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2019.06.26

【イベントレポ】日本ゲーム大賞2019「U18部門」決勝大会進出は7チームに決定! 審査員を務めたDeNAプロデューサー山口誠にインタビュー

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CESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)は6月9日、セガサミーグループが運営する「TUNNEL TOKYO」において、日本ゲーム大賞2019「U18部門」予選大会を開催しました。

本大会は、18歳以下の次世代クリエイター発掘を目的としたイベントで、チーム(最大5名、1名でも可)にて参加し、制作したゲームの試遊とプレゼンテーション内容を加味して、審査が実施されるものです。

予選大会を勝ち抜いたチームは、「東京ゲームショウ2019」期間中に実施される決勝大会に参加することができます。

司会進行にはスクウェア・エニックス「時田貴司」氏、審査員にグリー「下田翔大」氏、セガゲームス「麓一博」氏、Cygames「星野健一」氏、そしてディー・エヌ・エー(以下、DeNA)からは「山口誠」が参加しました。

スクウェア・エニックス 時田貴司氏司会進行を務めたスクウェア・エニックス「時田貴司」氏

審査を担当した、グリー「下田翔大」氏、DeNA「山口誠」、Cygames「星野健一」氏、セガゲームス「麓一博」氏(左から)

本記事では予選大会の模様と、イベント終了後に審査員を務めた山口にインタビューを実施したので、紹介します。

セガゲームス 代表取締役社長COO 松原健二氏セガゲームス 代表取締役社長COO「松原健二」氏

開催の挨拶として、CESA人材育成部会 部会長 セガゲームス 代表取締役社長COO「松原健二」氏が登壇し、まず参加クリエイターや当日の来場者にお礼を述べました。

そして日本ゲーム大賞「U18部門」を設立した狙いについて、18歳以下のゲームクリエイター志望者が「ゲーム作りを目指しながら、周りの人に楽しんでもらうこと」を経験してほしいため、と話しました。

その後、抽選(なかなか決まらない全員ジャンケン!)によってプレゼンの順番を決定し、予選大会が開始されました。

審査員は、予選大会の前にすべての作品を試遊した上での採点は済ませており、本プレゼンでの評価を加点して、決勝大会に出場する作品を決定するルールとなっています。プレゼンの持ち時間は5分、その後審査員からの質疑応答が実施されました。

参加者の各プレゼン内容を紹介

『Drag Voxel Distance』 開発者:早坂空也/奥澤大輝/尾崎将志(バンタンゲームアカデミー高等部)

『Drag Voxel Distance』

チーム名:エスカルゴ
開発者:早坂空也、奥澤大輝、尾崎将志(バンタンゲームアカデミー高等部)

すごろくの要素に、キャラを引っ張るシンプルな操作方法を組み合わせたボードゲーム。コンセプトは「圧倒的に親しみやすいゲーム」を目指している。

サイコロの出目によってパワーが変化、マップ内のさまざまなトラップに引っかかると「移動速度低下」など不利な効果を受け、モンスターの範囲内に入っても「1ターン休み」などのデメリットが。他のプレイヤーの邪魔をすることも可能。

『幽体離脱』 開発者:伊豫冬馬(茨城県立竹園高等学校)

『幽体離脱』

チーム名:すいか
開発者:伊豫冬馬(茨城県立竹園高等学校)

まず、大きく深呼吸をしてプレゼンを始めた伊豫君。本作品の特長は肉体から幽体が抜け出して動く「幽体離脱」を使った「アクション×謎解き」。主人公は光に弱く、ランプの光の範囲に触れるとアウト。幽体離脱をうまく駆使して突破、謎解きをしながら最深部を目指す。

幽体の状態で使える「フリーズ」を使うと、光を消すことができる。つまり、肉体から幽体離脱→幽体がフリーズで光を消す→肉体に戻りカギを取る、と工夫してステージのギミックを解いていく仕組み。幽体には時間制限があり、幽体で触れるとアウトな光も存在する。

また、世界観を大切にしたストーリーと、その先を暗示するような意味を持った旋律を自作したとのこと。

『ぷるりんの冒険』 開発者:住友嵩征/岡田明樹/川染翔吾(城南高等学校)

『ぷるりんの冒険』

チーム名:Swing-bye
開発者:住友嵩征、岡田明樹、川染 翔吾(城南高等学校)

