【CEDEC2019】「ゲーム開発者とゲームメディアの理想の関係とは?」セッションレポート

2019年9月4日~6日の期間、パシフィコ横浜において、ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2019」が開催されました。

本記事では、9月4日に行われた「ゲーム開発者とゲームメディアの理想の関係とは?」において、DeNAのゲーム事業部を率いる佐々木悠と、2019年7月より、まったく新しいメディアの形を模索して完全独立系のメディアとして再スタートした「電ファミニコゲーマー」編集長のTAITAIこと平信一氏によるセッションの内容を、一部抜粋してレポートします。

ゲームメディアの変遷

セッション冒頭で、株式会社ディー・エヌ・エー ゲーム・エンターテインメント事業本部 ゲーム事業部 事業部長の佐々木悠と、株式会社マレ 代表取締役社長の平信一氏より簡単な自己紹介と、自社での担当業務などが説明され、これまでのゲームメディアの変遷についてディスカッションが開始されました。

まず、2014年度のデータを基に、ゲーム雑誌とWebメディアについて部数やアクセス面からグラフ化した資料で現状を把握しました。

1995年頃はファミ通などゲーム雑誌が最盛期を迎えていましたが、雑誌売上が減少する中、2000年頃からWebゲームメディアが登場、2010年頃にはWebゲームメディア数も増え、攻略サイトやまとめブログなど、新興勢力が急激に台頭してきたことが読み取れます。

市場・ビジネス面から俯瞰すると、年々ゲーム雑誌の売上は下がる一方ですが、Webゲームメディアの収益は上がっています。平氏は「市場の規模がダウンサイジングしており、このままではゲームメディアの未来が危ない」と感じたため、これまでにない新しい取り組みを考えたと話しています。

また、ブラウザ型ソーシャルゲームが流行した時期には、いわゆるアイテムコードのような「おまけ」を付けて販売する冊子が、コンビニなどで飛ぶように売れていたことを思い出したと、佐々木は述べました。

続いて、攻略本の売上および攻略サイトのアクセス数をグラフ化しました。2000年頃からインターネットで個人的に攻略Wikiなどを作成して公開する人が増加、さらにアフィリエイト業者が介入して組織的に構築した攻略専門サイトが登場しはじめ、出版社はビジネスチェンジを迫られている状況でした。

佐々木は、モバイルゲームを専門的に開発してきており、攻略情報はネットで取得する世代であり、以前は時代に逆行してモノとして手元に残る攻略本のようなアイテムを作ろう、という動きが当時は多少あったことを明かしました。

リアルに対する接地面を作るため、ネットだけで完結していた時期に比べ、最近ではゲームのオフラインイベントなどを積極的に開催する動きも増えています。

さらに、あらゆるサイトがPCからスマートフォン対応に移行し始めており、広告の運用手法も変わるため、広告収益のみで運営しているサイトは現状かなり苦しく、Webメディアの危機と言えます。

過去にDeNAでは、自社で攻略サイトを制作・運営する取り組みをしてみたところ、とても効率が悪く、数年で中止となったことを佐々木は話しました。自社で攻略に使えるデータをすべて持っているのに、業者サイトに勝てない難しさがあることは確かなようです。

特にオフィシャルで攻略サイトを運営するには、工数や労力、使用した予算に対して効果が見合わず、プレイヤーにとっては、情報さえ早く、正しいものであれば、公式でも業者でもどちらでも構わないカルチャーだと認識できたとのことです。

昨今、スマートフォン向けゲームのシステムが複雑化していく中で、開発側から提供する一時的な攻略情報は「ゲームを売るための手段」として見られてしまいがちで、自身で攻略する楽しみなど、コア化が進めば進むほどその傾向は強くなると考えられます。

ネットの発達が何を変えたのか?

続いては、アクセス計測ツールを利用した2014年度の、商業ゲームメディア、ゲーム雑誌、攻略Wikiなどゲームに関連するメディアについて、発行部数やPV数に基づいた勢力図が発表されました。現在は国内ではTwitterなどのSNS運用が、かなり台頭していると思われると佐々木は話しています。

また、現在のゲーム実況に関してはYouTubeやMirrativ、Twitchなどにほとんどが移行しており、特に最近のゲーマーには動画配信が必須となっていると、平氏は述べました。

開発者とメディアの理想の関係

ここからは、現代に合わせたゲーム開発者とゲームメディアの理想の関係における、ゲームをプロモーションするためのメディア活用方法の変化などについて、フリーセッションが披露されました。

これまでは、ゲームメディアや雑誌が「ゲームを売るため」の媒体としての強い力を持っていましたが、時代や環境の変化によって、もはや現在ではプライオリティの高い媒体ではなくなっており、役割やミッションの在り方も変化しています。

開発側も、メディアに記事を書いてもらう、プレイ動画で解説をしてもらう、など違った手段でプロモーションを依頼することもありますが、大きな違いは「きちんと伝わりやすく編集されていること」「今思ったこの瞬間の気持を伝える」というどちらの手段にも価値を感じ、どうしても編集して伝えたいメッセージがあるときは、ゲームメディアに頼ることがベストに近い方法だと佐々木は話しています。

現在ではゲームメディアの役割や棲み分けも変化しており、「なぜこのゲームが好きなのか?」「ゲームのこの部分が良い」ことを言語化する、その部分をメディアがインタビューなどでシェアできれば、伝えたい情報をプレイヤーが捉えて反応するところまで含めて、メディアの役割になり得ると言えるようです。

佐々木が特に最近では、作り手の誠意や想い、どんな感情を持っているか、など注目されていることを感じており、開発者の発信が増えてきて、担当者がどんな人格を持ち、どのようなパーソナリティを発信するのかを考えることが重要だと話しました。

その手段として、SNS以外のインタビューなどで引き出させるもの、何を使って何を伝えるのかははっきりと開発側が考える必要がありそうです。特別なタイミングでは、メディア側にインタビューしてもらった記事を発信しないと、情報に偏りが出てしまいます。

一方で自社で完結する情報発信は、陽動的な印象をプレイヤーに与えてしまうことも多分にあるので、第三者が介入して良い質問や厳しい質問を含めた記事を利用することも必要となると、平氏は指摘しました。

ゲームを売るため以外の情報発信が、メディアの価値のひとつとなっていきますが、クリエイターが希望した時期や、ゲーム発売やリリースのタイミング以外のプロモーションでの情報発信を、ゲーム会社側も意識してすり合わせることが必要です。

中長期的な収益、プレイヤーとの関係性、エンゲージメントの部分に対するメディアでの発信の仕方について、KPI・KGIを計測するのはとても難しく、コミュニケーションの効果はすぐに結果として見えません。

数字として見えづらい部分に対して、開発者側が意思を持って取り組むことが重要で、投資判断も必要になります。

Webの世界では数値の換算は当然で、記事を掲載後のPV数や、実際のDL数などがKPIになりがちで、プレイヤーに広める、共感を得るようなインタビュー記事などの効果も、KPIとして計測しにくいのが現状です。

佐々木の過去の失敗事例として、あるタイトルの動画を制作したところ、約400万回再生されたが、実際のゲームDL数は約100人程度だったとのこと。蓋を開けてみると、ゲームではなく動画のファンが大多数を占めていたことが分かったそうです。

もちろん熱量を伝える手段として動画は重要ですが、プロモーションとして届ける目的地のプレイヤーが何を求めているかを正しく理解しないと、どれだけ投資しても効果は出ないことを体感したとのことです。

本当にゲームが好きなプレイヤーに対しては、メディアが発信する強い力を利用し、開発者が思っている気持ちを素直に届ける場合には、個人的に発信したほうが伝わる場合もあるので、開発側も方法を考え、選んでいくべきだと佐々木は述べています。

会場からの質問

参加者に向けて、現在悩んでいることを質疑応答形式で聞き、両者がそれぞれ回答しました。

Q:自社でIPタイトルについてTwitterで拡散をしているんですが、広告宣伝費はほとんどなく、IPの知名度も低く、現在Twitterのフォロワーが1,000人ほど、あと2ヶ月ほどで1万人にしたいのですが、どのようにすればよろしいでしょうか?

平氏:電ファミニコゲーマーでは、約1年ほどTwitterのフォロワーが伸びませんでした。良い記事は掲載されているのになぜだろうと悩んでいました。そこで学んだのは、Twitterに限らずWebの世界では、テクニカルにお客さんの背中を押すことが重要になっています。

また、他社のTwitterの取り組みの中で、フォロー&リツートでプレゼントする企画も増えていますが、単純にフォローさせるために、賞品など直接的な一手を何かしらの理由を付けて実施しています。

YouTuberとのコラボは、お互いのチャンネル登録者を交換するようなイメージの取り組みなんですね。コメントしてくれた人の中から抽選でプレゼント、番組に出演するからフォローしてね、みたいなテクニカルでフォローせざるを得ないような一手を考えると良いと思います。

佐々木:短期間で直接的にフォロワーを伸ばせれば、宣伝効果も高くなると思いますが、併せてTwitterの価値を含めて、基本的なエンゲージメントを伸ばすことも考えたほうが良いですね。

Q:プロモーションやマーケティングのコンサルや広告代理店に相談することはありますか?

平氏:僕の立場だと、広告代理店側から「どういうイベントや取り組みをすれば面白いですか?」と相談を受けることが多いですね(笑)。

佐々木:マーケティングのコンサルタントや、代理店にお願いすると、ほとんどが過去のタイトルで使用済みのパッケージ化されたアイデアが多いので、開発側が意識しなければいけないのは、これまでにない新しい手法を生み出すことですね。

また、費用対効果を含めて、(代理店などに)任せる部分、自分たちでアイデアを出して実行する部分を見極めるのが大事だと思っています。

日本モバイルゲーム産業史を制作中

そして最後に、本セッションの大きな目的とも言える、DeNA特別協賛で電ファミニコゲーマーと作る「日本モバイルゲーム産業史」の情報が公開されました。

電ファミニコゲーマーでは、平氏が率いる株式会社マレに運営が移管後、メディアとして企業協賛といった新しい試みをしています。

協賛第一社目としてDeNAが参画した理由として、まだ歴史が浅く、高速で成長したモバイルゲーム領域について、どのような変遷があり、クリエイターがどんな想いで関わっていたのかなど、これまで語られたことも少ないため、「日本モバイルゲーム産業史」を制作することを決めたとのことです。

平氏によると、「日本モバイルゲーム産業史」は約1年ほどかけて製作予定で、インタビューやコラム記事など展開予定だが、モバイルゲーム業界で過去に何が起こったのかを整理した年表をまず最初に作っていることが明かされました。

これまでどのようなことが起きたのかを当事者に連絡して、情報を持ち寄ってもらう声がけをしている最中とのことです。

取材・文・撮影:細谷亮介

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GeNOM(ゲノム)とは

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【CEDEC2019】「サービス終了寸前だったタイトルが、CMを使わずにDAUを増やして九死に一生を得たSNSプロモーション術」セッションレポート

2019年9月4日~6日の期間、パシフィコ横浜において、ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2019」が開催されました。

本記事では、9月6日に行われた「サービス終了寸前だったタイトルが、CMを使わずにDAUを増やして九死に一生を得たSNSプロモーション術」について、『天華百剣 -斬-』プロデューサーのナカムラケンタロウが登壇したセッションの内容を、一部抜粋してレポートします。

冒頭、ナカムラは今回のセッションの重要なポイントとして「プランナーとしてTwitterのプロモーション効果を意識しつつ、ゲームについて深く考えることが重要」だと述べ、マーケティングに携わる参加者には「プランナーと連携すれば、プロモーション効果をより高めることができる」といった視点で見てもらいたい、と説明しました。

『天華百剣 -斬-』とは

『天華百剣 -斬-』は、乙女の姿を持って生まれてきた刀剣「巫剣(みつるぎ)」 たちとともに、世を乱す邪悪な敵との戦いに挑む、スマートフォン向けベルトスクロールアクションゲームです。

本作はKADOKAWA社とDeNAの協業案件であり、ゲームだけでなく、コミカライズやノベライズ、キャラクターソングなど、各種メディア展開を続けているタイトルになります。

登壇者のナカムラは、2013年に株式会社DeNA Games Osakaに入社し、プランナーとして運用中および新規タイトルを担当。2017年の11月に『天華百剣 -斬-』にディレクターとして参加し、タイトルの一周年を迎えた2018年4月にプロデューサーに就任しました。

サービス終了寸前まで追い込まれた歴史

『天華百剣 -斬-』プロデューサー ナカムラケンタロウ

『天華百剣 -斬-』は2017年4月20日にリリース後、順調に運営がスタートしたものの、あるトラブルが原因となり、ユーザー数が減った経緯があります。

そんな低迷期の中、ナカムラは2017年11月に『天華百剣 -斬-』の開発チームに参加。2018年1月の半ばにプロデューサー交代の打診を受けました。

その直後の2〜3月が最も低迷した時期となり、会社から「2018年8月末の状況でサービス終了かどうかのジャッジをする」という通告も受けたとのことです。

下図は2017年4月~2018年3月の1年間の月間のアクティブユーザー数を、ざっくりとイメージしたグラフとなります。

あと数ヶ月後にはサービス終了の可能性がある状況で、ナカムラは「絶対にタイトルを終わらせたくない!」「そのためにどうすればいいか?」と自問自答していたそうです。

もともと本作のリリース時から一人のプレイヤーとして遊んでおり、個人的に思い入れが強いタイトルだったこともあって、彼のプロデューサー生活は「タイトルをサービス終了させないために、どうすればいいか?」を、具体的かつ真剣に考えることからスタートしました。

そんな彼が、絶対にサービス終了させないためにと心に決めたことは「予算が限られている中で必ず最大以上の成果を出す」こと。そして「最大以上の成果を出すために、できることは何でもやる!」ことだったそうです。そのような強い想いで様々なチャレンジを行っていきました。

Twitterのプロモーション効果に注目

『天華百剣 -斬-』の存在を、たくさんの人に知ってもらうためのプロモーション手法として、たとえば「テレビCM」はすぐに頭に思い浮かびますが、その実施にはかなりの費用が必要になります。また、電車の車体に広告を掲出するラッピング広告や、中吊り広告ジャック等もインパクトは強いのですが、こちらも一定の費用が必要になります。

そこでナカムラは大きな費用をかけてのプロモーションが不可能な中、「自分たちが届けたいと考えるターゲット層に、ピンポイントサーチで情報が届く」ことを目標設定しました。その理想の状態を実現させるためのツールとして「Twitter」がベターな選択肢だったと語っています。

Twitterの特徴

Twitterには「匿名性の高さ」と「他のSNSに比べて一人で複数アカウントを使い分けやすい」という2点の大きな特徴があります。ゲームやアニメなどのいわゆる「オタク系コンテンツ」と相性が良いため、「趣味嗜好が似た人同士が繋がっていることが多い」という状況がTwitterの世界では発生しています。

「自分が好きなゲームの話題をツイートする専用アカウントをつくり、同じゲームが好きな人をたくさんフォローする」といった使い方をしている人は珍しくありません。

そのように趣味嗜好が似た人たち同士で繋がっているため、「情報の伝播のしやすさ」と「情報の伝播の速さ」が、Twitterをプロモーションで使う際の大きなメリットになっており、それを最大利用することを考えたそうです。

たとえば、Aさんが「天華百剣の新情報」についてツイートすると、その新情報は趣味嗜好が同じフォロワーのBさんに伝わります。さらにBさんがその情報についてツイートやRTすることで、その情報はより広く、多くの人に伝播していきます。

伝播していく先々で、仮に『天華百剣 -斬-』についてまだ存在を知らない人がいた場合、その人はTwitterを通して本作を初めて知ることになります。このようにして情報が拡散していくことが「Twitterのプロモーション効果」であるとナカムラは説明しました。

Twitterを通して情報を広げるプロモーション手法と聞くと「バズる」「バズらせる」といった用語をイメージすることが多いかもしれませんが、ナカムラが目指したものは実はそうではなかったようです。

もちろん『天華百剣 -斬-』に関連する情報がバズり、これまで本作に興味がなかった層まで伝わることは、プロモーションとしては成功だと考えられます。

ただし、Twitterでバズった情報は、一定時間が経てばすぐに収束するため、中長期的にはほとんど効果がないと説明しました。

ナカムラが実現したかったのは「同時多発的にさまざまな情報がツイートされ続ける」「同時多発的に何かしらの新しい情報が発信され続ける」といった状況でした。これは「バズる」こととは、微妙に概念が違うと捉えることができます。

3つの法則

なぜ「同時多発的にさまざまな情報がツイートされ続ける」状態を目指したか、その理由は「3つの法則」を発動させられるから、と語りました。

まず上図1.のように、Twitterでつながっている人が注目している情報は、なぜか自分も気になってしまう法則です。

これは自分でCMを見て気になるより、知人が「このゲーム面白いよ」と発言しているのを見て、「あの人が言うなら、きっと面白いはず」と自然に気になってしまう現象です。

また、気になっている情報については2.「最近、○○をよく見る気がする」法則が発動すると考えられます。

ナカムラの過去の話で、母親が「緑色の車を買おうと思っている」と言った数日後に「世の中には緑色の車がたくさん走っているから、やっぱり別の色にしたい」と急に意見を変えたことがあったそうです。

そのような状況になったのは「緑色の車が欲しい」と考えていると、自然とそれに注目してしまい「世間には意外と緑色の車が多い」と感じてしまったと考えられます。

それと似たように、無意識に注目する情報は目につきやすく、記憶に残りやすい傾向があるようです。その状態をTwitter上で作りたいと、ナカムラは思っていたことを明かしました。

つまり、同時多発的に『天華百剣 -斬-』のさまざまな情報がツイートされ続けることで、今このゲームが盛り上がっている、という空気を作る部分が彼が目指したポイントになります。

プレイヤーと運営間のコミュニケーション

そしてプロモーション効果を高めるために、「プレイヤーと運営間のコミュニケーションについて、意識を変えること」をナカムラは挙ました。

ゲームプレイヤーと運営のコミュニケーション方法には、ゲーム内お知らせ、動画チャンネル、生放送やアンケート、人気投票、プロデューサーレターなど、さまざまな種類が存在します。

プレイヤーと運営の間での、何かしらのインタラクティブな要素は、全て広義にコミュニケーションだと捉えてもいいのではとナカムラは考えています。

直接的な発信はゲーム側より実施することが多く、プレイヤーからの発信手段は、Twitterでつぶやく、掲示板に書き込む、YouTubeに自分が撮ったプレイ動画をアップするなど、さまざまな手段が存在しています。

また、双方向のやりとりとして、リアルイベントで開発陣と直接会話したり、ゲーム内でアンケートを取り、意見を収集することもあります。

ゲーム内に実装している全てのコンテンツは、プレイヤーに対して何かしらの情報や運営のスタンス、メッセージを発信しています。それらをエゴサーチで受信することによって、間接的なコミュニケーションが成立するとナカムラは考えています。

つまり、ゲームに実装している全ての機能は、プレイヤーに対する広義のコミュニケーションであると認識することで、Twitterのプロモーション効果をより高めることが可能になるとのことです。

Twitterのプロモーション効果を高める3つの方法

その1:人格を意識して情報を開示

続いてプロモーション効果をさらに高めるために、プレイヤーが感じているゲーム全体の「人格」を意識しつつ、さらに運営側は可能な限りの情報を、さまざまな手段で「開示」していくことが重要だということが説明されました。

『天華百剣 -斬-』では、公式も含めてTwitterでは「天華百剣くんは~」「天華百剣ちゃんが~」のような呼ばれ方をすることが多く、ゲーム全体に人格があるかのように感じる、とナカムラは話しました。

そこに存在する「ゲームの人格」を意識することが非常に重要だと考え、運営側として、より良い人格を持っている状態を作るため、下図の2点を目指しました。

プロデューサーレター
2018年4月に1回目のプロデューサーレターを公開。プロデューサー交代の報告や、超低迷期を迎えていた時期、サービス終了の噂などでプレイヤーを不安にさせてしまったことへの謝罪や、今後のスケジュールなどが公開されました。

また、シナリオやボイス関連の制作上の都合の説明や、β版だったマルチバトル機能に寄せられた意見に対する返答などを実施し、それを重ねることでプレイヤーと運営側のコミュニケーションを具体的に進めていったとのことです。

エイプリルフール施策
エイプリルフール施策では、当時プレイヤーから嫌われていた敵キャラを主人公にした、ネタシナリオのイベントが実装されました。

その敵キャラは、主に掲示板の中でスラング的に「金棒先輩」という愛称で呼ばれていたため、ゲーム内でシナリオにそのまま採用してみたとのこと。

さらに、某人気ゲームのパロディを入れ込むことで、「運営はきちんと掲示板やTwitterを見ている」ことを、ゲームへのイベント実装で証明した形になり、それを意識させることで「自分のツイートやレスも運営側が見ている」ことを認識できるように設計したそうです。

 

このような施策の実施で、プレイヤーの声を積極的に取り入れるスタンスの表明に加え、SNSでの発信の意味や価値が高まりました。

その結果、ツイートの活性化にもつながり、Twitterのプロモーション効果を高める方法として、プレイヤーのツイートの意味と価値も高めることができたようです。

その2:ネタを仕込みまくる

さらにプロモーション効果を高める方法として、「ゲーム内にスクショを撮りたくなるポイントを仕込むこと」が挙げられました。

ツイート数が増えないとTwitterは盛り上がらないため、ゲーム内にスクショを撮りたくなるようなポイントを増やすことをまず考えたそうです。そしてスクショを取りたくなるポイントとして、「エモいポイント」と「ツッコミポイント」を2大ポイントとして挙げました。

エモいポイントの事例として、一周年イベントシナリオのエンディングの一幕が挙げられました。ここではシナリオに登場したキャラクター全員が出迎えてくれて、プレイヤー名を呼んで祝ってくれます。このような演出を入れることで、プレイヤーは思わずスクショを撮りたくなり、その中の何割かの人がTwitterなどにアップする効果が期待できます。

結果として、プレイヤーによるスクショの投稿数は大きく増加したと明かされ、「エモいポイント」をシナリオの内容や演出、バトルキャラクターの細かいこだわりなどに反映することは効果的だとナカムラは説明しました。

また、実在した刀剣をモデルにしたキャラクター同士の組み合わせも重要になっているようです、たとえば、伊達家の刀剣同士が絡んでいたり、史実をなぞるような演出やオマージュも、歴史が好きな人、他の歴史ものIPが好きな人には、特に喜ばれていると考えています。

ツッコミポイントの一例としては、普段はしゃべることのない敵キャラクターが、なぜか会話しているネタを設置したことが紹介されました。

たとえば「田舎のヤンキー口調でしゃべる」「普段の3倍くらいの長さの金棒を持っている」などのツッコミどころを用意し、スクショを撮ってプレイヤーにつぶやいてもらうことで、それ自体がツッコミとして成立することを設計しています。

そのようなツッコミポイントを増やすことが、同時にスクショポイントを増やし、さらに投稿数の増加につながっていくとナカムラは考えました。

その3:ゲーム内外の施策を連動

さらにプロモーションの効果を高める3つ目の方法として「ゲーム内外の施策を積極的に連動させる」ことが有効だそうです。

たとえば2018年6月から一か月に渡って開催されたコラボカフェでは、メニューや特典の他に、オリジナルの割り箸袋や紙ナプキンを来場されたお客様に提供しました。するとお客様が「こんな細かいところにまでこだわったグッズ作ってくれて嬉しい」とつぶやいてくれたそうです。

さらに店内ではボイスドラマを流し、実際にゲーム外の施策としてもツイートできるネタを仕込み、盛り上げていったとのことです。

それに加えてゲーム内連動として、実際にコラボしたお店の内装をそのまま再現した背景を作り、ゲーム内アイテムとして配布すると、実際に自分のお気に入りのキャラをセットして、それを撮ってつぶやく人がかなり増加したとのことです。

実際にコラボカフェに訪れた際に「配布された背景と一緒だ!」と、その様子をツイートする人もいたようです。

また、コラボカフェが終了したタイミングで、店内で流したボイスドラマをゲーム内に実装して、誰でも楽しめるようにしました。

それにより「店内で流れたボイスドラマがゲームでも聞けるようになった」「自分の好きなキャラのこの部分が可愛い」「次はこのキャラでボイスドラマ作ってほしい」など、派生したツイートも増え、連動させればさせるほど、ツイート数を増やすことが可能になったようです。

一周年に多くのお祝いツイートが

今まで紹介してきた取り組みの効果を加速したトピックスとして、2018年4月に一周年を迎えた際に、イラストレーターやキャスト、シナリオライターをはじめとする関係者やプレイヤー、ファンから、たくさんのお祝いツイートをもらったことをナカムラは明かしました。

そのおかげで『天華百剣 -斬-』をさらに多くの人に知ってもらえることができ、新たにゲームを始める人もたくさん増えたことが、本当に嬉しかったとナカムラは振り返りました。

結果、無事にタイトル継続が決定

冒頭でも述べられたように、2018年2月から3月が超低迷期、そして4月に一周年を迎えていますが、これまで説明された施策により新規ユーザー数を増やすことができ、8月に無事にタイトル継続が決定しました。

さらに上図の棒グラフが右上がりになっている部分では、2019年3月に実施した劇場版アニメ「魔法少女リリカルなのは Detonation」とのコラボの影響で新規ユーザーがさらに増え、そこから二周年に突入した時期だと読み取れます。

2019年10月より開始したショートアニメのTV放送や、2020年以降に向けての準備もスタートしているということで、継続的にタイトルを続けられる基盤が整いつつあるとナカムラは述べました。

プロデューサーそしてプランナーとして深く考える

ここまで紹介された「Twitterのプロモーション効果を高める方法」の3つの手法の組み合わせでツイート数が増え続け、比例してRT数やいいね数も増加していきました。

それらの相乗効果により、同時多発的にゲームのさまざまな情報がツイートされ続けることで「今、このゲームがアツい!」といった空気感を生み出すことができると考えられます。これがナカムラが考える『天華百剣 -斬-』が目指した状態に近いと言えるでしょう。

最後にナカムラは、

「『天華百剣 -斬-』のような、オリジナルIPのゲームは運営を続けるのが本当に難しく、さらにサービス終了の可能性と常に隣り合わせです。モバイルゲームの運営を任され、それを続けていく責任はかなり重いと感じています。

プランナーの目線で、Twitterのプロモーション効果を意識しながら、ゲームについてあれこれ考えることが重要で、チーム全体が協力して今後もタイトルを盛り上げていきたいと思っています。」

と、プロデューサーとしての自身の思い、実際に行ってきた施策のプロモーション効果など、これまでに得た知見や知識を最大限に生かして、今後も良質なタイトル運営を続けていくことを誓い、セッションを締め括りました。

取材・文・撮影:細谷亮介

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DeNAグローバル戦略の過去と未来。海外12年のキャリアをもつ谷口が見据える、これからの景色とは?

