【CEDEC2019】「自由に移動できるVRゲームにおけるプレイヤーの誘導、こうやってみました」セッションレポート

2019年9月4日~6日の期間、パシフィコ横浜において、ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2019」が開催されました。

本記事では、DeNAとあまた株式会社が研究開発している、謎解きアドベンチャーVRゲーム『VoxEl(ボクセル)』を実例として、VR空間内を自由に移動できるタイプのゲームにおいて、いかにプレイヤーの行動を制御しゴールまで導くかという課題を、どのように解決したかを解説する、ショートセッションの内容を一部抜粋してレポートします。

登壇者は、株式会社ディー・エヌ・エー ゲーム・エンターテインメント事業本部 ゲームデザイナーの永田峰弘、あまた株式会社 代表取締役社長・プロデューサー・ディレクターの高橋宏典氏となります。

『VoxEl(ボクセル)』とは

永田:『VoxEl(ボクセル)』は、ハイエンドVRの研究開発を目的としたタイトルとして着手し、過去に「東京ゲームショウ2018」や「LAVAL VIRTUAL 2018」などでプレイアブル出展、開発の中心メンバー10人が約5ヶ月を要してVIVE向けに開発しました。

ゲーム内容は、謎の少女「エル」と共に冒険するVRゲームで、フィールドのオブジェクトを使用したギミックを解きながらステージを進める「謎解き要素」と、そのギミックを利用して終盤に登場する巨大な敵と戦う「バトル要素」を融合させた作品になります。

VRゲーム『VoxEl』開発メンバーが語る技術的な試行錯誤

VRタイトルに必要なもの

永田:VRを利用した作品で必要なのは、その世界に「存在している」という実在感です。VRの世界に入り込んで楽しむためには必須の要素であり、その実在感を得られないものは、据え置き機のようにモニターで遊ぶ体験と大差がありません。

そして、実在感を得るために必要なのは「納得感」です。なぜプレイヤーはこの世界にいるのか、ビジュアルやサウンドはどんな理由で構築されているのか、表現がリアルである必要はなく、プレイヤーに納得してもらうことが重要になります。

DeNA 永田峰弘(左)・あまた株式会社 高橋宏典氏(右)

『VoxEl(ボクセル)』の遊び方

永田:プレイヤーはVIVEコントローラを、ワンドと呼ばれるアイテムとしてゲーム内で持つことで行動できます。移動はなるべくVR酔いをしないように、ワープ移動を採用していおり、VIVEではルームスケールで空間内を歩くことが可能なため、その機能も有効活用しています。

永田:ワンド(コントローラ)のトラックパッドを触れたまま、地面に向けるとサークルが出現し、その状態でトラックパッドを押し込むと、サークルにワープ可能です。もちろん操作によりワープ先の角度を変えることも可能です。

また、ステージに設置されているエネルギーの塊に向けてトリガーを引くと、エネルギーを抽出、再度トリガーを引くとストックしたエネルギーの発射が可能です。

永田:動かせるオブジェクトに関しては、物体に向けてトリガーを引くと、念力のように物体を動かすことが可能です。

プレイヤーへの情報提示と誘導

ゲーム開始時の情報制限

永田:ゲームを始めた際には、納得感を与えるために、プレイヤーが何者なのか、何をすればいいのかを理解してもらう必要があります。

ですが、プレイヤーを完全に自由な状態にしてしまうと、迷いを与え、余計な動作をしてしまうため、見てもらいたくない部分まで見られてしまう、という課題が発生します。

高橋氏:『VoxEl(ボクセル)』では、ゲームスタート時は真っ暗な通路のような場所に閉じ込め、少し先に光がもれている扉が見えるデザインにしています。

高橋氏:このように、情報を大きく制限することで見るべきポイントを明確にしています。その後に、扉の外からガイド役でもある少女エルから声がかかり、移動方法のレクチャーを受けるフローになっています。

チュートリアルを兼ねた初期誘導

永田:ここからは「世界観のチュートリアル」と「操作に関するチュートリアル」に分けて説明していきます。

『VoxEl(ボクセル)』は、短時間で完結するプレイアブルタイトルであり、冒頭でおおよその説明が入ります。この部分がないと、一体何をするゲームなのか理解できないまま、プレイすることになってしまいます。

家で長時間じっくりプレイをするタイトルでは、このような早急な説明は必要ありません。まずはどのようなタイトルで、どの程度のプレイ時間を必要とするのかを設計することが重要です。

ゲーム冒頭で暗い部屋から出ると、エルから「この世界について」「プレイヤーがここに存在する理由」「プレイヤーの現在の状態」など、簡単な説明が開始されます。

この演出により、ゲームシステムと世界観の融合を実行し、プレイヤー自身がVRの世界に来たことを実感させます。

高橋氏:VRにおいて、触感が得られない点は大きな問題になりますが、それを逆手に取って、プレイヤーは実体を持たずに、実際に触ることができるのは、ワンド(コントローラ)だけに限定しています。