本作品は、スライムのようなキャラクター「ぷるりん」を操ってゴールを目指す、全方向スクロールの2Dアクションゲーム。ぷるりんは緑と赤の2種類存在し、くっついたり離れたりでき、2人プレイも可能。

縦長に合体すると赤と青のぬいぐるみのような姿に、横長に合体すると虎のような姿に変化。通常時は「ジャンプ:普通・スピード:普通・攻撃:遠距離」となり、横長時は「ジャンプ:高い・スピード:低い・攻撃:近距離」、横長時は「ジャンプ:低い・スピード:高い・攻撃:近距離」と能力が変化する。

ゲーム内のグラフィックはテキスト以外すべて自作で、イラスト担当の岡田君が1人で制作したとのこと。またキーボードだけでなくゲームコントローラにも対応し、コンフィグで設定をカスタマイズ可能。裏設定が読める「プルペディア」も実装。

工夫した点として、キャラの動きに対して画面が少し遅れて追随するように設定したり、変わった動きをする敵キャラには、数学で習った「リサージュ曲線」を採用。マップ上には一方通行やカギを使って開ける特殊なブロックも設置している。

今後はマップエディタ、スクリーンショットUI、新ブロック、新キャラの実装を予定しているとのこと。

『Treasure Hunting』 開発者:堤日向(大阪電気通信大学高等学校)

『Treasure Hunting』

開発者:堤日向(大阪電気通信大学高等学校)

開発を手がけた堤君は、将来の夢はプログラマーで、高校では情報処理部に所属しており、ちょっとおっちょこちょいな一面もあると自己紹介。「基本情報技術者試験」を取るためにシステムの作り方や考え方を学んだと話している。

本作品は、制限時間内にどれだけスコアを集められるかを競うアクションゲームとなっており、プレイヤーに何回も遊んでもらうため、リピート性の高いゲーム性を考えたとのこと。

ゲーム内でスコアを稼ぐためには「探索してお宝集め」「敵を倒して宝石を奪う」といった2種類の遊び方ができ、ミニマップにはステージ全体が表示され、さまざまなエリアに興味が湧くようなオブジェクトが多数用意されているとのこと。

また、会場に用意した試遊用のビルドにはバグが残っており、本来は行けない場所にも入れてしまい、貴重なアイテムも置いてあるので、ぜひ試遊してそれをゲットして欲しいと、会場の笑いを誘っていた。

『Imaginary World』 開発者:藤澤秀彦(芝浦工業大学附属高等学校)

『Imaginary World』

チーム名:Hidetyo’s App
開発者:藤澤秀彦(芝浦工業大学附属高等学校)

開発を手がけた藤澤君は、小学6年生のときにUnityでゲーム制作をはじめ、これまでたくさんの作品を仕上げてきたことを冒頭で話す。

本作品は、謎の世界で目を覚ました自分の名前がわからない少女と、謎のぬいぐるみが協力して世界の謎を解いていくオープンワールドゲーム。これまで作ってきた作品とは規模が違い、プレゼン時の開発状況は約15%程度とのこと。

本作のテーマは「空気を描く」ことで、昼間・夜・雨などの天気の変化によって環境に合ったエフェクトを演出。風景では画面の中心に遠景、手前に近景を表現することによって、プレイヤーが目的意識をしっかり持てるようなデザインを心がけたようだ。

また、シーンによって自然音と環境音を分けて制作し、音が再生される場所の設定を工夫し、臨場感と没入感を実現している。

ゲーム内のモブキャラに関しては、昼夜の行動の違いを細かく設定、さらに「焚き火が雨によって消える」など、状況によって変化する風景にもこだわっている。

『Overturn』 開発者:松田活(函館ラ・サール高等学校)

『Overturn』

開発者:松田活(函館ラ・サール高等学校)

本作品を手がけた松田君は、現在高校2年生で普段はUnityでモバイルアプリを開発したり、競技プログラミングに参加しているとのこと。

今回の作品はモバイル対応のパズルゲームで、シンプルなブロックを組み合わせたステージで、プレイヤーを動かしてゴールへ導くルールとなっている。

既存のパズルゲームに多い、プレイヤーを上下左右に動かすのではなく、本作では動き方が異なり、マス目に正三角形がくっつき、回転して壁に沿うような動きをするのが特長。

ステージ上のブロックの特性について、茶色のブロックは固定されて動かず、灰色のブロックは押して平行移動や回転させることが可能。

ゴールの条件は、青い丸の地点で静止することが必要で、簡単にゴールできそうなステージでもゴール地点にピッタリと止まらなければダメ。氷のようにすべるブロックも存在する。シンプルな見た目とは裏腹に考える要素も多いパズルとなっている。

