GDM本番前に楽屋を直撃! グリー×DeNA若手プロデューサーが共に描くブラウザゲームの未来予想図

DeNA主催のゲームクリエイター向け勉強会「Game Developers Meeting」(以下、GDM)。

6月21日(金)に開催されたVol.33では、プランナー向けの座談会が開催され、グリー株式会社より『探検ドリランド』プロデューサー井口博貴氏と、株式会社DeNA Games Tokyo『怪盗ロワイヤル』プロデューサー下島海が登壇しました。

https://genom.dena.com/event/20190621_gdm_report/

GeNOM編集部では、座談会開始直前の楽屋においてインタビューを敢行。登壇時には明かされなかった(言えなかった?)話を事前に聞くことができました。モデレーターを担当したDeNA佐伯嶺も交えて、ぶっちゃけトークをお届けします。

グリーとDeNAの関係

――本番前に失礼します! まずは今回のGDMに登壇するにあたり、過去にグリーとDeNAがライバル関係のようなイメージがあったことに関して実際、どう感じていますか?

佐伯嶺(以下、佐伯:そう、それって実際どうなの? すごく気になる!

井口博貴(以下、井口氏:DeNAさんに対してネガティブな感情はまったく感じていないのが、正直な気持ちです。でも昔からグリーで働いている社員に『怪盗ロワイヤル』とコラボすることを話すと「マジで!?」とビックリされることはありました。

コラボの進め方については、いつもの企画と特に変わらず、むしろやりやすかったんですよ。やっぱり時代の流れと、社内・社外の印象って違うことを感じましたね。

下島海(以下、下島:僕もほとんど同じ印象です。むしろ当時の関係のことは詳しく知らないので何も気にせず、「おもしろいから、ぜひコラボやりましょう!」といった軽い雰囲気で井口さんとコラボの話を進めました。

――若い世代だからこそ、過去に囚われないクリアな気持ちでできたんですね。

井口氏:ええ、まったく気にならなかったです。

下島:そうですね(笑)。

佐伯:実は今回のGDMのテーマを考えていて、『怪盗ロワイヤル』10周年を迎えるタイミングで、超長期運営のタイトルを絡めたテーマにできないかな、と思っていたんです。そこで『探検ドリランド』はどうかな……と、まず下島くんに相談したんですよ。

下島:その提案を受けて「あ、それおもしろそうですね。後でチャットしておきますね。」となりました(笑)。

井口氏:ものすごくカジュアルに決まりましたよね。

――座談会実現のためにいろいろ準備して……ではなかったんですね。

佐伯:自分もそれなりに長くDeNAで働いているんで、本音では大丈夫かなってビビってました。ですが2人の関係を見て、なにも心配することはないと感じることができてホッとしました。

井口氏:すでにかなり仲良かったですし(笑)。コラボが決定してからも、月イチくらいで情報共有会をやってたんで、すぐ連絡を取り合いました。

佐伯:もしかしたら、社内のメンバーより会ってるんじゃないですか?

下島:そうかもしれないですね(笑)「髪切りました?」くらいの頻度です。

井口氏:「また筋肉大きくなったんじゃない?」みたいにね(笑)。ホントに最初からカジュアルな付き合いだったので、今でもとても楽ですね。

長期運営の裏側

――ブラウザタイトルでここまで長期運営しているタイトルは他にはないと思うんですが、いわば戦友とも言える2人が感じているシンパシーなどはありますか?

井口氏:長期運営タイトルの担当だけでなく、新卒で入社した経緯や、ゲームが大好きでタイトルに配属されたわけではない、という背景まで2人ともすごく似ていて、ちょっと話しただけで「それ、分かる!」みたいに意気投合しちゃったんですよ。

下島:ゲーム業界ではちょっと珍しいキャラクターの井口さんに会ったとき「あ、自分と似てるな、話しやすいな」って思ったんです。

井口氏:話していると、ヤバイくらいの勢いで企画がガンガン決まっていくんです。

下島:「そのアイデア、いいっすね!」「おもしろいからやりましょう!」といった感じで話も早いし、考え方も似ているのでとにかくやりやすかったです。

佐伯:心地良すぎるスピード感ですね。タイトルと個人の立ち位置がうまく噛み合っていたのかもしれませんね。

そういえば、打ち合わせ飲み会からすぐ別の日に、両社の他のブラウザタイトルのプロデューサーが15人集まって飲み会が開かれたって聞きました。

――え!? そんなすごい飲み会が……。もうすでに両社の垣根を超えてるじゃないですか?

佐伯:そう! 垣根なんて、とっくに超え終わってるんですよ。その盛り上がった結果を教えてください(笑)。

井口氏:もちろん、ものすごく盛り上がったんですが、真面目に話すグループとバカみたいに飲むグループに分かれてしまって。

下島:僕らは「ハイボーラー」という、ハイボールをひたすら飲むグループにいました(笑)。

DeNA Games Tokyo 下島海DeNA Games Tokyo『怪盗ロワイヤル』プロデューサー 下島海

――今でも他のプロデューサーとの関係は続いているんですか?

井口氏:はい! 飲み会自体がつい最近だったこともあり、別プロダクトでも何かおもしろい動きができないかと今いろいろ探っています。

――それでは話題を少し変えて。長期運営タイトルについて、どの部分の数字を見ながら運営を維持しているのか教えてください。

井口氏:どちらのタイトルも、見ているKPIはあまり変わらないと思いますが、『探検ドリランド』は比較的ARPPUが低いゲームなので、特にUU(ユニークユーザー)を意識して運営しています。

『探検ドリランド』のプレイサイクルは、みんなでキングモンスターを倒すスタイルなので、過疎化するとコンテンツが終わってしまいます。そこで一番意識しているのが「いかにUUを離さずに維持させるか」ということです。もちろん、売上に関して会社からのプレッシャーは強いんですが……(泣)。

下島:『怪盗ロワイヤル』も結構似ている部分が多いですが、ARPPUはやや高く、コアUU(頻繁に遊んでくれているプレイヤー)をセグメント別に分けて、計測しています。

――長年の運営で「分析する練度」も上がっていると思うんですが、独特なツールや歴代プロデューサー直伝の技などはありますか?

井口氏:長年管理されているドキュメントは、もはや「秘伝のタレ」状態になっています。2012年くらいからのデータについての関数は自動化されており、過去の優秀なエンジニアが手がけたツールを使って、欲しい情報が一発で自動で出力できるので便利です。

佐伯:まさに老舗のタレの継ぎ足しのようですね(笑)。

下島:うちもほぼ、一緒ですね。過去のデータを閲覧したり、必要な情報のための分析ツールは揃っています。ただ「こんなの見ても何もわからん!」となるくらい、情報過多になってしまっていることはありますが(笑)。

佐伯:どちらも洗練された直感的に使えるツールを、積極的に運営に活用しているんですね。そういえば、グリーもDeNAも他社に比べると分析志向が強いイメージがありますよね。

井口氏:分析だけでなく、ロジカル思考が強いですよね。課題の答えを導くにはどのアクションをすればいいのか、と論理的に考えるスタイルは、最初にプランナーとして入ったときに叩き込まれます。

下島:DeNAもまったく同じですね。最初はロジカルに考えて基礎を作り、その延長上にブッ飛んだ企画を掛け合わせることが大事だと考えています。

――今後の運営は、やはりこれまで蓄積されたノウハウや洗練されたツールがあるから実現できると思いますか?

佐伯:それもあると思います。また、単純に開発する物量感が小さくて済むからだと思いますね。

井口氏:確かに、ネイティブアプリの開発に比べると、コストはかなり低いと思います。

佐伯:当時は、リリースして3時間後に新しいガチャを入れ直すとかやってましたよね。

井口氏:もちろん、今でもやろうと思えばできますよ(笑)。

――ブラウザゲームにしかできない企画を活かせればいいですよね。

佐伯:確かにおもしろいですね。それこそリアルタイム性の高いSNSと連携したり!

下島:アイデアの即時反映とか(笑)。

佐伯:YouTuberの番組終了時にあわせてゲーム内に実装するとか。なんだか、ブラウザゲームの明るい未来の話ができて嬉しいですね。

グリー 井口博貴グリー『探検ドリランド』プロデューサー 井口博貴氏

コラボ実現の裏側

――ちなみに2018年12月に実施した『探検ドリランド』×『怪盗ロワイヤル』のコラボの結果はどうでしたか?

夢のコラボでは特別イベントや豪華報酬が用意、SNSキャンペーンも積極的に実施された。

井口氏:反響も大きく、かなり良い結果が出ましたよ。『探検ドリランド』では当時、IPコラボがすでに2本決まっていて、その合間に『怪盗ロワイヤル』とのコラボを実施するスケジュールになったため、どちらかというと既存プレイヤーがワイワイ盛り上がってくれればいいな、と考えていたんです。

ですが、当初の想定より反響があって、本当にやって良かった、ありがとう! といった気持ちです。

佐伯:『怪盗ロワイヤル』のプレイヤーから、驚きの声などはありました?

下島:もちろん来ました! コラボが始まる直前に、キャラクターがゲーム内から消えて、それぞれのゲームに遊びに行くという導入ストーリーを作ったら、ゲーム内がすぐにザワついて「これ、ドリランド(コラボ)じゃない?」と早くからSNSなどでバズっていました(笑)。

佐伯:かなりのインパクトを生んだ座組みだったんですね。

――コラボの際に、お互いの古参・既存プレイヤーからネガティブな意見などはなかったんですか?

