【DeNA分析部特集Vol.1】『逆転オセロニア』を支え続けるDeNAゲーム分析の強さとアナリストに求められる役割とは?

DeNAが運営するゲームはプロデューサーやディレクター、プランナーなど様々な職種によって支えられていますが、分析の役割もゲームの開発・運営にとって重要な存在と言えます。

そこで今回、ゲーム事業部の分析部に所属するアナリストの松﨑友哉と、『逆転オセロニア』プロデューサーの香城卓(けいじぇい)を迎え、タイトル運営の実例をもとに、DeNAの分析部がどのような役割を果たしてきたのかインタビューを実施。『逆転オセロニア』でアナリストに求められることや、DeNA分析部ならではの取り組み、そして今後の展望についてお話を伺いました。

『逆転オセロニア』で求められるアナリストの役割やスタンス

――まずは自己紹介を兼ねてお二人の業務について教えてください。

香城卓(以下、けいじぇい僕は、2019年2月で3周年を迎えた『逆転オセロニア』(以下、オセロニア)のプロデューサーを担当しています。これまで運用してきた中で、昔から応援してくださる方もいれば、最近ゲームを始められた方もいます。そうしたすべてのプレイヤー(以下、オセロニアン)に向けてどういったことを発信していくのかをチェックする、門番のような立場です。

そのため、「オセロニア」はこういうものだよという価値観や意思決定の基準を提示したり、メディアへの露出やコラボ等に関してお取引先とお話して、どういう風に「オセロニア」で新しいことを生み出していくかというところに主に力を注いでいます。

松﨑友哉(以下、松﨑 僕はDeNA分析部のアナリストで、現在「オセロニア」分析チームのリーダーを任されています。タイトルの今後に関する意思決定をスピーディーかつ高い質で、そしてユーザーファーストという方針がブレないように行えるよう、定量面と定性面でサポートすることが「オセロニア」分析チームの主な役割になります。

「オセロニア」運営メンバーの一員として、ときには客観的な目線でインプットできる立場として、ゲームを改善するための提案なども行っています。イメージとしては、プロデューサーやディレクターの[su_highlight background=”#fbff99″]“参謀”[/su_highlight]といった感じでしょうか。

けいじぇい: サービスとして「こうありたい」という定性的な意思はプロデューサーやディレクターが決めるところだと思いますが、そこに対して、定量的なデータや多くのオセロニアンのみなさんの行動のログなどをもとに、根拠のある裏付けの示唆を出してくれるのが分析チームなので、まさに[su_highlight background=”#fbff99″]“参謀”[/su_highlight]と言えますね。

――3周年を迎える「オセロニア」ですが、直近の主なトピックを教えてください。

けいじぇい: 昨年末に「名探偵コナン」や日清ラ王、そして1月にマクドナルドとのコラボを実施しました。また、最新(2019年1月時点)のダウンロード数は2,300万を突破しています。

業界的にも年末年始は盛り上がる時期ですが、「オセロニア」は2月がアニバーサリーの月なので、僕たちはそこから息つく間もなく周年に突入します。

毎年12月~2月にかけてトピックを固めているので大変な面もありますが、日清ラ王やマクドナルドとのコラボレーションを実現し、「オセロニア」らしいチャレンジングな施策がこの年末年始もできたと思います。

松﨑: コラボに関して、例えば実施する前に「オセロニア」と相性が良いかを市場リサーチやプレイヤーアンケートを踏まえて考えるところも、分析チームのアナリストとしてのいまの役割のひとつです。

もちろんコラボ実施後も、期間内におけるオセロニアンのみなさんの行動ログをまとめた結果などを分析しています。実際にその施策がどう受け入れられていたか、どう長期運営にポジティブな影響を出しているかなど、振り返りを行うことで次の施策を練るときの示唆を残せるようにしています。

――アナリストとして実施前の施策にも関わっていると。「オセロニア」運営チームとの距離感はかなり近いんですか?

けいじぇい: DeNAでは、1タイトルの成功にコミットする一員としてアナリストもゲーム開発にどっぷり浸かっているので、別部署だというセクショナリズム(組織の壁)というものはありません。

松﨑: そうですね。僕は普通に運用チームのメンバーと並びの席に座っています。DeNAではこれは日常の光景なんです。

けいじぇい: もちろんアナリストとして、定量的な示唆を出してもらうことが一番期待しているミッションですが、松﨑さん自身がオセロニアンとしてもゲームをしっかりプレイしてくれていて、プレイヤー感覚での示唆出しもしてくれるんです。

プレイ経験がない人に受発注的に数字を出してもらう取り組みよりも、ゲームとしての「オセロニア」をプレイヤーとして理解している、という素地があった上でデータを出してくれるので、とても納得感があるし、信頼してやりとりしています。

これはどのセクションにも言えることですが、縦も横もなく全員が1つの役割を持って「オセロニア」をどう最大化させるかという方向に向かっていく姿勢は、アナリストに限らずチーム全体でもっています。

――まさにそれが「オセロニア」で求められるアナリストの役割ということでしょうか?

松﨑: そうですね。僕は分析部のアナリストですが、「オセロニア」運営メンバーの一員という意識もすごく強いんです。

アナリストとして求められる業務のセクションの部分において、数字から物事を話すというのが一般的なアナリストとしての観点ですが、定量・定性関係なくプランナーと議論するプレイヤーとしての意見も大事だと思います。

もちろんデータを見て意見することも大事です。でもそれは「オセロニアを良くするためにはどうするのが一番ベストなのか」を突き詰めるための手段の1つでしかないので、それよりも「オセロニア」を良くした上で、施策の効果を最大化させるために自分自身がどれだけ貢献できるかを考えています。

けいじぇい: あまり領域に閉じてほしくない、というところも求める事の1つです。松﨑さんはプランナーチームのレビューもしてくれるので、そういう意味ではアナリストの領域からは離れて働いていると言えますね。

実はDeNAのアナリストはそういった動き方が多くて、人によって得意不得意はありつつ、それぞれが尖った部分を持っています。一般的なアナリストのように、データを出して示唆だけ届けるという形ではなく、基本的に運用チームにガッツリ入り込んで、自分の得意な分野を把握してどこまでチームの中で価値を見出すか、を考えて動く人が多いです。

松﨑: それこそデータとしての裏付けが取れたら手段として使いますし、それがなくても「こうすれば良くなるはず!」というゲーム内の施策や組織的な課題など、結構何でも選ばずに協力して、「オセロニア」を良くするために何をするべきかを日頃から考えています。

――アナリストとしてゲームもプレイしている中で、客観的な見方と主観的な見方のバランスはどのようにとっているのでしょうか?

