことがあれば、その場で質問をすることも可能です。

藤江:社内の連絡ツールとして使っているSlackチャンネルの中で、「お助けコーナー」という質問チャンネルがあり、新メンバーは必ずここに参加します。

ここでは、どんな初歩的な質問をしても構いません。自分のメンターが忙しくて聞きづらい時でも、Slackチャンネルなら40人近く在籍する分析部の誰かがすぐに答えてくれます。分析部のメンバーは、かつてここで質疑応答しながら、徐々にキャッチアップしていきました。

もちろん自分で調べることも大切ですが、わからないことはすぐに聞くというのも、アナリストとして求められる姿勢だと思っています。ちなみに、この「お助けコーナー」にはマネージャーは参加していないので「こんな初歩的な質問をするのは恥ずかしい」「同じようなことを何回も聞くのは気が引ける」など気にせずに、安心して質問ができます。

――それは良いコーナーですね。一方で、シニアの方から研修について「こうした方がよいのでは」といった意見が出たら、どんな対応をされますか?

吉川正晃(以下、吉川:意見はありがたく頂戴し、一緒に研修を良くしてもらうお手伝いに少しだけ参加してもらいます。「こうしたらどうか?」といった意見は常に受け付けていますので、特にシニアの方であればこれまでの経験を積極的にフィードバックしていただければと思います。

もちろん、研修生に対して講義や資料の改善点などのアンケートは取っているので、その内容をもとに常に内容のアップデートはしています。

――なるほど。常に研修プログラムがアップデートされているというわけですね。ところで、個人差はあると思いますが、期間はどのぐらいでしょうか。

吉川:早い人ですと1ヶ月、遅くても大体2ヶ月ぐらいでしょうか。前半で登場した岩尾のように、既に一定のスキルがある場合は2週間ほどで研修を終えるケースもあります。

分析部 マネージャー/吉川正晃

本人の特性と意思を尊重して、次のキャリアアップを目指す

――シニア向けの研修の方向性を教えてください。

藤江:分析部では、幅広く柔軟な対応ができるようになることを重要視しています。使えるスキルの種類が増えるほど、担当できる範囲も広がっていきます。

もちろん、本人の志向や特性を見ながら、特化型とオールラウンダー型に分かれていきます。ただ、機械学習やAIに関しては専門性が高いので、その領域のスキルに特化して伸ばしたいという人が多い傾向にあります。

――特性と個人の意思、どちらが優先されるものなのでしょうか。

藤江:総合的に判断しますが、基本的には本人の意思、やりたいかどうかを重視します。実際に業務に関わってはじめて「自分に向いている」「この分野は難しい」と判断できることもあるので、本人と納得いくまで話し合い、その後のキャリアステップを検討していきます。

機械学習の分野であれば、社内に在籍するKagglerのような世界トップクラスのプレイヤーと交流することで、スキルレベルを可視化して自分なりの判断材料にすることもできると思います。

――ほかの部署のメンバーと交流することで、自分の向き不向きを理解することができると?

吉川:はい。分析部の中だけでなく、社内を見渡してもさまざまなスキルや経験を持った人がいます。そういった人たちとも交流をすることで新しい知見を得たり、逆に自分の足りない部分をアドバイスいただけることも、DeNAという会社の魅力だと思います。

実際に、ネット上ですごい技術を持っているな、と思っていた人が実は社内にいたというエピソードもありました。すぐに社内のSlackで直接連絡して、世界レベルの情報を聞きにいけたそうですが、部署間の交流に隔たりがないところも、DeNAという会社ならではだと思います。

藤江:AI、機械学習、データサイエンスは似通った要素も多いですし、社内全体でさまざまな分野で高レベルの人たちが働いているので、切磋琢磨したい人には向いていると思いますね。モチベーションが高い人は、積極的にそういう人とコンタクトを取って共同で勉強会などを実施しています。

【DeNA分析部特集Vol.4】
Kaggleトッププレイヤー陣と事業課題の解決に奔走するMLアナリスト―信頼関係が生み出す強固な連携とは
https://genom.dena.com/develop/mlanalyst_ai/

業務とメンバーとの議論の中で、スキルレベルを向上させる

――マネージャーとして活躍されている吉川さんや松﨑さんは、ご自身の成長をどのように実感していますか?

吉川:私の場合、社内の異動で分析部にジョインしました。分析について未経験でしたので、最初の壁は正しい事業課題を設定することでしたが、解決すべき課題の洗い出しや優先順位の付け方が得意になりました。

これは、分析部での業務と、メンバーとの議論の中で成長したものです。自分が欲しい知見を問いかければ、メンバー全員が回答してくれるので、次々と自分の経験値になっていきました。

――スキルレベルも上がった実感はありますか?

吉川:関わるタイトルが増えるほど、行動ログ分析だけでなく、ユーザーリサーチの知見や、ゲームのデザインについても幅広い理解が必要になってきます。

そのため、アナリストとして担当するタイトルが運用タイトルだけでなく、行動ログがまだ存在しない開発中タイトルもスコープに入ったときには、自分のスキルレベルが向上したと感じましたね。

行動ログだけで見ていた最初のフェーズから、どのようにリサーチ手法を活用すべきかという観点が増えたフェーズを経て、ゲームの中身へのインプットへと領域が広がり、現在では機械学習について判断する機会も増えていきました。

――松﨑さんはいかがですか?