井口氏:これが、全然なかったんですよ。むしろ「よくやった!」と褒められました。『探検ドリランド』のキャラクター「ハルカ」が長期運営に疲れているところに、声をかけてきた『怪盗ロワイヤル』の3人組に悪の道に引きずり込まれる、という自虐的な設定の物語も好評だったようです。

コラボについては、毎回いろいろと練ったストーリー設計を考えるんですが、今回が一番盛り上がったのかも知れません。

『探検ドリランド』メインキャラクターのハルカ。公式Twitterのナビゲーターも務める。

佐伯:ある意味、プレイヤー視点に対してブレずに設計した導入だったから、自然に盛り上がったのかも知れませんね。これはスゴイいい話ですよ~(笑)。まさにWin-Winの関係ですね。

もし、自分がこんなコラボやるとなったら、プレイヤーからの批判とか考えて、慎重になっちゃいそうですもん。

――好評だったということで、第2弾とか期待しちゃいます。

井口氏:そうですね。なんせゲームだけでなく(お互いのロイヤリティも)無料なんで(笑)。

佐伯:両タイトルとも、今でもかなり多くのプレイヤーがプレイ継続していますし、他のタイトルにもコラボすれば効果が期待できるって、もっと広めたほうがいいですよ!

下島:ですよね! このような座組は、今後もたくさん実施していきたいです。

――当時遊んでいた人にとっては、ある意味懐かしさも感じますよね。約10年前にプレイを始めた人がいまだに遊んでいるゲームってなかなかスゴイですよ。

佐伯:2人ともサービス開始当時は完全に10代ですもんね。そんな若い世代が今、まさかプロデューサーを務めているなんて……。

DeNA 佐伯嶺

これからのブラウザゲーム

――それではそろそろ本番の時間も迫ってきたので、ブラウザゲームを今後どう進化させたいか、展望などありましたらどうぞ!

井口氏:10周年を機に、自分たちが目指す戦略として、数百万人単位の「休眠ユーザー」にアプローチしていくことで「もう一回、ドリランドをプレイしてみたくなる」ような施策をいろいろな角度で実施しています。

他のゲームでは、新規ユーザー獲得の成功事例は山ほどありますが、休眠ユーザー復帰の施策はなかなか少ないですし、成功しないことが多いんです。それでも、ブラウザゲームという括りだけでなく『探検ドリランド』を、もう一回遊んでもらいたいな、と頑張っています。

下島:『怪盗ロワイヤル』もほぼ、一緒ですね。長期運営の魅力でもある、歴代の多くのプレイヤーと触れ合ってきた知見を活かし、休眠ユーザーに再び復帰してもらうことを10周年のメインテーマにしています。

佐伯:じゃあ、今はガッツリとネタを仕込み中ということですね!

下島:そうですね。アプリだけじゃなく「ブラウザゲームってまだまだ面白いじゃん!」ということを伝えたいですし、その効果を『怪盗ロワイヤル』『探検ドリランド』のみならず他のブラウザタイトルにも波及させられればいいなと思ってます。

佐伯:やっぱりブラウザはダウンロードがなくて気軽ですし、通信も早いですもんね。これから先もブラウザゲームはまだまだ頑張っているよ! という流れを作れたら面白いですね。

そして将来、このプロデューサー2人が旗印となって、業界を盛り上げてくれることを信じています!

――ここまで2人が密接な関係だとは思わなかったので、驚きでした。今日はありがとうございました!

本番前の楽屋は、3人の爆笑トークで終始大盛り上がりでした。次世代を担う若きプロデューサーの彼らが、『探検ドリランド』『怪盗ロワイヤル』をはじめとしたブラウザゲームに、近い将来、さらなる驚きと楽しさを届けてくれると信じています。GeNOMでは今後も彼らの動向をチェックしていきます!

インタビュー・執筆:細谷亮介
編集・撮影:佐藤剛史

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【イベントレポ】10年の貫禄! 平成を駆け抜けた超長期運営レジェンドタイトルの「これまで」と「これから」

毎回様々なゲストをお招きして、最新の技術や情報をシェアするDeNA主催のゲームクリエイター向け勉強会【Game Developers Meeting】(以下、GDM)。

6月21日(金)に開催されたプランナー向け座談会Vol.33では、グリー株式会社より『探検ドリランド』プロデューサー井口博貴氏をゲストに招き、『怪盗ロワイヤル』プロデューサー下島との対談形式で、超長期運営だからこその苦労や、ファンに愛され続けるための工夫に迫るトークを繰り広げました。モデレーターはDeNAの佐伯嶺が務めました。

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井口 博貴(いぐち ひろき)|グリー株式会社
2015年グリー株式会社に新卒入社。『釣り★スタ』にてCSとして携わったのち、『探検ドリランド』の企画・開発・運用を経て、同タイトルのプロデューサーを務める。

下島 海(したしま かい)|株式会社 DeNA Games Tokyo
2017年にビジネス職として新卒入社。その後『怪盗ロワイヤル』にプランナーとして配属され、2018年9月より同タイトルプロデューサーに就任。

佐伯 嶺(さえき りょう)|株式会社ディー・エヌ・エー
コーエーテクモゲームスを経て、2013年中途入社。『FINAL FANTASY Record Keeper』開発から携わり、運営開始後はディレクターを担当。現在新規タイトル開発チームの企画マネージャーを担当。[/su_note]

座談会の冒頭では、『探検ドリランド』と『怪盗ロワイヤル』の簡単なゲーム概要とこれまでの歩みが紹介され、長期間に渡る運営の歴史が説明されました。本記事では座談会で繰り広げられたトーク内容をレポートします。

 

10年の歴史を引き継ぐということ

佐伯嶺(以下、佐伯:まず最初にプロデューサーとして、約10年近く運営を続けているタイトルをこの先引き継いでいくことについて、談義していきましょう。

井口博貴(以下、井口氏:『探検ドリランド』プロデューサーを引き継ぐ際に、プレッシャーの重さや、いろいろ考えるところがあるんじゃないか、と思われがちでしたが、そんなことは全然なくて、純粋にワクワクした気持ちのほうが強かったのが率直な気持ちです。

僕がグリーに入ったのは、ビジネスに特化した仕事がしたかったためで、当初はゲーム志向ではありませんでした。ゲーム事業に所属になった際、チームを構築したり、大きな金額のPLを管理する業務に携われる可能性があることに気づき、視座を上げつつ、プロデューサーを目指すのが最初の目標になりました。

そんな経緯があったので、プロデューサーになれたのは「ついに来た!」といった嬉しいタイミングでした。もちろん、会社からのプレッシャーもありましたが、それよりワクワクする気持ちが強くて、新しいことに挑戦できることが嬉しかったですね。

グリー井口博貴氏グリー『探検ドリランド』プロデューサー 井口博貴氏

下島海(以下、下島:入社してからの背景は井口さんと似ています。僕もビジネス志向が強く、ゲーム好きというタイプではありませんでしたが、ヒトモノカネに一番裁量を持って携わることのできるプロデューサーという仕事にやりがいを感じて最初の目標としました。そのためプロデューサーになった時はプレッシャーなどはなく単純にワクワク感が強かったですね。

また、『怪盗ロワイヤル』は今年で10周年を迎えるので、このタイミングで活躍できるプロデューサーは1人しかいませんし、ここでおもしろいことをやって、強烈なインパクトを残すチャンスだなと思ってます。

DeNA Games Tokyo下島海DeNA Games Tokyo『怪盗ロワイヤル』プロデューサー 下島海

佐伯:なるほど。2人とも出自も背景も似ているんですね。そういえば最近では仲も良いとお聞きしましたが?

井口氏:そうなんです、しょっちゅう一緒に飲んでます(笑)。以前『探検ドリランド』と『怪盗ロワイヤル』でコラボをしたんですが、その時の企画の進め方がやりやすくて(笑)。下島さんとは考え方も近いので、「こんなアイデアおもしろいですよね!」みたいに、話がバンバン通るんですよ。

過去に似た座組のIPコラボもやったことはあるんですが、下島さんとは同じ会社で働いているのかなって思えるほどやりやすくて、すごく楽しかったです。

佐伯:ブラウザゲームでここまで長期運営しているタイトルは少ないので、プロデューサーとして、まさに戦友みたいな関係になってますね。

ちなみに今回のGDMの座談会を企画を提案した際に、下島くんが「(井口さんと)この前飲んだばっかりなんで、すぐ連絡しておきます!」とラフに快諾してくれたのは、正直驚きました。こんなに両社が仲良く情報交換しているなんて、意外でしたね。

長期運営タイトルのチーム作り

佐伯:続いては、長期運営タイトルでのチーム形成の方法や、どのような施策をしているのかを聞いていきましょう。

下島:『怪盗ロワイヤル』では、運営期間にかかわらず、前提としてゴール(※UXビジョン)を決めて、そのための戦略やロードマップを明文化してメンバーに提示し、きちんと同じ方向に進むチーム作りが大事だと考えています。

※UXビジョン:DeNA Games Tokyoが提唱する「プレイヤーにゲームを通して体験してもらいたい理想状態を言語化・共通化したもの」のこと

その上で超長期運営中のタイトルでは、多くの工数をかけて新規開発するフェーズではないため、事業観点では「仕組み化」、組織観点では「自走化」を重視しています。

井口氏:やはり長期タイトルだけあって、考え方が似ているところも多いですね。僕が『探検ドリランド』に携わって一番スゴイと感じたのが、優秀なメンバーが運営してきた長い歴史の中で、効率化が徹底されていることでした。無駄のないスケジュール管理方法も素晴らしいです。

