【ナカノヒトTalk #002:サウンドディレクター山室圭司&渡邉愉香】DeNAならではのクオリティを目指す――新設チームのいまとこれから

DeNAのゲーム開発の現場には、どんな人が働いていて、どのような思いを持って仕事に取り組んでいるのかーー「ナカノヒトTalk」は、社内のさまざまな職種の人へのインタビューを通して「人となり」をお伝えする特集です。

今回の「ナカノヒトTalk」は、3月26日に開催された「GDM(Game Developer’s Meeting)サウンドディレクター座談会Vol.1」のイベント登壇直前、サウンドディレクターの山室圭司と渡邉愉香に、イベントに対する意気込みと、新設されたサウンドチームの魅力などを聞いてきました。

【イベントレポ】サウンドディレクションの在り方を変えるのは今! 座談会で語られたゲーム開発チームでの真の役割とは

―― まずはじめに、お二人の経歴を教えてください。

山室圭司(以下、山室):自分は、2006年にサウンド制作会社に就職し、コンシューマゲーム・モバイルゲーム・遊技機・映像作品などの楽曲・効果音制作に従事していました。その業務の中で「ゲームサウンド開発の現場を良くするには、メーカー(クライアント)の現場に入らなければいけない」と思うようになり、2018年4月よりDeNAに入社しました。現在はサウンドディレクターとして活動しつつ、サウンドリテラシーの向上に努めています。

渡邉愉香(以下、渡邉):私は、2003年にコナミTYO(現:コナミデジタルエンタテインメント)に入社し、サウンドプログラマとしてコンシューマゲームの開発に携わりました。2011年頃からスマートフォンゲームの開発にも携わり、BGM制作やサウンドディレクションなど、サウンド全般を広くカバーするようになりました。その後、2016年にDeNA入社、現在はサウンドディレクターとして活動しています。

―― 今回「GDMサウンド座談会」に登壇しようと思ったのはなぜですか?

山室:DeNAのサウンドチームは新設されたばかりで、規模がまだまだ小さいので、社内だけでなく外部への情報発信をもっと強めていこう!と考えていたタイミングでイベント実施の話を聞き、参加することを決めました。

渡邉:ちょうど山室と「ゲーム業界の他社のサウンドディレクターって、どんな仕事してるか気になるよね?」みたいな話をしていたタイミングでもあったんです。

DeNA渡邉愉香

―― 現在のDeNAのサウンドチームの魅力を教えてください。

山室:ゲームサウンドに関して、依頼していただければ、どんなことでも相談に乗れるところですね。

渡邉:私たち2人は、ひとつの分野に特化しているわけではなく、サウンド関連全体をカバーするような幅広い知識を持つタイプなので、ジャンルを問わず、サウンドに関するお問い合わせにも対応できるのが強みかもしれません。

また、基本的に自分たちは内部でアーティストとして作曲をしているわけではなく、案件ごとに最適な社外のサウンド制作会社・クリエイターをアサインする役目を担っています。

―― 開発タイトルにどのようなサウンドが必要かをキャッチアップして、適切な対応をする橋渡し役ができるということですね。

山室:はい、そうですね。ただチームとして立ち上がったのが1年前くらいですし、メンバーもエンジニア(サウンドプログラマ)含めて3人しかいないので、すべての案件をカバーできないのが現状であり、課題と考えています。

渡邉:そうですね。まだまだ人数が少ないので、同時に担当できるタイトル数、対応できる作業量に限りがあることは、今後の改善点だと考えています。

また、チーム体制の構築も完全に終わっていないため、社内で「サウンドに関して、どの部署に相談すればいいかわからない!」といった声も挙がっており、その依頼フローも整備していかなければいけないと思っています。社内でサウンドチームが存在することすら、知らない人もまだまだ多いですので(笑)。

DeNA山室圭司

―― モバイル対応ゲーム開発業界全体に関して、サウンドチームとして感じる問題点・課題感はありますか?