高橋氏:その後の「不完全な召喚になった」と世界観側による補足と、エルによるキャラクター表現で補っています。

長時間一緒にゲーム内で旅をするゲームデザインでは、人間型のキャラクターを実装することは非常にコストも高いですが、その価値は大いにあると考えられます。

永田:続いて、エルから基本操作とゲームルールの説明がされますが、場所を比較的狭い空間にすることで、情報を制限しています。

永田:ゲーム内では序盤で「ゲームの操作方法」「どうやって進むのか」「何を見ればいいのか」についてレクチャーされます。

VR空間内にはデザインしたオブジェクトを自由に配置できますが、置きすぎるとプレイヤーが何をすればオブジェクトが動くのか、判断に迷ってしまいます。

そのため、この画面で印象的なオブジェクトを見せることで「この系統のデザインのモノを見て触れば次に進める」という感覚を持たせ、謎解き要素に集中できるようにしています。ここでも、テキストを使用せず、エルのセリフのみで説明、進行していきます。

謎解きステージでの情報提示

永田:本作では、進行方向について、基本的に「前を向いていれば理解できる」デザインにしています。VRでは360度自由に視点を変えることができるため、ゲームに関係する情報をさまざまな方向に置いてしまうと、プレイヤーは総当たり戦のようなプレイをしてしまう恐れがあります。

永田:それを回避するために、基本的に前進するような構造設計にしており、謎解きに必要な情報はすべて前方(進行方向)に置いてあります。実は、ゲーム内で360度の世界が広がっていても、VRに慣れていないプレイヤーは、ほとんど前方向しか見ない傾向があるんです。

分かりにくい場所にあるオブジェクトに対して、徐々に誘導して発見する体験をさせることも可能ですが、その場合にはきちんとした導線の設計が必要となります。

高橋氏:『VoxEl(ボクセル)』のレベルデザインについては、エリアを小分けにして、縦シューティングゲームのように奥に進むような構成が基本となっています。

高橋氏:エリアをまたぐたびにチェックポイントを設置し、途中で向きがわからなくなったり、エリアが変わったときに方向をリセットするようにしています。

本作では、最終ステージにて巨大なボスキャラクターが出現し、これまで駆使したギミックを使って戦いますが、このタイミングでは進行方向が逆になるので、進む方向と戻る方向を明確に認識できるようにしています。

キャラクターによる誘導

永田:現実と同様にVR空間内においても、単純に動いている物体よりも、コミュニケーションを取ろうとする物体に対して、人間は強い反応を見せます。

本作ではエルのセリフやモーションによって、「次に何を見ればいいか、何をするべきか」という情報を与えて、プレイヤーを導いています。

先に述べたとおり、VR空間内で成立する人間型のキャラクターの制作はコストが高いのですが、苦労に見合うほどの価値があるので、ぜひ挑戦してほしいと思います。

もちろん、人間型ではなく、シンプルなデザインのロボットのようなキャラクターでも、コミュニケーションを取る意思のある存在であれば、十分代用可能だと考えられます。

失敗例としては、とある場所に落ちてきた物体に対して、エルが「どかして」と話すのですが、その会話の際にエルの顔を別の方向に向けさせてしまい、かなりの人がそこで迷ってつまづいてしまったことです。

永田:視線誘導のギミックはVRタイトルでは良く採用されますが、本作では自由移動が可能なので、視線誘導の難易度が上がっています。そこで、要所ではガイドのキャラクターを動かしてプレイヤーの視線をコントロールしています。

もちろん、音による視線誘導もしていますが、ゲームのリテラシーが高くない人、ゲームに慣れていない人には、現実の音ほどの効果がないので、明確にやや長めに音を鳴らすことを意識した方が良いと言えます。

特にゲームショウなどの屋外イベント会場では騒音も大きく、それによって視覚情報がより重視されてしまう恐れがあり、サウンド設計時にはプレイする環境を考慮することも重要だと考えられます。

実在感を上げるための演出

高橋氏:VR空間において、キャラクターがプレイヤーの方向を向く、動いて話しかけてくる仕組みは、エルというキャラクターを使って表現しましたが、試遊した人のフィードバックを含めて、非常に大きな効果を上げた、とてもエモい経験でした。

高橋氏:これまでセッション内で伝えてきた通り、人間型のキャラクターをプログラムやモーションを開発して制御することは非常にコストも高く、チャレンジしづらい領域ではあります。ただ、エルと協力して謎を解いたり、敵と戦ったりする体験は、非常に魅力的でトライする価値がある演出だと感じました。

私は過去に、キャラクターとお話を楽しむPS対応タイトルの開発に携わっており、仮想キャラクターとコミュニケーション可能なゲームデザインをしていました。

VRの特徴として、自分がそのままゲーム空間に存在するような体験ができることだと考えており、キャラクターとのコミュニケーションにより、自分の心にもたらす変容のようなものが、VRの世界でも効果があると感じています。

永田:それでは最後に、サウンド開発に関する話をしたいと思います。VR空間では視覚情報の比重が大きくなりますが、サウンドの中でも特に「環境を表現する音」は非常に効果が高いと考えられます。

特に、ボイスやSEが鳴ることによって発生する「残響音」については、空間の中で鳴る、しゃべっている音声が残響するイメージを考慮して作ると、そこにいる雰囲気が強く感じられるので、コストも少なく、演出としては非常に効果が高くなります。

永田:本作のサウンドに関しては、研究開発の観点から、ミドルウェアを使用せずに、空間ごとにボイスの残響音を全て自力で計算して、エクスポートしましたが、その作業はかなり大変でした。

今回のセッションは以上となります。もし質問やVRタイトルの相談があれば、ぜひ、個別にご連絡ください!