ステージのシーン遷移の際にブロックが動くアニメーションを導入し、物理エンジンなどは一切使っておらず、自作のプログラムでそれらしい動きを再現。今後はゲームタイトルにある「Overturn(ひっくり返る)」という意味と同じく、ステージが反転する、ブロックに触れると反転するなどギミックを実装予定とのこと。

『浮遊大陸』 開発者:髙橋勇輝/岡野日翔/香田駿/本間崚太郎(山形県立米沢興譲館高等学校)

『浮遊大陸』

チーム名:戦場に咲く一輪の草
開発者:髙橋勇輝、岡野日翔、香田駿、本間崚太郎(山形県立米沢興譲館高等学校)

4名のチームで制作された本作品は、部活でC言語プログラミングを学習し、さらなるゲーム制作による技術の向上を図るために開発したとのこと。DxlibとC++を用いて制作されている。

ゲームジャンルは2Dアクションゲームで、想定プレイ時間は約15分、空に浮かぶ大陸が舞台となっており、空中に生成された敵が大陸を破壊する中、それをかわしながら生き残ることが目的になっている。

「鉱石回収システム」は、4種類の武器を使うためにそれぞれに対応した鉱石が必要となり、敵が大陸を破壊した際に露出したものを回収。ステージの後半になると強い鉱石が取れるように。

敵を倒すと入手できるコインは道具屋で「HP1000回復」「攻撃力2倍」などバフ効果を購入することが可能。このシステムのおかげで、生き残るだけでなく敵を倒す目的にもつながっている。

マウスの右クリック長押しで照準を合わせ、左クリックで攻撃。正確な攻撃にはプレイヤースキルが求められる。

プレイヤーの武器は近接武器・ナイフ・ランス・大剣の4種類、ダメージ量と攻撃範囲がそれぞれ異なっており、状況に応じて使い分けることが必要になる。また、プレイするたびにマップの構成が変わるランダムマッピングシステムも導入。

『shotlix』 開発者:鎌谷天馬/池田逸水/改野由尚(N高等学校)

『shotlix』

チーム名:shotlix
開発者:鎌谷天馬、池田逸水、改野由尚(N高等学校)

本作品は、邪魔してくるブロックを銃弾で消したり、回避しながら散らばっている数字を集めてハイスコアを狙うシューティングゲーム。

自機はオートで進み、十字キーで進行方向を操作して数値を拾っていく。途中の邪魔ブロック(数秒に一回縦または横一列に登場する)は銃弾を発射して突破する。邪魔ブロックに当たるか、枠外に出てしまうとゲームオーバー。ステージ上には、縦断補充や獲得点数が2倍になるアイテムなどが出現する。

十字キーとスペースキーだけの簡単な操作、シンプルでありながら奥が深いプレイが魅力となっている。ログインが必要ないランキング機能やSNS共有機能も搭載。

制作には、ライブラリに「phina.js」「jQuery」、サーバサイドに「Node.js(Express)」を使用。Unityを採用しなかったのは、限りある時間の中で、エフェクト作成に時間を割かれてシステム自体がおろそかになる恐れがあったため。

また、対戦機能を実装する予定だったが、通信にラグが出てしまい、予選大会までには間に合わなかったとのこと。

息抜きにプレイできるように、UIはフラットデザインにパステルカラーを用いてオシャレで親しみやすいデザインを実現、また事前にテストプレイを多くの人にしてもらい、そのフィードバックを元に改善を繰り返している。

今後の展望は、モバイル端末のサイズに応じて、ステージの幅や高さ、グリッド数を変える予定。対戦モードの追加も考えているとのこと。

『Flick Drop』 開発者:大西海人(大阪電気通信大学高等学校)

『Flick Drop』

開発者:大西海人(大阪電気通信大学高等学校)

この作品を担当した大西君は、『Treasure Hunting』を制作した堤君と同じ高校で同じ部活の同級生とのこと。

本作品はスマホ対応のパズルゲームで、四方向のフリック操作のみに限定し、誤動作の可能性をなくしている。

ルールは「同じ色のブロックを4つ揃えると消える」「灰色のブロックは周囲のブロックを消すと消える」「ブロックを消すと出現するはずだったお邪魔ブロックを消せる」という3つとなる。