松﨑:私の場合、前職はSEだったため未経験ながら、いちアナリストとしてやりがいのある業務を任せてもらい、非常に成長できる環境にありました。そうやって、タイトルをいくつか任されていく中で、事例を自分の中に積み重ねて経験していくほど、質の良い仮説を速いペースでアウトプットできるようになったことが成長実感としてありますね。

2年ぐらい経つと、それなりに結果も出てきて、これからどう成長していこうか考えていたところで、マネジメントというキャリアとしてのステップをうまく組み合わせていただけました。

マネジメントに携わり始めると、事業に対して自分がどう関わるかではなく、分析部として、組織のメンバーがどのように、どういった形で関わっていくかを考えるようになり、視野が広がっていったと思います。

分析部から広がるキャリアアップの道

――マネージャーとしての研修はあるのでしょうか。

藤江:ありますが、それよりも大切なのは、マネージャーの前にチームリーダーを経験し、マネジメントスキルを実地で身につけていくことだと考えています。まずはチームリーダーとして複数人のユニットを束ねられるかを見ていきます。

松﨑:チームリーダーを任された時期は、複数のタイトルを担当しながらだったので、まず余裕がなくなくなったのを覚えています(笑)。その段階で、どうやったら複数の業務を最適化できるんだろうと考えるようになりました。

結果として、自分がアウトプットを出すというのはHOWのひとつに過ぎず、他のメンバーが同じようにアウトプットして出しても、事業に対するインパクトは変わらないということに気付きました。いかに、組織全体を巻き込んでアウトプットを出していくかという思考が鍛えられましたね。

――チームリーダーからマネージャーへというステップアップも、ひとつのキャリアアップかと思いますが、分析部でチャレンジしていくことで将来拓かれるキャリアにはどのようなものがあるのでしょうか?

藤江:大きく分けて、部内でのキャリアアップと、部署単位で異動してのキャリアアップの2つがあります。一般的な分析部内のキャリアとしては、マネージャーになるだけでなく、スペシャリストとして現在携わっている業務領域を究めていく働き方もあります。

また、アナリストとしても、最初はひとつのタイトルの参謀、次に複数タイトルを横断しての参謀、さらには開発部長や事業部長の参謀と、担当範囲をどんどん広げていくのもわかりやすいキャリアアップの例だと思います。

一方、部署を異動してのキャリアアップは幅広いです。分析から事業責任者、事業管理をする部署で経営層の意思決定をサポートする人や、プロデューサーを束ねるマネージャーのような役割を担っている人もいます。

また、今注目されている分野として、人事を技術や分析の力で最適化させていく「HRtech」という領域がありますが、分析部から異動してその領域を担当している人もいます。

効率よく仕事をして趣味やコミュニケーションを楽しむ

――最後に、分析部の皆さんの働き方やプライベートについても教えてください。聞くところによると、現在ベビーラッシュだそうですね。

吉川:ベビーラッシュですし、サウナラッシュでもあります(笑)。

――えっ、サウナですか?

吉川:私と松﨑は毎週通っているんです。最近は、他部署の方も誘って、会社から歩いていけるサウナに入ってコミュニケーションしています。趣味のゲームの話をしたりして、思ったより息抜きになっていますね。

藤江:この業界は激務で毎晩遅く帰るというイメージが強いかもしれないですが、決してそんなことはありません。

分析に関わる職業柄、きちんと寝て休んで、頭をクリアな状態で効率よく仕事をして、きちんとアウトプットをしたら、早めに帰ろうという方針なんです。

もちろんゲーム開発にコミットすることが最優先なので、運用タイトルが大変な時期や、新作リリース直前は忙しい時期もありますが、基本は効率重視でやってほしいと、メンバーにはマネージャーからオーダーしています。

特に、子どもが生まれたばかりのメンバーは19時には帰宅して、子育てや奥さんのサポートをしていますね。早く帰るけれど、最大限のバリューは出すことは大前提としています。

松﨑:私たちもサウナ行くために、決まった日は業務を効率的に終わらせて早く帰るようにしています(笑)。

藤江:普段から会社と家の往復だけにならず、他のエンタメやゲームを楽しむことを積極的にやってもらいたいですね。もちろん、人によってはデータ分析やKaggleに取り組むなど、趣味として分析に取り組んでいる人もいます。

サウナ通いにしても、会社以外の場所で部外の人とネットワークをつなげていくと、仕事もやり易くなりますし、分析部だけで閉じるようなコミュニティーにはしてほしくないと思っています。

――ちなみに、日常で「分析部あるある」みたいな行動ってあるのでしょうか。

吉川:すぐ「本質」とか言っちゃいます。

松﨑:「あるべき」とか。

吉川:すぐ分析したがるのは職業病みたいなものですが、それゆえに気にしているのはオン/オフを切り替えることなんです。オフの時は思考しない、分析はプライベートに使わないように心がけています。

藤江:もともとDeNAは、社風がロジカルという傾向もあります。ロジックや数字を重視してゲームを開発しているという部分では、業界でトップレベルに近いのではないかと思います。ただし、これは良し悪しの話ではなく、いろいろな個性の会社があって良いと思っています。

思いやパッションも大事ですが、ロジックや数字の裏付けをきちんと作って、パッションとロジックの両輪でものを作っていくのがDeNAの社風です。だからこそ、分析の果たす役割も他社と比べて大きいと思いますし、DeNAの分析が意思決定に確実に寄与していると胸を張って言えると思います。

――ありがとうございました。


DeNAにおいて意思決定のサポートを担う分析部は今後も参謀として活躍し、さらにAIや機械学習などの導入でますます精度を上げていくことが期待できます。

インタビューにご対応いただいた分析部の皆さん、ありがとうございました!

※本記事は2019年3月時点の情報です。

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