今、DeNAは[su_highlight background=”#fcff99″]再び海外展開に大きなチャレンジ[/su_highlight]を試みつつある。DeNAが運営する各タイトルのグローバル配信が続く中、組織として今後どのような取り組みを考えているのかーーグローバルプロデュース戦略室の谷口潤(写真左)と、国際統括部グローバル推進部の崎山文乃(写真右)の二人の対談を通じてお届けします。

12年の海外経験を、DeNAにインストールしたい

崎山文乃(以下、崎山:海外でのゲーム開発経験が豊富な谷口さんと、こうして対談するのは何だか照れますね(笑)。今回はDeNAが進める海外展開において、谷口さんが室長を務める「[su_highlight background=”#fcff99″]グローバルプロデュース戦略室[/su_highlight]」がどのような役割を担うのかなど、いろいろお聞きしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

崎山 文乃 | 国際統括部グローバル推進部 部長
戦略コンサルタントやゲーム会社での経営企画、ヘルスケア業界でのマーケティングを経て、2012年1月にDeNA入社。ブラウザゲームの海外展開全般に携わり、2016年から中国戦略を担当。現在は中国のみならず、グローバル展開に向けた全社サポートに尽力。

谷口潤(以下、谷口:はい、よろしくお願いします(笑)。私は今年の7月に入社したばかりですが、DeNAはさまざまな可能性を秘めていると日々感じています。これからの展開が本当に楽しみです。

※編集部注釈:インタビューは2019年9月に実施

崎山:では、まずは自己紹介からしましょうか。谷口さんのこれまでの経歴について、教えていただけますか?

谷口:はい、自己紹介をする前に、まずは自分のアイデンティティーについてまず話させてください!

崎山:アイデンティティーですか?

谷口:そうです。これは僕のルーツでもあるのですが、[su_highlight background=”#fcff99″]「海外」と「エンターテインメント」[/su_highlight]の2つが自分の人生で大切にしているアイデンティティーです。

まず「海外」についてなのですが、僕が幼少の頃、近所に7か国語を喋る叔父が住んでいました。叔父の家にはよく遊びに行っていたのですが、叔父の家に留学生などが出入りするような環境に刺激を受けて、海外に憧れを持つきっかけとなりました。

崎山:幼少の頃から「海外」が身近にあったのですね!

谷口:そうですね! そしてもう一つの「エンターテインメント」ですが、高校時代の友人と東京のテーマパークに遊びに行った際に、見るもの全てにすごい刺激を受けたんです。「こんなステキな場所で自分も働けたら面白そうだ!」と感じて、高校3年の春休みから片道2時間半かけて通ってアルバイト経験しました。

そこからエンターテインメントに生涯関わっていきたいと強く感じるようになり、それ以来「海外」と「エンターテインメント」というこの2つキーワードで自分探しをするようになりました。

そしてこの2つにマッチする仕事を探していた時に見つけたのが、海外との関わりが大きいSEGAという会社です。1993年に入社し、そこからずっとゲーム業界でキャリアを積んできました。

崎山:ちなみにゲーム自体は好きだったのですか?

谷口:もちろん! 特にRPGゲームをよくプレイしていて、その中でも『ドラゴンクエスト』シリーズや『ファイナルファンタジー』シリーズはすごくハマりました。


谷口 潤 | グローバルプロデュース戦略室 室長
2019年7月入社。これまでオーストラリアに1年、アメリカに6年、カナダに6年間ほど滞在し、ゲーム業務経験は、アメリカとカナダの12年間。ちなみに、横浜生まれ・大阪育ちの生粋の日本人。趣味はアウトドア全般、車、自転車、水泳、サッカー。

崎山:では、改めて谷口さんのこれまでのキャリアについて聞かせてください。SEGAではどんな経験をされてきたのですか?

谷口:入社後は海外コンシューマー事業部に配属され、貿易実務を担当していました。

崎山:最初からゲーム開発に携わっていただわけじゃなかったんですね!

谷口:そうですね。三国間貿易という、中国や東南アジアの会社にシッピングオーダー(船積み指図書)を出して、ハードやソフトを欧米に輸出する仕事をしたり、アジア販売部に異動してタイやフィリピンに筐体を営業することもしていました。

そして入社3年目のタイミングでゲーム開発部署に異動し、そこからアシスタントプロデューサーとしての仕事が始まりました。

崎山:そこから本格的にゲーム開発に?

谷口:はい。まずはこれまでの営業経験や英語力を活かして、海外ライセンサーとの交渉や契約関連の業務、さらにパブリシティーやプロモーション企画、イベント運営などを担当し、[su_highlight background=”#fcff99″]プロデューサーへとステップアップ[/su_highlight]していきました。

崎山:その時にはすでに海外に住んでいたのですか?

谷口:いえ、ずっと日本です。ただ海外で働きたい気持ちはずっとあったので、英語の勉強などは続けていました。

崎山:その後、米国の大手ゲームスタジオに移られたんですね。

谷口:そうですね、英語を勉強し続けてきた甲斐もあって、海外勤務(アメリカ/シアトル)が実現しました。当時37歳だったのですが、プロデューサーから[su_highlight background=”#fcff99″]ゲームデザイナー(企画)にもジョブチェンジ[/su_highlight]し、僕にとって大きな人生の転機でしたね。

崎山:言葉も文化も違う土地でのジョブチェンジには、相当な覚悟があったと思います。そこまで谷口さんを駆り立てるものとは何だったのでしょうか?

谷口:[su_highlight background=”#fcff99″]当時、北米でのゲーム開発が凄まじく進化していた[/su_highlight]ので、その中で修行をしたかったのが一番の動機です。またプロデューサーとしてもクリエイティブ側の業務が分からないと駄目だと実感した為です。

そのスタジオでは開発の進め方やツール、ゲーム内企画などにおいて、ゲームを科学的に開発するための最先端メソドロジーを実践していました。ゲームという枠にとらわれず、心理学者などの有識者も参加し、学術的なアプローチも行っていたんです。

崎山:それは10年以上前の話ですよね。当時の開発の進め方で、特に印象に残っているエピソードなどありますか?

谷口:カーレースゲームのコースを例に挙げますと、ゲームデザイナーが「このコースは面白いよ!」と、刺激的で素晴らしい架空のサーキットを作ってみたものの、実際にプレイしてみると、すぐコースアウトしてしまったり、とても難しかったりするんです。

僕は上級プレーヤー側ではないので、ゲームディレクターに対して、このコーナーはもう少し緩くした方が良いのではとフィードバックを返すと「あなたは上級者でもないし、レースゲームを知らないし、わかっていない!」ということに往々にしてなるわけですね。

ところがそのスタジオだと、100人に試遊してもらって「上級プレイヤーでさえ87%がファーストコーナーでコースアウトしている」というデータをプレイテストを通じて取得し、そこから建設的にチームで改善を進められるメソッドを持っているんです。

このような外部からのデータにより公平にジャッジして、「このコーナーは1.2倍に拡幅して、更に150度の角度にした方がいい」といった軌道修正をしてテストを繰り返していくのですが、その時点で[su_highlight background=”#fcff99″]私の知る当時の日本の開発レベルを越えていた[/su_highlight]と思います。

崎山:なるほど、そのようにして当時から世界市場で勝ち抜くためのメソッドを経験し続けてきたんですね。

谷口:ゲームの企画やディレクションなど、当時を今振り返っても、本当に多くの学びがありました。アメリカ勤務の後はバンダイナムコへ転職し、[su_highlight background=”#fcff99″]カナダでバンクーバースタジオの立ち上げ[/su_highlight]に参画しました。そこでは[su_highlight background=”#fcff99″]開発統括やプロデューサー、Biz Dev[/su_highlight]などを担当して現在に至ります。

DeNAの海外展開〜第一章〜

谷口:僕の自己紹介が長くなってしまいましたが、今度は崎山さんがこれまで関わってきたDeNAの海外展開について聞かせください。以前は積極的に海外展開にチャレンジしていたと思います。その時はどのような状況だったのでしょうか?

崎山:ご存知の通り、DeNAは「[su_highlight background=”#fcff99″]Delight and Impact the World[/su_highlight]」というスローガンを掲げ、世界中に驚きを与えるようなサービスで、楽しみと喜びを提供していこうとする会社です。

当時はブラウザゲームが日本でものすごく成長していて、Mobageが絶好調な時期だったんです。国内市場の成長はDeNAが牽引していくくらい、勢いがありました。

そこで海外展開を進めるにあたって、スマートフォン向けのゲームを開発している米国ngmoco社を2010年に買収しました。私はそのDeNAの海外展開を強化していくために2012年に入社し、現在に至るまで海外市場に携わっています。

谷口:当時の会社の雰囲気などはどうだったのでしょうか?

崎山:とにかく海外でも成功するぞ!という意気込みに溢れていましたね。ただ当時は、国・地域によって通信インフラが大きく異なりますので、そこは大きな課題でした。さらにモバイルゲーム市場においてはブラウザからアプリへのシフト転換時期でもあったので、なかなか思い描いたような展開が難しかったと思います。

谷口:当時のDeNAのブラウザゲームの勢いはすごかったですからね。

崎山:そうですね、ブラウザゲームが非常に好調だったため、なかなかアプリに踏み切れなかった反省があります。

アプリは開発や運営方法など、ブラウザとは全然違います。結果として徐々にアプリにシフトしていったのですが、アプリシフトは社内でもかなり大変なチャレンジでした。

谷口:そんな状況の中でも、海外展開は諦めずに続けてきたんですよね?

崎山:はい。アプリ化を推進していく中、日本国内で北米向けのゲームを開発したり、北米で現地向けのゲームを開発したりなど、さまざまなチャレンジをしてきました。

そうやってモノづくりにフォーカスしていった結果、日本では日本向けのゲームを、中国では中国向けのゲームを開発する体制にシフトしていきました。北米スタジオを残念ながらクローズするという意思決定を行ったのは、2016年でしたね。

谷口:とはいえ、[su_highlight background=”#fcff99″]海外への情熱の灯火は、今もDeNA社内にずっと残っている[/su_highlight]と感じていますよ。僕は過去にカナダとアメリカでゲーム開発を行ってきましたけど、DeNAの企業カルチャーは、その当時在籍していた会社とあまり変わらない印象を受けました。

崎山:谷口さんの信念にありましたよね。「会社を見る上で重要視しているのは、人を集めることができるブランド力と人である」と。

谷口:そうですね、ゲームは一人では作れません。DeNAには素晴らしい才能を持った、一緒に仕事がしたいと思える人たちが集まっているんだろうなというのは、外から見て感じていましたし、実際その通りでした。

皆さんにはとても温かく迎えて貰っていて、中途の立場でもとても仕事がしやすい会社です。ここでなら過去の経験も存分に発揮でき、他のメンバーと大きなシナジーを生み出して、DeNAの海外展開の第二章を推進していけるのではと感じています。

2019年、海外展開は第二章へ

崎山:DeNAが本格的に海外展開を推進するにあたって、その中核を担うグローバルプロデュース戦略室が誕生しました。

私たちグローバル推進部は海外のマーケティング等を担当する役目を担っていますが、ゲーム開発のエキスパートではないため、谷口さんのジョインは本当に嬉しかったんですよ。

海外で成功するってそんな簡単なことではありませんから、同じような意識や温度感でモノづくり側に入って動いていただける方が来てくれたというのは、とにかく興奮しました。

谷口:ありがとうございます(笑)。

崎山:谷口さんが入ってからは、社内にも少しずついい意味で変化が生まれていますよね。

たとえば[su_highlight background=”#fcff99″]Slackチャンネルで気軽に相談[/su_highlight]が出来ていたり、定期的に[su_highlight background=”#fcff99″]プロデューサーが集まって相談する場[/su_highlight]を作っていただいたりなど、明らかに変わってきていると感じています。

谷口:これまでのキャリアの中で、今はじめてサポート側にいて、すごく新鮮な気持ちです。プロジェクトの関わり方も、今までのように前線から牽引するのではなく、後方や横から支えるという形に変わってきています。

僕のバックグラウンドがプロデューサーや企画やBiz Devといった領域ですので、その観点からサポートすることに自信があります。今はゲーム事業部内の各部長とコミュニケーションを図りながら部全体をサポートしたり、プロデューサーに対してタイトル開発/運営のサポートすることが多いですね。

崎山:谷口さんにはすでに海外に向けたIPタイトルにも携わってもらっていますが、本当に心強いと感じています。

あと谷口さんの場合、[su_highlight background=”#fcff99″]「この場合には、海外ではこういうツールや手法があると便利だよ!」[/su_highlight]などの引き出しをたくさんお持ちだと思います。これは社内のプロデューサーからすると、とても有意義な情報だと感じています。

谷口:これまで僕が北米中心ではありますが、海外で積み上げてきた長年のノウハウや知見やネットワークがありますので、そういうことは[su_highlight background=”#fcff99″]社内に積極的にシェアしていきたい[/su_highlight]ですね。

あとは、社内の各部署において沢山の海外知見があることも認識しています。先人の方々が必死の努力で蓄えてきたノウハウを、会社としてきちんと資産として整理し、活用していけるように体系立てることも一刻も早く進めていきたいですね。

全員が最前線で戦える体制づくり

崎山:次に谷口さんが室長を務めるグローバルプロデュース戦略室のミッションに話を移していきたいのですが、具体的にはこれからどのように動いていくのでしょうか?

谷口:海外市場での飛躍を担うことをミッションにしています。我々が海外展開の成功に向けた案内役や黒子となり、[su_highlight background=”#fcff99″]「DeNAのゲームは海外でも普通に遊ばれている!」[/su_highlight]という状態まで引き上げていきたいですね。

ただ、「部署のミッションを実現させていく」のではなく、「会社として海外展開を成功していくには、今何をすべきか?」という視点でも取り組んでいきたいです。

崎山:そうですね!

谷口:だからこそ、僕や崎山さんの役割をすみ分けするよりも、一緒に足りないところを補いつつ、活動範囲を狭めないように事業を推進したり、旗振りするのが大きなミッションかと思います。

崎山さんの世界中の各拠点を繋げたり、マーケティング拠点を立ち上げてきた経験はすごく心強いです。僕のバックグラウンドはゲームプロデュースや開発側ですので、役割分担しつつもうまくシナジーを発揮できたらいいですよね!

崎山:海外展開はスケールが大きく、推進していく難易度はかなり高いです。1人のスーパースターが入ればうまく回るものでもありませんし、逆に全員がスーパーヒーローである必要もないと思っています。

DeNAらしい、[su_highlight background=”#fcff99″]人と人との良いシナジーを生み出すことが大事[/su_highlight]ですし、そんな未来を早く実現させていきたいですね。

谷口:そうですね。当然ながら僕も1人で全部解決できるとは到底思っていません。たとえばグローバルといっても数多くの国や言語や文化がある中で、自分の「知見が通用する国」と「全く経験がない国」は必ず出てくると思います。

皆さんから頼られる部分もありますが、正直わからない部分もあるわけです。その時には、僕の人脈を活かして他の誰かに相談したりなど、何かしらの方法で対応していきたいと思います。

崎山:そういえばDeNAというの会社の「強み」はどのあたりで感じていますか? 谷口さんはまだ社歴が浅いので、率直な感想を聞いてみたいです。 

谷口:やっぱり、皆さん、スマートでエネルギッシュな方々が多いです。あとはコトに向かうパッションもあって、スピーディーで、DeNAが掲げる「[su_highlight background=”#fcff99″]永久ベンチャー[/su_highlight]」のスピリッツがうまく体現できているんだろうなと。

これはあくまで個人的な印象ですが、DeNAはどことなく北米のカルチャーに影響を受けているんじゃないかと感じます。

崎山:え、そうなんですか!? ちょっとそれは意外でした(笑)。

谷口:あと細かい話になりますが、給料の見直しが年に2回あったり、いいアイデアをフレキシブルに取り入れる柔軟性をみんなが持っていてやりやすいですしね。

谷口:組織的には、新規タイトル開発の専門的に調査する「[su_highlight background=”#fcff99″]ユーザーインテリジェンス部[/su_highlight]」や、DeNAのAI知見をゲームに活かす「[su_highlight background=”#fcff99″]AI推進部[/su_highlight]」、これまでの様々なナレッジが蓄積されている「[su_highlight background=”#fcff99″]分析部[/su_highlight]」や「[su_highlight background=”#fcff99″]マーケティング部[/su_highlight]」など、各スペシャリストが同じ拠点にいて、気軽に相談できる環境があることは、本当に心強いと思います。

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ビジネス面をバックアップする「グローバル推進部」

谷口:改めて崎山さんが部長を務める、グローバル推進部についても聞かせてください。

崎山:グローバル推進部は先程も少し触れましたが、部内に[su_highlight background=”#fcff99″]海外マーケティングを担当するチーム[/su_highlight]があります。現在グローバルに運用しているタイトルについては、そのマーケティング担当者が各タイトルのチームに参加して運用しています。

谷口:具体的にはどんな風に仕事を進めているのでしょうか?

崎山:たとえばバナーですが、日米のプレイヤーではそれぞれ好まれるクリエイテイブが異なります。アメリカ向けのバナーを日本人が頑張って作成するよりも、現地のデザイナーに依頼した方が効率的ですし、より現地のテイストにあったものが制作できます。

また、コミュニティマネジメントに関しても、日本とは手法が異なりますので、[su_highlight background=”#fcff99″]現地でデザイナーやコミュニティーマネジメントの専門家を採用[/su_highlight]し、連携しながら業務を行っています。

その他にも、海外でのマーケティング活動全般において、[su_highlight background=”#fcff99″]日本のチームと海外のマーケティング拠点のチーム双方と連携[/su_highlight]しているのがグローバル推進部です。

谷口:日本と海外拠点とのコミュニケーションにも工夫が必要そうですね。

崎山:はい、拠点をまたぐコミュニケーションは言葉や文化、時差の問題があります。何か解決した方が良いことがあればすぐに連絡・相談をしてもらい、各拠点のメンバーとオンラインで定期的に話をしています。

やはり双方で見えているものも違いますし、拠点ごとでみたらこれがベストだと思うことも実際はそうでないこともあるので、最適化は難しいんですね。それを日々試行錯誤しながらも、今は経験値を溜めている感じです。

谷口:ちなみに、ブラウザゲーム時代の知見や経験は今でも役に立っているのでしょうか?

崎山:個人的に役に立っていると感じるのは「人とのつながり」です。人間関係や信頼関係って、一朝一夕にできるものではありませんからね。

ノウハウは先ほど話があったように、谷口さんに集めていただいていますが、アメリカのスタジオでパブリッシングをしていた時もマーケティングは行っていましたので、そのノウハウも活かしつつ、[su_highlight background=”#fcff99″]海外市場向けのマーケティングを実践[/su_highlight]しているところです。

2020年に向けて今やるべきこと

崎山:では最後に、谷口さんが今感じているグローバルプロデュース戦略室の課題について教えてください。今は組織を作っていくフェーズかと思いますが、いかがでしょうか?

谷口:そうですね! 今は海外展開に向けての人材が必要部署に於いて足りていない状況ですので、これからは仲間を増やして層を厚くし、縦横無尽に動きながら、[su_highlight background=”#fcff99″]皆で一緒に海外に向けて盛り上げていくんだ[/su_highlight]という空気を更に醸成していきたいですね。

その為にも海外に向けて、同じ情熱を持った人が集まるような土台を作りたいですし、そういう人達と一緒に海外での成功に向けてチャレンジしていきたいと思っています。

DeNAでは[su_highlight background=”#fcff99″]今後も新規タイトル開発を進めていきます[/su_highlight]ので、海外展開の経験があるプロデューサーやクリエイターにとっては、面白い未来が待っているのではないでしょうか。

崎山:ゲーム業界以外の職種の人だと、法務や経理/会計といったバックオフィス系も今後は活躍の裾野は広がると思います。ビジネスにおいては海外との取引や税務などもセットですから、そこに力添えをいただけると嬉しいですね。

ただ、どの仕事もそうですが、正解があるわけではありません。理想と現実の間には必ずギャップがありますが、そのような状況に対して自分で課題を見つけて、ビジネスを推進できる環境はあると思います。

谷口:DeNAは各人に自走力が求められている文化があり、[su_highlight background=”#fcff99″]手を挙げれば何でも挑戦できる環境[/su_highlight]があると思います。そのため、フロンティアマインドはやはり必要ですね。

あとは国籍や年齢や前職など関係なく、お互いに能力を認め合って尊敬しあいながら“ONE TEAM”で仕事を進める事を大事にしていきたいと思います。

執筆:及川知也
編集:佐藤剛史/細谷亮介
撮影:波多野匠

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

【TGS2019】『メギド72』が優秀賞を受賞! 「日本ゲーム大賞2019」授賞式レポートと宮前Pからのコメント公開

9月12日~15日の期間、千葉・幕張メッセにおいて開催された「東京ゲームショウ2019」。ビジネスデイとなる9月12日に実施された「日本ゲーム大賞2019」にて、DeNA運営のスマートフォン向けRPG『メギド72』が年間作品部門で優秀賞を受賞しました。

日本ゲーム大賞とは

「日本ゲーム大賞 年間作品部門」は、その年を代表するにふさわしい優れたコンピュータエンターテインメントソフトウェア作品を選考・表彰する賞です。

一般投票のあと、日本ゲーム大賞選考委員会による審査を経て、「大賞」と「優秀賞」(該当数)のほか、海外市場において高い評価を得た「グローバル賞」(国内/海外企業から1作品ずつ)、対象期間中に日本国内で最多販売本数を記録した「ベストセールス賞」(1作品)の各賞が決定されます。

登壇する宮前プロデューサーと開発会社であるメディア・ビジョンの福島孝氏

『メギド72』が優秀賞を受賞! 