特長として、フリック操作で感覚的にブロックを操作して、爽快な連鎖を楽しむことができ、ちょっとした空き時間に手軽に遊べること。ランキング機能や難易度選択も実装。

今回の制作で大西君が感じたのはグラフィックの改善について。「プログラムが書けても絵は描けないこと」を痛感したとのこと。そして1人で1つのゲームを作ることは本当に大変で、データが飛んだり、致命的なバグで一から作り直しになったときは、床に突っ伏して、悲しさと悔しさが入り混じったよくわからない感情のまま、笑い泣きをしていたとのことだ。

『手裏剣Jump』 開発者:池上颯人(横浜市立美しが丘小学校)

『手裏剣Jump』

開発者:池上颯人(横浜市立美しが丘小学校)

池上君は、日本ゲーム大賞2018「U18部門」で銀賞を受賞した小学生のクリエイター。去年よりもっと面白いゲームを作るために動きや仕掛けが楽しい忍者アクションゲームを作り始めたと話す。

まず、敵を凍らせながら進む「氷結の術」や、手裏剣の間を進んでいく「手裏剣ジャンプ」などの仕掛けを考えていき、締切一ヶ月半前に完成した!と思いきや、ゲームを面白くするいちばん大事な動きがないことに気が付いたとのこと。

忍者といえば「手裏剣」、それに身軽なジャンプを組み合わせたアイデアで、相手に手裏剣を当てて倒し、跳ね返ってきた手裏剣でジャンプすることを実装。

手裏剣を投げると「当てた敵を倒す」「跳ね返った手裏剣に当たるとジャンプ」「アイテムを取って発動」ができる。

ゲームの魅力は、手裏剣を当てて敵を倒しながらジャンプする新しい操作感、英語と日本語のチグハグなやりとりが展開する笑えるシナリオ、ステージに登場する多彩な仕掛けの3つ。

『朝を知らぬ星』 開発者:梅村時空(N高等学校)

『朝を知らぬ星』

開発者:梅村時空(N高等学校)

梅村君は小学生の頃からプログラミングをはじめ、Unityインターハイ2018で審査員特別賞を受賞した経歴を持つ。

このゲームを作ったきっかけは、友達と一緒に遊べるゲームを作りたいと考え、協力プレイ対応の3Dアクションゲームが遊びたいと思ったからとのこと。

本作品の世界観は「太陽が昇らなくなった世界」で、地上にはバケモノが徘徊し、主人公は地下鉄の駅を拠点として戦う。バトルの難易度は高めに設定。

難易度と爽快感のバランスを考え、ジャスト回避でチャンスを作って一気に攻める「静と動の対比」を大切にしている。画面分割と役割分担ができるマルチプレイも検討中。

キャラクターの造形はブレンダーを使ってリアル調に制作、電柱やガードレールなどオブジェクトはほぼ自作して空気感を演出。

作業効率の上げるために、Unityのタイムラインで技の調整をしており、今後はネットワークマルチプレイ、きせかえのシステムなどを実装予定。

『ふにゃごん』 開発者:宮崎章太/西岡明矢斗(神戸市立科学技術高等学校)

『ふにゃごん』

チーム名:ふにゃごん制作委員会
開発者:宮崎章太、西岡明矢斗(神戸市立科学技術高等学校)

本作品は独特の操作性を持つ、ふにゃっとした怪獣「ふにゃごん」を操作する巨大化3Dアクションゲーム。

操作はスティックのみ、右で左足、左で右足が動き、左右交互に動かすことで移動できる。上で火炎放射、下で吸い込み行動。操作に慣れると楽しくなるような感覚を実現している。

広い街のステージでは、建物を壊したり、火炎で燃やして進んでいき、設置されている銅像を吸い込めばクリアになる。しかし銅像を含めて自分より背の高い物体は吸い込めないため、自分より小さいオブジェクトを吸いながらふにゃごんを大きくしていく必要がある。

高いオブジェクトをシッポで倒して吸ったり、障害物を燃やして進むことも可能。隠されたトレジャーアイテムも存在する。

また、ふにゃごんにはアニメーションではなく、ラグドール物理を採用。各関節にジョイントを作りパーツをつなげ、パラメータを調整することでバネのような効果を与えている。