渡邉:やはり(モバイルは)コンシューマタイトルの開発に比べて、サウンドまわりがどうしても後回しになる傾向があると感じています。「この曲を導入すれば、絶対に売上が伸びる」といった導入後の効果や数字がハッキリとわかりにくく、提示できないことも要因ですね。

特に運営に対するKPIを重要視するモバイルゲーム開発では、サウンドの重要性やコスト面を理解してもらうことに、結構時間がかかります。そうするとどうしても後回しになってしまうんですね。この問題は、モバイルゲーム開発現場の、サウンドに関わる人がいま抱えている悩みかもしれません。

―― 最近ではマルチプレイを極力排除し、シングルプレイに没頭できるモバイルゲームも増えてきましたよね。

山室:そうですね。そのおかげでサウンドの必要性は確実に上がってきたと感じています。最新スマートフォンは世界で一番普及しているゲーム機とも言えますし、マシンスペックだけで判断すると、過去に発売された家庭用ゲーム機に匹敵するので、それに合わせた開発手法も進化していますね。

渡邉:最近ではモバイルゲームも、オーケストラを使った豪華なBGMや効果音、声優によるボイスなど「音に関する要素」のほぼすべてが実装されていることが「当たり前」になってきていますしね。

―― コンシューマとモバイルゲームのサウンドの作り方の違いや難しいところを教えてください。

渡邉:そんなに変わりはないと思いますが、容量制限の問題は未だにあると思います。ただ、昨今のコンシューマタイトルでもアップデートパッチや、ダウンロードコンテンツなども当たり前になっているので、更新の手法やフローなどはモバイルゲームとあまり差がなくなってきていると思います。

―― それでは最後に、サウンドディレクターとして、自分たちのこれからのミッションは何ですか?

渡邉:DeNAのサウンドディレクターとして、自社が運用しているタイトルについては、すべてサウンドチームで責任を持って、ハイクオリティなものを提供したいと思っています。

山室:それぞれのタイトルに関して「DeNAならではのサウンドのクオリティ」と誇れるようなサウンド作りとそれを担うチーム作り、体制作りを目指したいと思っています。

―― ありがとうございました。

インタビュー・執筆・撮影:細谷亮介
編集:佐藤剛史/細谷亮介

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【イベントレポ】サウンドディレクションの在り方を変えるのは今! 座談会で語られたゲーム開発チームでの真の役割とは

毎回様々なゲストをお招きして、最新の技術や情報をシェアするDeNA主催のゲームクリエイター向け勉強会の【Game Developers Meeting】(以下、GDM)。

2019年3月26日に開催されたサウンドディレクター座談会Vol.1では、現在のゲーム開発者側の視点で必要な「サウンドディレクション」について、株式会社タイトー 土屋昇平氏、株式会社Cygames 丸山雅之氏を招いて、DeNAのサウンドディレクター山室圭司、渡邉愉香とともに討論が実施されました。本記事ではその模様をレポートします。

【ナカノヒトTalk #002:サウンドディレクター山室圭司&渡邉愉香】DeNAならではのクオリティを目指す――新設チームのいまとこれから

 

サウンド業務を仕分けして定義したい

「サウンドクリエイター」と言っても、実際の業務内容は多岐に渡ります。その複雑な仕事内容を、他業種の人でも理解できるように整理する目的で「仕分けを定義する」というテーマから談義がスタート。本イベントではDeNAの山室が司会進行を担当し、とても賑やかな座談会となりました。

株式会社タイトー土屋昇平氏(以下、タイトー土屋氏):まず今回の座談会では、自分が関わっているタイトルのプロデューサーやディレクターと、サウンド関連において、一歩踏みこんだ話をするきっかけになるような話題を持って帰って欲しいと考えています。