授賞式で登壇した、『メギド72』プロデューサー宮前公彦は、

「今日はこのような場において、賞をいただけたことを大変光栄に思っています。スタッフと協議しながら作ってきた努力が報われた気持ちで、いっぱいです。良い作品を作っていけば必ず報われると思って邁進してきましたが、私たちにとって想定を超える結果であり、すごく驚きに満ちていますし、これからも良い作品を作っていきたいと思っています。

また、この受賞に際して、『メギド72』をここまで盛り上げてくれたのは、遊んでくれたプレイヤーの皆さんだと思っています。プレイヤーの皆さんがいつも応援してくれることが、我々の励みになり、チャレンジするモチベーションになっています。これからも皆さんの期待を超えるような作品にしていきますので、引き続き、応援宜しくお願い致します! 」

とコメントをしています。

また、共に開発を手がけるメディア・ビジョン株式会社 代表取締役 福島孝氏は、

「このような素晴らしい賞をいただいたこと、光栄に思います。応援していただいたプレイヤーの皆さん、本当にありがとうございます。

開発のスタッフには、この受賞に関して自分が直接伝えたのですが、皆とても喜んでおり、今後の開発の励みにもなると思っています。そして『メギド72』はリリースからずっとプレイヤーの皆さんに育てていただいて、ここまで成長したと思っており、今回の優秀賞は、プレイヤーの皆さんと一緒にいただいた賞だと思っております。

これからも皆さんに楽しんでいただける『メギド72』を、DeNAさんと一緒に開発していきたいと思っています。」

と宮前とともに壇上で喜びのコメントを述べました。

授賞式の当日は、開発チームやマーケティングチームなど、『メギド72』に関わるスタッフが多数観覧席で式典の様子を観ており、授賞式終了後も興奮冷めやらぬ雰囲気で、トロフィーを持った宮前プロデューサーを囲みながら、嬉しそうに話していたのが印象的でした。

また、授賞式当日の夜にはTwitterなど多数のSNSにてトレンド入りも果たし、プレイヤーやファンからお祝いのコメントが続々と発信されていました。公式ポータルでは宮前からのプロデューサーレターも公開され、『メギド72』に関わるすべての人、何よりプレイヤーに向けた熱い思いが綴られています。

過去の日本ゲーム大賞を振り返ってみても、スマートフォン専用のゲームの受賞は数少なく、今回もすべての受賞作品の中で『メギド72』が唯一のスマホ向けゲームとなっています。

今年の日本ゲーム大賞では、Nintendo Switchで発売された『大乱闘スマッシュブラザーズ』のプロジェクトチームが経済産業大臣賞を受賞し、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』タイトル自体は大賞を含めて、5つの賞を獲得したことが大きなトピックスになりました。

受賞後に宮前プロデューサーに聞いてみました

――受賞おめでとうございます。まずは受賞後の率直なお気持ちをお聞かせください。

むっちゃ、嬉しかったですね!地道に運営を続けてきたことが評価されたのだと思いました。遊んでくださっているプレイヤーの皆さんへ「ありがとうございます! 」という言葉以上の気持ちになりました。

また、運営を継続させてくれた会社にも同時にも感謝しております。売上貢献という意味では、大きな貢献はできておらず、まだまだビックタイトルというポジションではないと自認しておりますが、DeNAのタイトルとして存在感をアピールできたと思っています。

――受賞の理由は何だと思いますか?

オリジナルのおもしろさをしっかり提供できているところ、そして運営を通して、長期的にプレイする楽しさを提供できているところだと思っています。また、遊んでくれるプレイヤーの皆さんの熱量が高く、応援してもらえることができていることも、ひとつの理由ですね。

――開発チームや『メギド72』に関係するスタッフからの反応はどうでしたか?

開発チームだけでなく、マーケティングメンバー、QAチームにもトロフィーを見てもらい、みんな喜んでくれました。写真を撮る姿など、みんなが笑顔になっていて、とても嬉しかったですね。まだお見せできていない関係者やスタッフも多いので、是非、直で見てもらいたいですね!

――投票したプレイヤーからのコメントはいかがでしたか?

10代から50代の方まで、男女幅広くご意見をいただけました。投票理由のコメントということもあり、どの意見も温かく、今までの苦労が報われたような気持ちになりました。

――当日一緒に登壇したメディア・ビジョンの福島氏とは受賞に際してどのような話をしましたか?

受賞に関しては、メディア・ビジョン社でも初のことだったようで、すごく喜んでいただけました。授賞式はジャケット着用との依頼もあったため、「ネクタイする? 」など、おじさん二人で相談していましたよ(笑)。

――これから先の『メギド72』はどのように進化していきますか? 展望をお聞かせください。

ストーリー展開はもちろんですが、ゲーム内のコンテンツの拡充は随時実施していきたいと考えています。イベントの種類を増やすことやコロシアムの改修、その他コンテンツもブラッシュアップしていく予定です。また、遊びやすさという点でもUIのブラッシュアップなどを対応していきたいですね。

――最後に、応援してくれている全ての『メギド72』のプレイヤーやファンに一言お願いします!

いつも『メギド72』をプレイして頂き、本当にありがとうございます。皆さんが楽しんでくれることで、我々が成長できていると思っております。皆さんにとって『メギド72』が思い出のゲームのひとつになれるよう、運営スタッフ一同頑張っていきますので、引き続き応援お願いします!

――ありがとうございました!

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受賞タイトル一覧

◆経済産業大臣賞
『大乱闘スマッシュブラザーズ』プロジェクトチーム

◆日本ゲーム大賞年間作品部門

大賞
『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』

優秀賞
『エーペックスレジェンズ』
『KINGDOM HEARTS III』
『JUDGE EYES:死神の遺言』
『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』
『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』
『Detroit: Become Human』
『Devil May Cry 5』
『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』
『BIOHAZARD RE:2』
『Marvel’s Spider-Man』
『メギド72』

ベストセールス賞
『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』

グローバル賞 日本作品部門
『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』

グローバル賞 海外作品部門
『レッド・デッド・リデンプション2』

特別賞
『Nintendo Labo』

ゲームデザイナーズ大賞
『ASTRO BOT:レスキューミッション』

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取材・文・撮影:細谷亮介

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GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

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【TGS2019】DeNAプロデューサー山口誠が審査員として登壇! 日本ゲーム大賞2019「アマチュア部門」大賞はHAL東京の『ORBITS』が受賞

日本ゲーム大賞2019「アマチュア部門」とは

9月12日~15日の期間、千葉・幕張メッセにおいて開催された「東京ゲームショウ2019」。会期中に実施されるイベントの中でも、日本ゲーム大賞2019「アマチュア部門」は、法人、団体、個人、学生、一般を問わずアマチュアの方が制作されたオリジナルの作品を対象に募集するコンテストです。

審査は、業界誌編集者、クリエイターによるプレイ映像の視聴審査(一次審査)、試遊による二次審査、そして発表授賞式のプレゼンターおよび各賞の講評を務める業界誌編集長とトップクリエイターによる試遊審査(最終審査)により、各受賞作品を決定します。

「☆」をテーマとした今年のアマチュア部門には、史上最多の553作品の応募があり、一次審査で93作品、二次審査で14作品、そして最終審査にて10作品が受賞しました。

また、TGS会場内では「日本ゲーム大賞 アマチュア部門」および「日本ゲーム大賞 U18部門」のノミネート作品を実際に試遊プレイできるブースも出展されており、授賞式後には試遊を楽しむ人もかなり増えていました。

審査員としてDeNA山口誠が登壇

日本ゲーム大賞2019「アマチュア部門」では、最終審査の審査員として、予選にも登壇した、DeNAのプロデューサー「山口誠」が参加しています。

最終ノミネート作品となった、POTATO CORN(HAL東京)制作の『GLOBE』について、山口は、

「今年は☆がテーマということで、星型のデザイン、モチーフを使った作品も多かったんですが、本作品は地軸を含む、強いオリジナリティを持っており、ゲーム自体はシンプルな3Dで、ストレスなく遊べるような仕組みになっており、総合力が高いと感じました。

何よりチュートリアルを含めて、テキストでの表記がほとんどなく、次に何をしたら良いのか、直感的に理解できるユーザビリティの部分も、特筆すべき点だと思いました。」

とコメントをしました。

DeNA山口誠DeNA山口誠

『GLOBE』は、星を回転させ、ゴールまでの道を切り開く新感覚球体パズルゲームです。

プレイヤーは地軸を操作し回転させ、星を見渡しゴールとなるロケットまでのルートを探ります。ルートが決まったら、特殊な足場を空中に浮かせて移動させ道を作って宝石を集めながらゴールを目指します。

地軸の位置を変えて星を回転させるというユニークなアイディアとコンセプト、さらには星を回転させる操作では、動きに合わせてコントローラーが振動したり、足場を上下に動かす際の効果音や、地面によって足音が変わる演出まで実装しており、徹底的に作り込まれたクオリティの高い作品です。

大賞はHAL東京『ORBITS』に決定! 

最終ノミネートとなった全10作品の中から、それぞれ優秀賞および佳作が発表され、大賞はOVERWORKS(HAL東京)が制作した『ORBITS』が受賞しました。

『ORBITS』は、同心円上を公転する3色の☆を、内側に寄せたり、外にはじいて全て合体させ、白い☆を完成させるアクションパズルゲームです。

内側や外側の仕切りのない部分から☆が飛び出してしまうとゲームオーバーになってしまいます。「寄せる・離す」だけの簡単操作ながら、☆と同色の壁はすり抜けたり、同色の☆同士が衝突すると逆回転するなど、さまざまな特性を持ったギミックが戦略性を高め、クリアした時の爽快感は格別です。

そして、徐々に難易度が上がるステージと、丁寧なチュートリアル要素、世界観にあったグラフィックやSE、BGMなどを含め、完成度の高い作品となっています。

会場には、ノミネートされた作品を手がけたメンバーを応援するため、国内の多くの専門学校や大学から先生や生徒が集まり、熱いエールを贈っていました。

また、タイトルが発表されるたびに、歓喜の声が観覧席からあふれる、かなりの盛り上がりを見せていたのも印象的でした。彼らが未来のクリエイターとして活躍してくれることを期待せずにはいられません。

審査を担当したDeNA山口誠に聞いてみました

――日本ゲーム大賞アマチュア部門の全審査、授賞式を終えての感想をお願いします。

今年初めてアマチュア部門の審査をさせていただいたのですが、非常にレベルの高い作品ばかりで驚きました。ノミネートされた作品の中には、そのまま製品として提供しても、評価されそうなものもありました。

――今回の審査を通して感じたこと、プロデューサーとして刺激を受けたこと、気付いたことはありますか? 

若い力に頼もしさを感じるとともに、先を走る業界内の先輩として、うかうかしていられないという気持ちです。こういった賞により、我々先輩が後輩を引き上げるとともに、引き揚げられた後輩たちが我々を突き上げるように走らせてくれるという、お互いが切磋琢磨する関係ができれば、業界の発展になると思いますね。

――授賞式会場の雰囲気、参加チームや学校の先生・生徒の応援の盛り上がりを見て、どう感じましたか?

昨今はゲームがeスポーツとして競技性を持って、受け入れられるようになってきましたが、同じようにこういったゲームという知的分野における賞レースも、例えばスポーツで言う「甲子園」のような目指すべき目標や成果、達成感などを伴う文化として、より多くの人に広がっていっており、さらにその裾野が広がることを期待しています。

――応募作品を審査している中、昨今のゲーム開発の進化をどのように感じましたか?

ゲームツールの発展や、デジタルネイティブと呼ばれるようなデジタル機器への慣れ、という時代の変化がよく言われますし、そういった側面は確実に感じます。

一方で、チーム形成をしっかりすることで、創作力を上げていると感じるチームが見られ、プロダクトだけでなくプロジェクトとしての進化もあるように思います。

――U18部門も含め、ゲームクリエイターの低年齢層化が進んでいますが、今後ゲーム開発やクリエイターを取り巻く環境について、未来はどうなると想定していますか?

SNSやYouTuberの例を挙げるまでもなく、生産者、発信者と消費者の垣根はなくなりつつあります。ゲームにおいても、インディーゲームを楽しむプラットフォームや機会が多くなり、同じような潮流にいるのは間違いありません。

クリエイターも企業に属した集団で何かを作る時代から、個人同士がつながって大きな作品を生み出すような、開発モデルの変革があり、その先駆者になるのは、まさにこのような賞を獲得したクリエイターたちなのかもしれないと思います。

――これまでの審査員としての知見、若いクリエイターたちと触れ合った経験を、今後DeNA社内でどのように活かしたいと考えていますか?

新卒の採用や育成にも携わらせていただいているのですが、社内での若手にも同じような活気や危機感をいだきながら成長できる機会を作れたらと考えています。そのきっかけとして、賞を取った作品をプレイするなど、喚起ができればよいなと思います。

――プロデューサーとして、これからゲームクリエイターを目指す人に一言お願いします! 

先述したとおり、今後は企業に属することが理想のゲーム開発への携わり方、という考え自体が変革していく可能性があります。その中で、個人に知見や評価を蓄積していくことも含めて、幅広いゲーム開発への関わり方を模索し、切磋琢磨していかれることを期待しております。

――ありがとうございました! 

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日本ゲーム大賞2019「アマチュア部門」受賞一覧

◆大賞

『ORBITS』
OVERWORKS(HAL東京)

◆優秀賞

『Overlay』
TeamKoide(名古屋工学院専門学校)

『ORBITS』
OVERWORKS(HAL東京)

『GLOBE』
POTATO CORN(HAL東京)

『蒸伸機関機構』
MAD SIX(HAL東京)

『星座ドロップ』
匿名イフリート(HAL大阪)

◆佳作

『Asteroad』
アステロード(早稲田大学)

『つなぐスターライン』
りょくちゃ(ECCコンピュータ専門学校)

『PlutoMachina』
機械仕掛けの冥王星(ヒューマンアカデミー広島校)

『ほしピン』
カピバラチーム(トライデントコンピュータ専門学校)

『☆ベンチャー』
GOD YOUSUKE(HAL東京)

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取材・文・撮影:細谷亮介

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GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

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【DeNAマーケティング部特集vol.2】ロジカルとパッションの絶妙なバランスで戦略を描く!マーケティングプロデューサーの仕事術

年々厳しさを増すアプリゲームの競争環境。今回はその市場に新たな可能性を切り開いていくマーケティングプロデュースグループを束ねる遠藤潤二と橋本貴広、そして第一線で担当タイトルのマーケティング戦略を担う古屋満春と木村圭江に、マーケティングプロデューサーとしての役割や業務内容、DeNAに入社して感じた事、これからの展望について語っていただきました。

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遠藤 潤二 | マーケティングプロデュース第一グループ グループマネージャー
2011年DeNAに入社。ゲーム事業専門のマーケティング組織(現マーケティング部)を立ち上げ、自身もマーケティングプロデューサーとして、数々のタイトルの新規立ち上げや運用をリード。現場のマーケティング、プロモーションを取り仕切る。

橋本 貴広 | マーケティングプロデュース第二グループ グループマネージャー
Webの広告代理店を経て2015年DeNA入社。現在はゲームタイトルのマーケティング全般(テレビCMやイベント等含む)の戦略を策定し、関連部署と連携して全体を推進するチームのマネジメントに従事。趣味は子どもと遊ぶこと。

古屋 満春 | マーケティングプロデュース第一グループ
2016年DeNA入社。前職ではリードプランナーとして、アプリゲームの企画やディレクションを担当し、新規立ち上げや運用に携わる。DeNAに入社後はマーケティングプロデューサーとして、大型IPタイトルをはじめとした複数タイトルのマーケティング戦略立案と推進に従事。

木村 圭江 | マーケティングプロデュース第二グループ
2017年DeNA入社。前職含めブラウザゲーム時代からアプリゲーム全盛期にかけ、マーケティングプロデューサーとして国内外複数タイトルの戦略策定や、マーケティング業務全般の推進を行う。音大卒、無類のエンタメ好き。

[/su_note]

マーケティング戦略を牽引する、重要なポジション

ーーまずはマーケティングプロデューサーの役割について教えてください。

遠藤:マーケティング領域の責任者として、テレビCMやデジタルマーケティング、リアルイベントなど、オンライン・オフライン問わず、マーケティング戦略の全体設計を描き、担当タイトルをグロースさせていくことが大きなミッションとなっています。[su_highlight background=”#fcff99″]事業責任をゲームプロデューサーと一緒に担っており[/su_highlight]、他の専門職種と比べるとそこが大きく異なる部分だと思います。

我々が旗振り役として、デジタルマーケティングコミュニティマーケティングなどの各スペシャリストの職能のメンバーと連携をしながら動いていく事になるため、マーケティングプロデューサーの動き方ひとつで、担当タイトルの市場でのポジショニングや方向性が大きく変わる可能性もあります。バジェットや責任は大きいですが、0から作っていくので、その分大きなやりがいや達成感も味わえます。

マーケティングプロデュース第一グループ グループマネージャー
遠藤 潤二

ーーゲームアプリを扱うという観点で、マーケティングプロデューサーのやりがいはどのようなものがあるのでしょうか?

橋本:今のアプリゲーム市場は競争環境が激しく、プレイヤーの目もかなり肥えてきている背景があります。その中で正確にプレイヤーのインサイトやトレンドを把握したうえで、さらにその想像を超える本当に面白いゲームを届けていかないと、市場の中で生き残れないというのが実情です。

ただその反面、このような市場だからこそ、さまざまな施策を通じて「遊ぶ必然性」と「遊び続ける必然性」を創造し続けることはマーケターとしての腕が問われますし、そこがやりがいや面白さにつながってくると感じています。

https://genom.dena.com/other/marketing_department2019/

ーー新規タイトルと運用中のタイトルでは、マーケティングプロデューサーので動き方はどのように変わっていくのでしょうか?

橋本:タイトルが世に出ているか出ていないかの違いはあるものの、根本的な部分では変わりません。何よりも、プレイヤーに驚きをもって喜んでもらえる価値を提供できるか、が重要です。

とはいえ、具体的な動き方でいうと当然変わってきます。新規タイトルでは、開発初期段階からゲームプロデューサーとタッグを組んで、マーケティングの全体設計やマーケティングチームの構築などに着手します。

マーケティングプロデュース第二グループ グループマネージャー
橋本 貴広

一方、運用タイトルでいうと、ゲームをアップデートしてより良くしていくという点では同じですが、それに加えて「ゲームの面白さを届けていく」ことや、「ゲームをプレイし続けてもらう」ことが新たに加わるミッションとなります。

実際に「プレイヤーが面白いと感じているポイントはどこなのか?」「ネガティブに感じている部分はどこなのか?」など、プレイヤーの声の行間に潜んでいる部分、それを読み解いて提供すべき価値が何なのかをしっかり把握した上で、市場に投じることが大事だと思っています。

そのためにも統合型マーケティングを強い推進力で実行していくことは重要ですし、ときにはプレイヤーの声を直接聞いて軌道修正していく柔軟性も必要です。

積極的な越境で、プレイヤーにデライト(楽しさ)を届けていく

ーー「ゲームの中身をどのようにしていこうか?」という部分にも入り込んでいるのでしょうか?

橋本:はい、マーケターは最もプレイヤーに近い立ち位置であるため、[su_highlight background=”#fcff99″]マーケットインの観点で開発メンバーと一緒にゲームを作っていく[/su_highlight]という動きはとても重要です。フェーズごとに差はありますが、基本的にはゲームプロデューサーやディレクターらと一緒に、我々マーケティングプロデューサーも「どうやってこのタイトルを面白くしようか?」という話をすることが多いです。

繰り返しになりますが、マーケティングプロデューサーは、集客面のことだけを考えればいいということはありません。「こうやったらもっと面白いんじゃないか?」という議論は、垣根なく皆で言い合ったりしています。

また、開発チーム側からも「こんなプレイヤーにゲームを届けていきたい」「こんなマーケティング施策をやってみたい」と意見を出してくれています。実行の際には、ゲーム外の領域に関しては我々マーケティング部が担当しますので、皆のやりたい内容を集約し、吟味しながら進めていきます。

遠藤:開発チームとマーケティング部の連携力の高さもDeNAの強みだと思います。市場の競争が激化している中、チームの全員が連携をしてプレイヤーファーストな施策を考えていかなければなりません。

その観点から言うと、開発チームはゲームの中だけ、マーケティングチームははゲームの外だけをやればいい、ということではなくなってきているとは感じます。必然的に越境せざるを得ない状態になってきているかなと思いますね。

ーーマーケティングプロデューサーとしては、開発チームからの要望もまとめながら施策を推進していく「コミュニケーション能力」が求められていきそうですね。

橋本:そうですね、意見を各メンバーが出すということは非常に良いと思うのですが、方向がバラバラではシナジーは活かせないので、最初に前提としてのマーケティング戦略・ビジョンを強く掲げ、チームメンバーの発言の意図を読み取りつつ、「コト」に向かって実行に移していくチカラが必要だと思っています。

妥協なき化学反応を引き起こす

ーー古屋さんと木村さんにもお話を伺っていきたいと思います。DeNAのマーケティングプロデューサーとして、入社後に感じたエピソードなどあれば教えてください。

古屋:入社してみて驚いたことは、想像以上にセクションや役割関係なく、誰もが積極的に発言していく文化があるということです。「誰が言ったか」でなく、「何を言ったか」が反映されるところが印象的に感じましたね。

もちろん発した意見・アイディアがタイトルやプレイヤーにとって有益だとチーム内で合意されれば、誰の意見かは問われずに、ゲーム内の機能やイベントとなって実装されることもあります。

ーーでは、入社直後から古屋さんも積極的な発言を?

古屋:そうですね。年間の開発計画や運営計画を決めるフェーズから、開発プロデューサーやプランナー、エンジニア、デザイナー等の開発チームのリーダー陣はもちろん、マーケティング担当である私や分析チームのリーダーなどが参加して何度も会議を重ねて決めていきました。実際に私が提案した内容も機能となって実装されました。

こういったゲーム内での体験を作るフェーズから携わることができるため、ゲーム内とゲーム外の[su_highlight background=”#fcff99″]メッセージを一貫させたマーケティングをプランニング・実行できる[/su_highlight]ことは利点だと思います。

マーケティングプロデュース第一グループ
古屋 満春

木村:私が入社してびっくりしたのは、仕事に向かう姿勢としてプレイヤーへのデライト精神が役割関係なく一人ひとりに浸透しているところだと思います。

入社早々に担当したキャンペーンのランディングページを作るというのがありましたが、スケジュールも迫っている中、まあまあ良いものができたと個人的に思っていたものの、皆でもう一度集まってレビューした際、「もうちょっと良くできるのではないか?」という意見が挙がったんですね。

そこからスケジュール的には厳しかったですが、ブラッシュアップしてさらにより良いものができたことは、今でもしっかり心に刻まれています。

ーー意思決定からの実行スピードは早かったんですね。

木村:はい。DeNAは社員数が多いこともあり、入社当時は意思決定のスピードが多少なりとも遅いのではと想定していたのですが、良い意味で想定外でした。むしろ速いくらいです。オフィスのいたるところにあるスタンディングのMTGスペースもあり、「今話せますか?」という感じでクイックにMTGし、すぐに方針が決まるパターンが多いですね。

マーケティングプロデュース第二グループ
木村 圭江

ーー開発チームの一員として、すぐにDeNAの文化を体感されたのですね。では、DeNAマーケティング部という組織への印象はいかがでしたか?

木村:マーケティング部の体制はすごく整っていると感じています。現在マーケティング部自体は70名程いて、1タイトルにつく人数も多いです。きちんと役割分担や連携ができているので、マーケティングプロデューサーの重要な職務の1つでもある「[su_highlight background=”#fcff99″]戦略を考える[/su_highlight]」ことにもしっかりと集中できるのが嬉しいですね。

一般的にはマーケティングプロデューサーとはいえ、事務的な作業や調整事項が多くなり、「考える時間」が少なくなってしまうケースもあると思います。それがDeNAだと、単に体制が整っているだけでなく、部内にそれぞれのスペシャリストがいるので、任せられる部分は任せて、考える部分は考える、といった役割分担がしっかりできますね。

ーーマーケティングプロデューサーとして一番嬉しい瞬間ってどんな場面ですか?