松﨑: 僕は他のゲームもいろいろ遊んでいますが、その上で「オセロニア」に対する自分のプレイ度合だったり、どれくらいヘビーな感覚を持ったプレイヤーなのかを常に意識して考えています。

あとは、普段あまりゲームをプレイしないライトな方たちや、自分よりヘビープレイヤーの方たちがどういう遊び方をしているか、という部分に関しては「オセロニア」や他のゲームの定量データを見ながら感覚として貯めておき、それを踏まえた上で自分の中で仮説を出すようにしています。
そして、仮説を得た理由をしっかり考えた上で、その仮説が汎用的なものなのか、それとも各セグメントに閉じたものなのかを常に一歩引いて考えるように心がけています。

アナリストとしての新技術導入やコミュニティ運営の取り組み

――「オセロニア」はデッキ編成や対戦などにAIを活用するなど新しい技術導入に積極的な印象ですが、技術面でのアナリストの取り組みや役割を教えてください。

松﨑: 「オセロニア」のデッキの構築に関しては、一部複雑な面もあり、初心者がつまずきやすい部分でもあります。この点について、チュートリアルを工夫すれば解決できるという単純なものではなく、ゲームの機能そのものから手を加えていく必要がありました。

ただ、DeNAの中にAI技術の専門チームがあったとしても、それを上手く活用するための良質な問いがなければ、100%フルに活かせないと思っています。その中でのアナリストの取り組みとして、運営チームにコミットしている中で認識しているゲーム内の問題や状況を伝えながら、いかに高い技術力をゲーム中に効率よく活かしていくかを考え、進めています。

そのような新技術に積極的に取り組みサービスに反映させるというブリッジのような役目も求められることだと思っています。

――ファンコミュニティを大切にしている「オセロニア」ですが、コミュニティマネジメントの部分でアナリストとしてどう関わっているんですか?

松﨑: 「オセロニア」は“オセロニアンの宴”や“オセロニアンの戦”といったリアルイベントなど、プレイヤー同士によるコミュニティが活発です。その中で、僕も日本各地に赴いてイベントに参加しています。

そこでは実際にプレイヤーがどんな表情でゲームを楽しんでいるのか、どんな関係性やコミュニティの輪が生まれているのか、その温度感を肌で感じるようにしています。定量的な分析は、ともすれば割と機械的になりがちで、データによっては難しい判断を迫られるときもあり得るとは思います。

ただ「オセロニア」で大事にしているコミュニティ、実は定量データを見ているだけではわからないところもあるので、イベントに参加して、その温度感をしっかり把握したうえで適切な意思決定をサポートできるように意識しています。

けいじぇい: 人間のコミュニケーションの集合体が、コミュニティです。成果がはっきりと数字で表せない部分も多いため、コミュニティづくりが上手くいったのか、改善点はどこかなどを明確にデータで見ることは、恐らく世界中のどこも明確な答えを持っていないのかもしれません。

その中で、この3年間「オセロニア」が実際に事業としてやってきた知見を活用して、コミュニティの形を開拓していくのも我々の使命なのかなと思っています。

松﨑: 単純にゲームの中のログをビックデータ解析する以外のところでの人のコミュニケーションや、何がきっかけでエンゲージメントが高まることに繋がるのかなど、人の心の動きをデータで見るのは難しい領域ですが、今の世の中の流れを含めてすごく重要な気がします。

――アナリストの領域を超えて「オセロニア」と向き合うアナリスト・松﨑さんはけいじぇいプロデューサーにとってどのような存在でしょうか。

けいじぇい: ゲームって色々な主観がありますし、おもしろいという基準も1つではなく、「ここはこうしたら良い」というみんなの色々な意見の中から生まれるものです。そういうところで、逆に主観を持たずビックデータに論拠した形で客観性を持ったアナリストもいて良いと思いますが、松﨑さんはやはりユーザー志向性がすごく高いアナリストだと感じています。

というより、「自分もこう思うから遊んでいるオセロニアンたちもこう思うはず!」という、ある種自分が持っている仮説を検証するために、数字を出している部分もあるかもしれません。

そういう意味では客観的に事実だけを提示するよりも、まず自分が本当はこうあるべきだというところを論拠を示して、そこに立ち返って示唆してくれる人ですね。もちろん数字にも強いのですが、ひとりのプレイヤーとしてゲームに向き合っているアナリストではないでしょうか。

『逆転オセロニア』がさらに進化するために今後目指していくこと

――改めて、アナリストとして一番大切にしていることは何ですか?

松﨑: 常に全体観をもって考え、動くことを意識しています。例えばデータを見ることでゲームを良くすることが最適な場合はそうしますが、それ以外にもいま組織の体制として大丈夫なのかとか、その場その場でゲームの状況やチームの状況を踏まえて何をすべきか、事業をもっと伸ばしていくためにはどういったことに取り組むべきかという上段から考え、課題を提起してシューティングしていくことを相当意識していますし、求められているところかなと思っています。

――「オセロニア」のように3周年と歴史を積み重ねていくタイトルに携わる中でアナリストとしての考え方に変化などはあったのでしょうか?

松﨑: 考え方の軸はあまり変わりませんが、アプローチが変わっていくところはあります。当然「オセロニア」は新規プレイヤーや、久々に遊んでくれるプレイヤーも楽しませたい。そのためにはどうするべきかは絶えず変化していきます。

さまざまな要因で、タイトルの状況が変わっていく中で、その場その場で向こう半年を見据えて、何をするのがベストなのかを考えながら動く。そしてできることは何でもやるというところが、僕のアナリストとして軸となる考え方です。

――アナリストとして今後「オセロニア」プロジェクト全体を見てこうしたいというビジョンはありますか?

松﨑: いま考えているのは、「オセロニア」のゲーム全体としてのユーザー体験をちゃんと整えていきたいなと思っています。

運用も4年目に入ってくるので、今後は新規プレイヤーだけでなく、久々に遊んでくれるプレイヤーも増えてくる状態になると思うんです。そうした中で、今までは新規プレイヤーがどうやって階段を上っていけばいいのかを考えることが多かったんですが、今後は復帰プレイヤーが戻ってきたときに今の「オセロニア」にスムーズに馴染んでくれる方法や、また夢中になってくれる方法を考えていく必要があると思います。

その両面が上手くできるような、ゲーム全体としての綺麗な流れをしっかり組み立てられたら、長期運営していくタイトルとして今後より強いゲームにできるんじゃないかなと思っています。