取材・文・撮影:細谷亮介

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GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

GeNOMの最新情報は、公式Twitterアカウントやにて確認いただけます。ぜひフォローをお願いします!

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【CEDEC2019】DeNAゲーム事業部関連のセッション内容をチェック

CEDEC2019

2019年9月4日(水)~9月6日(金)の3日間で開催された「CEDEC2019」では、DeNAゲーム事業に関する7つのセッションが行われました。編集部では、今回はその7セッションをピックアップしましたのでぜひご確認ください!

登壇情報(9月4日)

ゲーム開発者とゲームメディアの理想の関係とは?

■セッション内容
リアルイベントやコミュニティの醸成、企業が独自のオウンドメディアを展開するなど、ゲーム開発者がSNSなどで自ら発信することも増えてきた昨今、ゲーム開発者とゲームメディアの理想の関係とは何か? DeNAのゲーム事業部を率いる佐々木悠と、2019年7月より、まったく新しいメディアの形を模索して完全独立系のメディアとして再スタートをした電ファミニコゲーマー編集長のTAITAIこと平信一によるディスカッションです。(開始時間/14:50〜)

■登壇者
佐々木 悠(株式会社ディー・エヌ・エー)
平 信一(株式会社マレ)

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■DeNA登壇者プロフィール

佐々木 悠
執行役員 ゲーム・エンターテインメント事業本部 ゲーム事業部長

慶應義塾大学卒、2009年DeNA新卒入社。入社後はモバイルオークションのサイト運営、広告営業の経験を経て、2010年にゲーム事業に異動。住み着き妖精セトルリンの運営、有名IPゲームの立ち上げを行いつつ、組織マネジメントに従事。アプリ開発部署の部長として『三国志ロワイヤル』、『FINAL FANTASY Record Keeper』の立ち上げ後、職能組織長として部署の立ち上げとマネジメントを実施。その後、専門役員として協業案件に従事して新規ゲームの立ち上げに尽力。2019年4月からゲーム・エンターテインメント事業本部ゲーム事業部長に就任。

■受講者へのメッセージ

新しいメディアの形を模索し続ける電ファミニコゲーマー様と、ゲームの文化を伝えていくために開発者とメディアがどう向き合い語り合うのがよいか?情報発信の選択肢が多様化している今だからこそ改めて検討していければと思います。

【CEDEC2019】「ゲーム開発者とゲームメディアの理想の関係とは?」セッションレポート

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組織的に Game x AI を推進していくための方法論
〜『逆転オセロニア』 の一歩先へ〜

■セッション内容
私たちは運用中のモバイルゲーム『逆転オセロニア』においてデッキ編成をする AI、人間のような戦いをする AI をリリースしました。まず今回は、AI をうまく活用することができた開発プロセスなどを整理し、リリースまでの軌跡を振り返ってみます。

その中で技術検証からリリースまで一貫して行った経験から、AI 活用を成功させるために重要な要素がいくつか見えてきました。過去事例の収集、自社の個別ゲームタイトルの要望の把握、投資領域の選定、課題設定への落とし込み、AI開発をスムーズにするような周辺ツールやデータの整備、そしてそれを可能にするための部署横断での体制の整備……。

本セッションでは、これらの「AI 開発のあるべき」を検討します。その中でも技術的に重要になってくるシミュレータについては具体的な設計を交えてお話しします。(開始時間/17:50〜)

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■登壇者プロフィール

田中 一樹
AI本部 AIシステム部 データサイエンス第一グループ
データサイエンティスト

2017年に DeNA 入社後、データサイエンティストとしてアプリゲーム『逆転オセロニア』に関する AI 機能の開発に従事し、機械学習、強化学習、データサイエンス技術の研究開発 / 設計から実応用に携わる。現在は、多様な事業へのデータサイエンス活用を目指した研究開発や課題発掘に従事。大学時代は電力系統に関する数理計画や統計的機械学習の工学的応用を研究。『速習 強化学習 −基礎理論とアルゴリズム−』(共著)を執筆。データ分析の大会に没頭し複数大会で入賞。Kaggle Master。

■受講者へのメッセージ

AIをモバイルゲームに活用するのはとても面白くもありますが、大変な面もあります。特に、AIの不確実性や、どんなAI機能がプレイヤーさんに価値を提供できるのか、真摯に向き合って考えなければいけないことは多くあります。

本セッションでは、現在AI機能を開発しているまたは将来に開発をしたいと考えている皆様のお役に立つ情報を発信できればと思います。[/su_column][/su_row][/su_note]