古屋:自分が描いたストーリー通りに物事が動くときは、仕事やっていても気持ちいいですね!

担当するタイトルによっては、これまでにない新しい遊び方を広げていくブランディング活動も不可欠になります。新しいエンタメをプレイヤーに届け、それが「面白い!」という生の声や、数字という目に見える結果として跳ね返ってきた時には嬉しさを感じます。

木村:私もプレイヤーの声を直接見たり聞いたりした時はやっぱり嬉しいですね。こういう感情になってほしい、というストーリーを描いたものに対し、プレイヤーの方々が実際に楽しんでくれたり、さらに「こんなものがもっと欲しい!」と言ってくれたりした時はすごく嬉しいです。特にリアルイベントではそれを感じます。

以前、担当タイトルで、街頭ビジョンをジャックして交通広告を展開したのですが、ゲームのアップデート時期と重ねて、オフラインのイベントで盛り上がりを作ろうと試みました。その際、定量的効果が見づらいという課題があったものの、いろいろな手法を用いた結果、良い効果が生まれました。

ーー良い効果とは?

木村:プレイヤーが「これ、待ってたよ!」みたいなことを言ってくれたり、1地点だけではなく、複数の場所で実施したことによって、地方在住のプレイヤーも喜んでくれて、長期的に見てファンが増えた・戻ってきてくれた、ということは大きな出来事でした。

そんなことを通じて、改めてゲームの面白さを伝えていくためには、定性的な自由な発想も必要なんだなと思いましたね。

ーーそういった企画はどのようにして生まれるのですか?

木村:開発メンバー含めたチームで話しているうちに自然と出てきたりします。もともとその担当タイトルがすごく好きなメンバーが集まっているので「こういう施策があったら良いよね!」という意見がカジュアルに出てくる場になっているので、それをどうしたら現実的にできるのかを話していくうちに実現した、という感じです(笑)。

“ロジカル ✕ パッション”の方程式

ーーDeNAではロジカルに物事を考える文化があると思います。戦略を決める際にも、綿密に数字を見ながら動いていくのでしょうか?

古屋:前提として、「どんなプレイヤーに何を届けたいか?」といった定性的に成し遂げたい目標を定め、その実現に向けて定量的に目標とするKPIを設定し、それに伴う予算やプランをまとめていくのですが、どうしても定量的に計算できるところには限界があるのが現実です。

遠藤:ゲームはエンターテインメントなので、すべてを定量だけで判断するものではないと思っています。もちろん定量的に設計できることはやりきることが前提ですが、それだけに固執してしまうと、想像できる範囲のものしか生み出せず、グロースするチャンスを失いかねません。

そういう意味では、「全体を通してどうすべきなのか?」「やる意義があるのかどうか?」を考慮した上で、定量と定性、そして担当者のパッションなど、あらゆる要素をバランスよく考えていく必要があると思います。

vol.1で今西が「新しいことへのチャレンジを7:3の割合でやっていく」と話していましたが、その比率はあくまで目安で、5:5の時もありますし、3:7という場合もあります。そのさじ加減を我々が責任を負って決めていくという感じです。

チャレンジし続けること、は歓迎される

ーー古屋さんと木村さんはマーケティングプロデューサーとして、今後どんなことをやっていきたいと考えているのでしょうか?

古屋:抽象的な表現になってしまいますが、業界や社内で「事例がない施策」には積極的にチャレンジしていきたいと考えています。マーケティング手法が多様化している現況下で、特定の手法しか実施しないことは、長期的に見て組織の衰退を意味していると思うんです。

これまで有名芸能人を起用した施策などさまざまな施策を実施してきましたが、ここを意識して取り組むことで組織としての知見を増やし、マーケティング部の組織力を高めていきたいと考えています。

また、事業会社のマーケターの利点として、「[su_highlight background=”#fcff99″]タイトル創出の早期フェーズから関われること[/su_highlight]」と「[su_highlight background=”#fcff99″]タイトルの意思決定者と近い距離感で話せること[/su_highlight]」があると思います。

そのためにも新規タイトルの開発フェーズから、面白さを広げていくための機能・施策だったり、遊び続けてもらうための機能・施策を開発チームと共に考えていき、その過程を踏まえた上でより本質的なマーケティング戦略を描いていくことが理想です。

今でも実現できている部分もありますが、より追求していきたいと考えています。

木村:私は2つあります。1つ目は「コミュニティマネジメントの視点強化」です。マーケティング部にはコミュニティマーケティンググループがあり、マーケティングの全体戦略を考える上でも、コミュニティマネジメントは今の市場では重きを置くべきポイントだと思います。

【DeNAマーケティング部特集vol.4】SNS、リアルイベント、You Tubeーー各担当者が語る、コミュニティマーケティングの現在地とこれから

コミュニティマネジメントの視点はサービス開発初期から取り入れ、機能に盛り込む必要もあります。必要に応じて開発チームへの提案をするのも、マーケティングプロデューサーの役割だと考えています。

2つ目は「知恵を絞る0円マーケティング」です。今の市場で勝つためには、ある程度大きなマーケティング費用の投資が必要ですが、たとえ費用が0円でも、知恵を絞ることによってプレイヤーの喜ぶコンテンツを作ったり、より多くの方にタイトルを知ってもらうために何ができるかを考え抜くようにしています。

最近では、あるキャラクターとコラボするという施策を行ったのですが、その際にゲームUIを模した設備をダンボールで手作りし、コラボキャラの着ぐるみが現実の世界でゲームを体験する様子を動画で紹介したのですが、多くの反響をいただきました。

ーー各マーケティングプロデューサーが描いた戦略は、マネージャーがチェックをするのですか?

遠藤:チェックというよりも、レビューはしっかりと行いますね。その中で、完全なダメ出しというのはあまりしていないと思うのですが、実際どうですかね?(笑)

古屋:ダメ出しとかはありませんでしたね、そういえば(笑)。共有や相談は遠藤さんや橋本さん、そして開発プロデューサーらと行っていますが、戦略的に「こうしたい!」というwillの部分は任せてもらっています。

描いたマーケティング戦略に対し、どうしたらもっと良くなるかという観点でマネージャーからアドバイスをいただくことはありますが、承認されないと実行できないという事はありません。

遠藤:何事にも勝率というのは当然ありますが、勝つための選択肢は必ずしも1つではないと思いますので、最終的には現場の目線をもったマーケティングプロデューサーが「これでいける」と思ったものを実行すべきだと考えています。

マネージャーとしてという観点だと、勝てそうな道をただ提示するだけではなく、決めた道の中で勝てるようにフォローしていくという事も重要だと考えます。もちろん、現場のマーケティングプロデューサーが「いける」と思っていないと感じたら、その時は全力でダメ出しをしますけどね(笑)

ステークホルダーが多いからこそ、大事にしたいこと

ーーマーケティングプロデューサーは、どんなキャラクターの人が多いのですか?

遠藤:ロジカルタイプの人もいれば、パッションタイプの人もいますし、本当に色んなタイプのメンバーがいると思いますよ。共通点といえば、当たり前ですがマーケティングが好きな人、そして日々情報にアンテナを張っている人くらいでしょうか。

仕事の進め方や、広告メニュー1つとってもそうなのですが、我々の扱っているものはエンターテインメントなので、時代の移り変わりによって、楽しさの価値や提供方法は変わってきます。ですから、時代に合わせたやり方で、プレイヤーに伝わりやすい内容で常にアップデートしていく必要があると思っています。

今後もDeNAでは新規タイトルをリリースしていく予定ですので、必然的にマーケティングプロデューサーの増員も行っていくことになります。さまざまなバックグランドを持つ方をお迎えし、さらに賑やかな組織にしていきたいですね。

ーー最後に、マーケティングプロデューサーとして、一番大事にしていることを教えてください。

橋本:マーケティングプロデューサーはゼネラリストなので、多くのステークホルダーと関わりながら進めていく役割を担います。フェーズによってステークホルダーが変化していきますので、いかにうまく推進できるかが、マーケティングプロデューサーに求められる役割であると思います。

そのため、人間的な部分でいうと「思いやり」ですね。基本的にはプレイヤーファーストで考えなければならない部署なので、「プレイヤーに対して本当に思いやりが持てるか?」「これを見たらプレイヤーはどう思うか?」という部分もそうですし、社内に対しても「こういう依頼をしたらどう感じるか?」「うまく回すためにはどういう仕組みや環境を作ってあげるか?」などを含め、思いやりがないと仕事にならないですよね。

そういう意味でも全方位に対して「思いやり」を大事にしてますし、メンバーにもそれを大事にしてほしいと思っています。

ーーありがとうございました!

インタビュー・編集:佐藤剛史
執筆:及川知也
撮影:波多野匠

※本記事は2019年9月時点の情報です。

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GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

GeNOMの最新情報は、公式Twitter アカウントにて確認いただけます。ぜひフォローをお願いします!

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【CEDEC2019】DeNAゲーム事業部関連のセッション内容をチェック

CEDEC2019

2019年9月4日(水)~9月6日(金)の3日間で開催された「CEDEC2019」では、DeNAゲーム事業に関する7つのセッションが行われました。編集部では、今回はその7セッションをピックアップしましたのでぜひご確認ください!

登壇情報(9月4日)

ゲーム開発者とゲームメディアの理想の関係とは?

■セッション内容
リアルイベントやコミュニティの醸成、企業が独自のオウンドメディアを展開するなど、ゲーム開発者がSNSなどで自ら発信することも増えてきた昨今、ゲーム開発者とゲームメディアの理想の関係とは何か? DeNAのゲーム事業部を率いる佐々木悠と、2019年7月より、まったく新しいメディアの形を模索して完全独立系のメディアとして再スタートをした電ファミニコゲーマー編集長のTAITAIこと平信一によるディスカッションです。(開始時間/14:50〜)

■登壇者
佐々木 悠(株式会社ディー・エヌ・エー)
平 信一(株式会社マレ)

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■DeNA登壇者プロフィール

佐々木 悠
執行役員 ゲーム・エンターテインメント事業本部 ゲーム事業部長

慶應義塾大学卒、2009年DeNA新卒入社。入社後はモバイルオークションのサイト運営、広告営業の経験を経て、2010年にゲーム事業に異動。住み着き妖精セトルリンの運営、有名IPゲームの立ち上げを行いつつ、組織マネジメントに従事。アプリ開発部署の部長として『三国志ロワイヤル』、『FINAL FANTASY Record Keeper』の立ち上げ後、職能組織長として部署の立ち上げとマネジメントを実施。その後、専門役員として協業案件に従事して新規ゲームの立ち上げに尽力。2019年4月からゲーム・エンターテインメント事業本部ゲーム事業部長に就任。

■受講者へのメッセージ

新しいメディアの形を模索し続ける電ファミニコゲーマー様と、ゲームの文化を伝えていくために開発者とメディアがどう向き合い語り合うのがよいか?情報発信の選択肢が多様化している今だからこそ改めて検討していければと思います。

【CEDEC2019】「ゲーム開発者とゲームメディアの理想の関係とは?」セッションレポート

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組織的に Game x AI を推進していくための方法論
〜『逆転オセロニア』 の一歩先へ〜

■セッション内容
私たちは運用中のモバイルゲーム『逆転オセロニア』においてデッキ編成をする AI、人間のような戦いをする AI をリリースしました。まず今回は、AI をうまく活用することができた開発プロセスなどを整理し、リリースまでの軌跡を振り返ってみます。

その中で技術検証からリリースまで一貫して行った経験から、AI 活用を成功させるために重要な要素がいくつか見えてきました。過去事例の収集、自社の個別ゲームタイトルの要望の把握、投資領域の選定、課題設定への落とし込み、AI開発をスムーズにするような周辺ツールやデータの整備、そしてそれを可能にするための部署横断での体制の整備……。

本セッションでは、これらの「AI 開発のあるべき」を検討します。その中でも技術的に重要になってくるシミュレータについては具体的な設計を交えてお話しします。(開始時間/17:50〜)

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■登壇者プロフィール

田中 一樹
AI本部 AIシステム部 データサイエンス第一グループ
データサイエンティスト

2017年に DeNA 入社後、データサイエンティストとしてアプリゲーム『逆転オセロニア』に関する AI 機能の開発に従事し、機械学習、強化学習、データサイエンス技術の研究開発 / 設計から実応用に携わる。現在は、多様な事業へのデータサイエンス活用を目指した研究開発や課題発掘に従事。大学時代は電力系統に関する数理計画や統計的機械学習の工学的応用を研究。『速習 強化学習 −基礎理論とアルゴリズム−』(共著)を執筆。データ分析の大会に没頭し複数大会で入賞。Kaggle Master。

■受講者へのメッセージ

AIをモバイルゲームに活用するのはとても面白くもありますが、大変な面もあります。特に、AIの不確実性や、どんなAI機能がプレイヤーさんに価値を提供できるのか、真摯に向き合って考えなければいけないことは多くあります。

本セッションでは、現在AI機能を開発しているまたは将来に開発をしたいと考えている皆様のお役に立つ情報を発信できればと思います。[/su_column][/su_row][/su_note]

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■登壇者プロフィール

岡田 健
AI本部 AIシステム部 MLエンジニアリンググループ
MLエンジニア

DeNA所属のエンジニア。元数学徒。ゲーム『FINAL FANTASY Record Keeper』を開発 / 運用していたが、2018 年からはその経験を生かして AI によってゲームのおもしろさの軸を増やしたり、ゲーム作りの方法を変革する側に。『逆転オセロニア』への AI 導入では学習高速化、学習管理の仕組み作り、実サービスのためのアーキテクチャ設計と実装などを担当。

■受講者へのメッセージ

AI は、言うなれば魔法です。便利な半面、それなりにコストがかかりますし、専門家が必要なことが多いです。準備が不完全であれば、不発になるときだってあります。敵の弱点を突けなければ、費用対効果に合わないこともあります。

魔法使いを上手く既存のパーティーに組み込んで、より難易度の高いことをなしたり、今まで行けなかったところに行くためにはどうするべきか? 我々のケースを通じてお伝えできればと思います。

【CEDEC2019】「組織的にGame x AIを推進していくための方法論~『逆転オセロニア』のAIの一歩先へ~」セッションレポート

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登壇情報(9月5日)

自由に移動できるVRゲームにおけるプレイヤーの誘導、こうやってみました

■セッション内容
このセッションでは、VR空間内を自由に移動できるタイプのゲームにおいて、いかにプレイヤーの行動を制御しゴールまで導くかという課題をどのように解決したか、実例をもとに説明します。加えて、VRゲームに没入するために必要な『没入感』や『納得感』を上げるために行った、世界観を含めた演出についても取り上げます。

カテゴリはAC分野としていますが、ゲームデザインやサウンドまで幅広く演出のお話をする予定です。今回はDeNAが研究開発しTGS2018やLAVAL VIRTUAL 2018にも出展した謎解きアドベンチャーVRゲーム『VoxEl(ボクセル)』を実例としてご紹介します。(開始時間/14:50〜)

■登壇者
永田 峰弘(株式会社ディー・エヌ・エー)
高橋 宏典(あまた株式会社)

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■DeNA登壇者プロフィール

永田 峰弘
ゲーム事業部Publish統括部第四プロデュース部
ゲームデザイナー

サウンドクリエイターを経てゲーム業界にプランナーとして入り、2011年にDeNAに入社。モバイル、スマートフォン向けタイトルを中心に企画、ディレクションを担当。

複数タイトルの企画面を横断でサポートしつつVRの研究開発に着手。2018年にハイエンド向けVRゲーム『VoxEl』を開発、TGS018やLAVAL VIRTUAL 2018に参考出展。本タイトルではプロデューサー、企画、シナリオ、サウンドを担当。酒粕から作った甘酒がすきです。

■受講者へのメッセージ

『VoxEl』開発中に試行錯誤したこと、またTGS2018などで試遊していただいた際に得られた知見を元に、VR開発の初歩的な注意点から、VR空間内でのプレイヤー誘導、また納得感や没入感を高めるために実装した内容をご紹介します。
受講していただく皆様にとって、より楽しいVR体験を作るための手助けになればと思います。

【CEDEC2019】「自由に移動できるVRゲームにおけるプレイヤーの誘導、こうやってみました」セッションレポート

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『逆転オセロニア』における、機械学習モデルを用いたデッキのアーキタイプ抽出とゲーム運用への活用

■セッション内容
プレイヤーが構築したデッキを用いて対戦する PvP ゲームにおいて、代表的なデッキ構築パターン (アーキタイプ)、そして各アーキタイプの使用頻度、 総合勝率、 対戦成績などの KPI を継続して観測することは、 現状のゲームバランスを把握し、 プレイヤーのゲーム体験を向上させる上で有用である。

本講演では、 『逆転オセロニア』における、 機械学習モデル (トピックモデル) を用いた、 大規模データからのデッキアーキタイプの抽出、 アーキタイプに関連する KPI の可視化、 これらを用いたゲーム運用への活用について紹介する。(開始時間/16:30〜)

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■登壇者プロフィール

安達 涼
ゲーム事業部Publish統括部分析部
アナリスト

人間の意思決定プロセスの数理モデル化と、その神経基盤を解明する研究に従事し、カリフォルニア工科大学PhD(計算論的神経科学)を取得。2018年3月にデータアナリストとしてDeNA入社。機械学習の手法のみならず、行動経済学の知見などを用い、人間のゲーム内外での行動データを包括的に理解することで、ゲームタイトルの運営力・UX向上を目指している。

■受講者へのメッセージ

モデル構築から実運用まで幅広い内容をカバーしますので、みなさまお気軽にお越しください。

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■登壇者プロフィール

岩城 惇
ゲーム事業部Develop統括部企画部
プランナー

大学卒業後、ゲーム制作の道へ。アクションゲームやRPGの開発に携わる。『逆転オセロニア』では運用プランナーとして機械学習を用いたキャラクターのレベルデザインに携わっている。

■受講者へのメッセージ

機械学習が実際に運用の現場で活用されている「生」の様子をお伝えできればと考えております。

【CEDEC2019】「『逆転オセロニア』における、機械学習モデルを用いたデッキのアーキタイプ抽出とゲーム運用への活用」セッションレポート

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登壇情報(9月6日)

ゲームと機械学習の最前線
〜現状と未来を正しく捉えるために〜

■セッション内容
近年の機械学習研究の進捗は目覚ましく、ゲーム産業でも様々な活用事例が報告されてきています。一方で、これらの技術に対する加熱した期待値も成熟を迎え、「ゲーム開発・体験にどの程度インパクトを与えるか」「どのように戦略的な活用を目指していくべきか」といった論点に注目が集まっています。

本セッションでは、ゲームと「機械学習」の関わりについて認識を深めていきます。パネリストとしては、機械学習導入を実際に成功させ、ゲーム開発やUXへの影響について見通しを持つメンバーを集めました。国内外で発表されている多くの事例を整理し、2019年時点で出来ること・不足している要素、中長期的な戦略について、現実的な目線で議論を展開します。(開始時間/11:20〜)

■登壇者
奥村 純(株式会社ディー・エヌ・エー)
三宅陽一郎(株式会社スクウェア・エニックス)
長谷 洋平(株式会社バンダイナムコスタジオ)

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■DeNA登壇者プロフィール

奥村 純
AIシステム部 AI研究開発グループ
AI研究開発エンジニア

国内外の研究機関で観測的宇宙論の研究に従事し、京都大学理学研究科宇宙物理学専攻にて博士号取得。DeNAではデータアナリストとしてユーザー体験や事業推進をデータからサポートすることを目指し、主にゲーム領域のデータ分析・パラメータ設計の経験を積む。2017年よりAI研究開発エンジニアに転身しゲームAIの研究開発を推進、 複数のAI施策をリリース。機械学習の実ビジネス適用や、UXデザインに興味を持っている。

著書:
『データサイエンティスト養成読本 ビジネス活用編』
講演:
『次世代QAとAI 』(CEDEC2018)
『一周年で爆発した「逆転オセロニア」における、ゲーム分析の貢献事例』(CEDEC2017)

■受講者へのメッセージ

昨年は『次世代QAとAI』というテーマで、QA文脈にフォーカスして機械学習の活用方法や見通しを議論しました。その後も技術は様々な形で進展しており、ゲーム開発の多くの領域で機械学習導入のトライアルが行われたり、学術業界によるゲームAI研究も進んだりしています。

本セッションではより広い観点から「ゲーム」と「機械学習」の関係を考えます。国内外の最新事例の紹介から現在の状況を俯瞰し、現実的な目線で今後の見通しについて議論を広げていけたら嬉しいです。

【CEDEC2019】「ゲームと機械学習の最前線~現状と未来を正しく捉えるために~」パネルディスカッションレポート

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サービス終了寸前だったタイトルが、CMを使わずにDAUを増やして九死に一生を得たSNSプロモーション術

■セッション内容
本セッションでは、SNSでの情報の伝播を戦略的に盛り込んだコミュニケーションの手法を紹介します。
主にtwitterを通してゲームの情報が伝わったり、SNSでの盛り上がりによって「いまこのゲームがアツい」といった雰囲気を作り出すことで、新規のプレイヤーを呼び込んだり、ゲームから離れていたプレイヤーに復帰していただいたりすることが可能です。

ゲームリリース1周年のタイミングを機にプロモーション戦略の柱の1つに「SNSでの盛り上がり」を設定し、サービス終了の危機を脱することができた「天華百剣 -斬-」の事例と共にその手法を紹介します。(開始時間/13:30〜)

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[/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]
■登壇者プロフィール

ナカムラ ケンタロウ
ゲーム事業部Publish統括部第四プロデュース部
「天華百剣 -斬-」プロデューサー

2013年に株式会社DeNA Games Osakaに入社。
プランナーとして社内の運用タイトル、新規タイトルを担当。
2014年の夏頃より金髪になる。
2017年11月より「天華百剣 -斬-」にディレクターとして参加。
2018年1月に株式会社ディー・エヌ・エーに転籍。
2018年4月「天華百剣 -斬-」の1周年のタイミングでプロデューサーに就任。

■受講者へのメッセージ

リリース1周年のタイミングで多くの方から応援をいただけたこと。自分自身がオタク、サブカル厨であることと前職の広告業界で制作をやっていた知見が上手く融合したこと。それらが上手く合わさった結果、1つのゲームが生き長らえることができました。

その時に得られたあれやこれやがみなさんの何かのお役に立てば幸いです。

【CEDEC2019】「サービス終了寸前だったタイトルが、CMを使わずにDAUを増やして九死に一生を得たSNSプロモーション術」セッションレポート

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大規模モバイルゲーム運用におけるマスタデータ管理事例

■セッション内容
DeNA はこれまで様々なゲームをリリース・運用してきました。その中には100名を超えるメンバーで運用しているタイトルもあれば、運用10周年を迎えるタイトルもあります。

本セッションでは、モバイルゲーム運用におけるマスタデータの管理で、特に大規模なチーム人数や、長期運用で発生してきた課題や失敗事例をご紹介します。その上で、それらの課題解決のために開発した共通マスタデータ管理システムの概要と、その機能や運用ワークフローを説明します。

そして実際のゲームの開発・運用にそのシステムを導入してみて、どのような効果があったかをお話します。(開始時間/16:30〜)

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■登壇者プロフィール

人西 聖樹
ゲーム事業部Publish統括部共通基盤部
ゲームデベロッパーライブラリグループ エンジニアリングリード

DeNAの大規模mobageタイトルの開発・運用のリードエンジニアを経て、現在はゲーム横断の開発基盤の部署にて、マスタデータ管理システムの開発リーダーを担当。

■受講者へのメッセージ

モバイルゲーム特有のマスタデータの運用周りの苦労や、それに対してどのようなアプローチをしていったかをお伝えできればいいなと思っております。

【CEDEC2019】「大規模モバイルゲーム運用におけるマスタデータ管理事例」セッションレポート

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引用:「CEDEC2019」公式サイト

※掲載内容は、公開日時点の情報です。セッション内容等は当日変更になる可能性もありますので、ご了承ください。

GDM本番前に楽屋を直撃! グリー×DeNA若手プロデューサーが共に描くブラウザゲームの未来予想図

DeNA主催のゲームクリエイター向け勉強会「Game Developers Meeting」(以下、GDM)。

6月21日(金)に開催されたVol.33では、プランナー向けの座談会が開催され、グリー株式会社より『探検ドリランド』プロデューサー井口博貴氏と、株式会社DeNA Games Tokyo『怪盗ロワイヤル』プロデューサー下島海が登壇しました。

https://genom.dena.com/event/20190621_gdm_report/

GeNOM編集部では、座談会開始直前の楽屋においてインタビューを敢行。登壇時には明かされなかった(言えなかった?)話を事前に聞くことができました。モデレーターを担当したDeNA佐伯嶺も交えて、ぶっちゃけトークをお届けします。

グリーとDeNAの関係

――本番前に失礼します! まずは今回のGDMに登壇するにあたり、過去にグリーとDeNAがライバル関係のようなイメージがあったことに関して実際、どう感じていますか?