ですが、最近の運営はクリエイティブ集団ではなく、いかに期日を守れるか、足元の数字に追われているようなチームになっていました。

まずその状況を変えるため、年間目標を掲げて、メンバー単位で1年後にどうなりたいかを意識し、例えば「定常月のMAU200%を目指します!」のような、ありえないような設定をしてみます。

メンバーはそんな数字を見ると「無理でしょ!」という反応になりますが、とんでもない数字を目標に設定すると、それを実現するために「毎週違ったIPとのコラボやってみよう!」みたいなハチャメチャな企画が出てくるときがあるんです。

ゼロベースで考えるより、今あるものを使って、いかに効率的にコスパ良く落とし込めるかを考え、あわせて年間の目標を立てることでチーム全体の目線を自然に上げることを、最近の運用で心がけています。

佐伯:目線が上がればこれまで見えなかったチャレンジができて、成功したときにはチームの士気が上がりますよね。

井口氏:いい結果が出れば「やった、狙い通り!」と喜べますし、さらに次はもっとデカイ結果を出そうとテンションが上がりますね。

佐伯:長期運営のタイトルだと「おもしろいことをやろう!」という意見は、チーム内であまり出てこないイメージがありました。

下島:メンバーには常におもしろいことはなんでもやっていこう、と話しています。長期運営のために仕組み化した土台を作ったうえで、プレイヤーさんに新しい体験を届けられるように「仕組み化×おもしろいこと」を掛け合わせていくことが、この先の運営のあるべき姿なのかな、と考えています。

佐伯:方法は違っても、意識的に高い目線を保つことを、プロデューサーが率先してやっていかなくては、という考えは2人とも共通しているようですね。

DeNA佐伯嶺DeNA 佐伯嶺

超コアプレイヤーの方との向き合い方

佐伯:次のお題は、サービス開始からタイトルを支えてくれているコアプレイヤーさんとの向き合い方、付き合い方についてになります。

井口氏:2012年くらいからのデータを見ると、カードモデルに変更後もずっとプレイし続けていただいている方がかなりの割合でいらっしゃるので、ほとんどの方はコアプレイヤーさんと言える存在かもしれません。

『探検ドリランド』は、みなさんが想像されているよりARPPUが低いゲームなんです。課金ベースで見ると、コアプレイヤーさんもまんべんなく平均値が取れているので、超コアプレイヤーさんたちに向けて何か特別な施策をすることはしていません。どちらかというと、平均的に平等感を意識して運営しています。

下島:『怪盗ロワイヤル』も考え方は似ていて、初心者プレイヤーさんもコアプレイヤーさんも分け隔てなく遊べるように配慮しています。また、弊社で実施するユーザーインタビューに招待して意見を聞いたりもしています。

佐伯:ちなみに、古参のプレイヤーさんと交流する際に、自分が知らない過去の情報が飛び交ったときはどうします??

下島:「なるほど!」と急いでメモします(笑)。

井口氏:リアルイベントなどで「200x年xx月に登場した、あのハンターは今どうなってるんですか?」みたいな自分が入社する前の、とんでもないマニアックな質問が投げかけられるときがありますが、そのときには合わせて色々な情報をキャッチアップしようと当時の『探検ドリランド』の状況を含めて耳を傾けるようにしています。

古参プレイヤーさんの中には、運営に意見を伝えたい方、要望を聞いてほしい方も多く、そのような方から新しい情報を入手して、次のイベントなどに活かすようにしています。定期的なインタビューで意見を取り入れてゲームに反映すると、感謝の言葉もいただきますし、プレイヤーさんと良い関係が築けますね。

佐伯:ゲーム運営ってどうしてもヘイトがたまりやすいですけど、お互いをリスペクトしあえる関係性ができているのはいいですね。

井口氏:そうですね。ゲームに限らず、匿名性の高いメディアにはさまざまな思いが投稿されることも多いです。でも、プレイヤーさんと実際にお会いすればニュアンスを柔らかくして話してくれたり、意図の違いなどもその場で認識しあえることができます。

やはり直接会いに来ていただける方の熱量はかなりのものなので、運営する側としてそれに応えられるだけの熱量をもって接することは常に意識しています。

佐伯:リアルでプレイヤーさんと会うことによって、一体感を作れているのはスゴイですね。運営とプレイヤーさんが一緒にゲームを作り上げていくことは、すでにゲーム運営に重要なファクターとなっています。

長寿タイトルだからこその挑戦

佐伯:長期運営を続けているタイトルだからこその、これまで挑戦してきたイベントなどについて、お話しいただきましょう。

井口氏:自社イベントである「GREEファン感謝祭」については、2015年頃から取り組んでいます。当時は社内全体で「リアルイベントをやるなんて、チャレンジャーだ」と恐れられており、「どんな人が来るかわからないので怖い」と、様々な不安が渦巻く中、手探り状態でのスタートでした。

このタイミングで自分が『探検ドリランド』にジョインしたんですが、謎解きイベント会場となった八丈島内で「挑戦者を正解に導くヒントマンになる」というのが最初の仕事でした(笑)。

初リアルイベントに参加したプレイヤーさんからは『探検ドリランド』がもっと好きになりました、次回も参加したいです、などのポジティブな声が寄せられ、反応も良かったため、次に開催したのが東京でのオープンイベント「キングスアカデミー」でした。

このイベントもかなり好評で、次のタイミングでは東京と大阪の2都市で「探検ドリランドファン感謝祭 ~キングスアカデミーフェスティバル~」を開催し、ここでもプレイヤーさんと運営が楽しく交流できました。来場者が両都市で約2,000名規模になったのも驚きでしたね。

もちろん、増える来場者にあわせて、運営チームメンバーにもQ&Aを大量に用意して、様々な角度からのプレイヤーさんの質問に対応していたことで、規模が大きくなっても年々満足度を高めていくことができました。

佐伯:来場者2,000人ってスゴイです。大変だけど価値のあるイベントになったんですね。

井口氏:さらにもうひとつの施策として『探検ドリランド』10周年を迎えて何かやろうと思ったときに、休眠プレイヤーさんにアプローチするために、CMなどでおなじみの「ド、ド、ドリランド♪」のフレーズを使うプランを考えました。

ですが、有名人を使って無難なプロモーションをするだけでは、いまいち盛り上がらないと考え、比較対象にすらならないだろうアフリカの部族の人をアサインして、特別なお祝い動画を作ることを考えました。

佐伯:アサインって……(笑)。

井口氏:改めて動画を見ても、結構振り切ってますね~(笑)。これは僕が「世界ウルルン滞在記」や「探検隊シリーズ」が好きなので、そんなドキュメンタリーっぽいニュアンスを入れてみたんです(笑)。

この時期にはキャンペーンを同時に実施していたので、動画の効果はハッキリ分析はできていないんですが、休眠プレイヤーさんはかなり復帰してくれました。さらに、既存プレイヤーさんにも「まだこんなおもしろいことやってるんだ」と、10周年を迎えてもまだ、おもしろさが続くことを理解してもらえたのが良かったですね。

佐伯:10周年でこんな奇抜な動画が作られるなんて、プレイヤーさんも驚きますよね。

井口氏:ただ、この動画の準備期間のほかに、撮影クルーのワクチン接種に数ヶ月かかってしまったのは想定外でした……(笑)。

佐伯:これを踏まえてではないですが、『怪盗ロワイヤル』はさらにこの企画を超えていかなきゃいけない企画力が必要ですね(笑)。

下島:この動画の後に話すのは非常にツライんですが……(笑)。『怪盗ロワイヤル』でも長期運営に関わらず、これまでになかった取り組みを続けていき、プレイヤーさんに新しい体験を届けたいと考えています。

最近では、『探検ドリランド』とのコラボがトピックスですね。もともとIPコラボは年に何回か実施していたんですが、ゲームタイトル同士のコラボは初めてでしたし、これまでやったことのないTwitterキャンペーンなども実施し、イベントとしても、売上にもすごく効果がありました。

また、某飲料メーカーとのコラボも実施し、飲料水を擬人化してボスとして登場させるイベントを企画しました。上位のプレイヤーさんに、インセンティブとして飲料水を1ケースを贈るといった、なかなかインパクトのあるリアルインセン企画でした。

しかし企画を進める中で、攻撃時に銃に撃たれるエフェクトに対して先方様からNGが出てしまい、メンバーと思案した結果、そのエフェクトの代わりに、その飲料水に含まれる成分名を表示するエフェクトを提案して認めてもらう、といった裏話もありました。

このように確かな結果だけを狙うだけではなく、ちょっとユニークな取り組みも積極的にやることが、長期運営タイトルでプレイヤーさんに飽きられない秘訣なのかも知れませんね。

佐伯:普段は誠実に運営してるからこそ、たまに繰り出すパンチが強烈でウケる、ということもありますよね。

下島:そうですね。このコラボ自体が掲示板でも話題に上がってくれて、結果プレイヤーさんは楽しんでくれたようです。

佐伯:10年運営していたら、だいたいのことはやってるわけじゃないですか? その中で突拍子もないことを意識してやるのは大事ですね。

井口氏:ですね。ある程度のネタは、先人たちがやってしまっているので、同じような路線で攻めてもダメなんです。そんな理由で「10周年でアフリカだ!」と思いついたところでもあります(笑)。