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■登壇者プロフィール

岡田 健
AI本部 AIシステム部 MLエンジニアリンググループ
MLエンジニア

DeNA所属のエンジニア。元数学徒。ゲーム『FINAL FANTASY Record Keeper』を開発 / 運用していたが、2018 年からはその経験を生かして AI によってゲームのおもしろさの軸を増やしたり、ゲーム作りの方法を変革する側に。『逆転オセロニア』への AI 導入では学習高速化、学習管理の仕組み作り、実サービスのためのアーキテクチャ設計と実装などを担当。

■受講者へのメッセージ

AI は、言うなれば魔法です。便利な半面、それなりにコストがかかりますし、専門家が必要なことが多いです。準備が不完全であれば、不発になるときだってあります。敵の弱点を突けなければ、費用対効果に合わないこともあります。

魔法使いを上手く既存のパーティーに組み込んで、より難易度の高いことをなしたり、今まで行けなかったところに行くためにはどうするべきか? 我々のケースを通じてお伝えできればと思います。

【CEDEC2019】「組織的にGame x AIを推進していくための方法論~『逆転オセロニア』のAIの一歩先へ~」セッションレポート

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登壇情報(9月5日)

自由に移動できるVRゲームにおけるプレイヤーの誘導、こうやってみました

■セッション内容
このセッションでは、VR空間内を自由に移動できるタイプのゲームにおいて、いかにプレイヤーの行動を制御しゴールまで導くかという課題をどのように解決したか、実例をもとに説明します。加えて、VRゲームに没入するために必要な『没入感』や『納得感』を上げるために行った、世界観を含めた演出についても取り上げます。

カテゴリはAC分野としていますが、ゲームデザインやサウンドまで幅広く演出のお話をする予定です。今回はDeNAが研究開発しTGS2018やLAVAL VIRTUAL 2018にも出展した謎解きアドベンチャーVRゲーム『VoxEl(ボクセル)』を実例としてご紹介します。(開始時間/14:50〜)

■登壇者
永田 峰弘(株式会社ディー・エヌ・エー)
高橋 宏典(あまた株式会社)

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■DeNA登壇者プロフィール

永田 峰弘
ゲーム事業部Publish統括部第四プロデュース部
ゲームデザイナー

サウンドクリエイターを経てゲーム業界にプランナーとして入り、2011年にDeNAに入社。モバイル、スマートフォン向けタイトルを中心に企画、ディレクションを担当。

複数タイトルの企画面を横断でサポートしつつVRの研究開発に着手。2018年にハイエンド向けVRゲーム『VoxEl』を開発、TGS018やLAVAL VIRTUAL 2018に参考出展。本タイトルではプロデューサー、企画、シナリオ、サウンドを担当。酒粕から作った甘酒がすきです。

■受講者へのメッセージ

『VoxEl』開発中に試行錯誤したこと、またTGS2018などで試遊していただいた際に得られた知見を元に、VR開発の初歩的な注意点から、VR空間内でのプレイヤー誘導、また納得感や没入感を高めるために実装した内容をご紹介します。
受講していただく皆様にとって、より楽しいVR体験を作るための手助けになればと思います。

【CEDEC2019】「自由に移動できるVRゲームにおけるプレイヤーの誘導、こうやってみました」セッションレポート

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『逆転オセロニア』における、機械学習モデルを用いたデッキのアーキタイプ抽出とゲーム運用への活用

■セッション内容
プレイヤーが構築したデッキを用いて対戦する PvP ゲームにおいて、代表的なデッキ構築パターン (アーキタイプ)、そして各アーキタイプの使用頻度、 総合勝率、 対戦成績などの KPI を継続して観測することは、 現状のゲームバランスを把握し、 プレイヤーのゲーム体験を向上させる上で有用である。

本講演では、 『逆転オセロニア』における、 機械学習モデル (トピックモデル) を用いた、 大規模データからのデッキアーキタイプの抽出、 アーキタイプに関連する KPI の可視化、 これらを用いたゲーム運用への活用について紹介する。(開始時間/16:30〜)

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■登壇者プロフィール

安達 涼
ゲーム事業部Publish統括部分析部
アナリスト

人間の意思決定プロセスの数理モデル化と、その神経基盤を解明する研究に従事し、カリフォルニア工科大学PhD(計算論的神経科学)を取得。2018年3月にデータアナリストとしてDeNA入社。機械学習の手法のみならず、行動経済学の知見などを用い、人間のゲーム内外での行動データを包括的に理解することで、ゲームタイトルの運営力・UX向上を目指している。

■受講者へのメッセージ

モデル構築から実運用まで幅広い内容をカバーしますので、みなさまお気軽にお越しください。

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■登壇者プロフィール

岩城 惇
ゲーム事業部Develop統括部企画部
プランナー

大学卒業後、ゲーム制作の道へ。アクションゲームやRPGの開発に携わる。『逆転オセロニア』では運用プランナーとして機械学習を用いたキャラクターのレベルデザインに携わっている。

■受講者へのメッセージ

機械学習が実際に運用の現場で活用されている「生」の様子をお伝えできればと考えております。

【CEDEC2019】「『逆転オセロニア』における、機械学習モデルを用いたデッキのアーキタイプ抽出とゲーム運用への活用」セッションレポート

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登壇情報(9月6日)