佐伯嶺(以下、佐伯:そう、それって実際どうなの? すごく気になる!

井口博貴(以下、井口氏:DeNAさんに対してネガティブな感情はまったく感じていないのが、正直な気持ちです。でも昔からグリーで働いている社員に『怪盗ロワイヤル』とコラボすることを話すと「マジで!?」とビックリされることはありました。

コラボの進め方については、いつもの企画と特に変わらず、むしろやりやすかったんですよ。やっぱり時代の流れと、社内・社外の印象って違うことを感じましたね。

下島海(以下、下島:僕もほとんど同じ印象です。むしろ当時の関係のことは詳しく知らないので何も気にせず、「おもしろいから、ぜひコラボやりましょう!」といった軽い雰囲気で井口さんとコラボの話を進めました。

――若い世代だからこそ、過去に囚われないクリアな気持ちでできたんですね。

井口氏:ええ、まったく気にならなかったです。

下島:そうですね(笑)。

佐伯:実は今回のGDMのテーマを考えていて、『怪盗ロワイヤル』10周年を迎えるタイミングで、超長期運営のタイトルを絡めたテーマにできないかな、と思っていたんです。そこで『探検ドリランド』はどうかな……と、まず下島くんに相談したんですよ。

下島:その提案を受けて「あ、それおもしろそうですね。後でチャットしておきますね。」となりました(笑)。

井口氏:ものすごくカジュアルに決まりましたよね。

――座談会実現のためにいろいろ準備して……ではなかったんですね。

佐伯:自分もそれなりに長くDeNAで働いているんで、本音では大丈夫かなってビビってました。ですが2人の関係を見て、なにも心配することはないと感じることができてホッとしました。

井口氏:すでにかなり仲良かったですし(笑)。コラボが決定してからも、月イチくらいで情報共有会をやってたんで、すぐ連絡を取り合いました。

佐伯:もしかしたら、社内のメンバーより会ってるんじゃないですか?

下島:そうかもしれないですね(笑)「髪切りました?」くらいの頻度です。

井口氏:「また筋肉大きくなったんじゃない?」みたいにね(笑)。ホントに最初からカジュアルな付き合いだったので、今でもとても楽ですね。

長期運営の裏側

――ブラウザタイトルでここまで長期運営しているタイトルは他にはないと思うんですが、いわば戦友とも言える2人が感じているシンパシーなどはありますか?

井口氏:長期運営タイトルの担当だけでなく、新卒で入社した経緯や、ゲームが大好きでタイトルに配属されたわけではない、という背景まで2人ともすごく似ていて、ちょっと話しただけで「それ、分かる!」みたいに意気投合しちゃったんですよ。

下島:ゲーム業界ではちょっと珍しいキャラクターの井口さんに会ったとき「あ、自分と似てるな、話しやすいな」って思ったんです。

井口氏:話していると、ヤバイくらいの勢いで企画がガンガン決まっていくんです。

下島:「そのアイデア、いいっすね!」「おもしろいからやりましょう!」といった感じで話も早いし、考え方も似ているのでとにかくやりやすかったです。

佐伯:心地良すぎるスピード感ですね。タイトルと個人の立ち位置がうまく噛み合っていたのかもしれませんね。

そういえば、打ち合わせ飲み会からすぐ別の日に、両社の他のブラウザタイトルのプロデューサーが15人集まって飲み会が開かれたって聞きました。

――え!? そんなすごい飲み会が……。もうすでに両社の垣根を超えてるじゃないですか?

佐伯:そう! 垣根なんて、とっくに超え終わってるんですよ。その盛り上がった結果を教えてください(笑)。

井口氏:もちろん、ものすごく盛り上がったんですが、真面目に話すグループとバカみたいに飲むグループに分かれてしまって。

下島:僕らは「ハイボーラー」という、ハイボールをひたすら飲むグループにいました(笑)。

DeNA Games Tokyo 下島海DeNA Games Tokyo『怪盗ロワイヤル』プロデューサー 下島海

――今でも他のプロデューサーとの関係は続いているんですか?

井口氏:はい! 飲み会自体がつい最近だったこともあり、別プロダクトでも何かおもしろい動きができないかと今いろいろ探っています。

――それでは話題を少し変えて。長期運営タイトルについて、どの部分の数字を見ながら運営を維持しているのか教えてください。

井口氏:どちらのタイトルも、見ているKPIはあまり変わらないと思いますが、『探検ドリランド』は比較的ARPPUが低いゲームなので、特にUU(ユニークユーザー)を意識して運営しています。

『探検ドリランド』のプレイサイクルは、みんなでキングモンスターを倒すスタイルなので、過疎化するとコンテンツが終わってしまいます。そこで一番意識しているのが「いかにUUを離さずに維持させるか」ということです。もちろん、売上に関して会社からのプレッシャーは強いんですが……(泣)。

下島:『怪盗ロワイヤル』も結構似ている部分が多いですが、ARPPUはやや高く、コアUU(頻繁に遊んでくれているプレイヤー)をセグメント別に分けて、計測しています。

――長年の運営で「分析する練度」も上がっていると思うんですが、独特なツールや歴代プロデューサー直伝の技などはありますか?

井口氏:長年管理されているドキュメントは、もはや「秘伝のタレ」状態になっています。2012年くらいからのデータについての関数は自動化されており、過去の優秀なエンジニアが手がけたツールを使って、欲しい情報が一発で自動で出力できるので便利です。

佐伯:まさに老舗のタレの継ぎ足しのようですね(笑)。

下島:うちもほぼ、一緒ですね。過去のデータを閲覧したり、必要な情報のための分析ツールは揃っています。ただ「こんなの見ても何もわからん!」となるくらい、情報過多になってしまっていることはありますが(笑)。

佐伯:どちらも洗練された直感的に使えるツールを、積極的に運営に活用しているんですね。そういえば、グリーもDeNAも他社に比べると分析志向が強いイメージがありますよね。

井口氏:分析だけでなく、ロジカル思考が強いですよね。課題の答えを導くにはどのアクションをすればいいのか、と論理的に考えるスタイルは、最初にプランナーとして入ったときに叩き込まれます。

下島:DeNAもまったく同じですね。最初はロジカルに考えて基礎を作り、その延長上にブッ飛んだ企画を掛け合わせることが大事だと考えています。

――今後の運営は、やはりこれまで蓄積されたノウハウや洗練されたツールがあるから実現できると思いますか?

佐伯:それもあると思います。また、単純に開発する物量感が小さくて済むからだと思いますね。

井口氏:確かに、ネイティブアプリの開発に比べると、コストはかなり低いと思います。

佐伯:当時は、リリースして3時間後に新しいガチャを入れ直すとかやってましたよね。

井口氏:もちろん、今でもやろうと思えばできますよ(笑)。

――ブラウザゲームにしかできない企画を活かせればいいですよね。

佐伯:確かにおもしろいですね。それこそリアルタイム性の高いSNSと連携したり!

下島:アイデアの即時反映とか(笑)。

佐伯:YouTuberの番組終了時にあわせてゲーム内に実装するとか。なんだか、ブラウザゲームの明るい未来の話ができて嬉しいですね。

グリー 井口博貴グリー『探検ドリランド』プロデューサー 井口博貴氏

コラボ実現の裏側

――ちなみに2018年12月に実施した『探検ドリランド』×『怪盗ロワイヤル』のコラボの結果はどうでしたか?

夢のコラボでは特別イベントや豪華報酬が用意、SNSキャンペーンも積極的に実施された。

井口氏:反響も大きく、かなり良い結果が出ましたよ。『探検ドリランド』では当時、IPコラボがすでに2本決まっていて、その合間に『怪盗ロワイヤル』とのコラボを実施するスケジュールになったため、どちらかというと既存プレイヤーがワイワイ盛り上がってくれればいいな、と考えていたんです。

ですが、当初の想定より反響があって、本当にやって良かった、ありがとう! といった気持ちです。

佐伯:『怪盗ロワイヤル』のプレイヤーから、驚きの声などはありました?

下島:もちろん来ました! コラボが始まる直前に、キャラクターがゲーム内から消えて、それぞれのゲームに遊びに行くという導入ストーリーを作ったら、ゲーム内がすぐにザワついて「これ、ドリランド(コラボ)じゃない?」と早くからSNSなどでバズっていました(笑)。

佐伯:かなりのインパクトを生んだ座組みだったんですね。

――コラボの際に、お互いの古参・既存プレイヤーからネガティブな意見などはなかったんですか?

井口氏:これが、全然なかったんですよ。むしろ「よくやった!」と褒められました。『探検ドリランド』のキャラクター「ハルカ」が長期運営に疲れているところに、声をかけてきた『怪盗ロワイヤル』の3人組に悪の道に引きずり込まれる、という自虐的な設定の物語も好評だったようです。

コラボについては、毎回いろいろと練ったストーリー設計を考えるんですが、今回が一番盛り上がったのかも知れません。

『探検ドリランド』メインキャラクターのハルカ。公式Twitterのナビゲーターも務める。

佐伯:ある意味、プレイヤー視点に対してブレずに設計した導入だったから、自然に盛り上がったのかも知れませんね。これはスゴイいい話ですよ~(笑)。まさにWin-Winの関係ですね。

もし、自分がこんなコラボやるとなったら、プレイヤーからの批判とか考えて、慎重になっちゃいそうですもん。

――好評だったということで、第2弾とか期待しちゃいます。

井口氏:そうですね。なんせゲームだけでなく(お互いのロイヤリティも)無料なんで(笑)。

佐伯:両タイトルとも、今でもかなり多くのプレイヤーがプレイ継続していますし、他のタイトルにもコラボすれば効果が期待できるって、もっと広めたほうがいいですよ!

下島:ですよね! このような座組は、今後もたくさん実施していきたいです。

――当時遊んでいた人にとっては、ある意味懐かしさも感じますよね。約10年前にプレイを始めた人がいまだに遊んでいるゲームってなかなかスゴイですよ。

佐伯:2人ともサービス開始当時は完全に10代ですもんね。そんな若い世代が今、まさかプロデューサーを務めているなんて……。

DeNA 佐伯嶺

これからのブラウザゲーム

――それではそろそろ本番の時間も迫ってきたので、ブラウザゲームを今後どう進化させたいか、展望などありましたらどうぞ!

井口氏:10周年を機に、自分たちが目指す戦略として、数百万人単位の「休眠ユーザー」にアプローチしていくことで「もう一回、ドリランドをプレイしてみたくなる」ような施策をいろいろな角度で実施しています。

他のゲームでは、新規ユーザー獲得の成功事例は山ほどありますが、休眠ユーザー復帰の施策はなかなか少ないですし、成功しないことが多いんです。それでも、ブラウザゲームという括りだけでなく『探検ドリランド』を、もう一回遊んでもらいたいな、と頑張っています。

下島:『怪盗ロワイヤル』もほぼ、一緒ですね。長期運営の魅力でもある、歴代の多くのプレイヤーと触れ合ってきた知見を活かし、休眠ユーザーに再び復帰してもらうことを10周年のメインテーマにしています。

佐伯:じゃあ、今はガッツリとネタを仕込み中ということですね!

下島:そうですね。アプリだけじゃなく「ブラウザゲームってまだまだ面白いじゃん!」ということを伝えたいですし、その効果を『怪盗ロワイヤル』『探検ドリランド』のみならず他のブラウザタイトルにも波及させられればいいなと思ってます。

佐伯:やっぱりブラウザはダウンロードがなくて気軽ですし、通信も早いですもんね。これから先もブラウザゲームはまだまだ頑張っているよ! という流れを作れたら面白いですね。

そして将来、このプロデューサー2人が旗印となって、業界を盛り上げてくれることを信じています!

――ここまで2人が密接な関係だとは思わなかったので、驚きでした。今日はありがとうございました!

本番前の楽屋は、3人の爆笑トークで終始大盛り上がりでした。次世代を担う若きプロデューサーの彼らが、『探検ドリランド』『怪盗ロワイヤル』をはじめとしたブラウザゲームに、近い将来、さらなる驚きと楽しさを届けてくれると信じています。GeNOMでは今後も彼らの動向をチェックしていきます!

インタビュー・執筆:細谷亮介
編集・撮影:佐藤剛史

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【イベントレポ】10年の貫禄! 平成を駆け抜けた超長期運営レジェンドタイトルの「これまで」と「これから」

毎回様々なゲストをお招きして、最新の技術や情報をシェアするDeNA主催のゲームクリエイター向け勉強会【Game Developers Meeting】(以下、GDM)。

6月21日(金)に開催されたプランナー向け座談会Vol.33では、グリー株式会社より『探検ドリランド』プロデューサー井口博貴氏をゲストに招き、『怪盗ロワイヤル』プロデューサー下島との対談形式で、超長期運営だからこその苦労や、ファンに愛され続けるための工夫に迫るトークを繰り広げました。モデレーターはDeNAの佐伯嶺が務めました。

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井口 博貴(いぐち ひろき)|グリー株式会社
2015年グリー株式会社に新卒入社。『釣り★スタ』にてCSとして携わったのち、『探検ドリランド』の企画・開発・運用を経て、同タイトルのプロデューサーを務める。

下島 海(したしま かい)|株式会社 DeNA Games Tokyo
2017年にビジネス職として新卒入社。その後『怪盗ロワイヤル』にプランナーとして配属され、2018年9月より同タイトルプロデューサーに就任。

佐伯 嶺(さえき りょう)|株式会社ディー・エヌ・エー
コーエーテクモゲームスを経て、2013年中途入社。『FINAL FANTASY Record Keeper』開発から携わり、運営開始後はディレクターを担当。現在新規タイトル開発チームの企画マネージャーを担当。[/su_note]

座談会の冒頭では、『探検ドリランド』と『怪盗ロワイヤル』の簡単なゲーム概要とこれまでの歩みが紹介され、長期間に渡る運営の歴史が説明されました。本記事では座談会で繰り広げられたトーク内容をレポートします。

 

10年の歴史を引き継ぐということ

佐伯嶺(以下、佐伯:まず最初にプロデューサーとして、約10年近く運営を続けているタイトルをこの先引き継いでいくことについて、談義していきましょう。

井口博貴(以下、井口氏:『探検ドリランド』プロデューサーを引き継ぐ際に、プレッシャーの重さや、いろいろ考えるところがあるんじゃないか、と思われがちでしたが、そんなことは全然なくて、純粋にワクワクした気持ちのほうが強かったのが率直な気持ちです。

僕がグリーに入ったのは、ビジネスに特化した仕事がしたかったためで、当初はゲーム志向ではありませんでした。ゲーム事業に所属になった際、チームを構築したり、大きな金額のPLを管理する業務に携われる可能性があることに気づき、視座を上げつつ、プロデューサーを目指すのが最初の目標になりました。

そんな経緯があったので、プロデューサーになれたのは「ついに来た!」といった嬉しいタイミングでした。もちろん、会社からのプレッシャーもありましたが、それよりワクワクする気持ちが強くて、新しいことに挑戦できることが嬉しかったですね。

グリー井口博貴氏グリー『探検ドリランド』プロデューサー 井口博貴氏

下島海(以下、下島:入社してからの背景は井口さんと似ています。僕もビジネス志向が強く、ゲーム好きというタイプではありませんでしたが、ヒトモノカネに一番裁量を持って携わることのできるプロデューサーという仕事にやりがいを感じて最初の目標としました。そのためプロデューサーになった時はプレッシャーなどはなく単純にワクワク感が強かったですね。

また、『怪盗ロワイヤル』は今年で10周年を迎えるので、このタイミングで活躍できるプロデューサーは1人しかいませんし、ここでおもしろいことをやって、強烈なインパクトを残すチャンスだなと思ってます。

DeNA Games Tokyo下島海DeNA Games Tokyo『怪盗ロワイヤル』プロデューサー 下島海

佐伯:なるほど。2人とも出自も背景も似ているんですね。そういえば最近では仲も良いとお聞きしましたが?

井口氏:そうなんです、しょっちゅう一緒に飲んでます(笑)。以前『探検ドリランド』と『怪盗ロワイヤル』でコラボをしたんですが、その時の企画の進め方がやりやすくて(笑)。下島さんとは考え方も近いので、「こんなアイデアおもしろいですよね!」みたいに、話がバンバン通るんですよ。

過去に似た座組のIPコラボもやったことはあるんですが、下島さんとは同じ会社で働いているのかなって思えるほどやりやすくて、すごく楽しかったです。

佐伯:ブラウザゲームでここまで長期運営しているタイトルは少ないので、プロデューサーとして、まさに戦友みたいな関係になってますね。

ちなみに今回のGDMの座談会を企画を提案した際に、下島くんが「(井口さんと)この前飲んだばっかりなんで、すぐ連絡しておきます!」とラフに快諾してくれたのは、正直驚きました。こんなに両社が仲良く情報交換しているなんて、意外でしたね。

長期運営タイトルのチーム作り

佐伯:続いては、長期運営タイトルでのチーム形成の方法や、どのような施策をしているのかを聞いていきましょう。

下島:『怪盗ロワイヤル』では、運営期間にかかわらず、前提としてゴール(※UXビジョン)を決めて、そのための戦略やロードマップを明文化してメンバーに提示し、きちんと同じ方向に進むチーム作りが大事だと考えています。

※UXビジョン:DeNA Games Tokyoが提唱する「プレイヤーにゲームを通して体験してもらいたい理想状態を言語化・共通化したもの」のこと

その上で超長期運営中のタイトルでは、多くの工数をかけて新規開発するフェーズではないため、事業観点では「仕組み化」、組織観点では「自走化」を重視しています。

井口氏:やはり長期タイトルだけあって、考え方が似ているところも多いですね。僕が『探検ドリランド』に携わって一番スゴイと感じたのが、優秀なメンバーが運営してきた長い歴史の中で、効率化が徹底されていることでした。無駄のないスケジュール管理方法も素晴らしいです。

ですが、最近の運営はクリエイティブ集団ではなく、いかに期日を守れるか、足元の数字に追われているようなチームになっていました。

まずその状況を変えるため、年間目標を掲げて、メンバー単位で1年後にどうなりたいかを意識し、例えば「定常月のMAU200%を目指します!」のような、ありえないような設定をしてみます。

メンバーはそんな数字を見ると「無理でしょ!」という反応になりますが、とんでもない数字を目標に設定すると、それを実現するために「毎週違ったIPとのコラボやってみよう!」みたいなハチャメチャな企画が出てくるときがあるんです。

ゼロベースで考えるより、今あるものを使って、いかに効率的にコスパ良く落とし込めるかを考え、あわせて年間の目標を立てることでチーム全体の目線を自然に上げることを、最近の運用で心がけています。

佐伯:目線が上がればこれまで見えなかったチャレンジができて、成功したときにはチームの士気が上がりますよね。

井口氏:いい結果が出れば「やった、狙い通り!」と喜べますし、さらに次はもっとデカイ結果を出そうとテンションが上がりますね。

佐伯:長期運営のタイトルだと「おもしろいことをやろう!」という意見は、チーム内であまり出てこないイメージがありました。

下島:メンバーには常におもしろいことはなんでもやっていこう、と話しています。長期運営のために仕組み化した土台を作ったうえで、プレイヤーさんに新しい体験を届けられるように「仕組み化×おもしろいこと」を掛け合わせていくことが、この先の運営のあるべき姿なのかな、と考えています。

佐伯:方法は違っても、意識的に高い目線を保つことを、プロデューサーが率先してやっていかなくては、という考えは2人とも共通しているようですね。

DeNA佐伯嶺DeNA 佐伯嶺

超コアプレイヤーの方との向き合い方

佐伯:次のお題は、サービス開始からタイトルを支えてくれているコアプレイヤーさんとの向き合い方、付き合い方についてになります。

井口氏:2012年くらいからのデータを見ると、カードモデルに変更後もずっとプレイし続けていただいている方がかなりの割合でいらっしゃるので、ほとんどの方はコアプレイヤーさんと言える存在かもしれません。

『探検ドリランド』は、みなさんが想像されているよりARPPUが低いゲームなんです。課金ベースで見ると、コアプレイヤーさんもまんべんなく平均値が取れているので、超コアプレイヤーさんたちに向けて何か特別な施策をすることはしていません。どちらかというと、平均的に平等感を意識して運営しています。

下島:『怪盗ロワイヤル』も考え方は似ていて、初心者プレイヤーさんもコアプレイヤーさんも分け隔てなく遊べるように配慮しています。また、弊社で実施するユーザーインタビューに招待して意見を聞いたりもしています。

佐伯:ちなみに、古参のプレイヤーさんと交流する際に、自分が知らない過去の情報が飛び交ったときはどうします??