アナリストとして、それを助けられるような分析や示唆出し、あとはコミュニケーションをとっていきたいなと考えています。

――3周年を迎えた「オセロニア」は、4周年に向けてどのような進化を遂げるのでしょうか。

けいじぇい: 「オセロニア」は4年目に突入しますが、これまでもコミュニティと一緒にタイトルを育ててきましたので、この先もそのスタンスは変わりません。

ただ、3周年を迎えて少し風景が変わってきたなと感じています。この2年間くらいは僕たちが作ったコミュニティの場にオセロニアンのみなさんが集まって、そこでコミュニティが形成されていく図式でしたが、オセロニアンがオセロニアンのための場を作るという流れが徐々に生まれてきているんです。

4年目は、これまで僕たちがやってきたコミュニティの場を作ることをやりつつ、さらにオセロニアンのみなさんが作るコミュニティを支援していって、オセロニアンのみなさんを介して「オセロニア」が広がっていく、というところにシフトしていこうかなという気持ちです。

松﨑: 分析部としてやることのベースは変わらないと思いますが、けいじぇいさんのお話にあったようにコミュニティの作り方、考え方もどんどん変わってきているので、それに従ってコミュニティが「オセロニア」にどういった影響を及ぼしているのかを、どこまで定量的に見ることができるかチャレンジしたいですね。

また、AIについても、どれだけゲームに良い影響を及ぼしているのかというところを、難しい挑戦ですが取り組みとしてやっていき、何かしらの示唆を出すことでその先のゲーム運営をより改善することに貢献していきたいと考えています。

――最後に、松﨑さんが感じるDeNA分析部の強みや魅力について教えてください。

松﨑: DeNAは会社全体として数字を見る文化が根付いています。そういう意味で、しっかりとしたデータ解析を元に何かしらの論拠の示唆をして、ロジックを立てて説明できればちゃんと話を聞いてもらえます。

それは分析部に限らずどの職種でもそうですが、データをもとに聞いてくれるのでアナリストとしては動きやすい文化だと感じています。

それに、定性的に自分の勘でごりごりに物事を進めるというより、一度データを見て冷静になれる環境になっています。アナリストが質の良いお題を立ててそこに対するデータ分析をして、結果を出せればそれがちゃんと事業に受け入れてもらえる。

それがゲームだったりプロダクトに反映され、その結果を自分でちゃんと測ってどうだったか検証することができるので、上流から下流までワンセットで見ることができるのはやりがいを感じられると思います。

DeNAはデータをベースにしながら、人間的な、数字では見えない部分も大切にする、情熱的な人も多いです。また、AIなど会社としての技術力を武器として活かせたり、コミュニティマネジメントに力を入れていたりと、ゲーム会社の中でもなかなか事例のない取り組みをしていると思います。

ゲーム的にも分析的にも新たなアプローチが多いため、日々刺激を受けながら働くことができる良い環境だと思っています。

※本記事は2019年2月時点の情報です。
※本記事は、SocialGameinfoに掲載された内容を一部構成を変更して掲載しています。

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DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

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【イベントレポ後編】GDMプランナー向け座談会vol.13 ~コミュニティファーストなプロダクト運営~

毎回様々なゲストをお招きして、最新の技術や情報をシェアするDeNA主催のゲームクリエイター向け勉強会の【Game Developers Meeting】(以下、GDM)。

2019年1月18日(金)に開催されたGDMでは、株式会社コルクの佐渡島庸平氏を招き、DeNAの香城卓(通称:けいじぇい)と住吉政一郎とともに、『逆転オセロニア』を事例とした座談会を実施しました。

イベントレポート後編となる本記事では、盛り上がった第二部のテーマ3~6をもとにした対談内容を紹介していきます! 

前編の模様はコチラをご覧ください。

第二部:For2020 これからのコミュニティ談義

テーマ(3):コミュニティ論、大事! どうやって勉強すればいいの? 

けいじぇい:まず最初の教科書は、佐渡島さんの本ですね! 

佐渡島氏:よろしくお願いします(笑)。「宇宙兄弟」のファンコミュニティを運営するときに、そもそも資料が少なくて、自力じゃ勉強しないと感じたので、一緒に学ぶ人を1人1万円くらいで募集しようと考えたのが書籍を作ったきっかけなんです。お金を取ったら、やらないわけにいかないし、自分を追い込もうと思って(笑)。

10人くらい来るかな……って「コルクラボ」で募集したら、150人くらい集まっちゃって(笑)。とりあえず面接後、80人程度でスタートしました。そこで実験的に試して培った知見を書籍にして、ファンコミュニティに活用しました。

そこで感じたのは「何でも実践してみる」ことです。オンラインサロンや、「ポルカ」(フレンドクラウドファンディングアプリ)などに自ら参加して、自分のSNSコミュニティがどんな状況かを知ることも大切ですよ。

DeNA香城卓(通称:けいじぇい・写真左)と株式会社コルク代表 佐渡島庸平氏(写真右)

前に佐渡島家で「ヘイ(平)ペック」を開催したことがあるんです。僕や親をはじめ、親戚の名前には全員「平」が付いているんですが、最近「平」が足りなくなり、次生まれた子供には「この平が付いた名前を予約! 」みたいに、話し合いの場所を設けたことがあります。

後日、佐渡島家以外で、「平」が付いた名前の人だけを集めたらどうなるんだろうと思って、店を借り切って飲み会を企画してみたら、40人くらい知らない人が集まっちゃって(笑)。

そんな、一風変わった飲み会の幹事を開催して、次回告知や、参加者が仲良くなるならどうするか、どんな設定ならウケるか、など、企画を考えていると気づくことが多いですよ。

住吉:「ヘイ(平)ペック」、面白いけどハードル高くないですか(笑)。でも確かにチームの飲み会でみんなが必ず来るようなアイデアや、小規模のコミュニティで実践することは勉強になりますね。

佐渡島氏:「(平)が名前につく人にしか分からない話」とかは盛り上がりますよ(笑)。あと、コルクラボにはそれぞれの部に責任者がいて、どんな方法で部署を回しているか、コミュニティマネジメントをうまくやれているのか、良く観察をしています。

けいじぇい:それでも残念ながら、コミュニティはまだまだアカデミックな意味で成立しておらず、語り尽くせないほど、不安定な言葉だと思います。

佐渡島氏:そうですね。人間の感情面はまだほとんど研究されていないわけで、人間関係のあり方なども研究が進んでいません。人が人間関係の中でどうすれば心地よいのかなど、解明されていない部分が多く、解説マニュアルもありません。

少し前に、コミュニティイベントに参加した際に、4人の登壇者に対して、マイクが2本しかなくてまともに対談にならなかったことがあります。話し終わって次に回すような感じで、雑談も盛り上がらないんです。そんな風にマイクの本数だけでも、イベントの雰囲気がガラッと変わってしまうんですね。