ゲームと機械学習の最前線
〜現状と未来を正しく捉えるために〜

■セッション内容
近年の機械学習研究の進捗は目覚ましく、ゲーム産業でも様々な活用事例が報告されてきています。一方で、これらの技術に対する加熱した期待値も成熟を迎え、「ゲーム開発・体験にどの程度インパクトを与えるか」「どのように戦略的な活用を目指していくべきか」といった論点に注目が集まっています。

本セッションでは、ゲームと「機械学習」の関わりについて認識を深めていきます。パネリストとしては、機械学習導入を実際に成功させ、ゲーム開発やUXへの影響について見通しを持つメンバーを集めました。国内外で発表されている多くの事例を整理し、2019年時点で出来ること・不足している要素、中長期的な戦略について、現実的な目線で議論を展開します。(開始時間/11:20〜)

■登壇者
奥村 純(株式会社ディー・エヌ・エー)
三宅陽一郎(株式会社スクウェア・エニックス)
長谷 洋平(株式会社バンダイナムコスタジオ)

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■DeNA登壇者プロフィール

奥村 純
AIシステム部 AI研究開発グループ
AI研究開発エンジニア

国内外の研究機関で観測的宇宙論の研究に従事し、京都大学理学研究科宇宙物理学専攻にて博士号取得。DeNAではデータアナリストとしてユーザー体験や事業推進をデータからサポートすることを目指し、主にゲーム領域のデータ分析・パラメータ設計の経験を積む。2017年よりAI研究開発エンジニアに転身しゲームAIの研究開発を推進、 複数のAI施策をリリース。機械学習の実ビジネス適用や、UXデザインに興味を持っている。

著書:
『データサイエンティスト養成読本 ビジネス活用編』
講演:
『次世代QAとAI 』(CEDEC2018)
『一周年で爆発した「逆転オセロニア」における、ゲーム分析の貢献事例』(CEDEC2017)

■受講者へのメッセージ

昨年は『次世代QAとAI』というテーマで、QA文脈にフォーカスして機械学習の活用方法や見通しを議論しました。その後も技術は様々な形で進展しており、ゲーム開発の多くの領域で機械学習導入のトライアルが行われたり、学術業界によるゲームAI研究も進んだりしています。

本セッションではより広い観点から「ゲーム」と「機械学習」の関係を考えます。国内外の最新事例の紹介から現在の状況を俯瞰し、現実的な目線で今後の見通しについて議論を広げていけたら嬉しいです。

【CEDEC2019】「ゲームと機械学習の最前線~現状と未来を正しく捉えるために~」パネルディスカッションレポート

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サービス終了寸前だったタイトルが、CMを使わずにDAUを増やして九死に一生を得たSNSプロモーション術

■セッション内容
本セッションでは、SNSでの情報の伝播を戦略的に盛り込んだコミュニケーションの手法を紹介します。
主にtwitterを通してゲームの情報が伝わったり、SNSでの盛り上がりによって「いまこのゲームがアツい」といった雰囲気を作り出すことで、新規のプレイヤーを呼び込んだり、ゲームから離れていたプレイヤーに復帰していただいたりすることが可能です。

ゲームリリース1周年のタイミングを機にプロモーション戦略の柱の1つに「SNSでの盛り上がり」を設定し、サービス終了の危機を脱することができた「天華百剣 -斬-」の事例と共にその手法を紹介します。(開始時間/13:30〜)

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■登壇者プロフィール

ナカムラ ケンタロウ
ゲーム事業部Publish統括部第四プロデュース部
「天華百剣 -斬-」プロデューサー

2013年に株式会社DeNA Games Osakaに入社。
プランナーとして社内の運用タイトル、新規タイトルを担当。
2014年の夏頃より金髪になる。
2017年11月より「天華百剣 -斬-」にディレクターとして参加。
2018年1月に株式会社ディー・エヌ・エーに転籍。
2018年4月「天華百剣 -斬-」の1周年のタイミングでプロデューサーに就任。

■受講者へのメッセージ

リリース1周年のタイミングで多くの方から応援をいただけたこと。自分自身がオタク、サブカル厨であることと前職の広告業界で制作をやっていた知見が上手く融合したこと。それらが上手く合わさった結果、1つのゲームが生き長らえることができました。

その時に得られたあれやこれやがみなさんの何かのお役に立てば幸いです。

【CEDEC2019】「サービス終了寸前だったタイトルが、CMを使わずにDAUを増やして九死に一生を得たSNSプロモーション術」セッションレポート

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大規模モバイルゲーム運用におけるマスタデータ管理事例

■セッション内容
DeNA はこれまで様々なゲームをリリース・運用してきました。その中には100名を超えるメンバーで運用しているタイトルもあれば、運用10周年を迎えるタイトルもあります。

本セッションでは、モバイルゲーム運用におけるマスタデータの管理で、特に大規模なチーム人数や、長期運用で発生してきた課題や失敗事例をご紹介します。その上で、それらの課題解決のために開発した共通マスタデータ管理システムの概要と、その機能や運用ワークフローを説明します。