また、こんな突拍子もない企画を実現していると、プレイヤーさんも楽しみにしてゲームから離れなくなりますし、『怪盗ロワイヤル』とのコラボについても社内で賛否両論あったんですが、この10周年記念動画で残した実績があったんで、力強く提案できました。

佐伯:グリーとDeNAってお互いライバルみたいな関係性に近かったので、なかなかインパクトがあるコラボだったんですが、信頼関係を得るような、相乗効果も生み出したんですね。

下島:自分たちが思っている以上にプレイヤーさんは両社の関係性は気にしていないこともわかって、ブッ飛んだコラボをやっても受け入れてもらえる事例ができたので「何でもやってみよう!」みたいな挑戦する楽しみは増えましたね。

佐伯:運営側が本気で楽しもうとする姿勢が、プレイヤーさんに伝わっていたんですね。

下島:確かにそうかもしれません。某飲料メーカーさんとのコラボのときは、自分たち運営が一番楽しんでいましたね。飲料水のキャラクターに手足を生やすアイデアをチャットで話していたら、それを見たデザイナーがささっとデザインを作ってくれて「これ、おもしろいからやりましょう!」って話が広がりました。

これからの10年に向けて

佐伯:最後のお題ですが、今後の10年に向けて、両タイトルの展望などをお聞かせください。

井口氏:自分たちの強みとしては、長期運営タイトルにおける「圧倒的な休眠プレイヤー数」だと思っています。

世の中のゲームの戦略では「新タイトルをリリースするときに、新規プレイヤーさんを多く獲得する」ことが普通です。

ですが、『探検ドリランド』では新規と休眠どちらも狙うミッションがあり、戦略方法はまったく違うので悩みました。新規なら他のゲームとの勝負、休眠なら懐古心をあおるような攻め方が必要になるんです。

そこで自分たちは他にはない強み、絶対的な優位性を保てる休眠プレイヤーさんに復帰してもらう戦略を選びました。休眠プレイヤーさんを獲得するメリットは、復帰してすぐに成果が出やすく、売上に早くつながるからです。

一方で新規の獲得手法や事例は多いんですが、休眠の復帰事例は少ないため、A/Bテストの繰り返しや、先ほど紹介した10周年動画のような手法も含め、日々試行錯誤を繰り返しながらさらなる成長を目指して、チームとして頑張っていきます。

下島:この先20年、30年とサービスを続けて「怪盗ロワイヤルってまだ続いてるんだ」と多くの人に驚かれるくらいに運営を続けていきたいと思ってます。

また、長く遊んでいるユーザーさんには、『怪盗ロワイヤル』がライフサイクルの一部になっている人もいるので、その人たちの生活の潤いのためにも、自分たちの使命はとにかく長く続けることだと考えています。

事業面では、長期タイトルとして仕組み化を基軸とした一つモデルケースになりたいと思っています。一種の教科書として長期運営のためのノウハウを他タイトルにも伝えていきたいですね。

また、組織面では持続的に成果を上げ続けられる組織を目指し、人の入れ替わりなどがあってもずっとタイトルを運営し続けられる自走集団を作れたらいいな、と思っています。

佐伯:2人とも、とても熱い想いを語ってくれました。本日はありがとうございました! 

懇親会の様子

イベント後に開かれた懇親会では、登壇した井口氏と下島を囲んで積極的な交流が行われました。今回の開催場所はDeNA本社のSAKURA Cafeとなったため、カフェ手作りのフードが振る舞われました。

さらに特別メニューとして、横浜スタジアムで提供されているベイスターズオリジナル「ベイ餃子」も並びましたよ!

取材・文:細谷亮介

■関連リンク

https://genom.dena.com/event/20190621_gdm_interview/

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【イベントレポ後編】GDMプランナー向け座談会vol.13 ~コミュニティファーストなプロダクト運営~

毎回様々なゲストをお招きして、最新の技術や情報をシェアするDeNA主催のゲームクリエイター向け勉強会の【Game Developers Meeting】(以下、GDM)。

2019年1月18日(金)に開催されたGDMでは、株式会社コルクの佐渡島庸平氏を招き、DeNAの香城卓(通称:けいじぇい)と住吉政一郎とともに、『逆転オセロニア』を事例とした座談会を実施しました。

イベントレポート後編となる本記事では、盛り上がった第二部のテーマ3~6をもとにした対談内容を紹介していきます! 

前編の模様はコチラをご覧ください。

第二部:For2020 これからのコミュニティ談義

テーマ(3):コミュニティ論、大事! どうやって勉強すればいいの? 

けいじぇい:まず最初の教科書は、佐渡島さんの本ですね! 

佐渡島氏:よろしくお願いします(笑)。「宇宙兄弟」のファンコミュニティを運営するときに、そもそも資料が少なくて、自力じゃ勉強しないと感じたので、一緒に学ぶ人を1人1万円くらいで募集しようと考えたのが書籍を作ったきっかけなんです。お金を取ったら、やらないわけにいかないし、自分を追い込もうと思って(笑)。

10人くらい来るかな……って「コルクラボ」で募集したら、150人くらい集まっちゃって(笑)。とりあえず面接後、80人程度でスタートしました。そこで実験的に試して培った知見を書籍にして、ファンコミュニティに活用しました。

そこで感じたのは「何でも実践してみる」ことです。オンラインサロンや、「ポルカ」(フレンドクラウドファンディングアプリ)などに自ら参加して、自分のSNSコミュニティがどんな状況かを知ることも大切ですよ。

DeNA香城卓(通称:けいじぇい・写真左)と株式会社コルク代表 佐渡島庸平氏(写真右)

前に佐渡島家で「ヘイ(平)ペック」を開催したことがあるんです。僕や親をはじめ、親戚の名前には全員「平」が付いているんですが、最近「平」が足りなくなり、次生まれた子供には「この平が付いた名前を予約! 」みたいに、話し合いの場所を設けたことがあります。

後日、佐渡島家以外で、「平」が付いた名前の人だけを集めたらどうなるんだろうと思って、店を借り切って飲み会を企画してみたら、40人くらい知らない人が集まっちゃって(笑)。

そんな、一風変わった飲み会の幹事を開催して、次回告知や、参加者が仲良くなるならどうするか、どんな設定ならウケるか、など、企画を考えていると気づくことが多いですよ。

住吉:「ヘイ(平)ペック」、面白いけどハードル高くないですか(笑)。でも確かにチームの飲み会でみんなが必ず来るようなアイデアや、小規模のコミュニティで実践することは勉強になりますね。

佐渡島氏:「(平)が名前につく人にしか分からない話」とかは盛り上がりますよ(笑)。あと、コルクラボにはそれぞれの部に責任者がいて、どんな方法で部署を回しているか、コミュニティマネジメントをうまくやれているのか、良く観察をしています。

けいじぇい:それでも残念ながら、コミュニティはまだまだアカデミックな意味で成立しておらず、語り尽くせないほど、不安定な言葉だと思います。

佐渡島氏:そうですね。人間の感情面はまだほとんど研究されていないわけで、人間関係のあり方なども研究が進んでいません。人が人間関係の中でどうすれば心地よいのかなど、解明されていない部分が多く、解説マニュアルもありません。

少し前に、コミュニティイベントに参加した際に、4人の登壇者に対して、マイクが2本しかなくてまともに対談にならなかったことがあります。話し終わって次に回すような感じで、雑談も盛り上がらないんです。そんな風にマイクの本数だけでも、イベントの雰囲気がガラッと変わってしまうんですね。

けいじぇい:明文化もされていない、感情の仕組みやコミュニティのあり方を数字で出せないことが、難しいところですね。

住吉:特に汎用化が難しいんですよね。コミュニティごとに打ち手もまったく違うので、まず初期は観察してから諸々の判断をすることも多いです。

テーマ(4):コミュニティ運営、実際にやってみての失敗談

佐渡島氏:「コルクラボ」の立ち上がりイベントは、勉強目的として社内で実施が決まっていたのですが、応募人数が想定より増えてしまったので、正会員以外は、オンライン参加で値段を半額にしたんです。

すると「自分たちは選ばれなかった」と感じる人が出てしまい、正会員よりもすごいプレゼンを準備して驚かせよう! みたいにカーストになってしまいました。

人は、きっかけがあれば人との優劣を付けてしまうので、フラットに運用するのは大変ですね。

けいじぇい:『オセロニア』では、運営初期にいろいろ失敗の経験がありましたね。

住吉:ゲーム内でリアルイベント告知をわかりやすい目立つ場所に変えたら、応募が殺到したので運営チームで人数を見て喜んでいたんですが、当日を迎えると、参加者がほとんど来なかったんです……。

熱量が高いプレイヤーと、なんとなく面白そうで応募したライトなプレイヤーの温度差の違いを実感しました。

けいじぇい:やっぱり大きい数字が出るのは嬉しいし、運営陣は舞い上がっちゃうんですよ。これはアクティブユーザーの裏側にあるコミュニティのサイズを見誤った事例になりました。

住吉:それからは、ゲーム内での積極的で派手な告知はしていません。

けいじぇい:そうですね。これまでのコミュニティのサイズ感を大事にして、そのプレイヤーが来てくれたら喜ばれるような導線を作っています。

佐伯:そういえば、「コルクラボ」のイベントでカースト状態になってしまったときの解決策って、どんなものだったんですか? 