けいじぇい:明文化もされていない、感情の仕組みやコミュニティのあり方を数字で出せないことが、難しいところですね。

住吉:特に汎用化が難しいんですよね。コミュニティごとに打ち手もまったく違うので、まず初期は観察してから諸々の判断をすることも多いです。

テーマ(4):コミュニティ運営、実際にやってみての失敗談

佐渡島氏:「コルクラボ」の立ち上がりイベントは、勉強目的として社内で実施が決まっていたのですが、応募人数が想定より増えてしまったので、正会員以外は、オンライン参加で値段を半額にしたんです。

すると「自分たちは選ばれなかった」と感じる人が出てしまい、正会員よりもすごいプレゼンを準備して驚かせよう! みたいにカーストになってしまいました。

人は、きっかけがあれば人との優劣を付けてしまうので、フラットに運用するのは大変ですね。

けいじぇい:『オセロニア』では、運営初期にいろいろ失敗の経験がありましたね。

住吉:ゲーム内でリアルイベント告知をわかりやすい目立つ場所に変えたら、応募が殺到したので運営チームで人数を見て喜んでいたんですが、当日を迎えると、参加者がほとんど来なかったんです……。

熱量が高いプレイヤーと、なんとなく面白そうで応募したライトなプレイヤーの温度差の違いを実感しました。

けいじぇい:やっぱり大きい数字が出るのは嬉しいし、運営陣は舞い上がっちゃうんですよ。これはアクティブユーザーの裏側にあるコミュニティのサイズを見誤った事例になりました。

住吉:それからは、ゲーム内での積極的で派手な告知はしていません。

けいじぇい:そうですね。これまでのコミュニティのサイズ感を大事にして、そのプレイヤーが来てくれたら喜ばれるような導線を作っています。

佐伯:そういえば、「コルクラボ」のイベントでカースト状態になってしまったときの解決策って、どんなものだったんですか? 

佐渡島氏:次回の開催時には価格設定を一律1万円にして、応募者全員が参加できるスペースを借りました。

さらに、オンラインとオフラインの動きを活発にしようと、掲示板で投稿数が多かったベスト3の人が、僕と食事に行ける権利をゲットできる、というルールを作ってみたら、サイトのPVが1ヶ月30万超えとかしちゃいました(笑)。

ですが、3ヶ月くらいするとみんな投稿疲れして、なんとなくサービスに対して反感を持ち始めたんです。あまり熱量を上げすぎず、煽らないことが大事です。時代が変わっても、あまり特殊なことはせずに、淡々と粘って積み上げていくことが一番かもしれませんね。

テーマ(5):コミュニティベースの中、頭一つ抜け出す方法!

けいじぇい:コミュニティが多様化している現代では、コミュニティごとの雰囲気やカラーを作り上げて、それを維持していくことが大切ですね。

例えば、過去に運営に携わっていたメンバーや、昔のプレイヤーが今のファンミーティングに来ても、変わらない、楽しい! と感じるような、コミュニティのブランディングを保つことが不可欠です。

佐渡島氏:コミュニティ運営では、所属する人数や参加率の把握をしつつ、掲げていることと、やっていることをできるだけ一致させるような試みを行うことが重要ですね。

けいじぇい:そうだと思います。幹事のようなコミュニティの場を広げてくれる人、サービスの周りにいる応援してくれるコアなファンたちがどこの地域に住んでいて、どんなことを考えているのかを、また自分たちのファンの温度について、より高い解像度でしっかり見て、理解することが重要です。

テーマ(6):For2020 コミュニティベースの未来

DeNA住吉政一郎(写真右)

住吉:インターネット内のコミュニティも変化し続け、人間を表現するのがだんだんと巧みになってきています。リアルで人間味のある人の心を言語化して、それをプロダクトに最大限活かせるような人たちが、今後重要になる未来が訪れるのではないのでしょうか。

けいじぇい:コミュニティを基準にしていくことが、世の中がハッピーになる気がします。

人がコミュニティに属するときは、「人とつながりたい、何かに貢献したい」といった、前向きな感情の結びつきを求める気持ちが大きいと感じました。将来的に、アカウントを通じて、他の世代や違う地域に住む人とつながる場所が生まれていけば嬉しいですね。

佐渡島氏:当時流行したSNSなどをきっかけに、いろんな切り口で集まった集団の呼び方を「コミュニティ」と呼ぶようになっていきました。

これが今までの「会社」や「学校」と同じくらい、当たり前なカタチになってきたときに、すべてをひっくるめてコミュニティという言葉ではなく、より細分化された適切なネーミングが生まれてほしいですね。

現在では、「野球とグルメ」みたいにコミット具合が違うコミュニティが、全部同列になってノウハウの定義がズレています。この先もっと言葉が分かれていけば、チェックポイントが明確になる現象が起きていくはずです。

佐伯:なるほど。そうやって未来的には、さらに細分化された、数多くのコミュニティが生まれて育っていくわけですね。本日はありがとうございました。

懇親会の模様

事前応募人数が100名を超える規模となった今回のGDM。おなじみとなった軽食のお寿司とピザをつまみながら、登壇者と来場者の交流が行われました。

GDM運営チームオススメのデザート

懇親会のデザートには、銀座と南青山にお店を構える和菓子やさんより、季節の生菓子をご用意。来場者の中でもデザートのファンが、実は多いとか……!? 

取材・文・撮影:細谷亮介

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【イベントレポ前編】GDMプランナー向け座談会vol.13 ~コミュニティファーストなプロダクト運営~

毎回様々なゲストをお招きして、最新の技術や情報をシェアするDeNA主催のゲームクリエイター向け勉強会の【Game Developers Meeting】(以下、GDM)。

2019年1月18日(金)に開催されたGDMでは、株式会社コルクの佐渡島庸平氏を招き、DeNAの香城卓(通称:けいじぇい)と住吉政一郎とともに、『逆転オセロニア』を事例とした座談会を実施しました。

本記事ではレポート前編として、第一部の「コミュニティファーストなプロダクト運営について」と第二部のテーマ1~2までの対談内容をお伝えします。

※本イベントの前には事前特別対談が行われました。その模様はコチラをご覧ください。

第一部:『逆転オセロニア』流
コミュニティファーストなプロダクト運営

サービス開始から3周年を迎える『逆転オセロニア』。そのプロデューサーを務める香城より、同タイトルでの、コミュニティファーストなプロダクト運営について概要が以下のように紹介されました。

「昨今聞かれるようになったコミュニティファーストについて、『逆転オセロニア』ではプロジェクトの意思決定基準のことであると定義付け、ターゲットは”コミュニティそのもの”を指します。