そして実際のゲームの開発・運用にそのシステムを導入してみて、どのような効果があったかをお話します。(開始時間/16:30〜)

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■登壇者プロフィール

人西 聖樹
ゲーム事業部Publish統括部共通基盤部
ゲームデベロッパーライブラリグループ エンジニアリングリード

DeNAの大規模mobageタイトルの開発・運用のリードエンジニアを経て、現在はゲーム横断の開発基盤の部署にて、マスタデータ管理システムの開発リーダーを担当。

■受講者へのメッセージ

モバイルゲーム特有のマスタデータの運用周りの苦労や、それに対してどのようなアプローチをしていったかをお伝えできればいいなと思っております。

【CEDEC2019】「大規模モバイルゲーム運用におけるマスタデータ管理事例」セッションレポート

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GeNOM(ゲノム)とは

DeNAのゲームクリエイターを様々な切り口で紹介するメディア(運営:株式会社ディー・エヌ・エー)です。ゲーム開発の現場で生まれる様々なエピソードや、クリエイター紹介、イベント紹介などを通して、DeNAで働くメンバーの”ありのまま”をお伝えしていきます。

GeNOMの最新情報は、公式Twitterアカウントにて確認いただけます。ぜひフォローをお願いします!

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引用:「CEDEC2019」公式サイト

※掲載内容は、公開日時点の情報です。セッション内容等は当日変更になる可能性もありますので、ご了承ください。

VRゲーム『VoxEl』開発メンバーが語る技術的な試行錯誤

『VoxEl(ボクセル)』開発メンバーにインタビュー

DeNAのR&Dの一環として開発が始まり、まだプロトタイプながら国内外の展示会で話題となった、『VoxEl(ボクセル)』。本作は少女「エル」に託された不思議なワンド(杖)を駆使して、仮想世界のギミックを解いていくVR専用の謎解きアドベンチャーゲームです。

今回、開発パートナーのあまた社を迎えて、開発中の苦労話や技術的なエピソードを交えながら、両社にお話を伺いました。

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Profile
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永田峰弘
株式会社ディー・エヌ・エー プロデューサー(兼ゲームデザイナー・サウンドクリエイター)[/su_column][/su_row]

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髙橋宏典
あまた株式会社 代表取締役社長[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/5″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”4/5″ center=”no” class=””]

渡邉哲也
あまた株式会社 シニアプロデューサー兼ディレクター[/su_column][/su_row]

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研究開発目的で始まったVRゲームプロジェクト

――はじめに、『VoxEl(ボクセル)』の開発が始まったきっかけを教えてください。

永田:自分が前年度にVRタイトルを開発していて、その流れでVRゲームのR&D目的のプロジェクトが始まりました。あまたさんとは、『天華百剣 -斬-』の開発でもお付き合いがあり、別ラインでVRゲーム開発実績を持っていたことから、今回の取り組みがスタートしたのが経緯となります。

株式会社ディー・エヌ・エー プロデューサー(兼ゲームデザイナー・サウンドクリエイター)永田峰弘

――『VoxEl』にはあまた社で開発しているVRゲーム『ラストラビリンス』の技術的ノウハウが使われているのでしょうか?

髙橋:キャラクター表現ではノウハウが生きている箇所もあります。ですが、『ラストラビリンス』は閉鎖された空間からの脱出がテーマで、広い世界で旅するというコンセプトの『VoxEl』とはレベルデザイン的に方向性が真逆なため、描画負荷対策を含めて試行錯誤の連続でした。技術的には、ノウハウを活用しつつ大きく挑戦しています。

あまた株式会社 代表取締役社長 髙橋宏典氏

――開発に両社のスマホゲームのノウハウは生かされているのでしょうか?

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永田:正直あまり関係はなかったです。スマートフォンのゲームでは小さな画面の中でバトル、強化や育成など、いかにプレイヤーに楽しんでもらえるかというプレイサイクルを中心に考えて開発していますが、VRではその空間で没入できるコンテンツが重要視されるので、ほぼセロベースからの検討になったといえますね。[/su_column][/su_row]

[su_row][su_column size=”1/6″ center=”no” class=””][/su_column] [su_column size=”5/6″ center=”no” class=””]

髙橋:ただ、Unity開発なので、3D表示部分などはゲームのノウハウを使用しています。とはいえ、本作はモバイルではなくハイエンド向けタイトルなので、シェーダーや画作りなどはまったく違う工程になってます。[/su_column][/su_row]

――なるほど。では、挑戦した部分や開発中に試行錯誤した点を教えてください。

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永田:VR対応のアドベンチャーゲームは、本格的に作ろうとするとコストがかかるため、あまり市場に出ていません。そのため、毎日が挑戦の連続でした。また、今回の取り組みにおいても、リソースや開発期間、予算などは限られていますので、その中で最終計画を念頭に置きながら両社で話し合いながら進めていきました。[/su_column][/su_row]

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渡邉:試行錯誤した点と言えば、VRゲームでは強制的に視点を固定しにくいので、視線誘導で変化が起きた箇所を注視する仕組みを永田さんにチェックしてもらい、フィードバックを受けながら調整を重ねたことですね。[/su_column][/su_row]

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永田:特に、VR空間内での「サイズによる見え方の違い」のチェックは大変でしたね。プレイヤーがターゲットできるオブジェクトの大きさ、動かせるサイズがどのくらいあれば認識可能なのか、その確認から入っていきます。

現実の空間で50cmくらいあれば認識できるものでも、VR空間にポツンと置くと意外と分かりにくいんですよ。同時にテーブル程の広さなのか、広大な世界にするのか、謎解きの舞台となる空間の規模感も悩みました。[/su_column][/su_row]

――実際にオブジェクトをVR空間内に配置して開発を進めていくんですか?