佐渡島氏:次回の開催時には価格設定を一律1万円にして、応募者全員が参加できるスペースを借りました。

さらに、オンラインとオフラインの動きを活発にしようと、掲示板で投稿数が多かったベスト3の人が、僕と食事に行ける権利をゲットできる、というルールを作ってみたら、サイトのPVが1ヶ月30万超えとかしちゃいました(笑)。

ですが、3ヶ月くらいするとみんな投稿疲れして、なんとなくサービスに対して反感を持ち始めたんです。あまり熱量を上げすぎず、煽らないことが大事です。時代が変わっても、あまり特殊なことはせずに、淡々と粘って積み上げていくことが一番かもしれませんね。

テーマ(5):コミュニティベースの中、頭一つ抜け出す方法!

けいじぇい:コミュニティが多様化している現代では、コミュニティごとの雰囲気やカラーを作り上げて、それを維持していくことが大切ですね。

例えば、過去に運営に携わっていたメンバーや、昔のプレイヤーが今のファンミーティングに来ても、変わらない、楽しい! と感じるような、コミュニティのブランディングを保つことが不可欠です。

佐渡島氏:コミュニティ運営では、所属する人数や参加率の把握をしつつ、掲げていることと、やっていることをできるだけ一致させるような試みを行うことが重要ですね。

けいじぇい:そうだと思います。幹事のようなコミュニティの場を広げてくれる人、サービスの周りにいる応援してくれるコアなファンたちがどこの地域に住んでいて、どんなことを考えているのかを、また自分たちのファンの温度について、より高い解像度でしっかり見て、理解することが重要です。

テーマ(6):For2020 コミュニティベースの未来

DeNA住吉政一郎(写真右)

住吉:インターネット内のコミュニティも変化し続け、人間を表現するのがだんだんと巧みになってきています。リアルで人間味のある人の心を言語化して、それをプロダクトに最大限活かせるような人たちが、今後重要になる未来が訪れるのではないのでしょうか。

けいじぇい:コミュニティを基準にしていくことが、世の中がハッピーになる気がします。

人がコミュニティに属するときは、「人とつながりたい、何かに貢献したい」といった、前向きな感情の結びつきを求める気持ちが大きいと感じました。将来的に、アカウントを通じて、他の世代や違う地域に住む人とつながる場所が生まれていけば嬉しいですね。

佐渡島氏:当時流行したSNSなどをきっかけに、いろんな切り口で集まった集団の呼び方を「コミュニティ」と呼ぶようになっていきました。

これが今までの「会社」や「学校」と同じくらい、当たり前なカタチになってきたときに、すべてをひっくるめてコミュニティという言葉ではなく、より細分化された適切なネーミングが生まれてほしいですね。

現在では、「野球とグルメ」みたいにコミット具合が違うコミュニティが、全部同列になってノウハウの定義がズレています。この先もっと言葉が分かれていけば、チェックポイントが明確になる現象が起きていくはずです。

佐伯:なるほど。そうやって未来的には、さらに細分化された、数多くのコミュニティが生まれて育っていくわけですね。本日はありがとうございました。

懇親会の模様

事前応募人数が100名を超える規模となった今回のGDM。おなじみとなった軽食のお寿司とピザをつまみながら、登壇者と来場者の交流が行われました。

GDM運営チームオススメのデザート

懇親会のデザートには、銀座と南青山にお店を構える和菓子やさんより、季節の生菓子をご用意。来場者の中でもデザートのファンが、実は多いとか……!? 

取材・文・撮影:細谷亮介

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GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

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【イベントレポ前編】GDMプランナー向け座談会vol.13 ~コミュニティファーストなプロダクト運営~

毎回様々なゲストをお招きして、最新の技術や情報をシェアするDeNA主催のゲームクリエイター向け勉強会の【Game Developers Meeting】(以下、GDM)。

2019年1月18日(金)に開催されたGDMでは、株式会社コルクの佐渡島庸平氏を招き、DeNAの香城卓(通称:けいじぇい)と住吉政一郎とともに、『逆転オセロニア』を事例とした座談会を実施しました。

本記事ではレポート前編として、第一部の「コミュニティファーストなプロダクト運営について」と第二部のテーマ1~2までの対談内容をお伝えします。

※本イベントの前には事前特別対談が行われました。その模様はコチラをご覧ください。

第一部:『逆転オセロニア』流
コミュニティファーストなプロダクト運営

サービス開始から3周年を迎える『逆転オセロニア』。そのプロデューサーを務める香城より、同タイトルでの、コミュニティファーストなプロダクト運営について概要が以下のように紹介されました。

「昨今聞かれるようになったコミュニティファーストについて、『逆転オセロニア』ではプロジェクトの意思決定基準のことであると定義付け、ターゲットは”コミュニティそのもの”を指します。

現在は、物事を決める価値について、”流行っている、話題になっている”といった”プロダクトを取り巻く人の群れ”を見て、人々がその価値を評価する時代になっています。

これからのコミュニティ時代に意識すべきことは、応援・発信してくれる人たち×コミュニティ世論がプロダクトの評価を決める時代であると認識すること。

現在はコミュニティマネジメントが重要な時代であり、プロダクトとコミュニティの距離感と意味合いを把握することが重要だと思います。」

DeNA香城卓(通称:けいじぇい)

続いて、『逆転オセロニア』実践例として、初期事業推移を公開。リリース初期にはひたすらプレイヤーの熱量を増加させたファンコミュニティの後押しが、急激な成長軌道に入る契機になっている、と語りました。

また、オフラインイベントやファンミーティングの開催については、年間30本以上、全国各地のオセロニアン(『逆転オセロニア』のプレイヤー)が住んでいる街へ「自分たちが行く」ことを大切にしている、とのこと。そこでは、オセロニアンのみなさんと運営が直接意見を交わしながら、プロダクトを「共創している」感覚を実感し合いたい、と話しました。

「次の時代に向けて、世界的にコミュニティの重要度は増していると感じる。今後はプロダクト周辺のコミュニティまで、ソーシャル性を統括したデザインが必要だ」と述べて締めくくりました。

第二部:For2020 これからのコミュニティ談義

ここからは、佐渡島氏を迎えて、6つのテーマに沿った座談会がスタートしました。

テーマ(1):そもそもなぜ昨今、コミュニティ重要論が叫ばれだしたのか?

佐伯嶺(以下、佐伯):これまであまり聞かなかった「コミュニティ重要論」が最近なぜ語られ始めてきたのか、逆に今までのままではなぜダメなのか、討論をお願いします! 

住吉政一郎(以下、住吉):コミュニティが重要視されてきたこと=ぜいたくな時代になってきたのを感じています。完全にインフラが整ったスマートフォンアプリゲーム市場が成熟してきたため、コミュニティを通じて遊ぶような楽しみ方に変わってきたと思われます。

株式会社コルク代表 佐渡島庸平氏

佐渡島庸平氏(以下、佐渡島氏): 同じく「世の中全体が、ぜいたくな時代」って重要なキーワードに感じます。野球・相撲・プロレスしかエンタメがなかった戦後に比べ、現在はたくさんの娯楽がありますから。

エンタメが圧倒的な影響力を持っていた頃は、自分たちのコンテンツが簡単にプレイヤーに届くため、手法を深く考えなくて良かったんです。むしろ、雑な届け方でも良しとされていました。

時代は変わり、ソーシャルゲームやマンガがいつも手元にあるのが当たり前になって、(作る側は)読む状況から、どうやったら入り込みやすくするかを、特に考えます。僕がよくマンガ家に対して「これって読者目線じゃないよね」「こういう導入じゃないと理解できないよ」とアドバイスをすることも多いです。

もし、「今のあなたにはこれがおすすめです」と手紙が添えてある本を誕生日プレゼントでもらったら、絶対読みますよね。そういった気持ちをプレイヤーに持つことができるかが、重要なんです。

ゲームの場合、友達に「絶対ハマるから、今ダウンロードして一緒にやろうぜ! 」って誘われることが、やわらかく、かつなめらかなゲームの始め方であり、そのように届け方への繊細さが求められている時代なんだと考えています。

また、コンテンツを作る人が、それを届けた「後」しか考えていないことも多々あります。チュートリアルをものすごくしっかり作ったゲームでも、必ず大ヒットするわけではないですよね。それは、届け方の部分に雑に感じるような問題があるからなんです。

そのあたりを含め、今後のコミュニティファーストには、届け方をセットで考えた、雑でない、口コミでストレスもない、なめらかであることが強く求められています。

住吉:確かになめらかな届け方は必要ですね。SNSを利用しながらゲームで遊ぶときに、機能がまったく親切じゃないことに気づくことも多いです。その導線をどれだけスムーズにするかが、コミュニティの大切さとつながっていくのかもしれません。

DeNA住吉政一郎

佐渡島氏:今でも年配の方って、新聞広告を切り抜いて持っていて、書店に行ってそれを見せて注文して……ってすごい手間をかけさせてるんですよ(笑)。欠品で取り寄せしたら、また一週間後に取りにいって……。ソーシャルゲームの導線のほうがわかりやすいですよ。