現在は、物事を決める価値について、”流行っている、話題になっている”といった”プロダクトを取り巻く人の群れ”を見て、人々がその価値を評価する時代になっています。

これからのコミュニティ時代に意識すべきことは、応援・発信してくれる人たち×コミュニティ世論がプロダクトの評価を決める時代であると認識すること。

現在はコミュニティマネジメントが重要な時代であり、プロダクトとコミュニティの距離感と意味合いを把握することが重要だと思います。」

DeNA香城卓(通称:けいじぇい)

続いて、『逆転オセロニア』実践例として、初期事業推移を公開。リリース初期にはひたすらプレイヤーの熱量を増加させたファンコミュニティの後押しが、急激な成長軌道に入る契機になっている、と語りました。

また、オフラインイベントやファンミーティングの開催については、年間30本以上、全国各地のオセロニアン(『逆転オセロニア』のプレイヤー)が住んでいる街へ「自分たちが行く」ことを大切にしている、とのこと。そこでは、オセロニアンのみなさんと運営が直接意見を交わしながら、プロダクトを「共創している」感覚を実感し合いたい、と話しました。

「次の時代に向けて、世界的にコミュニティの重要度は増していると感じる。今後はプロダクト周辺のコミュニティまで、ソーシャル性を統括したデザインが必要だ」と述べて締めくくりました。

第二部:For2020 これからのコミュニティ談義

ここからは、佐渡島氏を迎えて、6つのテーマに沿った座談会がスタートしました。

テーマ(1):そもそもなぜ昨今、コミュニティ重要論が叫ばれだしたのか?

佐伯嶺(以下、佐伯):これまであまり聞かなかった「コミュニティ重要論」が最近なぜ語られ始めてきたのか、逆に今までのままではなぜダメなのか、討論をお願いします! 

住吉政一郎(以下、住吉):コミュニティが重要視されてきたこと=ぜいたくな時代になってきたのを感じています。完全にインフラが整ったスマートフォンアプリゲーム市場が成熟してきたため、コミュニティを通じて遊ぶような楽しみ方に変わってきたと思われます。

株式会社コルク代表 佐渡島庸平氏

佐渡島庸平氏(以下、佐渡島氏): 同じく「世の中全体が、ぜいたくな時代」って重要なキーワードに感じます。野球・相撲・プロレスしかエンタメがなかった戦後に比べ、現在はたくさんの娯楽がありますから。

エンタメが圧倒的な影響力を持っていた頃は、自分たちのコンテンツが簡単にプレイヤーに届くため、手法を深く考えなくて良かったんです。むしろ、雑な届け方でも良しとされていました。

時代は変わり、ソーシャルゲームやマンガがいつも手元にあるのが当たり前になって、(作る側は)読む状況から、どうやったら入り込みやすくするかを、特に考えます。僕がよくマンガ家に対して「これって読者目線じゃないよね」「こういう導入じゃないと理解できないよ」とアドバイスをすることも多いです。

もし、「今のあなたにはこれがおすすめです」と手紙が添えてある本を誕生日プレゼントでもらったら、絶対読みますよね。そういった気持ちをプレイヤーに持つことができるかが、重要なんです。

ゲームの場合、友達に「絶対ハマるから、今ダウンロードして一緒にやろうぜ! 」って誘われることが、やわらかく、かつなめらかなゲームの始め方であり、そのように届け方への繊細さが求められている時代なんだと考えています。

また、コンテンツを作る人が、それを届けた「後」しか考えていないことも多々あります。チュートリアルをものすごくしっかり作ったゲームでも、必ず大ヒットするわけではないですよね。それは、届け方の部分に雑に感じるような問題があるからなんです。

そのあたりを含め、今後のコミュニティファーストには、届け方をセットで考えた、雑でない、口コミでストレスもない、なめらかであることが強く求められています。

住吉:確かになめらかな届け方は必要ですね。SNSを利用しながらゲームで遊ぶときに、機能がまったく親切じゃないことに気づくことも多いです。その導線をどれだけスムーズにするかが、コミュニティの大切さとつながっていくのかもしれません。

DeNA住吉政一郎

佐渡島氏:今でも年配の方って、新聞広告を切り抜いて持っていて、書店に行ってそれを見せて注文して……ってすごい手間をかけさせてるんですよ(笑)。欠品で取り寄せしたら、また一週間後に取りにいって……。ソーシャルゲームの導線のほうがわかりやすいですよ。

香城(以下、けいじぇい):URL踏むだけですもんね(笑)。

住吉:もしかしたら、年配の方は新聞広告のほうが「なめらかな届け方」なのかもしれませんよね。コミュニティそれぞれに対して「何が」なめらかなのか、を考えないと。

佐渡島氏:ECサイトに電話とFAXの申込みを方法を導入したら、すごく売上が伸びたことがありました。年配の人がそれを快適と考えているかわからないですが、習慣化していることは明らかです。

昔は不自然なことに自分が合わせるのが普通で、我慢するのが当たり前。我慢できない若い人との価値観のぶつかり合いは、最近のニュースで見ることが多くなりましたよね。

住吉:コミュニティにしっかり届けるという観点では、ツールの揃っているSNSプラットフォームを使って、スムーズに届けることを第一に考えることが大切だと思います。

佐渡島氏:地域コミュニティについての研究資料を読むと、「祭り」が重要だと記述があります。祭りを開催すると外部の人も訪れるため、村の雰囲気を外に伝えるチャンスになるんです。『逆転オセロニア』なら、オフラインイベントの魅力がSNSにまで波及していけば、絶対に盛り上がるはずですよ。

けいじぇい:そうですね! 個人がそれぞれのアカウントを持てるようになったのも、コミュニティが重要視されてきた要因でもあります。自分も愛称で「けいじぇい」と呼ばれていますが、本名以外でなりたい自分を出せる場所があるのは、楽しいですよね。

佐渡島氏:あっ! そういえば、香城さんのことをみんな「けいじぇいさん」って呼ぶから、僕、なんか呼び間違えてるのかなって、ずっと不安だったんですよ……(笑)。

けいじぇい:会社でも僕のこと「香城」って呼ぶ人いないんです(笑)。今はそうやって「けいじぇい」として『逆転オセロニア』を通じた知見を含めて一つの人格として接することができるような、コミュニティを作りやすい世の中になっていると思います。

佐渡島氏:その感覚はすごい面白いですよ。アカウント複数持っている人も多いですし。過去に別人格を演じるコンテンツを作っているときに、普段では言わないキワドいことが、思わず口から出ちゃったことがあります。そのときに「あ、今って複数の人格を持てる時代なんだ」と実感したことを覚えています。一部の人格だけで会える人たちがいるのって興味深いですね。

けいじぇい:現実の自分ではない、見せたいところだけ、振る舞いたいところだけをチョイスしてコミュニケーションするようになってきている、良い例ですね。

住吉:僕は複数のアカウントを、遊んでいるサービスで分けて使ってますが、人格の設定をあまり作らず「このコンテンツを楽しんでいる人」という純粋な部分に居心地の良さを感じています。