下島:「なるほど!」と急いでメモします(笑)。

井口氏:リアルイベントなどで「200x年xx月に登場した、あのハンターは今どうなってるんですか?」みたいな自分が入社する前の、とんでもないマニアックな質問が投げかけられるときがありますが、そのときには合わせて色々な情報をキャッチアップしようと当時の『探検ドリランド』の状況を含めて耳を傾けるようにしています。

古参プレイヤーさんの中には、運営に意見を伝えたい方、要望を聞いてほしい方も多く、そのような方から新しい情報を入手して、次のイベントなどに活かすようにしています。定期的なインタビューで意見を取り入れてゲームに反映すると、感謝の言葉もいただきますし、プレイヤーさんと良い関係が築けますね。

佐伯:ゲーム運営ってどうしてもヘイトがたまりやすいですけど、お互いをリスペクトしあえる関係性ができているのはいいですね。

井口氏:そうですね。ゲームに限らず、匿名性の高いメディアにはさまざまな思いが投稿されることも多いです。でも、プレイヤーさんと実際にお会いすればニュアンスを柔らかくして話してくれたり、意図の違いなどもその場で認識しあえることができます。

やはり直接会いに来ていただける方の熱量はかなりのものなので、運営する側としてそれに応えられるだけの熱量をもって接することは常に意識しています。

佐伯:リアルでプレイヤーさんと会うことによって、一体感を作れているのはスゴイですね。運営とプレイヤーさんが一緒にゲームを作り上げていくことは、すでにゲーム運営に重要なファクターとなっています。

長寿タイトルだからこその挑戦

佐伯:長期運営を続けているタイトルだからこその、これまで挑戦してきたイベントなどについて、お話しいただきましょう。

井口氏:自社イベントである「GREEファン感謝祭」については、2015年頃から取り組んでいます。当時は社内全体で「リアルイベントをやるなんて、チャレンジャーだ」と恐れられており、「どんな人が来るかわからないので怖い」と、様々な不安が渦巻く中、手探り状態でのスタートでした。

このタイミングで自分が『探検ドリランド』にジョインしたんですが、謎解きイベント会場となった八丈島内で「挑戦者を正解に導くヒントマンになる」というのが最初の仕事でした(笑)。

初リアルイベントに参加したプレイヤーさんからは『探検ドリランド』がもっと好きになりました、次回も参加したいです、などのポジティブな声が寄せられ、反応も良かったため、次に開催したのが東京でのオープンイベント「キングスアカデミー」でした。

このイベントもかなり好評で、次のタイミングでは東京と大阪の2都市で「探検ドリランドファン感謝祭 ~キングスアカデミーフェスティバル~」を開催し、ここでもプレイヤーさんと運営が楽しく交流できました。来場者が両都市で約2,000名規模になったのも驚きでしたね。

もちろん、増える来場者にあわせて、運営チームメンバーにもQ&Aを大量に用意して、様々な角度からのプレイヤーさんの質問に対応していたことで、規模が大きくなっても年々満足度を高めていくことができました。

佐伯:来場者2,000人ってスゴイです。大変だけど価値のあるイベントになったんですね。

井口氏:さらにもうひとつの施策として『探検ドリランド』10周年を迎えて何かやろうと思ったときに、休眠プレイヤーさんにアプローチするために、CMなどでおなじみの「ド、ド、ドリランド♪」のフレーズを使うプランを考えました。

ですが、有名人を使って無難なプロモーションをするだけでは、いまいち盛り上がらないと考え、比較対象にすらならないだろうアフリカの部族の人をアサインして、特別なお祝い動画を作ることを考えました。

佐伯:アサインって……(笑)。

井口氏:改めて動画を見ても、結構振り切ってますね~(笑)。これは僕が「世界ウルルン滞在記」や「探検隊シリーズ」が好きなので、そんなドキュメンタリーっぽいニュアンスを入れてみたんです(笑)。

この時期にはキャンペーンを同時に実施していたので、動画の効果はハッキリ分析はできていないんですが、休眠プレイヤーさんはかなり復帰してくれました。さらに、既存プレイヤーさんにも「まだこんなおもしろいことやってるんだ」と、10周年を迎えてもまだ、おもしろさが続くことを理解してもらえたのが良かったですね。

佐伯:10周年でこんな奇抜な動画が作られるなんて、プレイヤーさんも驚きますよね。

井口氏:ただ、この動画の準備期間のほかに、撮影クルーのワクチン接種に数ヶ月かかってしまったのは想定外でした……(笑)。

佐伯:これを踏まえてではないですが、『怪盗ロワイヤル』はさらにこの企画を超えていかなきゃいけない企画力が必要ですね(笑)。

下島:この動画の後に話すのは非常にツライんですが……(笑)。『怪盗ロワイヤル』でも長期運営に関わらず、これまでになかった取り組みを続けていき、プレイヤーさんに新しい体験を届けたいと考えています。

最近では、『探検ドリランド』とのコラボがトピックスですね。もともとIPコラボは年に何回か実施していたんですが、ゲームタイトル同士のコラボは初めてでしたし、これまでやったことのないTwitterキャンペーンなども実施し、イベントとしても、売上にもすごく効果がありました。

また、某飲料メーカーとのコラボも実施し、飲料水を擬人化してボスとして登場させるイベントを企画しました。上位のプレイヤーさんに、インセンティブとして飲料水を1ケースを贈るといった、なかなかインパクトのあるリアルインセン企画でした。

しかし企画を進める中で、攻撃時に銃に撃たれるエフェクトに対して先方様からNGが出てしまい、メンバーと思案した結果、そのエフェクトの代わりに、その飲料水に含まれる成分名を表示するエフェクトを提案して認めてもらう、といった裏話もありました。

このように確かな結果だけを狙うだけではなく、ちょっとユニークな取り組みも積極的にやることが、長期運営タイトルでプレイヤーさんに飽きられない秘訣なのかも知れませんね。

佐伯:普段は誠実に運営してるからこそ、たまに繰り出すパンチが強烈でウケる、ということもありますよね。

下島:そうですね。このコラボ自体が掲示板でも話題に上がってくれて、結果プレイヤーさんは楽しんでくれたようです。

佐伯:10年運営していたら、だいたいのことはやってるわけじゃないですか? その中で突拍子もないことを意識してやるのは大事ですね。

井口氏:ですね。ある程度のネタは、先人たちがやってしまっているので、同じような路線で攻めてもダメなんです。そんな理由で「10周年でアフリカだ!」と思いついたところでもあります(笑)。

また、こんな突拍子もない企画を実現していると、プレイヤーさんも楽しみにしてゲームから離れなくなりますし、『怪盗ロワイヤル』とのコラボについても社内で賛否両論あったんですが、この10周年記念動画で残した実績があったんで、力強く提案できました。

佐伯:グリーとDeNAってお互いライバルみたいな関係性に近かったので、なかなかインパクトがあるコラボだったんですが、信頼関係を得るような、相乗効果も生み出したんですね。

下島:自分たちが思っている以上にプレイヤーさんは両社の関係性は気にしていないこともわかって、ブッ飛んだコラボをやっても受け入れてもらえる事例ができたので「何でもやってみよう!」みたいな挑戦する楽しみは増えましたね。

佐伯:運営側が本気で楽しもうとする姿勢が、プレイヤーさんに伝わっていたんですね。

下島:確かにそうかもしれません。某飲料メーカーさんとのコラボのときは、自分たち運営が一番楽しんでいましたね。飲料水のキャラクターに手足を生やすアイデアをチャットで話していたら、それを見たデザイナーがささっとデザインを作ってくれて「これ、おもしろいからやりましょう!」って話が広がりました。

これからの10年に向けて

佐伯:最後のお題ですが、今後の10年に向けて、両タイトルの展望などをお聞かせください。

井口氏:自分たちの強みとしては、長期運営タイトルにおける「圧倒的な休眠プレイヤー数」だと思っています。

世の中のゲームの戦略では「新タイトルをリリースするときに、新規プレイヤーさんを多く獲得する」ことが普通です。

ですが、『探検ドリランド』では新規と休眠どちらも狙うミッションがあり、戦略方法はまったく違うので悩みました。新規なら他のゲームとの勝負、休眠なら懐古心をあおるような攻め方が必要になるんです。

そこで自分たちは他にはない強み、絶対的な優位性を保てる休眠プレイヤーさんに復帰してもらう戦略を選びました。休眠プレイヤーさんを獲得するメリットは、復帰してすぐに成果が出やすく、売上に早くつながるからです。

一方で新規の獲得手法や事例は多いんですが、休眠の復帰事例は少ないため、A/Bテストの繰り返しや、先ほど紹介した10周年動画のような手法も含め、日々試行錯誤を繰り返しながらさらなる成長を目指して、チームとして頑張っていきます。

下島:この先20年、30年とサービスを続けて「怪盗ロワイヤルってまだ続いてるんだ」と多くの人に驚かれるくらいに運営を続けていきたいと思ってます。

また、長く遊んでいるユーザーさんには、『怪盗ロワイヤル』がライフサイクルの一部になっている人もいるので、その人たちの生活の潤いのためにも、自分たちの使命はとにかく長く続けることだと考えています。

事業面では、長期タイトルとして仕組み化を基軸とした一つモデルケースになりたいと思っています。一種の教科書として長期運営のためのノウハウを他タイトルにも伝えていきたいですね。

また、組織面では持続的に成果を上げ続けられる組織を目指し、人の入れ替わりなどがあってもずっとタイトルを運営し続けられる自走集団を作れたらいいな、と思っています。

佐伯:2人とも、とても熱い想いを語ってくれました。本日はありがとうございました! 

懇親会の様子

イベント後に開かれた懇親会では、登壇した井口氏と下島を囲んで積極的な交流が行われました。今回の開催場所はDeNA本社のSAKURA Cafeとなったため、カフェ手作りのフードが振る舞われました。

さらに特別メニューとして、横浜スタジアムで提供されているベイスターズオリジナル「ベイ餃子」も並びましたよ!

取材・文:細谷亮介

■関連リンク

https://genom.dena.com/event/20190621_gdm_interview/

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DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

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【イベントレポ】日本ゲーム大賞2019「U18部門」決勝大会進出は7チームに決定! 審査員を務めたDeNAプロデューサー山口誠にインタビュー

CESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)は6月9日、セガサミーグループが運営する「TUNNEL TOKYO」において、日本ゲーム大賞2019「U18部門」予選大会を開催しました。

本大会は、18歳以下の次世代クリエイター発掘を目的としたイベントで、チーム(最大5名、1名でも可)にて参加し、制作したゲームの試遊とプレゼンテーション内容を加味して、審査が実施されるものです。

予選大会を勝ち抜いたチームは、「東京ゲームショウ2019」期間中に実施される決勝大会に参加することができます。

司会進行にはスクウェア・エニックス「時田貴司」氏、審査員にグリー「下田翔大」氏、セガゲームス「麓一博」氏、Cygames「星野健一」氏、そしてディー・エヌ・エー(以下、DeNA)からは「山口誠」が参加しました。

スクウェア・エニックス 時田貴司氏司会進行を務めたスクウェア・エニックス「時田貴司」氏

審査を担当した、グリー「下田翔大」氏、DeNA「山口誠」、Cygames「星野健一」氏、セガゲームス「麓一博」氏(左から)

本記事では予選大会の模様と、イベント終了後に審査員を務めた山口にインタビューを実施したので、紹介します。

セガゲームス 代表取締役社長COO 松原健二氏セガゲームス 代表取締役社長COO「松原健二」氏

開催の挨拶として、CESA人材育成部会 部会長 セガゲームス 代表取締役社長COO「松原健二」氏が登壇し、まず参加クリエイターや当日の来場者にお礼を述べました。

そして日本ゲーム大賞「U18部門」を設立した狙いについて、18歳以下のゲームクリエイター志望者が「ゲーム作りを目指しながら、周りの人に楽しんでもらうこと」を経験してほしいため、と話しました。

その後、抽選(なかなか決まらない全員ジャンケン!)によってプレゼンの順番を決定し、予選大会が開始されました。

審査員は、予選大会の前にすべての作品を試遊した上での採点は済ませており、本プレゼンでの評価を加点して、決勝大会に出場する作品を決定するルールとなっています。プレゼンの持ち時間は5分、その後審査員からの質疑応答が実施されました。

参加者の各プレゼン内容を紹介

[su_accordion][su_spoiler title=”『Drag Voxel Distance』 開発者:早坂空也/奥澤大輝/尾崎将志(バンタンゲームアカデミー高等部)” open=”no” style=”fancy” icon=”plus” anchor=”” class=””]

『Drag Voxel Distance』

チーム名:エスカルゴ
開発者:早坂空也、奥澤大輝、尾崎将志(バンタンゲームアカデミー高等部)

すごろくの要素に、キャラを引っ張るシンプルな操作方法を組み合わせたボードゲーム。コンセプトは「圧倒的に親しみやすいゲーム」を目指している。

サイコロの出目によってパワーが変化、マップ内のさまざまなトラップに引っかかると「移動速度低下」など不利な効果を受け、モンスターの範囲内に入っても「1ターン休み」などのデメリットが。他のプレイヤーの邪魔をすることも可能。

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[su_accordion][su_spoiler title=”『幽体離脱』 開発者:伊豫冬馬(茨城県立竹園高等学校)” open=”no” style=”fancy” icon=”plus” anchor=”” class=””]

『幽体離脱』

チーム名:すいか
開発者:伊豫冬馬(茨城県立竹園高等学校)

まず、大きく深呼吸をしてプレゼンを始めた伊豫君。本作品の特長は肉体から幽体が抜け出して動く「幽体離脱」を使った「アクション×謎解き」。主人公は光に弱く、ランプの光の範囲に触れるとアウト。幽体離脱をうまく駆使して突破、謎解きをしながら最深部を目指す。

幽体の状態で使える「フリーズ」を使うと、光を消すことができる。つまり、肉体から幽体離脱→幽体がフリーズで光を消す→肉体に戻りカギを取る、と工夫してステージのギミックを解いていく仕組み。幽体には時間制限があり、幽体で触れるとアウトな光も存在する。

また、世界観を大切にしたストーリーと、その先を暗示するような意味を持った旋律を自作したとのこと。

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[su_accordion][su_spoiler title=”『ぷるりんの冒険』 開発者:住友嵩征/岡田明樹/川染翔吾(城南高等学校)” open=”no” style=”fancy” icon=”plus” anchor=”” class=””]

『ぷるりんの冒険』

チーム名:Swing-bye
開発者:住友嵩征、岡田明樹、川染 翔吾(城南高等学校)

本作品は、スライムのようなキャラクター「ぷるりん」を操ってゴールを目指す、全方向スクロールの2Dアクションゲーム。ぷるりんは緑と赤の2種類存在し、くっついたり離れたりでき、2人プレイも可能。

縦長に合体すると赤と青のぬいぐるみのような姿に、横長に合体すると虎のような姿に変化。通常時は「ジャンプ:普通・スピード:普通・攻撃:遠距離」となり、横長時は「ジャンプ:高い・スピード:低い・攻撃:近距離」、横長時は「ジャンプ:低い・スピード:高い・攻撃:近距離」と能力が変化する。

ゲーム内のグラフィックはテキスト以外すべて自作で、イラスト担当の岡田君が1人で制作したとのこと。またキーボードだけでなくゲームコントローラにも対応し、コンフィグで設定をカスタマイズ可能。裏設定が読める「プルペディア」も実装。

工夫した点として、キャラの動きに対して画面が少し遅れて追随するように設定したり、変わった動きをする敵キャラには、数学で習った「リサージュ曲線」を採用。マップ上には一方通行やカギを使って開ける特殊なブロックも設置している。

今後はマップエディタ、スクリーンショットUI、新ブロック、新キャラの実装を予定しているとのこと。

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[su_accordion][su_spoiler title=”『Treasure Hunting』 開発者:堤日向(大阪電気通信大学高等学校)” open=”no” style=”fancy” icon=”plus” anchor=”” class=””]

『Treasure Hunting』

開発者:堤日向(大阪電気通信大学高等学校)

開発を手がけた堤君は、将来の夢はプログラマーで、高校では情報処理部に所属しており、ちょっとおっちょこちょいな一面もあると自己紹介。「基本情報技術者試験」を取るためにシステムの作り方や考え方を学んだと話している。

本作品は、制限時間内にどれだけスコアを集められるかを競うアクションゲームとなっており、プレイヤーに何回も遊んでもらうため、リピート性の高いゲーム性を考えたとのこと。

ゲーム内でスコアを稼ぐためには「探索してお宝集め」「敵を倒して宝石を奪う」といった2種類の遊び方ができ、ミニマップにはステージ全体が表示され、さまざまなエリアに興味が湧くようなオブジェクトが多数用意されているとのこと。

また、会場に用意した試遊用のビルドにはバグが残っており、本来は行けない場所にも入れてしまい、貴重なアイテムも置いてあるので、ぜひ試遊してそれをゲットして欲しいと、会場の笑いを誘っていた。

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[su_accordion][su_spoiler title=”『Imaginary World』 開発者:藤澤秀彦(芝浦工業大学附属高等学校)” open=”no” style=”fancy” icon=”plus” anchor=”” class=””]

『Imaginary World』

チーム名:Hidetyo’s App
開発者:藤澤秀彦(芝浦工業大学附属高等学校)

開発を手がけた藤澤君は、小学6年生のときにUnityでゲーム制作をはじめ、これまでたくさんの作品を仕上げてきたことを冒頭で話す。

本作品は、謎の世界で目を覚ました自分の名前がわからない少女と、謎のぬいぐるみが協力して世界の謎を解いていくオープンワールドゲーム。これまで作ってきた作品とは規模が違い、プレゼン時の開発状況は約15%程度とのこと。

本作のテーマは「空気を描く」ことで、昼間・夜・雨などの天気の変化によって環境に合ったエフェクトを演出。風景では画面の中心に遠景、手前に近景を表現することによって、プレイヤーが目的意識をしっかり持てるようなデザインを心がけたようだ。

また、シーンによって自然音と環境音を分けて制作し、音が再生される場所の設定を工夫し、臨場感と没入感を実現している。

ゲーム内のモブキャラに関しては、昼夜の行動の違いを細かく設定、さらに「焚き火が雨によって消える」など、状況によって変化する風景にもこだわっている。

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[su_accordion][su_spoiler title=”『Overturn』 開発者:松田活(函館ラ・サール高等学校)” open=”no” style=”fancy” icon=”plus” anchor=”” class=””]

『Overturn』

開発者:松田活(函館ラ・サール高等学校)

本作品を手がけた松田君は、現在高校2年生で普段はUnityでモバイルアプリを開発したり、競技プログラミングに参加しているとのこと。

今回の作品はモバイル対応のパズルゲームで、シンプルなブロックを組み合わせたステージで、プレイヤーを動かしてゴールへ導くルールとなっている。

既存のパズルゲームに多い、プレイヤーを上下左右に動かすのではなく、本作では動き方が異なり、マス目に正三角形がくっつき、回転して壁に沿うような動きをするのが特長。

ステージ上のブロックの特性について、茶色のブロックは固定されて動かず、灰色のブロックは押して平行移動や回転させることが可能。

ゴールの条件は、青い丸の地点で静止することが必要で、簡単にゴールできそうなステージでもゴール地点にピッタリと止まらなければダメ。氷のようにすべるブロックも存在する。シンプルな見た目とは裏腹に考える要素も多いパズルとなっている。

ステージのシーン遷移の際にブロックが動くアニメーションを導入し、物理エンジンなどは一切使っておらず、自作のプログラムでそれらしい動きを再現。今後はゲームタイトルにある「Overturn(ひっくり返る)」という意味と同じく、ステージが反転する、ブロックに触れると反転するなどギミックを実装予定とのこと。

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[su_accordion][su_spoiler title=”『浮遊大陸』 開発者:髙橋勇輝/岡野日翔/香田駿/本間崚太郎(山形県立米沢興譲館高等学校)” open=”no” style=”fancy” icon=”plus” anchor=”” class=””]

『浮遊大陸』

チーム名:戦場に咲く一輪の草
開発者:髙橋勇輝、岡野日翔、香田駿、本間崚太郎(山形県立米沢興譲館高等学校)

4名のチームで制作された本作品は、部活でC言語プログラミングを学習し、さらなるゲーム制作による技術の向上を図るために開発したとのこと。DxlibとC++を用いて制作されている。

ゲームジャンルは2Dアクションゲームで、想定プレイ時間は約15分、空に浮かぶ大陸が舞台となっており、空中に生成された敵が大陸を破壊する中、それをかわしながら生き残ることが目的になっている。

「鉱石回収システム」は、4種類の武器を使うためにそれぞれに対応した鉱石が必要となり、敵が大陸を破壊した際に露出したものを回収。ステージの後半になると強い鉱石が取れるように。

敵を倒すと入手できるコインは道具屋で「HP1000回復」「攻撃力2倍」などバフ効果を購入することが可能。このシステムのおかげで、生き残るだけでなく敵を倒す目的にもつながっている。

マウスの右クリック長押しで照準を合わせ、左クリックで攻撃。正確な攻撃にはプレイヤースキルが求められる。

プレイヤーの武器は近接武器・ナイフ・ランス・大剣の4種類、ダメージ量と攻撃範囲がそれぞれ異なっており、状況に応じて使い分けることが必要になる。また、プレイするたびにマップの構成が変わるランダムマッピングシステムも導入。

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[su_accordion][su_spoiler title=”『shotlix』 開発者:鎌谷天馬/池田逸水/改野由尚(N高等学校)” open=”no” style=”fancy” icon=”plus” anchor=”” class=””]

『shotlix』

チーム名:shotlix
開発者:鎌谷天馬、池田逸水、改野由尚(N高等学校)

本作品は、邪魔してくるブロックを銃弾で消したり、回避しながら散らばっている数字を集めてハイスコアを狙うシューティングゲーム。

自機はオートで進み、十字キーで進行方向を操作して数値を拾っていく。途中の邪魔ブロック(数秒に一回縦または横一列に登場する)は銃弾を発射して突破する。邪魔ブロックに当たるか、枠外に出てしまうとゲームオーバー。ステージ上には、縦断補充や獲得点数が2倍になるアイテムなどが出現する。

十字キーとスペースキーだけの簡単な操作、シンプルでありながら奥が深いプレイが魅力となっている。ログインが必要ないランキング機能やSNS共有機能も搭載。

制作には、ライブラリに「phina.js」「jQuery」、サーバサイドに「Node.js(Express)」を使用。Unityを採用しなかったのは、限りある時間の中で、エフェクト作成に時間を割かれてシステム自体がおろそかになる恐れがあったため。

また、対戦機能を実装する予定だったが、通信にラグが出てしまい、予選大会までには間に合わなかったとのこと。

息抜きにプレイできるように、UIはフラットデザインにパステルカラーを用いてオシャレで親しみやすいデザインを実現、また事前にテストプレイを多くの人にしてもらい、そのフィードバックを元に改善を繰り返している。

今後の展望は、モバイル端末のサイズに応じて、ステージの幅や高さ、グリッド数を変える予定。対戦モードの追加も考えているとのこと。

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[su_accordion][su_spoiler title=”『Flick Drop』 開発者:大西海人(大阪電気通信大学高等学校)” open=”no” style=”fancy” icon=”plus” anchor=”” class=””]

『Flick Drop』

開発者:大西海人(大阪電気通信大学高等学校)

この作品を担当した大西君は、『Treasure Hunting』を制作した堤君と同じ高校で同じ部活の同級生とのこと。

本作品はスマホ対応のパズルゲームで、四方向のフリック操作のみに限定し、誤動作の可能性をなくしている。

ルールは「同じ色のブロックを4つ揃えると消える」「灰色のブロックは周囲のブロックを消すと消える」「ブロックを消すと出現するはずだったお邪魔ブロックを消せる」という3つとなる。

特長として、フリック操作で感覚的にブロックを操作して、爽快な連鎖を楽しむことができ、ちょっとした空き時間に手軽に遊べること。ランキング機能や難易度選択も実装。

今回の制作で大西君が感じたのはグラフィックの改善について。「プログラムが書けても絵は描けないこと」を痛感したとのこと。そして1人で1つのゲームを作ることは本当に大変で、データが飛んだり、致命的なバグで一から作り直しになったときは、床に突っ伏して、悲しさと悔しさが入り混じったよくわからない感情のまま、笑い泣きをしていたとのことだ。

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[su_accordion][su_spoiler title=”『手裏剣Jump』 開発者:池上颯人(横浜市立美しが丘小学校)” open=”no” style=”fancy” icon=”plus” anchor=”” class=””]

『手裏剣Jump』

開発者:池上颯人(横浜市立美しが丘小学校)

池上君は、日本ゲーム大賞2018「U18部門」で銀賞を受賞した小学生のクリエイター。去年よりもっと面白いゲームを作るために動きや仕掛けが楽しい忍者アクションゲームを作り始めたと話す。

まず、敵を凍らせながら進む「氷結の術」や、手裏剣の間を進んでいく「手裏剣ジャンプ」などの仕掛けを考えていき、締切一ヶ月半前に完成した!と思いきや、ゲームを面白くするいちばん大事な動きがないことに気が付いたとのこと。

忍者といえば「手裏剣」、それに身軽なジャンプを組み合わせたアイデアで、相手に手裏剣を当てて倒し、跳ね返ってきた手裏剣でジャンプすることを実装。

手裏剣を投げると「当てた敵を倒す」「跳ね返った手裏剣に当たるとジャンプ」「アイテムを取って発動」ができる。

ゲームの魅力は、手裏剣を当てて敵を倒しながらジャンプする新しい操作感、英語と日本語のチグハグなやりとりが展開する笑えるシナリオ、ステージに登場する多彩な仕掛けの3つ。

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[su_accordion][su_spoiler title=”『朝を知らぬ星』 開発者:梅村時空(N高等学校)” open=”no” style=”fancy” icon=”plus” anchor=”” class=””]

『朝を知らぬ星』

開発者:梅村時空(N高等学校)

梅村君は小学生の頃からプログラミングをはじめ、Unityインターハイ2018で審査員特別賞を受賞した経歴を持つ。

このゲームを作ったきっかけは、友達と一緒に遊べるゲームを作りたいと考え、協力プレイ対応の3Dアクションゲームが遊びたいと思ったからとのこと。

本作品の世界観は「太陽が昇らなくなった世界」で、地上にはバケモノが徘徊し、主人公は地下鉄の駅を拠点として戦う。バトルの難易度は高めに設定。

難易度と爽快感のバランスを考え、ジャスト回避でチャンスを作って一気に攻める「静と動の対比」を大切にしている。画面分割と役割分担ができるマルチプレイも検討中。

キャラクターの造形はブレンダーを使ってリアル調に制作、電柱やガードレールなどオブジェクトはほぼ自作して空気感を演出。

作業効率の上げるために、Unityのタイムラインで技の調整をしており、今後はネットワークマルチプレイ、きせかえのシステムなどを実装予定。

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[su_accordion][su_spoiler title=”『ふにゃごん』 開発者:宮崎章太/西岡明矢斗(神戸市立科学技術高等学校)” open=”no” style=”fancy” icon=”plus” anchor=”” class=””]

『ふにゃごん』

チーム名:ふにゃごん制作委員会
開発者:宮崎章太、西岡明矢斗(神戸市立科学技術高等学校)

本作品は独特の操作性を持つ、ふにゃっとした怪獣「ふにゃごん」を操作する巨大化3Dアクションゲーム。

操作はスティックのみ、右で左足、左で右足が動き、左右交互に動かすことで移動できる。上で火炎放射、下で吸い込み行動。操作に慣れると楽しくなるような感覚を実現している。

広い街のステージでは、建物を壊したり、火炎で燃やして進んでいき、設置されている銅像を吸い込めばクリアになる。しかし銅像を含めて自分より背の高い物体は吸い込めないため、自分より小さいオブジェクトを吸いながらふにゃごんを大きくしていく必要がある。

高いオブジェクトをシッポで倒して吸ったり、障害物を燃やして進むことも可能。隠されたトレジャーアイテムも存在する。

また、ふにゃごんにはアニメーションではなく、ラグドール物理を採用。各関節にジョイントを作りパーツをつなげ、パラメータを調整することでバネのような効果を与えている。

この手法だと、ふにゃごんが巨大化するとジョイントのバランスが崩れて、まともに動かなくなる問題が発生。解決法としてステージを小さくするとともに、質量も変化させることを考えたとのこと。

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[su_accordion][su_spoiler title=”『KAISENDOOOON!!!』 開発者:田染颯野/水上嵩大(ヒューマンキャンパス高等学校)” open=”no” style=”fancy” icon=”plus” anchor=”” class=””]

『KAISENDOOOON!!!』

チーム名:バーチャルSUSHI↓
開発者:田染颯野、水上嵩大(ヒューマンキャンパス高等学校)

本作品は、産地直送の釣りゲームで、コンセプトは「狙って、釣って、盛り付けて」。このゲームは、小さい頃海鮮丼に好きな具を思う存分乗せることができなかった、悔しい思いをした人に向けて作ったとのこと。

魚をタイミングよくアワセ、タップして釣り上げ、そのまま上にフリックして丼に盛り付ける。魚影である程度の魚種を判断でき、マグロやサーモン、潜水艦なども釣れる(ここで会場では笑いが起きた)。

盛り付け時には、魚は自動的に切り身に変わり、制限時間内にどれだけ乗せられるかがポイントになる。完成した丼は視点変更で観察することが可能。

釣った魚を飛ばす表現や、フィジカルベースのテクスチャを使用して、魚のオブジェクトをリアルに再現、魚の質感や鮮度にもこだわっているとのこと。

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決勝大会進出は7作品に決定!