この手法だと、ふにゃごんが巨大化するとジョイントのバランスが崩れて、まともに動かなくなる問題が発生。解決法としてステージを小さくするとともに、質量も変化させることを考えたとのこと。

『KAISENDOOOON!!!』 開発者:田染颯野/水上嵩大(ヒューマンキャンパス高等学校)

『KAISENDOOOON!!!』

チーム名:バーチャルSUSHI↓
開発者:田染颯野、水上嵩大(ヒューマンキャンパス高等学校)

本作品は、産地直送の釣りゲームで、コンセプトは「狙って、釣って、盛り付けて」。このゲームは、小さい頃海鮮丼に好きな具を思う存分乗せることができなかった、悔しい思いをした人に向けて作ったとのこと。

魚をタイミングよくアワセ、タップして釣り上げ、そのまま上にフリックして丼に盛り付ける。魚影である程度の魚種を判断でき、マグロやサーモン、潜水艦なども釣れる(ここで会場では笑いが起きた)。

盛り付け時には、魚は自動的に切り身に変わり、制限時間内にどれだけ乗せられるかがポイントになる。完成した丼は視点変更で観察することが可能。

釣った魚を飛ばす表現や、フィジカルベースのテクスチャを使用して、魚のオブジェクトをリアルに再現、魚の質感や鮮度にもこだわっているとのこと。

決勝大会進出は7作品に決定!

すべてのプレゼン終了後、厳正なる審査が実施されました。激論を繰り広げた結果、当選枠が1つ増えて7作品に変更されたことが時田氏よりアナウンスされ、会場はざわめきに包まれました。決勝大会進出作品は以下に決定!

『朝を知らぬ星』
選考理由:アクションゲームの基礎の部分を理解しているクリエイターが作っていると感じ、プレゼンでも、この先の展開も期待できると思われたので選考しました。

『KAISENDOOOON!!!』
選考理由:コンセプトがわかりやすく、シンプルなゲームシステムは審査員にも刺激になる作品でした。今後は釣りの楽しさを追求し、魚種のバリエーションを増やしてほしいですね。ちなみに、本作品を手がけた水上嵩大君は、前大会で落選して悔し泣きした選手なんです。

『Overturn』
選考理由:非常にシンプルなゲームシステムですが、細かい演出部分など完成度も高かったです。また、ひとつの作品を作り切ること、手を抜かずに完成させる気持ち、さらに先を目指す姿勢を感じました。

『ふにゃごん』
選考理由:一番目を引いたのが独特の操作性で、難しいと思いつつ慣れてくると楽しくなる操作感は、ゲームを楽しむ根幹の部分であり、それを上手に表現できていた作品でした。

『幽体離脱』
選考理由:「幽体離脱」を採用したテーマ性が素晴らしかったです。幽体離脱の仕組みをどうにか伝えたいという試行錯誤と、ゲームプレイ時のユーザーのことを考慮する、導入方法も好感を持てました。

『手裏剣Jump』
選考理由:去年に比べてゲーム内容だけでなく、プレゼンもパワーアップしています。アクションゲームの仕組みのコア部分も面白いので、ステージだけでなく敵もギミックのひとつとして調整するともっと面白くなると思います。

『shotlix』
選考理由:試遊の段階で完成度がとても高く、チームで力をあわせて考え、きちんと完成した作品をユーザーに届けることを見据えて作っていることが、決め手となりました。

バンダイナムコスタジオ 斎藤直宏氏バンダイナムコスタジオ「斎藤直宏」氏

最後に閉会の挨拶として、CESA人材育成部会 副部会長 バンダイナムコスタジオ「斎藤直宏」氏より、本大会が、若い人にゲーム作りのチャンスを与える場になることを目指すだけではなく、出場者の「自分が作りたい、遊びたいゲームを作る姿勢」や「これまでに見たことないアイデア」を目の当たりにして、会場のプロのクリエイターが刺激を受けていることが嬉しいと話しました。

イベント後インタビュー

今回の審査員に抜擢されたDeNAプロデューサー山口誠に、今回のイベントの感想などを直撃インタビューしてきました。山口は、2018年および2019年の2年連続で審査を担当しています。

――審査お疲れ様でした。今回のイベント、審査を終えて率直な感想を教えてください。

お疲れ様でした! 今年の応募作品は、去年と比べて完成度が高いことが印象的でした。やりこみ要素やリプレイ性も含めて、実際に手に取ってプレイしたくなる作品が多かったですね。

プレゼンに関しては、みなさん上手だと感心しました。国内では、海外のイベントのようにプレゼンの文化が浸透しているわけではないのに、自分の伝えたいことを、高いクオリティできちんと発表できているのは驚きでした。

――まだ会社などで経験してないはずなのに、すごいですよね。

そうですよね。企業で普通のプレゼンとして、十分通用するレベルだと思いましたよ。

――このような次世代の若いゲームクリエイターを育てるイベントに関して、どう感じていますか?