スライドの1番目に記載されているディレクションとは「方向付け」という意味で、サウンドディレクターとは「音の方向付け」をする人のことを指します。

また、サウンドデザイナーは音そのものを作る人、音を組み込むサウンドインプリメンテーションはテクニカルサウンドクリエイターと呼ぶ場合もあります。

タイトー土屋昇平氏タイトー 土屋昇平氏

DeNA山室圭司(以下、DeNA山室):職種の呼び方は、企業や現場などで多少変化しますよね。

タイトー土屋氏ですね。僕もですが、サウンドクリエイターはいろいろな業務を兼務している人が多いと思います。タイトルの規模にもよりますが、一人で製作から実装までこなす人もいますね。ただ、その役割を考えて担当を分けなければ、大変なことになります。

現在、担当タイトルのプロデューサーやディレクターときちんと話ができていない、チームがうまく組めていない人は、作業のボリューム感や、チームの大きさをきっかけにして話すと良いかも知れません。そういえば丸山さんの今のチームは結構大きいですよね? 

株式会社Cygames丸山雅之氏(以下、Cygames丸山氏):そうですね。うちはソーシャルゲームからスタートした会社なので、チーム規模が小さかった時代が長く、分業化はあまり進んでいませんでした。最近ではコンシューマ対応のタイトルも手がけているので、チームが徐々に大規模化してきています。

ですが、たとえ大きなチームでも、時期に応じたチームビルディングを考え、分業を念頭に置いて、コアメンバーを中心に人数を増やしていくための道筋を考えないといけないのではないでしょうか。

Cygames 丸山雅之氏Cygames 丸山雅之氏

DeNA山室「曲が欲しいから、今からサウンド担当を入れよう」ではなく、最初から細かく座組を決めた上で運用していかないとダメですね。

Cygames丸山氏現場によってはオールマイティーな作業ができる人が必要になるときもありますし、そういう人がリーダーになる可能性もあります。チームが大規模化することに対する設計は、絶対に必要になる時期が来るのではないでしょうか。

DeNA山室自分もサウンドディレクターという肩書きですが、インプリメンテーションも担当しています。

DeNA渡邉愉香(以下、DeNA渡邉):DeNAは特に兼務することが多いかも知れません。私のPCにはVisual StudioとIncrediBuildがインストールされていますし(笑)。サウンドディレクターなのにデバッグしたり、プログラミングの部分にも関わったりしています。

DeNA 渡邉愉香DeNA 渡邉愉香

タイトー土屋氏チームにサウンド担当がいない場合、サウンドディレクションとインプリメンテーションを兼務できる人を一人置いておくと制作がスムースに進むと、声を大にして言いたいです。

少なくともサウンドディレクターがいれば、外部の作家さんとの意思疎通が、かなり楽になるはずですよ。

Cygames丸山氏発注側の会社にサウンドがいない場合、視点として抜けているのが、サウンドディレクションとサウンドインプリメンテーションの役割です。デザインで発注してアセットが上がってきたら「あとはエンジニアに投げればいい」という意識があるので、そこから変えていかないといけませんね。

タイトー土屋氏プロデューサーと話す機会があるときに「メインプログラマーに組み込みを全部任せたら、大変なことになりますよ! 」みたいな話を積み重ね、作家さんにも同じことを言ってもらえば、対策が必要だと感じるようになるのではないでしょうか。

DeNA渡邉そうやって兼務できる人が常駐するようになれば「BGMとジングルが両方鳴ってる」という悲しい現象は起きないはずですよね(笑)。

サウンドディレクターの役割

続いては、サウンドディレクターの役割として、ディレクションの方法や、サウンド担当がいないプロジェクトでの立ち位置などについて議論しました。

タイトー土屋氏サウンドディレクターは、まず音の方向付けをする、音の雰囲気をつくるなどさまざまな役割がありますが、とにかくそのゲームの音楽の方向性を決める人と言えます。

そのためには、サウンドディレクターがどのような権限を持っているかを、リーダーやチームとしっかり共有しておく必要があります。もし開発チームにサウンドディレクターを置くなら、ディレクターからサウンド品質の決定権がきちんと移譲されないと、仕事ができません。