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永田:ええ、そうです。配置パターンを複数用意して、プレイ確認しながら進めます。オブジェクトの質感によって印象も変わるので、何度も調整しました。[/su_column][/su_row]

チームメンバーからの意見・要望を新アイデアに生かす

――両社のやりとりにはどんなものがありましたか?

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渡邉:例えばプロトタイプの段階で「超巨大な鉄球を25mプールのような場所で風で飛ばす」というデカいギミックが企画で上がってきましたが、実際に作ってみた結果ボツになったものもあります。個人的にはおもしろかったんですが。

他のVRゲームでは、比較的小さな空間でパズルやキャラクターとコミュニケーションを楽しむ作品が多かったため、『VoxEl』ではあえて広い空間を使うアドベンチャーに挑戦しました。

なので、永田さんからは広大なスペースを使ったギミックの提案が多かったように感じます。一方、髙橋はこじんまりとしたギミックが好きなようで……。[/su_column][/su_row]

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髙橋:こじんまりというか、広すぎると影響範囲がわかりにくくなって、エルが相対的に小さくなり存在感が薄くなっちゃうなって。[/su_column][/su_row]

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永田:いくつかギミックを試作した結果、広い空間を設定してしまうと、エルの存在感が薄くなり、彼女が単純なコミュニケーションキャラクターになってしまうのが課題でしたので、ステージの規模やギミックのサイズ感など改めて修正して開発にフィードバックしました。[/su_column][/su_row]

あまた株式会社 シニアプロデューサー兼ディレクター
渡邉哲也氏

――開発メンバーからどのような意見・要望が出ましたか?

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髙橋:開発現場では、アーティストやレベルデザイナーなどのいろんな職種がフラットに意見を出しながら、既存のVRゲームには実装されていないようなアイデアを盛り込んでいきました。[/su_column][/su_row]

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渡邉:Primitiveで作ったレベルデザイン周りも、一旦は社内全員にプレイしてもらって、意見を吸い上げた後に永田さんとさらに調整していく、というフローにしました。

企画内容プレビューについては、「ユーザー目線ならどんなことを言ってもOKルール」を採用したので、意外にみんなが好き放題感じたことを言っていたのを覚えています(笑)。[/su_column][/su_row]

VR機器に合わせた操作性の調整とボイスの有効性

――操作周りに関する質問です。本作のプレイはコントローラ1つのみでしょうか?

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永田:ですね。実は開発途中では2つ使って、片方はエルと手をつなぐ設定だったんですよ。ですが操作が複雑になってしまうため、現在の仕様になりました。[/su_column][/su_row]

VRコントローラをゲームの中で「ワンド」として使用。トリガーを押してエレメントを吸収します

――操作感に関する調整は大変でしたか?

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渡邉:異なった設定パターンを複数作り、微調整をしつつ全員で実際に操作して決めていきました。[/su_column][/su_row]

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永田:両社でプレイして悩みながら「操作していて気持ちいい」設定を探していきましたよね。[/su_column][/su_row]

――エレメント(※1)吸収中はずっとトリガーを押しっぱなし(※2)だと思っていました。

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渡邉:おっ!そっちの操作のほうが良かったかもしれませんね。[/su_column][/su_row]

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永田:いや~、そこは迷ったんです……。[/su_column][/su_row]

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渡邉:開発の段階でその操作感は試したような気がします。なんでボツになったんでしたっけ?[/su_column][/su_row]

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永田:(押しっぱなしだと)単純に指が疲れると思います。エレメントの吸収も、当初のアイデアだと他の属性も同時にワンドにストックできて、属性を選んで自由に使えるようにしてたので、その時の名残かも……。[/su_column][/su_row]

操作を含めたワンドのグラフィック案は、かなりのパターンが考えられたようです。
 

編集部注釈(※1)エレメントとはゲーム内の謎解きに使用する各属性のエネルギーで、点在する属性ブロックからワンド(杖)に吸収して発射することでギミックを作動できます。

編集部注釈(※2)本来はエレメント吸収後にトリガーを離しても大丈夫。もう一度押し込むと発射します。

――プレイ中の「疲れ」に関する調整はありますか?

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永田:そんなに疲れは気にせず、遊べるようになっています。ギミックが出現するタイミング、エルとの会話シーンなど、ゲームのテンポ感も考えています。チャプターを細分化してバランスを取れば、たくさんの謎を組み込むことができると思います。[/su_column][/su_row]

――エルのボイス実装で、UI/UXにおける影響はありましたか?