佐渡島氏:予防医学の研究者によると、ここ50年くらいで人間の脳の中でも特に「想像力」が発達しているらしいです。

日本で二次創作が流行るのは、想像力が豊かだからなんです。コミュニティに関わることによって、アカウント上のキャラや性格も望んだ形になれる、それが注目される時代になってきていることは確かですね。

テーマ(2):サービス初期はどうやってファンコミュニティを作るべきか

住吉:最初はファンが少ないコミュニティのほうが作りやすいと思います。『オセロニア』初期のファンミーティングで参加者1名のときは、じっくりと語ることができましたし。人数が少ないからこそ深く関われることは、逆にチャンスかも知れません。

佐渡島氏:それは100%賛成できます。「宇宙兄弟」のときは、人数が最初から多くて運営の方法がなかなかわかりませんでした。コミュニティは雑に扱わないことが原則なはずなのに、ついつい運営者目線になってしまいがちでした。

なので、人数が少ないコミュニティはラッキーだと感じて欲しいですね。フォロワーが500人しかいなければ、全員が選んでくれるようなコミュニティにじっくり育てるべきです。

もし、自分の作品がオリジナルであれば、最初からネタ出しを頑張って、濃いコミュニケーションを心がけましょう。たまに自分の弱みを見せると、さらにフォロワーとの関係性を深く築けると思います。

けいじぇい:全く違う目線ですが、コミュニティって数値化が重要な事業計画とは相反するので、時間軸の考え方を、経営陣などとコンセンサスを早めに取っておくのが大事です。

人間は目に見える数字に注目しがちなので、オーディエンスではなく自分たちも運営に食い込んで盛り上げ、広げてくれる人たちを生むこと、コミュニティが人間関係を拡大させる、という世界観を自分たちの周辺で作ることが大事だと思います。

住吉:さらに、初期はお金をかけないこともポイントです。続けやすい形でじわじわと。

佐伯:でも、じっくり取り組むと、逆にスピード感が出ないと思われないですか? 

DeNA佐伯嶺

佐渡島氏:「紙を100回折ると宇宙に届く高さになる」のと同じく、倍々ゲームみたいに、コミュニティにまず1人を連れてくることを繰り返していけば、加速度的に増えていくはずです。

そして、過剰な関係値は作りすぎず、間口を入りづらく、出やすくします。自然と初期のコミュニティの人も入れ替わりつつ、徐々にサイズが大きくなるなら、問題は少なくなると思いますよ。

住吉:コミュニティがゆっくりと盛り上がり、広がっている途中で「この情報を出せば、これくらいの人数が集まる」みたいな、数字の概念を突然入れてしまうと、とたんにコミュニティがおかしくなるので注意が必要です。

佐渡島氏:実は、地域コミュニティの運営方法が解決策を持っていると思うんです。サイズの違う共存したコミュニティに属しながら、小さい規模では安心できる濃い関係性を、人数や盛り上がりによってサイズが変化する大きなコミュニティでは、流れにまかせる関わり方にすると良いですね。

けいじぇい:『逆転オセロニア』のコミュニティには、オセロニアンの期待するような世界観が必要です。ギスギスせず、強者だけが楽しい場所じゃない、サイズが大きくなってもコミュニティの雰囲気やカラーが維持されることを、コミュニティマネージャー(※)などとしっかり考えて運用していかなければいけませんね。

住吉:『逆転オセロニア』は対戦ゲームですが、「たまたま負けちゃった! 」と言いやすいゲーム性を持っています。コミュニティ内でも負けたことが絶対的な上下にならないのが、親しみやすいコミュニティの性質にもつながっているのかもしれません。

※コミュニティマネージャーとは、オフラインイベントやSNSなどを通じて「プレイヤーの熱量を高めること」をミッションとする職種のことです。

第二部の続きはレポートの後編で! 

イベントレポート後編記事では、さらに盛り上がった第二部のテーマ3~6をもとにした対談内容を紹介しています。コミュニティ論の学び方、失敗例やこれからの未来についても談義されているので、要チェック!

【イベントレポ後編】GDMプランナー向け座談会vol.13 ~コミュニティファーストなプロダクト運営~

取材・文・撮影:細谷亮介

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GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

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【CEDEC2018まとめ】ゲーム系登壇者の一言感想&資料つき

注目のゲーム系セッション振り返り

2次元キャラが3次元にやって来る!~歌マクロスでのAR施策~

登壇する小野と北林

ゲーム・エンターテインメント事業部第三開発部の小野と北林が登壇。「ARとVRの違い」「なぜARを実装しようと思ったのか」「実装してみての苦労話」など、訪れた来場者の興味を惹きつける内容となりました。

 

Q:まずは小野さん、登壇してみていかがでしたか?

登壇する小野

キャパが120名の会場だったんですが、事前にはどのぐらいの聴講者が来るのか全く予想できず、「ガラガラだったらどうしようかな……」とか思っていました。実際には、開始前にはかなりの行列ができており、講演途中で「満員で入れません」になったとあとから聞きまして正直ホッとしました。

終わったあと喫煙所で、セッション聞いてくれた専門学校生3名に突撃質問されたのですが、熱量高い人達でなんだかうれしくなりました。やっぱゲーム作る人は熱量大事! とあらためて思った一日でしたね。

Q:続いて北林さん、登壇してみていかがでしたか?

登壇する北林

途中でスライドが入れ替わっているトラブルがあったりして少しオタオタしましたが、やってみてとても良い経験になりました。また、その後の登壇者懇親会やDevelopers’ Nightなどでも、講演内容をきっかけにして多くの方々と交流させて頂きました。

CEDECへの登壇を通じて、業界の方々にノウハウやナレッジの共有ができ、今後ARを活用した施策の参考になればと思います。

次世代QAとAI 〜ゲーム開発におけるAI活用に正しく向き合うために〜

パネルディスカッション

パネルディスカッション式のセッション。DeNAからはAIエンジニアの奥村(写真:右から1番目)が登壇。株式会社スクウェア・エニックスの三宅氏、株式会社セガゲームスの阪上氏、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社の大野氏とともに、QAとAI活用における各社の取り組みなどが紹介されました。

 

Q:奥村さん、登壇してみていかがでしたか?