そもそも、ディレクターが音の世界観をきちんと持っていて、方向性の目星をつけることができる人であれば、サウンドディレクターという人間は必要ないかもしれません。

ですが、ディレクターが自分の描く音の方向性を、ちゃんと言語化できない場合は、決定権がなくてもサウンドディレクターとして、しっかりとサポートしてあげる必要があります。

その場合はアドバイザーに徹し、ディレクターが実現したいことを相手に伝わるように翻訳したり、ジャッジするためのアドバイスやヒントをどんどん与えていきましょう。

「自分がサウンドディレクターなんだから自分で決める! 」と決定権を移譲されていないのに意固地になってしまうと、プロジェクト自体が動かなくなり、開発としてとても危険なので注意です。

また、しっかり決定権を移譲されているとしても、ディレクターとコミュニケーションをとらなくて良いという意味ではありません。あくまでディレクターの代理として、サウンド面の舵取りを担うということです。

DeNA山室あと、サウンドに関することの承認フローの煩雑さをとにかく減らしたいですね。

DeNA 山室圭司本イベントの司会進行を務めたDeNA 山室圭司

タイトー土屋氏ええ。一番望ましくないのは、サウンドディレクターの役割を与えられている人が「伝言」になってしまうことです。伝言ではなく翻訳家になり、ディレクターが仕事しやすいようにしてあげないといけません。

つまり、ディレクターが言いたいことを、作家さんなどにコピー&ペーストすることが仕事になってはダメだということです。

ディレクターがどの方向に音を作りたいのか、そもそもちゃんと方向性が固まっているのかを、しっかりコミュニケーションを図って確認しましょう。

個人的なおすすめとして、サウンドディレクターを置く必要があるチームであれば、通常はディレクターが方向づけした後、サウンドディレクターが執行・ジャッジする権利を持ち、ディレクターは重要なマイルストーンごとに方向性の確認をする形式です。

要は、すべてをディレクターがひとつずつ細かく指示、確認するのではなく、サウンドディレクターが判断したことに対して、ディレクターが方向性のチェックする適切なタイミングを要所に用意することです。

また、ディレクターがチェックしたとき、頻繁にジャッジがひっくり返るようであれば、ディレクターやサウンドディレクターのポジションにいる人間の資質が合っていない可能性を、一番に疑うと良いと思います。

DeNA山室サウンドディレクターとディレクターの担当場所を分け、ディレクターはゲームの仕様、雰囲気、世界観に合っているか方向性を伝え、それを踏まえてサウンドは音楽の面で思いを担保できるように作り上げていく「分業」をするべきだと思いますね。

Cygames丸山氏さっき渡邉さんの話にあった「BGMとジングルが同時に鳴ってしまう」現象については、もしかしたらディレクターにジャッジできる力がなく、音楽的な話や聞き方を失敗しているところに原因があるかもしれません。

そういう人と仕事をしたときでも、もしかしたらその人が描く音楽の世界観は素晴らしかったりする場合もあるので、それを踏まえながらサウンドとして絶対に言わなければならない、守らなければならないアドバイスをしっかりしましょう。

タイトー土屋氏そうですね。とにかく「承認のハンコがどんなに小さなことでも2つ必要」なシステムがあるなら、それは信頼されていないと考えたほうが賢明です。その場合は、そのまま制作を続けるよりもチームの人員を見直したほうが良いかもです。

このように疑問に思う部分については、内部や外部関係なく、しっかりと声を上げ、口を出していかなければいけないと思います。

DeNA山室それはよくわかります。承認フローが多いと「上に認められるための音作り」になってしまいがちです。サウンドはゲームを遊んでくれる人に向けて作るべきものなので、そこはしっかりと見極めたいですね。

タイトー土屋氏実は今日、このイベントに登壇しようと思った理由が「今までこのような勉強会で議論されてこなかった問題から、逃げるのをやめよう」と思ったからなんです。

Cygames丸山氏これまで、その部分に対して歴史的に話し合いがあまりされてこなかったことも、事実ですね。

タイトー土屋氏確かにそうですね! 