ゲーム中は彼女がナビゲートをしてくれます。たまに謎解きのヒントを話すことも
ゴシック&クールな雰囲気が漂う、エルの初期デザインアイデアの一部です。
 

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永田:VRではゲーム説明やルール解説を担う「チュートリアル」や「ガイド」の表現が難しく、いきなりメニューが表示されてしまうと、一気に興ざめする恐れがあります。[/su_column][/su_row]

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髙橋:突然宙に浮いてきた文字はなんなんだ、って。せっかく仮想空間で楽しんでいたのに、急に現実に引き戻されてしまう感覚です。[/su_column][/su_row]

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永田:そこで、エルにボイスを追加し、要所要所で会話をさせるナビゲート役にすることで、チュートリアルなどを組み込まなくても、基本的な操作などを学べるようにしました。

さらに、謎解きのヒントを語らせたり、単純にプレイヤーとコミュニケーションを取るなど、使い方のバリエーションも増えたので、UIの開発はほとんど必要なくなりましたね。[/su_column][/su_row]

Unityでは可能、しかしVRでは苦手な「水の表現」

――技術的にボツになったものはありますか?

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髙橋:VRでは、水の表現が難しいのです。VRは立体視なので、水の屈折を左右両目用に別々にレンダリングする必要がありますが、謎解きやギミックで広範囲に水が出てきたら確実にフレーム落ちします。[/su_column][/su_row]

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永田:ゲーム内に出てくるエレメントが火・風・土だけで「水」が出てこなかったのは、こういった理由でもあります。実は、火+水で水蒸気になる、火+火で爆発が大きくなる、みたいな夢が詰まったアイデアもたくさんあったんですよ![/su_column][/su_row]

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髙橋:正攻法で作るだけだと、かなり厳しいですね。[/su_column][/su_row]

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永田:どうしても実装できずに外した機能はあります。ただ、現時点で限られた期間内で作るのは無理だと判断しただけで、今後グラフィックカードが進化したり、ゲームエンジンが発達すれば実装できる機能もあるはずです。[/su_column][/su_row]

――他にUnityでは可能で、VRでは表現しにくいものってあります?

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永田:粉じんや霧などは難しいですね。[/su_column][/su_row]

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髙橋:通常の3Dゲームでも炎や霧、煙など自然現象の複雑な動き、光の屈折などで処理は重くなるのですが、VRになるとそれを複数同時に描画しているので、さらに重くなる傾向があります。[/su_column][/su_row]

――ギミックの爆発やシールドの表現はダイナミックでしたよ!

 

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髙橋:爆発には、ちょっとしたテクニックを使っています。[/su_column][/su_row]

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渡邉:でも、燃えている炎など、VR空間でじっくり見ると怪しい箇所がわかるかもしれません。[/su_column][/su_row]

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永田:当初は「木を火で燃やす」などの複雑なギミックも考えていたんですが、残念ながら実装していません。[/su_column][/su_row]

――VRでの表現の限界を考えてギミックも変更していくんですね。

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永田:はい。もちろん開発期間もふまえて考えています。研究開発をもっと進められるようなら、今後最新技術も試してみたいですね。[/su_column][/su_row]

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髙橋:ただ、表現の開発だけに注力するわけにもいかないので、全体の進捗バランスやトータルコストも考えています。[/su_column][/su_row]

イメージしたものをイメージ通りに作れた喜び

――開発が進むにつれて、仕様はどのように変化していきましたか?

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永田:VRで3D酔いしないようにするため、開発途中で、移動の仕様を変更したことがありました。一度VRで酔った経験をしてしまうと、次は絶対に遊ぶのがイヤになります。それは避けたくて、移動方式を根本から見直しました。また、移動関連の仕様の変更で、世界観の見せ方もだんだんと変わっていきました。[/su_column][/su_row]

――本作の開発を通して、これまでにない「得たもの」を教えてください。

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永田:VRに関しては、資料で学んだり他のVRゲームをプレイしたときに得た推論の答え合わせができたことが、ひとつの成果だと感じています。

サウンドに関しては他のゲームを作る際とあまり大差なかったため、こだわったのは立体音響の部分くらいです。イメージしていたものが、イメージ通りに作れているのが何より嬉しいことです。[/su_column][/su_row]

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渡邉:やはりVRではボイスの存在が大きいと感じました。ボイスがなかったときは、エルの存在が空気になってましたが、永田さんが書いたセリフをエルが場面ごとに話すようになってから、プレゼンスがグッと上がりましたね。[/su_column][/su_row]

――VRゲームの研究開発を続ける中で、技術的にも成長し、両社のこだわりが詰まった作品に昇華していったようですね。本日はありがとうございました。

 



R&Dを目的としてスタートしたVR『VoxEl(ボクセル)』プロジェクト。試行錯誤を繰り返しながら、技術的に数多くの「学び」を得たことを感じられるインタビューとなりました。本研究の成果がDeNAの他の事業にも生かされていく可能性があるかもしれませんね。

※本作はプロトタイプのため、今後の販売や配信などは一切未定となっています。

※本記事は2018年12月時点での情報です。

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