すべてのプレゼン終了後、厳正なる審査が実施されました。激論を繰り広げた結果、当選枠が1つ増えて7作品に変更されたことが時田氏よりアナウンスされ、会場はざわめきに包まれました。決勝大会進出作品は以下に決定!

『朝を知らぬ星』
選考理由:アクションゲームの基礎の部分を理解しているクリエイターが作っていると感じ、プレゼンでも、この先の展開も期待できると思われたので選考しました。

『KAISENDOOOON!!!』
選考理由:コンセプトがわかりやすく、シンプルなゲームシステムは審査員にも刺激になる作品でした。今後は釣りの楽しさを追求し、魚種のバリエーションを増やしてほしいですね。ちなみに、本作品を手がけた水上嵩大君は、前大会で落選して悔し泣きした選手なんです。

『Overturn』
選考理由:非常にシンプルなゲームシステムですが、細かい演出部分など完成度も高かったです。また、ひとつの作品を作り切ること、手を抜かずに完成させる気持ち、さらに先を目指す姿勢を感じました。

『ふにゃごん』
選考理由:一番目を引いたのが独特の操作性で、難しいと思いつつ慣れてくると楽しくなる操作感は、ゲームを楽しむ根幹の部分であり、それを上手に表現できていた作品でした。

『幽体離脱』
選考理由:「幽体離脱」を採用したテーマ性が素晴らしかったです。幽体離脱の仕組みをどうにか伝えたいという試行錯誤と、ゲームプレイ時のユーザーのことを考慮する、導入方法も好感を持てました。

『手裏剣Jump』
選考理由:去年に比べてゲーム内容だけでなく、プレゼンもパワーアップしています。アクションゲームの仕組みのコア部分も面白いので、ステージだけでなく敵もギミックのひとつとして調整するともっと面白くなると思います。

『shotlix』
選考理由:試遊の段階で完成度がとても高く、チームで力をあわせて考え、きちんと完成した作品をユーザーに届けることを見据えて作っていることが、決め手となりました。

バンダイナムコスタジオ 斎藤直宏氏バンダイナムコスタジオ「斎藤直宏」氏

最後に閉会の挨拶として、CESA人材育成部会 副部会長 バンダイナムコスタジオ「斎藤直宏」氏より、本大会が、若い人にゲーム作りのチャンスを与える場になることを目指すだけではなく、出場者の「自分が作りたい、遊びたいゲームを作る姿勢」や「これまでに見たことないアイデア」を目の当たりにして、会場のプロのクリエイターが刺激を受けていることが嬉しいと話しました。

イベント後インタビュー

今回の審査員に抜擢されたDeNAプロデューサー山口誠に、今回のイベントの感想などを直撃インタビューしてきました。山口は、2018年および2019年の2年連続で審査を担当しています。

――審査お疲れ様でした。今回のイベント、審査を終えて率直な感想を教えてください。

お疲れ様でした! 今年の応募作品は、去年と比べて完成度が高いことが印象的でした。やりこみ要素やリプレイ性も含めて、実際に手に取ってプレイしたくなる作品が多かったですね。

プレゼンに関しては、みなさん上手だと感心しました。国内では、海外のイベントのようにプレゼンの文化が浸透しているわけではないのに、自分の伝えたいことを、高いクオリティできちんと発表できているのは驚きでした。

――まだ会社などで経験してないはずなのに、すごいですよね。

そうですよね。企業で普通のプレゼンとして、十分通用するレベルだと思いましたよ。

――このような次世代の若いゲームクリエイターを育てるイベントに関して、どう感じていますか?

まず、このようなチャレンジをする場所があるのは貴重だと感じています。ゲーム作りを目指している若いクリエイターに向けた「賞レース」というゲームのような目標となっているので、燃えることができる条件は揃っていると思います。

一方で、これから開催が続いていく中で、厳選された作品ばかりがフューチャーされてしまうことが、今後の課題になりそうだと懸念しています。

予選大会を知らない人が優秀作品だけを見て「自分の作品だと太刀打ちできない」と感じてしまわないように、メディアを通じて幅の広い作品がたくさん応募されていることを伝えてあげてほしいです。参加への敷居は本当に低いので、未完成の作品でも予選大会を突破できる可能性は大いにあるんですよ。

――確かに荒削りだけど「こんなゲームを作りたい!」という熱量は感じましたね。

例を挙げると、決勝大会に進出した『KAISENDOOOON!!!』に関して、審査員の中でも残したいという声が多かったんです。いわゆるネタ枠に捉えられがちな作品なんですが、ゲームって、一見ふざけたような発想からできることもありますし、後からコンセプトを磨いていけば面白いゲームになり得ます。とにかく気軽に考えて、まずはトライできる環境になればいいな、と思います。

決勝大会進出が決まって、思わず喜びハイタッチする『KAISENDOOOON!!!』開発者の田染颯野君と水上嵩大君

――参加者たちとは、どのような交流をしましたか?

自分たちが同じ年齢のときに比べて、意識が高いのがビックリしました。イベントの現場で大人と話すことって緊張して気後れしがちですが、ちゃんと会話をしながら自分をアピールする姿勢はすごいですね。

控室で登壇を待つ参加メンバーたち。とにかく楽しそうで、緊張している様子はありませんでした。

――プレゼン後の質疑応答もしっかり受け答えしていましたね。

ええ。みなさんクリエイターとして、作りたいものを作る、という気概を強く持っているので、思いがブレずに言葉に現れるのかな、と感じました。

――参加した若いクリエイターや会場の様子、作品を見てどう感じましたか?

ゲーム業界の人は、時間があればぜひ足を運んでほしいですね。現在活躍しているプロのクリエイターは大きな視野を持ちながら、ゲームそのものを事業・サービス、商品として扱わなければならず、思考が「大人っぽく」なりがちです。

ですが、純粋な楽しみをゲームで表現する幅に限界はないので、ちょっと脱線したアイデアや、くだらない企画もどんどん形にするような純粋な「面白い」を追求するゲーム作りに触れられる良い機会であることが、参加者や会場を見て改めて感じられると思います。

去年と今年の応募作品が誰でもプレイできる試遊コーナーが設置され、大盛況!

また、技術面を含めて今回の大会はレベルが高いので、後ろから新しい風に追いかけられるような経験もしてほしいな、と思いました。僕も偉そうに審査員していますが、自分が同じ歳でゲームを作れと言われたら、なかなか難しいと思いますよ(笑)。

そう考えると、今回参加している若いクリエイターは若いけどすでに頼もしいので、現在バリバリ働いているクリエイターも、お互いに切磋琢磨できることに気付くはずです。

――制作だけでなくマネジメントの役割を組み込んでいるチームもいましたね。

実は、そのチームメンバーと話をしたんですが、学校では起業部に所属しており、部活動で学んだマネジメント関連のエッセンスも開発に取り入れているらしいんです。

プロの開発チームに必ずマネジメント担当者がいるのと同じく、完成までどう作るのか、スケジュール感を含めてきちんとチームで考え、構築できるチームが出現してきたのは、驚きですね。

――この年齢でマネジメントまでできるなんて驚異ですよね。

そうですね! もし、昔ながらの感覚値だけで開発する古いチームに彼らが参画したら、そもそものチームビルドの方法や完成予定の目標について、質問の嵐になると思いますよ(笑)。特に彼らのチームではきちんと「捨てる」という工程を踏んでいるのが、興味深かったポイントです。

少人数で開発していると、やりたいことをどんどん追加してしまい、仕様が複雑になることが多いのですが、(本作品を作る上で)彼らはUnityは使わないという「捨てる」選択をしました。良いところを活かし、できない部分はバッサリと捨てることは、チームビルドが完成している証拠ですし、そこに感銘を受けました。

――最終的に決勝大会の枠が1チーム分追加になりましたが、審査はかなり大変でした?

そうですね。今回は審査チーム内で、審査点を基準としたときに、点数にへだたりがあった大きい議論がありました。最終的にゲームの分類や目指すべきコンセプトを考え、7作品に決定しました。

5作品に絞ってしまうと、方向性の選択肢が少なくなり「こんなゲームを作ってもいいんだ」といったU18部門が目指すメッセージングに偏りが出てしまいます。「応募するにはちゃんとしたゲームを作らなければいけない」という先入観を持たれないようにしたいんです。

――予選大会の作品の中で個人的に気になったものは?

やはり、去年銀賞を受賞した池上颯人くんの『手裏剣Jump』ですね。彼の独特のセンスや特長がゲームに現れていて、すでに作家性を持っているのもスゴイですね。今年もアクションゲームを作っていますし、ボクセルで表現したモデリングや、アクションとしての面白さにフォーカスしている、彼らしいカラーに惹かれますね。ホント、末恐ろしいですよ(笑)。

選出を喜びながら「決勝大会までにもっと頑張ってゲームを完成させます」と力強く話す池上颯人君

――DeNAとして、このような取り組みに今後どのように関わっていきたいと思いますか?

私は社内で新卒採用と育成に関わったり、業界の若い人にどうやってゲームの作り方を広めるか、チャレンジを続けています。ゲーム制作に自発的に興味を持てる場所とタイミングを、我々から提供していくことが大きな目標です。

タイミングを与える時期については、年齢的にできれば早いほうが良いと考えています。

高校より前にゲームクリエイターを職業と考えるきっかけがあれば、専門学校やゲーム作りを教えている大学などを選ぶ機会がありますし、いかに若いうちにゲーム開発者になる方法をアプローチできるかが、次のクリエイターを増やすカギになると考えています。

以前、新卒社員にヒアリングしたところ、インターンなどの時期でようやく「ゲームプランナーっておもしろそう」と気づき、そこから勉強を始めたと話していました。インターンからの成長を見ていると、もっと早い時期から勉強していたらどうなったんだろう?と思うことがあります。ですので、18歳以下の時期にゲーム作りに接点を持てるイベントがあるのは、とても有効だと思っています。

――U18部門で学んだこと、気づいたことを社内のチームにどうフィードバックしていきますか?

まずは、予選大会を終えて決勝大会が東京ゲームショウで開催されることに、社内の人間にも興味を持ってもらい、観戦してもらえるようにしたいですね。

――将来、自分の子供がゲームクリエイターを目指したらどう感じますか?

それこそ、まずはU18部門を目指してゲームを作ってほしいですね!

――それでは最後に、会場に来れなかった人に一言。

決勝大会や来年の予選大会では、ぜひ会場に足を運んで、プレゼンを見たり、試遊したりして会場の空気を感じて、若いクリエイターの勢いを感じてほしいですね。

――ありがとうございました。

取材・文・撮影:細谷亮介

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GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

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DeNAのビジネスプロデューサーは信念と熱量で勝負! ブラウザゲームの開発経験が活きる理由とは

『逆転オセロニア』とマクドナルド様のコラボレーションなど、数々の新しい驚きと楽しさを生み出したビジネスプロデューサー大沼諒昌。誰もが驚くような組み合わせで、新たなエンタメを生み出すビジネスプロデューサーの仕事とは、一体どのようなものなのでしょうか。GeNOM編集部が紐解いていきます。

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大沼 諒昌 | Ryosuke Onuma

2012年DeNA新卒入社。ブラウザゲームのプランナーからスタートし、大型IPタイトルのプロデューサーなどを経て、『逆転オセロニア』のビジネスプロデューサーに就任。数々の大手企業とのコラボレーションを手がけてきた豊富な実績を持つ。現在はeスポーツ事業に従事。特技はマジック。[/su_note]

ビジネスプロデューサーとは

――「ビジネスプロデューサー」という職能は業界の中でも珍しいと思います。まずはビジネスプロデューサーの役割を教えてください。

一言で分かりやすくお伝えすると、ゲーム内のイベントやリアルイベントで、異業種の企業様との「コラボ」や「イベント」を企画し、実現させていく仕事です。

具体的な流れとしては、まずは企画全体の青写真を描いて、社内外のステークホルダーに相談し始めます。そこから、プレイヤーの体験や関係者のメリットを考えつつ、周囲のメンバーを熱量高く巻き込んでいき、あらゆる課題を乗り越えながら企画を実現する。これが私の考えるビジネスプロデューサー像です。

そのため、常日頃からゲームと企業、企業と企業、ゲームとサービスなど「何と何を結びつけて、どんなものを生み、どんな人に向けて提供すると面白いか? 」など妄想をしたりもしています。

――仕事を進める上で、特に大変だと思うことは何ですか? 

ビジネスプロデューサーの仕事は、コラボによって誰も見たことがない価値(=楽しさ)を生み出すことで、それによってプレイヤーや関係各社が喜んでくれることを目指しています。

常に未知の企画を生み出していくことになるので、実現に向けての進め方など一切正解はありません。それに加えて、企画から実現まで思ったように進むこともありません。前例のないことばかりなので、どこで何が起きるのか分からず、いつも大変ですね(笑)。

でも、そういう状況の中でも、前のめりに「これが実現したい! 」という情熱を絶やさないことを大事にしています。実現することが目的ではないですが、やったほうが良いと考えた以上は、ピンチをチャンスに切り替えながら、実現してしまうような情熱的な人が、ビジネスプロデューサーに向いているタイプかもしれませんね。

――企画力も大事ですが、さらにそれを実現させていく「情熱」も大事なのですね。

はい。さらに実現に向けては、その情熱とともに、事業としていかに成功させるかというビジネス的なジャッジもしていきます。数々の意思決定をする必要もありますし、このあたりは世界観や理想の体験を描いて企画を実現させていく、過去のブラウザゲームのプロデューサー経験が活きていると思います。

コラボ企画実現の舞台裏

――『逆転オセロニア』3周年(2019年2月)で開催されたマクドナルド様とのコラボは印象深い企画でした。このときの立案のきっかけや、印象に残っている出来事を教えてください。

2018年に開催した2周年のときにもマクドナルドさんとはコラボさせていただいていて、今回のコラボのキッカケは、そのときにさかのぼります。

当時、いろいろな経緯から是非マクドナルドさんとコラボさせていただきたい、と思うに至った際、まだまだ『逆転オセロニア』(以下、オセロニア)は日本で一番プレイされているゲームとは言えないため、先方にとって『オセロニア』と組むメリットを提供できます! と、胸を張って言える企画を設計するのに苦労しました。

そこで着目したのが、『オセロニア』は、リアルイベントに家族連れでも安心して遊べたり、対戦で負けた人も笑顔で帰れるようなアットホームな雰囲気が支持されている点。そのほか、友達と一緒に対戦したり、情報交換したりできるゲーム性も相まって、私個人としてもマクドナルドで集まって『オセロニア』で遊ぶ、といったイメージが持ちやすかったんです。

2019年2月2日に開催された3周年記念リアルイベント「オセロニアンの祭典」の様子

そこで、目指しているコンセプトやアプリのダウンロード数だけでなく「マクドナルドさんと一緒に夢を描きたい」とご相談させていただいたところ、先方の担当者様が尽力してくださったのもあって、コラボが実現できました。その過程には、実にいろいろなドラマがあったのですが、最終的には大きな成功になったと思います。

そして今回は3周年ということで、マクドナルドさんともう一度コラボしたいとご相談させていただいたところ、すぐにご担当者様と顔を突き合わせて、企画を詰める機会をいただけました。

――なるほど、昨年の実績が今年の実現につながったのですね。コラボイベントを企画する際に、何かコツはあるのでしょうか? 

まずは、ペルソナ(人物像)やユーザー体験を徹底的に細部まで想像・設計することです。

2周年の時のコラボ企画の話になりますが、そのときは「俺たちオセロニア部」というコンセプトをまず決めました。クラスで仲の良いグループの中で一人『オセロニア』をやっている男子高校生を想像してペルソナに設定したんです。ピンポイントですよね(笑)。

その男子高校生は普段から「みんなも『オセロニア』やってほしいな」と思っていて、以前『オセロニア』に誘ったものの友達はダウンロードしてちょっと遊んだだけで離脱してしまった、という状態なんです。

独自コンテンツや限定キャラクターが登場した、3周年コラボ時のゲーム内画面

そんな中、実施したコラボを利用して「今プレイしたらセットが割引になるって! もっと遊ぶとハンバーガーが無料でもらえるぞ! 」みたいな、友達を再度誘うきっかけになるようなネタをたくさん提供しようと考えました。あわせて、有名YouTuberが出演するCMを見て「もしかして昨日CMでやってたアレ? 」みたいに話題にもなりやすいかな、と考えました。

そんな風に誘われた友達が、実際にゲームをやってもストレスなくランクを上げたり、所持していないキャラクターもお試しで使える強いデッキで遊べるように、まずはゲームをサクサク楽しんでもらうような施策も組み込んでいったんです。

実は悩んでいた新卒時代

――企業コラボなど、新たな企画を生み出すことに苦労されていた経緯もありますが、全体的には順調にキャリアを積まれている印象があります。

いえいえ、そんなことはありません。2012年に新卒入社して、1年目は新規のブラウザゲームの開発プランナーになりましたが、恥ずかしながらノーバリューでそのプロジェクトを卒業しました。当時は、毎日大量のインプットを受けて、わかっているつもりだけどわかってない! みたいな未熟者でした。今でこそ笑い話ですが、当時はとても悔しかったのを覚えてます(笑)。

その後、2年目以降はいくつかのブラウザゲームプランナーを担当しました。運用プロジェクトに途中から参加する際には、そこでは意見を言い合いつつ、信頼関係を築きながらタイトルに貢献していくことを学びました。

それから入社6年目くらいまで、ブラウザゲームの大型IPタイトルにプロデューサーとして関わらせていただき、仲間の支援も盛大に受けながらではありますが、このタイトルを好調に運用できたことは、現在の自信にもつながっています。

悩んで、そして徹底的に考え抜く

――時期が前後しますが、ビジネスプロデューサーに転身したきっかけを教えてください。

若手の時期に他のプロジェクトで、現在『オセロニア』のプロデューサーのけいじぇいさん(※1)に本当にお世話になったんです。その恩返しの意味でも、彼を日本一のプロデューサーにしたいと思い、社内で募集がかかったタイミングで立候補しました。

※1…『逆転オセロニア』プロデューサー香城の愛称

――ビジネスプロデューサーになった当初は、どんな状況でしたか?

最初は「ビジネスプロデューサーの存在価値って、一体なんなんだ……」って悩んでいた時期があり、正直苦しかったのを覚えています。まわりがバリバリ仕事をこなしている中、2週間くらい進捗せず、アイデア用のノート1ページも埋まらず、何も思いつかない時期もありました。アウトプットに何が必要なのかも理解できず、一週間、ずっとゲームの動画だけを見て過ごすこともありました。

――かなり悩んだ時期があったんですね。そこからどのように気持ちを切り替えていったのでしょうか?

まずは基本に立ち戻り、『オセロニア』のプレイヤーをもっと楽しませることは何だろう、と徹底的に考えるようになりました。そのためにもプレイヤー目線に近づくため、リアルイベントも全部参加して会場でプレイヤーの熱量を肌で感じたり、ゲームもすごい勢いでプレイしたんです。はじめて最高クラスに到達できたときは、とても嬉しかったですね(笑)。

――そんな経験を通じて、先ほどのマクドナルド様との企画のように、他のプレイヤーと交流するようなイベントを実施してみようと思ったんですね。

そうですね。最終的に「もっとプレイヤーが熱狂するためには、こんなイベントが良いかもしれない」とある程度、自分のアイデアに自信を持ち始めたのが半年後くらいで、実際に開催までこぎつけたのは、さらにその半年後くらいでしたね。

ブラウザ時代の経験が、今に繋がっている

――冒頭でも少し触れていただきましたが、ブラウザゲームのプロデューサー経験はどのように活きているのでしょうか?