Cygames丸山氏チームにサウンドディレクターが参加していると、ディレクターが意見をひっくり返すことはタブーだというイメージがあったと思うんです。でも実はサウンドディレクターが全権利を持っているわけではない場合も多いんです。

当然、お互いの信頼関係がしっかり築けていれば、サウンドに関する権限の移譲がスムーズにでき、サウンドディレクターが全権限を持つことも可能ですし、その状態を作ることが大事なのではないでしょうか。

タイトー土屋氏むしろ、その状態を作れないのであれば、サウンドディレクターを置いてはいけないと思いますね。ディレクターが音のディレクションをすることを、とにかく助けることに意識を変えましょう。自分が権利を持っているのか持っていないのかわからないのに、サウンドディレクションをしてはダメです。

ゲームの権限って結局クオリティーのジャッジを含めて、ディレクター以外に移譲されることってあまりないじゃないですか? それなら、ジャッジの精度をより高くするための動きをしたほうが良いと思います。

サウンドディレクターの実態調査

次に、事前に来場者から募集した質問を一部抜粋しながら、登壇者が回答をしていきます。

Q1:予算ってどうしてます?

タイトー土屋氏予算に関しては、たくさんあるに越したことはないですが。

DeNA山室曲が良ければゲームの売上が伸びるのか、とツッコまれるとどうしても……。

Cygames丸山氏そこについては、ある程度KPIみたいな数字の定義があるといいんですけどね。ないですけど。

タイトー土屋氏ですよね。そういえば、サウンドのバグはクレームに直結する、という事実を啓蒙する必要はあると思います。

DeNA渡邉ボイスが聞こえない、音が鳴っていないとか、ゲーム開発ではよく聞くバグですね。ほかに、レコーディングの現場にプロデューサーやディレクターを連れていって、ボーカルや楽器などの生の収録に立ち会って頂くことで、意識が変わっていったケースもあります。

DeNA山室ゲームにサウンドが実装されると「やっぱり音楽あるとスゴイっすね! 」って感動してくれるプロデューサーもいますし! 

タイトー土屋氏自分たちはゲームから音が出た瞬間の感動がたまらないから、ゲームサウンドを手がけているんです。そこがどうでも良かったらゲームサウンドなんて作ってませんよ。もちろん未だに感動しますし。

DeNA山室サウンドって感動を引き出したり、膨らませるための装置ですから、それを感じてもらえないと悲しいですね。

タイトー土屋氏音楽や効果音などのサウンドの必要性について、ちゃんとほかの職種の人に説明してあげるといいかもしれません。

DeNA山室話変わりますが、サウンドってスタジオとか防音室で作業するので、ちょっと孤独になりません?

Cygames丸山氏確かに。どうしても音作りに集中すると、チームからの孤立感は感じますね。うちではそれを回避するためにプロジェクト内にサウンドルームを作ったり、プロジェクトのMTGに積極的に参加できるように考えています。

特にサウンド側からの情報発信が少ないと、他部署から見て何しているかわからなかったり、アセットとして音を提出するだけの人に見られがちですので、雑談や相談などを増やしてサウンドのアピール力を強くしないと、予算ももらえないかもしれませんね。

Q2:サウンドディレクターって実際どう働けばいいんですか?

Cygames丸山氏「閑散期のサウンド運用」について、運用はマネージャーの領域なんですが、サウンドスタッフが会社からこれを求められている現場も多いので、この質問が出るのは自然かもしれません。

当然、この運用をする良い仕組みは存在するとは思うんですが、それをサウンドの現場、ディレクションする立ち位置の人が見ていること自体が、おかしいんじゃないかと思います。これは日本のゲーム業界の特徴なのかもしれませんね。

小規模のデベロッパーで、ラインごとに仕事を受ける場合、そこにサウンドが付随しているから動くのであって、そのラインにサウンド作業がない場合は、空いているサウンドは何をするかといった議題が、ディレクターに降りること自体がおかしいことを、共有してほしいと思っています。

ディレクションレベルの人が運用のことで悩んでいるのは、そもそものスキルセットの無駄遣いです。人員構成でそうなっているチームも多いので、解決できる手段を考えていけたらいいんじゃないかな、と思います。

DeNA渡邉プロジェクトで余裕がある時期は、作ろうと思っていたツールを整備したり、技術研究に近いことに時間を回していれば、暇で仕方ないという時期はなくなると思います。

Q3:外部とのやりとり、どうしてます?