香城(以下、けいじぇい):URL踏むだけですもんね(笑)。

住吉:もしかしたら、年配の方は新聞広告のほうが「なめらかな届け方」なのかもしれませんよね。コミュニティそれぞれに対して「何が」なめらかなのか、を考えないと。

佐渡島氏:ECサイトに電話とFAXの申込みを方法を導入したら、すごく売上が伸びたことがありました。年配の人がそれを快適と考えているかわからないですが、習慣化していることは明らかです。

昔は不自然なことに自分が合わせるのが普通で、我慢するのが当たり前。我慢できない若い人との価値観のぶつかり合いは、最近のニュースで見ることが多くなりましたよね。

住吉:コミュニティにしっかり届けるという観点では、ツールの揃っているSNSプラットフォームを使って、スムーズに届けることを第一に考えることが大切だと思います。

佐渡島氏:地域コミュニティについての研究資料を読むと、「祭り」が重要だと記述があります。祭りを開催すると外部の人も訪れるため、村の雰囲気を外に伝えるチャンスになるんです。『逆転オセロニア』なら、オフラインイベントの魅力がSNSにまで波及していけば、絶対に盛り上がるはずですよ。

けいじぇい:そうですね! 個人がそれぞれのアカウントを持てるようになったのも、コミュニティが重要視されてきた要因でもあります。自分も愛称で「けいじぇい」と呼ばれていますが、本名以外でなりたい自分を出せる場所があるのは、楽しいですよね。

佐渡島氏:あっ! そういえば、香城さんのことをみんな「けいじぇいさん」って呼ぶから、僕、なんか呼び間違えてるのかなって、ずっと不安だったんですよ……(笑)。

けいじぇい:会社でも僕のこと「香城」って呼ぶ人いないんです(笑)。今はそうやって「けいじぇい」として『逆転オセロニア』を通じた知見を含めて一つの人格として接することができるような、コミュニティを作りやすい世の中になっていると思います。

佐渡島氏:その感覚はすごい面白いですよ。アカウント複数持っている人も多いですし。過去に別人格を演じるコンテンツを作っているときに、普段では言わないキワドいことが、思わず口から出ちゃったことがあります。そのときに「あ、今って複数の人格を持てる時代なんだ」と実感したことを覚えています。一部の人格だけで会える人たちがいるのって興味深いですね。

けいじぇい:現実の自分ではない、見せたいところだけ、振る舞いたいところだけをチョイスしてコミュニケーションするようになってきている、良い例ですね。

住吉:僕は複数のアカウントを、遊んでいるサービスで分けて使ってますが、人格の設定をあまり作らず「このコンテンツを楽しんでいる人」という純粋な部分に居心地の良さを感じています。

佐渡島氏:予防医学の研究者によると、ここ50年くらいで人間の脳の中でも特に「想像力」が発達しているらしいです。

日本で二次創作が流行るのは、想像力が豊かだからなんです。コミュニティに関わることによって、アカウント上のキャラや性格も望んだ形になれる、それが注目される時代になってきていることは確かですね。

テーマ(2):サービス初期はどうやってファンコミュニティを作るべきか

住吉:最初はファンが少ないコミュニティのほうが作りやすいと思います。『オセロニア』初期のファンミーティングで参加者1名のときは、じっくりと語ることができましたし。人数が少ないからこそ深く関われることは、逆にチャンスかも知れません。

佐渡島氏:それは100%賛成できます。「宇宙兄弟」のときは、人数が最初から多くて運営の方法がなかなかわかりませんでした。コミュニティは雑に扱わないことが原則なはずなのに、ついつい運営者目線になってしまいがちでした。

なので、人数が少ないコミュニティはラッキーだと感じて欲しいですね。フォロワーが500人しかいなければ、全員が選んでくれるようなコミュニティにじっくり育てるべきです。

もし、自分の作品がオリジナルであれば、最初からネタ出しを頑張って、濃いコミュニケーションを心がけましょう。たまに自分の弱みを見せると、さらにフォロワーとの関係性を深く築けると思います。

けいじぇい:全く違う目線ですが、コミュニティって数値化が重要な事業計画とは相反するので、時間軸の考え方を、経営陣などとコンセンサスを早めに取っておくのが大事です。

人間は目に見える数字に注目しがちなので、オーディエンスではなく自分たちも運営に食い込んで盛り上げ、広げてくれる人たちを生むこと、コミュニティが人間関係を拡大させる、という世界観を自分たちの周辺で作ることが大事だと思います。

住吉:さらに、初期はお金をかけないこともポイントです。続けやすい形でじわじわと。

佐伯:でも、じっくり取り組むと、逆にスピード感が出ないと思われないですか? 

DeNA佐伯嶺

佐渡島氏:「紙を100回折ると宇宙に届く高さになる」のと同じく、倍々ゲームみたいに、コミュニティにまず1人を連れてくることを繰り返していけば、加速度的に増えていくはずです。

そして、過剰な関係値は作りすぎず、間口を入りづらく、出やすくします。自然と初期のコミュニティの人も入れ替わりつつ、徐々にサイズが大きくなるなら、問題は少なくなると思いますよ。

住吉:コミュニティがゆっくりと盛り上がり、広がっている途中で「この情報を出せば、これくらいの人数が集まる」みたいな、数字の概念を突然入れてしまうと、とたんにコミュニティがおかしくなるので注意が必要です。

佐渡島氏:実は、地域コミュニティの運営方法が解決策を持っていると思うんです。サイズの違う共存したコミュニティに属しながら、小さい規模では安心できる濃い関係性を、人数や盛り上がりによってサイズが変化する大きなコミュニティでは、流れにまかせる関わり方にすると良いですね。

けいじぇい:『逆転オセロニア』のコミュニティには、オセロニアンの期待するような世界観が必要です。ギスギスせず、強者だけが楽しい場所じゃない、サイズが大きくなってもコミュニティの雰囲気やカラーが維持されることを、コミュニティマネージャー(※)などとしっかり考えて運用していかなければいけませんね。

住吉:『逆転オセロニア』は対戦ゲームですが、「たまたま負けちゃった! 」と言いやすいゲーム性を持っています。コミュニティ内でも負けたことが絶対的な上下にならないのが、親しみやすいコミュニティの性質にもつながっているのかもしれません。

※コミュニティマネージャーとは、オフラインイベントやSNSなどを通じて「プレイヤーの熱量を高めること」をミッションとする職種のことです。

第二部の続きはレポートの後編で! 

イベントレポート後編記事では、さらに盛り上がった第二部のテーマ3~6をもとにした対談内容を紹介しています。コミュニティ論の学び方、失敗例やこれからの未来についても談義されているので、要チェック!

【イベントレポ後編】GDMプランナー向け座談会vol.13 ~コミュニティファーストなプロダクト運営~

取材・文・撮影:細谷亮介

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GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

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『FFRK』4周年開発秘話! DeNA開発チームが乗り切った新機能実装までの道のりとは?

FFRK開発チームにインタビュー

スクウェア・エニックスとDeNAが開発・運営中のiOS/Android用RPG『FINAL FANTASY Record Keeper』(以下、FFRK)は、2018年9月に4周年を迎え、新たにさまざまな機能が追加されました。今回は、2つの新機能『マギアクリスタル』と『記憶の神器』が、どのように開発されてきたのか、リリースまでの裏話をDeNA開発チームにインタビューしました。

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Profile

[su_row][su_column size=”1/5″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”4/5″ center=”no” class=””]

杉原健太郎
DeNAに入社後、ゲーム事業部の新規タイトル開発チームでアシスタントプロデューサーなどを経験。FFRKではプランナーを経て、現在はディレクターを担当している。
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[su_row][su_column size=”1/5″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”4/5″ center=”no” class=””]

中尾亮介
FFRK開発ディレクター。IT系企業でPC/スマホのゲーム開発・運営に携わった後、2013年にDeNAへ入社。FFRKでは、『レコードダンジョン』の開発を担当後、開発ディレクターに
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[su_row][su_column size=”1/5″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”4/5″ center=”no” class=””]

土井将之
ゲームメーカー、IT系企業でコンシューマーゲーム/ソーシャルゲームなどの開発・運営に携わった後、DeNAへ入社。FFRKでは、イベント運用オーナーを経て、新機能開発チームのプランナーとして『記憶の神器』などを担当[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/5″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”4/5″ center=”no” class=””]

鈴木穂高
ゲームメーカーでのコンシューマーゲーム/ソーシャルゲームなどのプランナーを経て、DeNAへ入社。FFRKではイベント運用オーナーを担当した後、現在は新機能開発チームで『マギアクリスタル』など担当
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FFRK4年目の課題は、
成長要素を感じられるコンテンツ

――今年で4周年を迎えた『FFRK』ですが、注目の新機能である『マギアクリスタル』と『記憶の神器』はどういったものなのか教えていただけますか。

開発ディレクター 中尾

中尾:まず開発の背景からお話させていただくと、FFRKの今後の運営を考えた上で、新しい成長要素が必要という課題がありました。4年間続けてきた現在、プレイヤーのアクティビティに対して、劇的な成長体験がしづらくなっています。

RPGにおいて、英雄を強くして敵を倒していく成長実感や達成感は必要。そこで、プレイヤーのアクティビティにおけるさらなる成長要素として、英雄とその装備に着目して作ったのが、『マギアクリスタル』と『記憶の神器』です。

[su_highlight background=”#99eaff”]マギアクリスタル[/su_highlight]は、最高レベルのLV99以降でも、英雄を自分好みに強くしていけるというのがコンセプトです。新たな経験値を入手してマギアクリスタルを強化し、属性や攻撃力など自分好みのステータスを高めることができる機能です。