今後より複雑化していくゲーム開発と人手不足に対する危機感から、AI活用について真面目に向き合いたいという気持ちで登壇しましたが、業界の第一人者の方々とのディスカッションはとても実のあるものになったと思います。打ち合わせでは何時間にも及ぶ白熱した議論がありましたが、その一端をお見せできていたら嬉しいです。

『逆転オセロニア』におけるAI活用〜ゲーム運用における取り組みとノウハウ〜

最終日となる24日(金)は、奥村が『逆転オセロニア』でのAI活用の取り組み・ノウハウを紹介。

 

Q:奥村さん、登壇してみていかがでしたか?

談笑する奥村

現在関わっているAIプロジェクトの技術を余すことなく公開することを目的に登壇しました。講演後、技術の中身やプロジェクト観点での質問が非常に多く寄せられて嬉しかったです。ここでの議論やノウハウが、他のゲーム開発者の方々の参考になれば、業界のAI活用もより一層進んでいくと思います。

『逆転オセロニア』が実践した“コミュニティと共創するゲーム運営”

登壇するけいじぇい

ラストは、先日2,100万DLを達成した「逆転オセロニア」のプロデューサーである香城(けいじぇい)が登場。ゲームではなく、「サービスとしてプレイヤーに届ける価値」という観点から、事例を交えて紹介しました。

 

Q:香城(けいじぇい)さん、登壇してみていかがでしたか?

CECECでの登壇は初めてでしたが、非常に刺激的な体験になりました。

はじめはオセロニアのコミュニティマネジメントの話に終始しようと思っていましたが、発表されたタイムスケジュールを見て、CEDEC20周年記念の基調講演として3日間の最初の講演がマリオの生みの親である宮本茂さん、3日間の最後の講演が私だったのを何かの縁だと思って、脈々と続くゲームの歴史の流れの中でバトンをつないでいけるような未来への提言をしたいと思いました。色々思案した結果、「For2020 ポストソーシャルゲーム時代」という形で想いも伝えました。

談笑するけいじぇい

講演終了後も、ありがたいことに、たくさんの方が列をなして、もっと話を聞かせてほしい、今度、別のイベントでも話してほしいなど反響がポジティブだったのは嬉しかったです。

 

DeNAもCEDEC2018をサポート

多くの来場者

今年で20週年を迎え、先日無事に閉幕したCEDEC2018。任天堂株式会社 代表取締役 フェロー 宮本氏の基調講演から始まり、のべ3日間で来場者は数千人を超え、多くの賑わいを見せました。

water

CEDEC2018会場では、来場された皆さんに、冷たいペットボトルウォーターを配布。暑い中来場くださったので、大変好評をいただきました。

関連リンク
【公式サイト】逆転オセロニア
【公式サイト】歌マクロス スマホDeカルチャー

©1982,1984,1992,1994,1995,1997,2002,2015,2017,2018 ビックウエスト
©2007 ビックウエスト/マクロスF製作委員会・MBS
©2009,2011 ビックウエスト/劇場版マクロスF製作委員会
©DeNA Co.,Ltd.

【CEDEC2018】注目のゲーム系セッションまとめ。気になる見どころを、登壇者に聞いてきた

CEDEC2018開幕

いよいよ開催が近づいてきたCEDEC。1999年にスタートし、20回目という節目を迎えた今年は、AIやARなどの最新事例の他、大ヒットゲームの運営術など、見どころが盛りだくさんの内容になっています。(最新情報や詳細は「CEDEC2018公式サイト」をご覧ください)

期間:2018年8月22日(水)~8月24日(金)
会場:パシフィコ横浜会議センター (横浜市西区みなとみらい)
主催:一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会 (CESA)

注目のセッションと見どころ

GeNOM編集部では、注目する登壇者にセッションの見どころをインタビューしてきました。ぜひこちらを読んで、会場に足を運んでみてください! 当日は「そこまで話していいの!?」というくらいの実例をまじえたノウハウが聞けるかもしれませんよ。

 


2次元キャラが3次元にやって来る!~歌マクロスでのAR施策~

=登壇者紹介=

小野 良憲 | Yoshinori Ono

株式会社ディー・エヌ・エー
ゲーム・エンターテインメント事業本部
ゲームコンテンツ事業部 第三開発部
プロデューサー

北林 達也 | Tatsuya Kitabayashi

株式会社ディー・エヌ・エー
ゲーム・エンターテインメント事業本部
ゲームコンテンツ事業部 第三開発部
グループマネージャー

=セッション日時=

8月22日(水) 16:30〜17:30

お二人それぞれの自己紹介をお願いします!

小野:

株式会社ハドソンにて、プランナー・ディレクター・プロデューサーとして勤務。2011年DeNA入社、『Marvel: War of Heroes』や『歌マクロス スマホDeカルチャー』に携わっています。

北林:

『歌マクロス スマホDeカルチャー』ではディレクターを担当していました。ゲーム業界歴は長く、前職カプコンでもプログラマーやプロデューサーとして数多くのタイトルに関わらせて頂きました。

お二人でのセッションとのことですが、登壇内容を教えてください!

小野:

“大好きなキャラが2次元から飛び出して来てくれる” その気持ちよさ・楽しさをプロモに活かすことができた!
という実例を共有するセッションです。

北林:

可愛いキャラクターたちと現実世界で会いたい! 一緒に写真撮ってみたい! 自分の部屋で踊って欲しい!
そんな想いを形にするために選択したのがARでした。これをどのようにしてプロモーションに活かしたのかお話したいと思います!

どんな人に聞いてほしいですか?

小野/北林:

・ARに興味がある人
・プロモでネタを探している人
・ARを使ったプロモーションに興味がある方
・3Dキャラを使ったゲームでユーザの気を引きたい人

=受講難易度=
甘口(学生含めどなたでも)

注目ポイントは?

小野:

3Dキャラがかわいく&カッコよく踊る『歌マクロス スマホDeカルチャー』ですが、ARを使用したプロモーションでユーザーやファンの皆さんに大いに盛り上がっていただけました。どのような点が支持されたのか、実際の反響はどうだったのかなどを共有しつつ、AR施策において注意すべき点の知見なども併せてお伝えできればと思っています。

北林:

歌マクロスは、他のリズムゲームには無い本格的なダンスが特徴です。その歌姫のダンスをあらゆる方向から見ることが出来るARモードについて、やってみての知見や失敗談などについてお伝えいたします。

当日の意気込みを聞かせてください!

小野:

CEDEC登壇するの、実に13年ぶりでして。
前回とはモバイルゲーム業界のユーザ層、タイトル群など環境が全然変わっていますが、よいゲームをユーザに届けて楽しんでもらおう! という気持ちは変わっておらず。ぜひ、今回のオーディエンスにも“歌マクロスとその施策の楽しさ”が伝わるといいな! と思っています。

北林:

CEDECはいつも聞く側での参加でしたが、今回登壇側での参加ということで気合入ってます!
手法の話だけでなく、一歌マクロスの魅力も一緒にお伝えできたらと思っています!