ブラウザゲームの魅力って、他のプレイヤーと交流するソーシャル性にあると思います。今流行っているSNSや動画配信サービスなども、すべて「人」と関係しているコンテンツですよね。

ですので、「プレイヤー同士」や「来場者同士」など、いろいろな人の組み合わせにプラスして「これを組み合わせたら、もっと盛り上がる!」と考える設計方法に、過去のブラウザゲーム開発時代に経験した「コミュニティを活性化させる」という手法が活きていると思います。

ブラウザゲームのプロデューサーは、コミュニティの形成が得意な部分が一番の武器でもありますし、その点は『オセロニア』もリアルイベントなどコミュニティを重視しているタイトルなので、親和性はとても高かったですね。

また、IPを利用したタイトルを担当していたとき、版元様がいかにそのIPを大切に扱っているかを学んだ経験は、現在の自分の下地になっています。

――開発チームとのコミュニケーションにも活きていそうですね。

そうですね! 自分が企画した施策については、社内の各セクションに作業をお願いする立場でもあるので、説明責任が常に問われます。その点においても、デザイナーやエンジニアなど開発側の目線や心情もわかっているので、相手の立場に立って施策の説明をしたり、具体的な実装の相談に乗れたりしているかなと思います。

業界での活躍の場は確実に増えている

――ブラウザゲームのプロデューサー経験もそうですが、いろいろな開発チームの中で磨き上げられてきた大沼さんのコミュニケーション能力が、ビジネスプロデューサーにも活きているように感じます。

そうですね、ビジネスプロデューサーになれる人って、ちょっと調子乗ってるような人が合っているかも知れません(笑)。冒頭でお話したこととちょっと重複しますが、「このゲームを自分が支えてやる! 」みたいに、熱量が高く、やりたいことに溢れている人のほうがいいですし、市場的にもそんな気概を持った人は貴重な存在だと思いますよ。

ただ私の場合、この仕事においてゲームプロデューサーなどの経験が役立ちましたが、「IPの取扱いには自信がある」「渉外活動なら負けない」という違った強みがある方でも、チャレンジし甲斐のある仕事だと思っています。自分の道は自分で切り拓いていく、という気概のある方でしたらチャレンジいただきたいと思っています。


 

以上、まったく新しい驚きを生み出す使命を持った、DeNAのビジネスプロデューサー大沼のインタビューでした。

これからも、強い信念とコミュニケーション能力の高さ、何より人と人の関係性が大好きな「人柄の良さ」を存分に活かして、世の中にはまだないような、ワクワクする化学反応を起こしてくれると期待しています。

インタビュー・執筆:細谷亮介
編集:佐藤剛史/細谷亮介
撮影:佐藤剛史

※この記事は2019年3月時点の情報です。

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GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

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『キン肉マン マッスルショット』4周年運用うら話〜初代&二代目が語る! 幾多のピンチはこうして乗り越えた〜

『キン肉マン マッスルショット』は、超人同士のリアルタイム協力バトルが楽しめるアクションRPGとして2015年3月にリリースされ、今年で4周年を迎えました。今回、初代プロデューサー小林、初代ディレクター黒住、二代目プロデューサー高橋、二代目ディレクター谷口に、タイトルリリース後から現在に至るまでの運用うら話など、これまでの4年間の軌跡を振り返ってもらいました。

歴代プロデューサー、ディレクターにインタビュー

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Profile

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小林 繁議|株式会社ディー・エヌ・エー
初代プロデューサー。2006年にDeNA入社。入社後はモバゲー、モバオクを経てゲーム事業部へ。現在は新規タイトルのプロデューサーとして奮闘中。
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[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

黒住 豊|株式会社ディー・エヌ・エー
初代ディレクター。家庭用ゲーム機向けの開発会社、スタートアップでのアプリ開発を経て2013年にDeNA入社。『キン肉マン マッスルショット』にはタイトルリリースの2ヶ月後にジョイン。[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

髙橋 翔吾|株式会社ディー・エヌ・エー
二代目プロデューサー。ゲーム開発会社にて家庭用ゲーム機やモバイルゲーム開発に携わり、2011年にDeNA入社。『キン肉マン マッスルショット』にはタイトルリリースの1年半後にジョイン。社内では「ごりさん」と呼ばれている。[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

谷口 敢一|株式会社ディー・エヌ・エー
二代目ディレクター。ソーシャルゲームのエンジニアを経て、2016年にDeNA入社。自社タイトルのプランナーを経て、『キン肉マン マッスルショット』にはタイトルリリース後の3年目にジョイン。[/su_column][/su_row]

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1年目:CM放送を目指し、泥臭くもがいた苦戦の日々

―― 『キン肉マン マッスルショット』は2015年3月に正式リリースとなりましたが、改めて振り返ると1年目はどのような状況だったのでしょうか?

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小林(以下、しげさん):『キン肉マン マッスルショット』は、マーケティングやプロモーションをDeNAが担当し、開発と運営をカヤックさんが担当する座組みのタイトルとなります。

当時のDeNAにはアプリゲームの開発経験がまだまだ少なかったため、開発を外部のパートナー企業様に依頼させていただいてスタートしました。[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

黒住当時はDeNAとしても開発は手探りな状態だったため、リリースを優先し、そこからプレイヤーの声などを聞きながら改修を進めていきました。社内には、アプリゲームの運営ノウハウが今ほどなかったので「まずはやってみよう!」ということが多かったんです。[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

しげさんそのような理由で、最初の1年は私たちの運営の至らなさから、プレイヤーの皆さんにはご迷惑をおかけしたこともあったと思います。

そんな中でも、「CM放送をしたい」という目標をリリース前からチームみんなで持っており、CMを実現させるためにとにかくKPI達成を目指して改修を進めていきました。[/su_column][/su_row]

―― 具体的にはどのような不具合や課題があり、改修を進めていったのですか?

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しげさんゲームプレイの継続率が最初の大きな課題でした。一回遊んでくれたプレイヤーが、また次も遊ぼうと思っていただけなかったんですね。

ただ、その主な理由は「ゲームのローディング時間が長すぎること」だと感じていたので、その解消に向けてカヤックさんと一緒に、改善方法を話し合いながらシューティングしていきました。[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

黒住ローディング時間の問題以外にも、いろいろ試行錯誤の毎日でした。現在の『キン肉マン マッスルショット』はゲーム内コンテンツが充実していますが、当時はバトルのバリエーションも少なく、イベントのお知らせも十分にできていない、という状態でした。

そのため、プレイヤーにとっての「遊びやすさ」はまだまだ満足のいくものではありませんでした。お知らせの自動化やSNS運用フロー見直し、機能改善など細々と改善を続け、徐々にゲームを遊べる環境を改善していったことが、CM放送前までに手がけたことです。[/su_column][/su_row]

―― そのとき、DeNA側の人員はどれくらいだったのですか?

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しげさん当時は少数精鋭でしたね。DeNA側のタイトル運営チームは4人の固定メンバーでクイックに改善を進めていきました。人数が多くないのでやりやすかったと思います。

ゲーム内でこまめに定点アンケートも実施して、プレイヤーの声も聞きながら、どの部分が課題なのかも詰めていきました。分析の専門メンバーが参加したのは、だいぶ後でしたね。[/su_column][/su_row]

2年目:座組を超えた越境で、遂にCM実現

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しげさん1年目の後半から2年目にかけて、DeNAとカヤックさんの関係性に変化が出てきました。リリース当初は、DeNAはマーケティングやプロモーションを担当する座組みでしたので、ゲーム開発現場とは一定の距離がありました。

このあたりの体制を含めた課題は、カヤックさんも認識されていて、この頃からプレイヤーの満足度を最大化するためにはどうするか、座組みを超えて頻繁に話し合いを行うようになりました。[/su_column][/su_row]

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黒住私たちがカヤックさんに訪問して、バトルの企画を作ったり、キャラ設計の担当の方とMTGを繰り返し、その場で設計してもらったりしていました。それこそ、リリース直前まで調整を続けて、ギリギリまで粘って考えてましたね。

「もっとこうしたい!」と積極的に提案もしましたし、カヤックさんからも「こういう施策をやりましょう」とアイデアも出していただき、そこから落としどころを探っていきました。当時はこのようなやり方がメインだったと思います。[/su_column][/su_row]

―― 座組みにも変化が起こり、その中でKPIを達成できた。そしてリリース翌年にCMが放送されたんですよね。

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しげさんそうですね、リリース後からCM放送までのマイルストーンを半年スパンで設計し、そこに向けてのひとつひとつのKPIをクリアし、最終的には「この状態まで改善できれば、CM放送をやりましょう!」というプランを練って社内で承認を取りました。そしてリリース翌年のGWに無事に実現することができたんです。

そしてCM放送後は多くのキン肉マンファンに『キン肉マン マッスルショット』を知っていただき、そこからたくさんの方に楽しんでいただきました。また当初の継続率の課題も、改修を重ねてきたことで改善することができました。

このようにして、各KPIも順調にクリアすることができ、自分たちもとてもテンションが上がりました。この頃から、DeNA社内でも「あのタイトルは面白い!凄いらしいぞ!」と注目を集めた時期ですね!
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黒住ゲームに対してプレイヤーの評価も目に見えて上がるようになり、カヤックさんとさらに協力して開発に力を入れるようになりました。

この頃のプレイヤーからの評価を維持するためにも、機能の追加開発や改修、超人のリリースを加速させようと、カヤックさんには人員増加などの体制を変えていただきました。CM放送後は、このような体制づくりを積極的にやっていたことが多かったですね。[/su_column][/su_row]

―― 二代目プロデューサーである髙橋さんはその頃くらいにジョインしたんですよね?

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髙橋(以下、ごりさん):そうですね、リリースして1年半経った8月にジョインしました。当時はプロデューサーというポジションではなく、メインはプランナーだったのですが、実際には「何でも屋」でしたね。[/su_column][/su_row]

3年目:プロデューサー交代、そして大きな体制変更

―― 3年目に突入し、プロデューサー交代となりますが、その背景を教えてください。

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しげさんメンバーを入れ替えることで、組織をリフレッシュする必要はあると思います。あと私が今後も別の新規タイトルをゼロから生み出していく必要があったため、このタイミングで交代の判断をしました。

ごりさんはプロデューサー志向が強く、黒住さんはディレクター志向だったので、ごりさんに必然的にお任せした感じです。
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―― ごりさんはプロデューサーになってから、何か意気込みあったのでしょうか?

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ごりさん「全盛期は俺がつくる!」と強く思いましたね。ここでさらに押し上げていかないと、このチームに参加した意味がないな、と。
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しげさん当時の『キン肉マン マッスルショット』のダウンロード数は、ある時期から伸び悩み、新規プレイヤー数の拡大はひとつの課題でした。

CM放送も2回実施し、ゲームを楽しんでくれるプレイヤー層へのリーチは、一定のレベルに到達した感じがありました。その中で、3年目は1〜2年目とは違った課題も出てくるでしょうし、そんな中での交代でしたね。
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ごりさんでもそんなに大変さは感じなかったですよ。僕は外のチームからきたので、それまでの『キン肉マン マッスルショット』とは違った運営をしようと考えていました。これまでの経験をフルに発揮しようと!
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―― ごりさんの前職はゲーム開発会社だそうですが、そこでは何をやっていたのですか?

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ごりさんPCのFlashゲームや家庭用ゲーム機、アーケードからモバイルゲームのアプリなど、様々なプラットフォームに対応したゲームのプロデューサーやディレクター、プランナーを経験してきました。

前職では本当にいろんな経験をしていて、実はゲームの広報やマーケティングを担当していたこともあったんです(笑)。

そんな風に、開発部門だけではなく、ゲーム運営における仕事を一通り経験しているつもりなので、現在の『キン肉マン マッスルショット』には今までのノウハウが最大限活かせていると自負しています。[/su_column][/su_row]

―― オールラウンダーとして様々な経験を積んできたのですね! ちなみにプロデューサーに交代してこの時期は、どんな運営を心掛けていたのでしょうか?

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ごりさんとにかくプレイヤーにどうすれば喜んでもらえるか、を徹底的に考えて実行しました。惜しみなくサービスをプレイヤーに提供するためにも、カヤックさんにはこれまで以上に関係性を向上していこうと試みました。[/su_column][/su_row]

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谷口いろいろ踏み込みましたよね(笑)。[/su_column][/su_row]

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ごりさん2年目あたりで、カヤックさんとの距離を縮めていった話がありましたが、僕がプロデューサーになってからはさらに縮めていったと思います。いろいろゲームに対する要望なども話させていただきました。このあたりは前職でのコミュニケーション方法の経験が活きているのかもしれません。[/su_column][/su_row]

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谷口私もカヤックさんのオフィスがある鎌倉にもよく行って、何度も打ち合わせを重ね、どうやったらもっとプレイヤーに喜んでもらえるかを一緒に考えていきました。

自分たちも向こうに介入しますし、カヤックさんもこちら側のマーケティング施策にも意見を言ってくれます。開発の現場は、一緒に作っている感がすごくあって、雰囲気も良いですね。[/su_column][/su_row]

―― 2年目は泥臭く開発を進めていた話がありましたが、3年目の開発のやり方に工夫や体制に変化はありましたか?

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谷口はい、今は1年先のスケジュールまで、マイルストーンをしっかりと設計するようにしています。

運営が長引くとゲーム内のコンテンツも増えていきますし、運用コストだけでなく、新たにやるべきことも増えていきます。いつまでも同じやり方では通用しないので、人員も増えていく中で手法は常に工夫して変えています。[/su_column][/su_row]

―― だいぶ洗練されてきたイメージがありますね。DeNAの中でもチームの人数にどんな変化があったのでしょうか?

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ごりさん3年目を迎えてすごくメンバーが増えました。ディレクターやアシスタント、マーケター、アナリスト、コミュニティマネージャーなどが新たにチームに加わり、できることも一気に増えました。[/su_column][/su_row]

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谷口人が増えてきたので、社内の運営体制もそれに合わせてどんどん変えていきました。たとえば、一度に多くのメンバーのタスク状況やスケジュールを共有する仕組み(開発ツールの導入など)を取り入れたり、会議体も工夫して各メンバーに情報漏れがないようにするなど、社内のコミュニケーションは大事にしてきました。

さらに、前職でのエンジニア時代の経験を活かして、人力でやると手間がかかる作業を効率化するツールを自分で作ったりもしています。[/su_column][/su_row]

―― 3年目はプロデューサー交代や、人員増加とかいろいろあったのですね!

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ごりさんそうですね、リリース時からタイトルを支えてくれた黒住さんもこの頃に抜け、一方で谷口さんが二代目ディレクターとしてジョインしてもらうなど、チーム総とっかえみたいな感じでした(笑)[/su_column][/su_row]

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谷口確かにその時期は、DeNA側だけでなく、カヤックさんもメンバーの入れ替わりと人員増加がありましたね。

自分はDeNAに入社してすぐオリジナルタイトルのキャンペーンプランナーとして、イベント周りの企画を担当していました。ですが、さらにゲーム全体のディレクションにチャレンジしたいと思って、『キン肉マン マッスルショット』チームに異動してきた経緯があります。

そうやってチーム編成も変化していった3年目から、さらに新しい『キン肉マン マッスルショット』を作っていくフェーズに突入した感じです。
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4年目:コミュニティへの取り組み、そこで得られた手応え

プレイヤーに喜んでもらえるコトに全力投球!

―― 4年目を迎え、思い出に残っているエピソードはありますか?

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谷口3周年イベントで実施した「無料33連ガチャ」は思い出深いです。このようなガチャは今までにやったことないレベルでの大出血チャレンジでした。

さらにもっとプレイヤーに喜んでもらうため、★5超人が3体以上必ず出現し、さらにマッスルショット総選挙で輩出されたキャラの中から1体確定というおまけも付けました。[/su_column][/su_row]

 

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谷口4年目を迎えると、実装されている超人の数がかなり増えているので、なかなかプレイヤーが希望の超人を入手しにくくなっていた課題もあったんです。

この「33連ガチャ」ではプレイヤーの皆様に選んでいただいた人気のラインナップの中から確定で1体排出とし、かつ無料で手に入るという内容でしたので、本当に多くのプレイヤーの皆さんに喜んでいただけたと思っています。[/su_column][/su_row]

―― 企画の案出しから決定までは、どのくらいですか?

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谷口大体、企画の案出しから決定までは2週間くらいです。このキャンペーンに関しては、DeNA社内で企画を詰めて、その後カヤックさんと企画の内容をすり合わせていく流れです。

ステークホルダーが多いので、全員がきちんと納得してもらえるようなコミュニケーションを心掛けています。[/su_column][/su_row]

―― この座組みで2週間は早いほうですね。スピード感を大事にしながらプレイヤーに喜んでもらう施策を考え抜いているんですね。ちなみに体制変更後、何かピンチだったエピソードはありますか?

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ごりさんそうですね、2019年2月9日にキン肉マン40周年記念イベント「キン肉マンカーニバル2019」というイベントが開催されたんです。

そのイベントでは会場で、GPS機能を使って限定超人をプレゼントするという企画を実施したのですが、そこにトラブルがあり……。[/su_column][/su_row]

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谷口会場がまさかの「圏外」で、GPSが使えないという事態になってしまったんです……。

そのため、イベントに来てくださったプレイヤーが限定超人を入手できなくなってしまいました。そこで、急いで公式Twitterで状況をお知らせしたりなど対応をしましたが、本当にあの時は申し訳なかったです。

しかし、緊急事態のためのバックアッププランはいくつも綿密に用意はしていました。GPSを経由しない入手方法も用意していたため、何とかプレイヤーに限定超人をお届けすることができました。[/su_column][/su_row]

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ごりさん当初の案内とは異なるカタチでのプレゼントとなってしまいました。当日楽しみにして来ていただいたプレイヤーの皆さまには、本当に申し訳なかったです。[/su_column][/su_row]

―― なるほど、当日は何が起きるか分からない中、様々なバックアッププランを用意しておくのは大事ですね……。他にこのイベントではどのような施策をやられたのですか?

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谷口キン肉マンのタトゥーシールも無料で1,000枚配布させていただきました。皆さん喜んで手にとっていただき、あっという間にシールが無くなったんですよ。[/su_column][/su_row]

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谷口このシールは、タトゥーシールなので汗をかいても剥がれないんです。当日のアーティストのライブ時には何名かの方が「肉」マークをおでこに貼っていただいるのを見かけて嬉しかったですよ。SNSにも投稿してくださって、イベント全体もとても盛り上がりました。[/su_column][/su_row]

リアルイベントで大切にしている、手作り感

―― 『キン肉マン マッスルショット』はリアルイベントを大事にしている印象が強いですが、いかがでしょうか?

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谷口そう思います。うちのチームって、リアルイベントに手作り感があるのが特徴だと思います。外部のイベント会社さんにお願いするのではなく、自分たちで企画して、当日の小道具とかも自分らで工作したりして、学園祭の前日みたいな雰囲気がありますよね。
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黒住そうそう、イベント当日に配布する用紙とか自分たちで買ってきて、それをみんなでハサミで切ってたりしてたね。

あと、会場をおさえるためにプロデューサーがめちゃくちゃ電話してました。当時、しげさんに「電話ばかりしてないで、ちゃんと仕事してくださいよー」って言ったら、「これが仕事だ!」って(笑)。[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

しげさんそう、いっぱい電話しました。会場が空いてなくて(笑)。1〜2年目のとき、実はCM放送以外にもリアルイベントやコラボ(※1)もやりたかったので、実現できてよかったと思います。
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<編集部注釈(※1)>
2016年7月にはリアルイベント「キン肉マンの日火事場の延長戦!Muscle Summer Festival(M・S・F)」を開催し、翌年以降も定期的にリアルイベントを開催している。

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ごりさん最初の1〜2年目の運営は完全に社内のメンバーだけでしたね! 僕ら以外に、社内のほかの部署から有志を集めたりして、全部自分たちで運営しました。

今でもはっきりと覚えているんですが、僕がこのチームに異動してきた初日がリアルイベントの開催日で、キン肉マンの等身大人形を抱えて渋谷のセンター街を歩いたりしました(笑)。[/su_column][/su_row]

―― DeNAの運営する各ゲームでは、リアルイベントが活発に行われている印象もあります。『キン肉マン マッスルショット』はその先駆けだったのでしょうか?

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ごりさん今思えば、そうだと思います。DeNA社内にリアルイベントの存在がなんとなく広がったのは、『キン肉マン マッスルショット』が最初かも知れません。僕も最初は「リアルイベントって何?」って思っていました。なんでゲームのイベントで人が集まるのかと疑問を持っていたんです。

でもリアルイベントに初めて実際に参加したときに、思った以上にゲームに熱狂してくれているプレイヤーがたくさん来ていて、すごく驚きました。開始前には長蛇の列もできて、めちゃめちゃ嬉しくなりましたね。
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[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

黒住リアルイベントのおかげで、プレイヤーの熱量を直接感じられるようになりましたよね。リアルイベントで実際にプレイヤーの声を聞きつつ、それをゲームの中身に反映させていくサイクルも、この頃から始まったんじゃないでしょうか。
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ごりさんそうですね。運営が長期化するタイトルが世の中にたくさん出てくる中、いかにプレイヤーの皆さんにずっと楽しんでいただくかを考えた時、熱量を維持することができるコミュニティ運営の重要性が、だんだんと見え始めてきた時期なのかもしれません。

何より、プレイヤーの熱量をダイレクトに感じられる環境で僕らもテンションがドンドン上がるので、定期的にやりたくなっちゃうんですよね。もっと喜んでもらいたいって!
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―― そして昨年の「海の家」も?

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ごりさんCM放送などとは違ったアプローチを考えていたときに「海の家」の話題が社内に挙がっていて、実施することになりました。

オリジナルの食事メニューを用意したり、ゆでたまご先生が来てくださったり、本当に盛り上がったと思います。
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―― やはりコミュニテイの力を重視しているのでしょうか?

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ごりさん去年はまさにそういうフェーズでした。『キン肉マン マッスルショット』を遊んでくださるプレイヤーは、往年のキン肉マン世代だけでなく、親子世代、そして現在も連載は続いているので、最近ファンになられたプレイヤーなど様々です。

4年目以降はプレイヤーとの直接的なコミュニケーションを増やし、どういうニーズがあるのか、そして何を期待されているのかを受け取って、さらにその期待値以上のものを実現していければと思います。
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5年目:版元との関係性、そして今後の決意

―― リアルイベントでは、ゆでたまご先生も来場されているシーンをよく見かけます。4周年を迎え、版元との関係はどのような変化があったのでしょうか?

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しげさん最初から関係性はすごい良かったと思います。もともと「キン肉マンの日」というのが29日の金曜日に当たる日(金29=きんにく)にあって、『キン肉マン マッスルショット』をリリースする前は、別のコミュニティでキン肉マンを盛り上げていました。

そのようなキン肉マンファミリーの中で、スマホゲームの『キン肉マン マッスルショット』は新参者なので、ゲームがキン肉マンファンに喜んでいただけるのか、コミュニティを盛り上げることはできるのかな、など多くの不安は消えませんでした。

でも実際には、『キン肉マン マッスルショット』をきっかけにし、たくさんのキン肉マンファンに盛り上がっていただくことができました。その後も、私たちの企画にはゆでたまご先生を含め、多くの関係者の方にも喜んでいただき、リアルイベントにも何回も来てくださっています。
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ごりさん長期運営を続けていくことで、ゲーム自体の中身もより良くなっています。開発や運用体制もいい意味で安定し、ゆでたまご先生や出版社の皆さんと「これからも協力して盛り上げていこう!」という雰囲気にもつながっていますね。

そして今年は「キン肉マン」原作40周年で、『キン肉マン マッスルショット』も4周年という節目の年になります。特に4周年イベントでは、昨年以上の期待に応えられるように、たくさんのネタを仕込みました。

とにかく今は、プレイヤーの皆さん、そしてキン肉マンのファンの皆さんに喜んでもらうことに集中したいですね。ぶっちゃけ、ビジネスとか関係なく(笑)。
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谷口そうですね、 僕もめちゃめちゃ気合い入れてがんばっていきますよ!

今回の4周年のリアルイベント(2019年3月29日開催)では中井先生も来ていただき、ゆでたまご両先生が揃った初のイベントになりました。これからも「キン肉マン」をどんどん盛り上げていきたいですね![/su_column][/su_row]

[su_button url=”http://muscleshot.jp/anniversary/4th/” target=”blank” style=”soft” background=”#BB0311″ size=”6″ center=”yes”]【4周年記念特設サイト】
キン肉マン マッスルショット[/su_button]

――5年目は、どのようなデライト(喜び)をプレイヤーに届けていきたいと考えていますか?

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ごりさん私がプロデューサーに就任した後、ゲーム内外で不手際もいろいろあったと思います。そしてまだまだ実現できていないことも多く、正直プレイヤーの皆さんにご迷惑をおかけしたと思っています。

ですので、5年目は今まで達成できていないことを実現する年にしていきたいですね。『キン肉マン マッスルショット』だけでなく、キン肉マンというIPがさらに盛り上がっていくことが、僕らの目指したいこと。そこを目指していかないと、僕らの仕事には意味がないと考えています。
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谷口このゲームがここまで続いたのは、プレイヤー一人ひとりのキン肉マンへの愛があってこそだと思います。

ゲームを運営している中、ときにはプレイヤーの皆さんからお叱りをいただくこともありますが、新しい超人をリリースして「いいね!」とか「次はあの超人を出してほしい」などご意見をいただき、キン肉マンへの愛をとても感じています。

今後リリースしていく際に、プレイヤーの期待を裏切らないようにすることと、作品に対する愛を裏切らないように安定したサービスを提供したいと思っています。そしてそれ以上に、プレイヤーに驚きと感動を継続して提供していきたいと日々考えています。
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以上、『キン肉マン マッスルショット』チームのこれまでの軌跡と、これからの想いをお伝えしました。

苦戦してきた1年目からCM放映をきっかけに、ここまでどのように成長してきたのか、チームの熱い気持ちと「キン肉マン」に対する深い愛を感じられるインタビューとなりました。

今後、ゲーム内施策はもちろん、リアルイベントなどでも驚きのアイデアでプレイヤーをさらに喜ばせてくれることを、今後も期待したいと思います!

インタビュー後日、オフィスの隅でリアルイベントの準備(封入作業)をしている様子
(撮影:GeNOM編集部)

■公式サイト
https://muscleshot.jp/

©ゆでたまご/©COPRO/©DeNA

※本記事は2019年3月時点での情報です。

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