Cygames丸山氏うちではクオリティーを重視しているので、予算がないから内製にするのではなく、内製のクオリティーや細かい対応が必要だからする、という明確な理由で決定することが多いです。

タイトー土屋氏まず、いろいろな作曲家の曲を聞くことは外注先を選定するときだけでなく、常にしておく必要があると思います。例えば、キャラクターの声が必要になったとき、優秀なボイスコーディネーターの方は、パッと最適な声優さんを提案してくれるじゃないですか。

誰をアサインするのか、この作家ならどんな結果になるのか、化学変化を想像するのはとても楽しいです。

Cygames丸山氏「最終納期のどれくらい手前からお話を振り始めていますか?」という質問に関しては……納期がハッキリ出ているときに発注するのは、やばくないですか(笑)。

タイトー土屋氏そうですね(笑)。

DeNA山室この質問を書いた人は、超特急で発注してください! 

Q4:メニューの書き方・伝え方って?

DeNA山室「メニュー」とは、発注書のことです。ゲーム開発現場ではあまり聞き慣れませんが、これは映画やドラマなどの音楽制作の現場で使われる言い方です。

タイトー土屋氏人それぞれやり方は違うと思うんですが、どうして音楽が必要なのか、なにを表現してほしいのかを細かく伝えることが重要だと思います。また、リファレンスを出すなら複数出す、どこを参考にしてほしいかを細かく伝えると、うまくいくことが多いように思います。

自分が気をつけているのは、方向性をきちんと掘り下げることです。ただ「寂しい感じ」ではなく、なぜ寂しいのか、どういうシチュエーションで、どこにスポットが当たっているかを説明します。

戦うシーンの音楽には「バトル」とだけ伝えないようにしています。どういう流れでバトルに入って、そのときのどういう心情を表現して欲しいのか、と説明します。

最近では作家さんから詳細なリファレンスが欲しいと頼まれることも増えてきましたね。リファレンスをネットで見つけてリンクを送る方も多いかと思いますが、違法アップロードされたものでないか確認しましょう。

Cygames丸山氏少なくても、自分は公式以外のYouTubeは使わないようにしています。

Q5:今後のゲームサウンドはどうなっていくと思いますか?

タイトー土屋氏コンセプトやテーマがはっきりしているゲームサウンドが多くなってほしいと思いますし、自分もそんな音作りをしたいと思っています。何かしら作り手の想いが込められている、良い作品を作りたいですね。

Cygames丸山氏今まで家庭用ゲームのチャンネル数が増えていき、サラウンドになって、ディレクショナルオーディオ、スパーシャル、イマーシブオーディオなど、コンシューマの一部とスマホの再生環境はイヤホンのバイノーラル再生に特化して行く方向への進化が強くなると考えています。

さらに、CPUパワーが上がってきたことと、もともとゲームのオーディオ自体が、位置情報を持ってオブジェクトで配置されているところが噛み合って、技術的な結節点となると思われます。

DeNA渡邉スマホ向けゲームも、現在は外部の優秀なクリエイターが作り、豪華声優陣、豪華アーティスト、フルボイスも当たり前の時代になっています。

今後、差別化していくためには、アセットそのもののクオリティーだけではなく、演出や音楽の鳴らし方を工夫する方向に向かってほしいと思っています。

DeNA山室「曲が良い」だけでなく、ゲームという作品の一部としてサウンドを考え、その上で演出を攻めていけばさらにゲームは面白くなると考えています。

懇親会の様子

サウンドに関わる、さまざまな職種の来場者が集まった今回のGDM。お寿司とピザをつまみながら、GDM自体が初参加の人も積極的な交流をしていました。

取材・文・撮影:細谷亮介

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