[su_highlight background=”#f5ff99″]記憶の神器[/su_highlight]は、今までの装備と異なる強力な新しい武器です。強化に時間がかかりますが、一定レベルを超えると、既存装備を超えるパラメーターになります。

FFRKでは、剣や刀、杖など12種類の武器があるのですが、記憶の神器も、『FINAL FANTASY』の各シリーズごとに用意されています。まずは、自分の好きなFFのシリーズや、お気に入りの英雄が装備できる記憶の神器から入手して、じっくりゲームを遊びながら強くしてもらうのが遊び方の趣旨です。

――すでにレベルがカンストしたプレイヤーも多い中、いろいろな意見や要望も多いかと思いますが、今回の新機能については、どのような背景で開発が始まったのでしょうか。

ディレクター 杉原

杉原:プレイヤーの皆様からたくさんのご意見をいただいていますが、開発メンバーも1プレイヤーとして遊んでいるときに「育てる楽しさがなくなっているな……」というのが課題としてありました。

やはり、RPGの楽しさのひとつは「キャラクターを育てる」ということだと思います。「キャラクターを育てるためにレベル上げしていたはずなのに、いつの間にかレベル上げ自体が楽しくなっていた」ということを経験された方も多いと思いますが、FFRKではその感覚がなくなってきていると感じていました。そこで、ゲーム性を高めるために必要だということで、今回の開発に至りました。

『FF』の世界観をモチーフに、
『FFRK』らしさをつくり上げる

――なるほど。こうした新しい要素をつくる際、『FF』という日本を代表するようなIPであることから、特に心がけた点やこだわった点はどんなところでしょうか。

プランナー 土井

土井:記憶の神器は、『ファイナルファンタジーV』に登場した伝説の武器が眠る『封印城クーザー』を発想の原点として作っています。FFRKの中で封印城のようなコンテンツをどう表現するかという点にこだわりました。

デザイン面での話をすると、当初はそれぞれの武器アイコンを台座に載せるというシンプルなものにしていたのですが、よりFFらしさを出したいと考え、ジョブキャラというFFになじみの深いキャラクターをモチーフに、各武器のイメージと紐付くジョブキャラの石像を並べるという形式に変更しました。

また苦労した点は、各12種の武器種にそれぞれ全シリーズの武器を用意する必要があったため、100種類を超える大量の武器をどうUIデザインとして綺麗に見せるかというところです。
目的の武器を迷わず探せるよう、入り口で12種類の武器種を並べ、その先で各シリーズの武器を一つ一つスライドやリストで眺めることができるという見せ方に落とし込みました

プランナー 鈴木

鈴木:マギアクリスタルに関しては、FFらしい成長要素を盛り込むことと、FFRKのたくさんの英雄を最大限愛でられることにフォーカスしたいと思いました。プレイヤーが英雄を自分好みに強化できるという要素は、これまでのFFRKにはありませんでした。

また、FFらしさとしてクリスタルをモチーフにしたコンテンツをつくりたいというところも着眼点でした。操作して面白いだけではなく、眺めていても楽しいものが出せればと思っていましたので、演出面でも英雄がちょっとしたアクションをするといった細かい仕様を重視しました。

――属性やステータスの強化というと、調整が難しい部分かと思いますが、いかがでしたか。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

鈴木:マギアクリスタルに関しては、そこが一番苦労したところですね。4周年の新要素として、『覚醒奥義』というものすごく強い必殺技が出て、さらに記憶の神器でも今までにない強力な装備が出たため、4周年を境に英雄がかなり強化されるようになりました。

そのなかで、運用チームや開発チームで横断的に話し合いをして、どれだけ強くするのか、今後はどのように戦っていくのかといったことを徹底的に考えました。

そういった過程を経て、プレイヤーに納得いただけるようなバランスへと落とし込んでいきつつ、ボスが弱くなったり、今まで成長させてきたことが無駄になったりしないよう心がけました。[/su_column][/su_row]

――FFのモチーフがあったとはいえ、これらのコンテンツを1からつくっていくのは大変だったかと思いますが、企画していく際の工夫などはあるのでしょうか。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

土井:その企画で「何を達成するのか」という目的をまず明確にするのが大事だと思います。そこをスタートとして様々なアイデアを出し、このアイデアならこの目的を達成できる、この課題を解決できる、という風にプロジェクトを進めていきました。

記憶の神器では、プレイヤーの持ち物が多くなり、倉庫が圧迫されストレスになっていることの解消や、アクティビティで1段階強くなる要素を増やしたい、といったことを考え、アイデアを出していきました。
[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

鈴木マギアクリスタルは育成というテーマで、早い段階でやりたいものの案は出していました。そのなかで、FFにあったモチーフを積極的に取り入れていきたいと思っていました。

また、今までになかった要素として、好きな英雄がレベルカンストした後もダンジョンに連れていきたい、とプレイヤーに思ってもらえるようになればなと。いろいろなダンジョンに行くことでまた成長感が得られ、さらに昔懐かしいRPGらしさも出せれば、と考えていました。[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

杉原:プロジェクトを始める際には、運営上の課題の解消も考えていますが、最近は「どんなプレイヤーに、どんなことを思ってほしいのか」という、主語をプレイヤーにすることを意識しています。

今回の新機能ではそれを踏まえて、FFらしさや、FFRKとはどうあるべきかということを二人がしっかり考えてくれたので、いいものが出せたと思います。[/su_column][/su_row]

間に合わない機能は有志がつくった!?

――今回の新機能は、企画から実装までどれぐらいの開発期間がかかったのでしょうか。ゴールは、4周年ということで決まっていたと思うのですが……。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

土井記憶の神器の開発期間は着手から5ヶ月ほどでした。

実を言うと、全ての仕様が決まった段階で概算を出してみたら、この2倍はかかりそうでした(笑)。4周年には必ず出すという目標があったので、どの機能や要素が必須なのかというところを精査し、「ここまでは4周年に出そう」「ここは4周年以降に追加していこう」と決めました。[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

中尾:記憶の神器では、どうしても入れたい機能があったのですが、記憶の神器チームだけでは間に合わなかったんですね。そこで、チーム外の有志を集めて「これつくりたい人、集まって」と募集したんです(笑)。[/su_column][/su_row]

――それはすごいですね!

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

中尾既存の業務があるなかで、やりたい人だけを集めて、なんとかつくり上げました。結果として、この機能を入れたおかげで大きくUXが向上しました。

どうしても開発を進めていく上で、機能として漏れてしまうものは出てきます。そこで、組織面でも柔軟に動いて工数を捻出し、その漏れた機能をつくって世に出すなど、できるだけやりたいことを実現できるようにしています。[/su_column][/su_row]

――こういったフレキシブルな対応は、これまでにもやってこられたのですか。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

中尾自分が開発ディレクターとしてFFRKに参加した際に、そういう動き方をしたいと思い、兼任で何でもつくる小回りのきく部隊みたいなものを立ち上げて、フレキシブルにやりたいことをどんどんやっていくようにしました。

その部隊では、時間のかかるものには手を出さず、開発難易度が低く、「これがほしいよね」と分かっているものの優先度が落ちがちな改修案件をどんどん実装したり、既存のチームで作りきれないものを受け持ったりしています。[/su_column][/su_row]

――その部隊は、チームを横断的に担当している感じでしょうか。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

中尾:FFRK全体で「この機能がほしいけれど、誰もつくる人がいない」といった際に担当したり、自分たちでこれがやりたいと思ったときに担当したりしています。開発メンバーだけでなく、各チームのリーダーや、マネジメントレイヤーも前線に出てもらいます(笑)[/su_column][/su_row]

――どんな風に呼びかけるのですか。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

中尾:最初に、私が「これをつくりたい」と声をかけていきます。まずリーダー陣に話して、担当できそうな人がいればお願いしますが、いなければリーダーがつくる(笑)。指揮を執るレベルの人間でも兵隊となって戦う、というのが開発姿勢としてやりたいことです。[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

杉原「この機能があれば、プレイヤーはうれしいよね」という主旨を納得してくれれば、リーダーでもみんな動いてくれます[/su_column][/su_row]

――動ける人がリーダーになっている、ということでしょうか。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

中尾それもありますね。メンバーからしても、リーダーが前線に立って動いていたら、士気も高まると思います。「あいつ、仕事してるのかな」と思われるより、ガンガン実装もしてマネジメントしている方がカッコいいじゃないですか。[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

土井実際、提案して入れるべきだと言う判断がされれば、例えチーム内の工数がなくともすぐに実装すべく動くので、スピード感が現場にはありますね。リーダー陣が自ら動いているのを見て、チーム全体も自然と「いいものをつくろう」という空気感が出ていると思います。[/su_column][/su_row]

チームで完成イメージを共有する

――マギアクリスタルの方はいかがでしたか。

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

鈴木マギアクリスタルは、3ヶ月ほどでした。スケジュールを組んで進めてみたら、記憶の神器と違って何も問題なく収まった上に、例を見ないぐらい平和な開発になりました。

スケジュールはバッファ込みで引いているものなので、浮いた時間で中尾さんの話にあった有志部隊に参加したり、運用チームに首を突っ込んだり、特別な案件の企画書を作成したりできました。[/su_column][/su_row]