次世代QAとAI 〜ゲーム開発におけるAI活用に正しく向き合うために〜

=登壇者紹介=

奥村 純(株式会社ディー・エヌ・エー/写真)
三宅 陽一郎(株式会社スクウェア・エニックス)
大野 功二(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社)
阪上 直樹(株式会社セガゲームス)

=セッション日時=

8月22日(水) 17:50〜18:50

奥村さんの自己紹介をお願いします!

国内外の研究機関で宇宙物理学の研究に従事し博士号取得。2014年4月にDeNAでデータアナリストとしてのキャリアをスタート。ユーザー体験や事業推進をデータからサポートすることを目指し、主にゲーム領域のデータ分析・パラメータ設計の経験を積む。2017年1月より機械学習エンジニアに転身し、強化学習技術を中心としたゲームAIの研究開発を推進。

登壇内容を教えてください!

近年、多くの領域でAI活用が期待されており、ゲーム業界もその例外ではありません。このパネルディスカッションでは、AI活用の中でもQA領域に目を向けて、現時点での課題感の整理やどのような導入が期待されているか、また各社の具体的な取り組みや今後の未来予想図について幅広い話題を提供したいと思っています。

AIを導入するといっても難易度は高く、各社が独自に取り組んでいてもなかなか進まない可能性があります。このセッションではこのような課題意識のもと、どのように業界全体が連携できるかというテーマにも触れる予定です。

どんな人に聞いてほしいですか?

これからどのようにAIが活用されていくのか知りたい、現在モバイル・コンシューマ領域でどのような取り組みがあるのかを知りたい、という方々に向けて幅広い話題を提供します。AI技術についても甘口レベルで解説を行うため、機械学習やAIといった領域に習熟している必要はありません。

=受講難易度=
甘口(学生含めどなたでも)

注目ポイントは?

モバイルやコンシューマで実際にAI導入を検討し活動しているメンバーの取組事例から、広く業界を俯瞰していただけることがポイントです。


『逆転オセロニア』におけるAI活用〜ゲーム運用における取り組みとノウハウ〜

=登壇者紹介=

奥村 純 | Jun Okumura

株式会社ディー・エヌ・エー
AIシステム部 AI研究開発第二グループ
AI研究開発エンジニア

=セッション日時=

8月24日 (金)16:30〜17:30

登壇内容を教えてください!

現在、DeNAのゲームタイトル『逆転オセロニア』にて、様々なAI活用が検討・推進されています。
具体的にはオセロニアのような複雑なゲームを人間レベルでプレイできるAIの構築を始め、長期運用をサポートするためにキャラクターのスキルをリリース前に評価するAIなど、野心的な挑戦を続けています。

この講演では、技術的な解説にも踏み込みながら、私たちがどのようにゲーム領域のAI開発に取り組んでいるか、AI導入という特殊なプロジェクトを進める上で気をつけるべきことなど、様々なノウハウにふれる予定です。

どんな人に聞いてほしいですか?

ゲーム領域でのAI活用を検討したい開発者をターゲットにしています。具体的な事例を多く取り入れ、現場目線でのノウハウを共有するので、実際にAIプロジェクトとして足を踏み出す際の参考にしていただけると思います。

=受講難易度=
辛口(ある程度の経験がある人へ)

注目ポイントは?

実際にどのようにAIプロジェクトを進めているか、どのように技術開発が行われているか、という事例を持ち帰ってもらえるのがポイントです。特に『逆転オセロニア』をプレイするAIエージェントを作る、という難易度の高い課題に対して、どのように考えてアプローチしたのか、思考プロセスも合わせて知っていただくことができます。

当日の意気込みを聞かせてください!

近年、ゲーム領域でもディープラーニングなどの最新技術を利用したAI活用が話題になってきました。ビジネスとして夢のある話は多いですが、一方で実際にプロジェクトとして取り組んでいくと、多くの苦労があるのも事実です。実際に、DeNAで進めている『逆転オセロニア』でも様々な試行錯誤や反省がありました。

どちらの講演でも、なるべく現実的な目線でAIについて語りたいと思います。このような場を作ることで、AIに対する正しい期待値のもと、今後地に足のついたユースケースが業界全体で増えていくことを期待しています。


『逆転オセロニア』が実践した“コミュニティと共創するゲーム運営”

=登壇者紹介=

香城 卓 | Taku Kojo

株式会社ディー・エヌ・エー
ゲームサービス事業部 第一ゲームサービス部
逆転オセロニア プロデューサー

=セッション日時=

8月24日 (金)17:50〜18:50

自己紹介をお願いします!

1982年石川県生まれ。中央大学卒。2011年株式会社ディー・エヌ・エー入社。Mobageプラットフォームでのソーシャルゲーム運用・開発を経て、『逆転オセロニア』を企画・開発。「けいじぇい」の愛称で、同タイトルのプロデューサーに従事。

登壇内容を教えてください!

GDC2018でもたくさんのセッションがあったように「コミュニティ」に関するサービス手法は全世界で大きなトレンドとなっています。しかしながら、現在の国内ゲーム市場で実践できているケースは決して多くありません。

・年間30本以上! “オフラインイベント全国行脚”の効果と目的
・ゼロ距離でプレイヤーに接する“顔を見せる運営スタイル”
・本邦初公開となる“コミュニティマネジメントの分析手法” …etc

『逆転オセロニア』のコミュニティマネジメントのノウハウを、具体的な実践例と共に、余すことなくご紹介します。

どんな人に聞いてほしいですか?

ソーシャルゲームのみならず、toC向けサービスの運営・開発経験がある方はよりお楽しみいただけます。

=受講難易度=
中辛(この分野の初心者へ)

注目ポイントは?

いわゆるコンテンツマーケティングのみに閉じず、コミュニティの力を借りて、コミュニティと一緒に成長させていくゲーム運用手法を、具体的な実践例と共にお話いたします。

当日の意気込みを聞かせてください!

国内最先端のコミュニティマネジメント手法をお届けします。お楽しみに!

▼あわせて読みたい
1600万ダウンロード突破!『逆転オセロニア』〜オセロニアの誕生から今後の展望まで〜

入場パスについて

いかがでしたか? これで予習もバッチリ! レギュラーパスやデイリーパス、エキスポ&スポンサーパスなどの事前登録は8月15日(水)までとなっています。一部のパスは当日販売も可能。来場を迷われている方も、ぜひ友人をお誘い合わせの上、各セッション会場でお会いしましょう!

受講のお申込みはこちら
※事前受講登録期間:7月1日(日)~8月15日(水)

 

関連リンク
【公式サイト】逆転オセロニア
【公式サイト】歌マクロス スマホDeカルチャー