――その平和な開発になった理由をお聞きしたいのですが……。

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鈴木これだ!っていうものはないんですよ。開発チームだけでなく運用チームもふくめて、メンバー皆がとても優秀だったというのはあります(笑)。

とはいえ個々が優秀でも、チームとしてかみ合わないとうまくいかないこともあるのですが、FFRKのチームは協調性があり、親和性も高く進められたので、そこが主要因かなと思います。[/su_column][/su_row]

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中尾あとは、プロジェクト開始時に、企画や仕様をかなりきっちりと詰めてから動かしたこともありますね。「これをつくる」とはっきりイメージできるように、仕様が右往左往しないように準備をして進めたことも、平和に開発できた要因です。[/su_column][/su_row]

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杉原最初の企画こそ喧々諤々でしたが、そこでしっかりイメージを固められたのでスムースにできたのだと思います。[/su_column][/su_row]


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土井:記憶の神器の方は、ゲーム内での影響範囲が広かったので、最初に運用チームや分析チーム、デザインチームも含めて、みんなで沢山話し合いました。イメージがきっちりと固まるまで落とし込んだため、企画だけで2ヶ月ほどはかかりました。[/su_column][/su_row]

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鈴木マギアクリスタルも、企画に関しては1ヶ月ほど時間をかけて、開発だけでなく、UIやシステムのリーダーも参加し、きちんと落とし込みました。

方向性が固まったら、チームメンバー全員がイメージできるように画面をつくってもらったり、開発前にGIFで動くものをつくってもらったりと、明確にどのようなものにするのかがわかった状態で始められたのが、スムースに開発できた要因だとも思います。[/su_column][/su_row]

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杉原FFRKでは、これまでの4年間ずっとタイトなスケジュールで進めてきたことが反省点でもあったのですが、最近は企画をしっかり詰めることがようやくできるようになってきました。企画で最初に苦労する分、後が楽になりましたね。[/su_column][/su_row]

――では、スケジュール以外で苦労したことなどはありますか。「記憶の神器」は、元々は違う名称だったとお聞きしましたが。

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土井はい、当初は別の名前をつけてコード名にしていたのですが、途中で変更になりました。そこで、聞いただけで「伝説の武器」と思ってもらえるネーミングはなんだろうと改めて考え……三種の神器などで用いられる“神器”という言葉なら、「神々しい装備」という雰囲気が出せ、「Record Keeper」ということで、“記憶”と言う単語を使いました。

結果として、元の名称よりもFFRKらしく、かつイメージの湧く良い名称になったと思います。決まるまではいくつも名称アイデアが出てはどれもしっくりこないという感じだったのですが、決まった後はチーム内でも「これしかない」という感じでした。[/su_column][/su_row]

コミュニケーションコストを惜しまない

――企画の段階で他部署と話し合いをしたというエピソードがありましたが、連携の上で苦労したことなどはありますか。

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鈴木冒頭でもお話ししたように、マギアクリスタルは、連携で苦労したというよりは、どこまで英雄を強化するのかという調整の面で本当に苦労しました。

分析チームや運用チームと一緒に調整していましたが、他部署のメンバーも、みんな「より良いゲームにしよう」と積極的に考えて提言してくれたので、助かった部分も多いですね。[/su_column][/su_row]

――逆に、自分たちが貢献できるところはしていきたいですか。

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鈴木はい、すでに余計なぐらい、他部署へ首を突っ込んでいます(笑)。いろいろな部署に「こうした方が良いのでは?」と提案したり、お手伝いしたりしていますが、そこは持ちつ持たれつかなと思っています。[/su_column][/su_row]

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土井記憶の神器も影響範囲が広く、ほぼすべての部署との連携が必要だったので、コミュニケーションコストはかかりました。それも2ヶ月かかった理由のひとつです。マギアクリスタルと同様に、最後まで調整作業を行っていました。

DeNAやFFRKチームは、「コンテンツを良くしたい」というスピリットが非常に強いメンバーが多いと感じます。

その分様々な意見が出るので、それらを加味した上でベストな案としてどう落とし込むか、コミュニケーションに時間がかかる場合が多いです。[/su_column][/su_row]

――どうやって落とし込んでいったのですか。

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土井Aの仕様がいいかBの仕様がいいかに悩んだ際は、各仕様のメリットとデメリットを洗い出していって、それらについて比較検討を行った上で意思決定していきます。

一方で、結局プレイヤーがやっていてどれを面白いと感じるか?という感覚的な部分も大切にしています。仕様が決まるまで、延々と会議をしたこともありました。[/su_column][/su_row]

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杉原:あとは「どうつくるか」と同じぐらい、プレイヤーに「どう伝えるか」も重要だと思っていまして、マーケティング部と一緒に情報の出し方についても考えています。[/su_column][/su_row]

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鈴木同じことは、チーム連携にもいえます。つくろうとしているものがどんなものなのか、他部署の方にはわからないので、それを理解していただけるよう、協力したいと思える面白さは伝える必要があると思います。

会議ごとに説明したり、意見を言っていただいたりして、一緒につくっていく環境を整えました[/su_column][/su_row]

――そういうコミュニケーションには、手間暇を惜しまないのですね。

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鈴木惜しまない、というのもありますが、DeNAは風土として話がしやすいんですね。みんな顔が見えるところで、大事なことは職種やチームが違っても関係なく、自由に話し合っています。

コミュニケーションコストは確かにかかるのですが、大変だというより、必要なコストだと思っているので、やりやすい雰囲気があります[/su_column][/su_row]

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中尾:企画同士は話し合うことが多いので、近い席で椅子をつけてよく話していますね。すぐ向かいにはエンジニアがいて、話し合ったことについてそのまま相談することもできます。[/su_column][/su_row]

FFらしさを追求し、
懐かしさと新しさのいいとこ取りを目指す

――新機能がまだ実装されて間もないですが、プレイヤーからの反響はいかがでしょうか。

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土井記憶の神器に関していえば、倉庫の圧迫についてはまだ神器の配布数が少ないので、大きく解消された状況とまではいってないですが徐々にされてきております。

それから、パラメーターが今まで最大でも3桁だったところが初めて4桁を突破するという見た目上わかりやすいグレードアップを行ったので、効果に感動してもらってる様子も伝わってきてよかったです。
バランスを崩しすぎるインフレを起こさずに、それでいて新装備としてのインパクトを届けることはできたと思います。

また装備の量が多かったので、プレイヤーがどれを交換していいのか迷ってストレスになってしまうのではという点は懸念していました。しかしいざ実装してみるとそういったネガティブな反応は多くなく、「どの神器がいいか」といった議論が活発に行われていたのがとてもうれしかったですね。[/su_column][/su_row]

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鈴木マギアクリスタルで一番大きかった反響は、自分の好きな英雄をレベル99以降も育てられるということでした。

バトルをクリアした回数でマギアポイントがもらえるのですが、クエストをクリアしたついでにポイントを得られるのが良い、と一定評価をいただいている反面、回数をこなすのが大変という声もありました。

ただ、マギアクスタルで強化することで今まで倒せなかった敵が倒せるようになったり、ひたすら好きな英雄を連れて強化できるRPGらしさがあったりするので、徐々にポジティブな声が増えてきているのは良かったと思います。

演出面では、英雄が飛び跳ねたりするといった、これまでFFRKになかった動作などを入れたこともプレイヤーから好評をいただいているようです。[/su_column][/su_row]

――では最後に、これからの目標をふくめて、抱負などいただけますでしょうか。

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鈴木大事にしているのは、FFらしさがありつつも、「懐かしさと新しさのいいとこ取り」をしたようなコンテンツをつくっていくことです。

僕はDeNA入社前からFFRKをプレイしていて、自らも運営に加わりたい思って転職しました。なので、つくる側の人間ではありますが、同時に1プレイヤーでもあるので、そういった気持ちをもって良いものをつくっていきたいと思います[/su_column][/su_row]

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土井記憶の神器は、最初に実装できなかった要素も引き続き追加で実装しています。またプレイヤーから頂くご意見やご要望にも一つ一つきちんと対応して行きたいと考えており、ただ出すだけではなく、今後もスピード感をもって改良していきたいと思っています。[/su_column][/su_row]

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中尾年末年始に向けても大きな要素が入ってくるので、そこを楽しみにしてほしいですね。プレイヤーからのご意見にはしっかり目を通しています。

少数精鋭で開発する部隊もあるので、小規模の改修や、良い機能はスピード感を持って対応していきたいと思います[/su_column][/su_row]

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杉原1日でも長く遊んでもらえるよう、チーム一丸となって日々頑張っています。プレイすることで歴代のFF作品の思い出がよみがえるようなゲームとすべく、さらなる改善を続けていきたいと思います。[/su_column][/su_row]

 


 

以上、FFRKチームからの熱い思いをお伝えしました。

印象的だったのは、全員がFFRKの熱心なプレイヤーであり、プレイヤーの視点をきちんと持っているということ。開発者とヘビープレイヤーという2つの視点で、「どうしたらFFRKがもっともっと楽しくなるか」を考え、そして実践している様子が感じられました。

時には部署を超えて意見を出し合い、必要な機能があれば有志が集まって実装してしまうというFFRKチーム。4周年という大きな節目を迎え、どう発展していくのか……今後も、要注目です!

■公式サイト:https://ffrk.jp/

(C)SQUARE ENIX CO., LTD.
(C)DeNA Co., Ltd.

※本記事は2018年12月時点での情報です。
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