まず、このようなチャレンジをする場所があるのは貴重だと感じています。ゲーム作りを目指している若いクリエイターに向けた「賞レース」というゲームのような目標となっているので、燃えることができる条件は揃っていると思います。

一方で、これから開催が続いていく中で、厳選された作品ばかりがフューチャーされてしまうことが、今後の課題になりそうだと懸念しています。

予選大会を知らない人が優秀作品だけを見て「自分の作品だと太刀打ちできない」と感じてしまわないように、メディアを通じて幅の広い作品がたくさん応募されていることを伝えてあげてほしいです。参加への敷居は本当に低いので、未完成の作品でも予選大会を突破できる可能性は大いにあるんですよ。

――確かに荒削りだけど「こんなゲームを作りたい!」という熱量は感じましたね。

例を挙げると、決勝大会に進出した『KAISENDOOOON!!!』に関して、審査員の中でも残したいという声が多かったんです。いわゆるネタ枠に捉えられがちな作品なんですが、ゲームって、一見ふざけたような発想からできることもありますし、後からコンセプトを磨いていけば面白いゲームになり得ます。とにかく気軽に考えて、まずはトライできる環境になればいいな、と思います。

決勝大会進出が決まって、思わず喜びハイタッチする『KAISENDOOOON!!!』開発者の田染颯野君と水上嵩大君

――参加者たちとは、どのような交流をしましたか?

自分たちが同じ年齢のときに比べて、意識が高いのがビックリしました。イベントの現場で大人と話すことって緊張して気後れしがちですが、ちゃんと会話をしながら自分をアピールする姿勢はすごいですね。

控室で登壇を待つ参加メンバーたち。とにかく楽しそうで、緊張している様子はありませんでした。

――プレゼン後の質疑応答もしっかり受け答えしていましたね。

ええ。みなさんクリエイターとして、作りたいものを作る、という気概を強く持っているので、思いがブレずに言葉に現れるのかな、と感じました。

――参加した若いクリエイターや会場の様子、作品を見てどう感じましたか?

ゲーム業界の人は、時間があればぜひ足を運んでほしいですね。現在活躍しているプロのクリエイターは大きな視野を持ちながら、ゲームそのものを事業・サービス、商品として扱わなければならず、思考が「大人っぽく」なりがちです。

ですが、純粋な楽しみをゲームで表現する幅に限界はないので、ちょっと脱線したアイデアや、くだらない企画もどんどん形にするような純粋な「面白い」を追求するゲーム作りに触れられる良い機会であることが、参加者や会場を見て改めて感じられると思います。

去年と今年の応募作品が誰でもプレイできる試遊コーナーが設置され、大盛況!

また、技術面を含めて今回の大会はレベルが高いので、後ろから新しい風に追いかけられるような経験もしてほしいな、と思いました。僕も偉そうに審査員していますが、自分が同じ歳でゲームを作れと言われたら、なかなか難しいと思いますよ(笑)。

そう考えると、今回参加している若いクリエイターは若いけどすでに頼もしいので、現在バリバリ働いているクリエイターも、お互いに切磋琢磨できることに気付くはずです。

――制作だけでなくマネジメントの役割を組み込んでいるチームもいましたね。

実は、そのチームメンバーと話をしたんですが、学校では起業部に所属しており、部活動で学んだマネジメント関連のエッセンスも開発に取り入れているらしいんです。

プロの開発チームに必ずマネジメント担当者がいるのと同じく、完成までどう作るのか、スケジュール感を含めてきちんとチームで考え、構築できるチームが出現してきたのは、驚きですね。

――この年齢でマネジメントまでできるなんて驚異ですよね。

そうですね! もし、昔ながらの感覚値だけで開発する古いチームに彼らが参画したら、そもそものチームビルドの方法や完成予定の目標について、質問の嵐になると思いますよ(笑)。特に彼らのチームではきちんと「捨てる」という工程を踏んでいるのが、興味深かったポイントです。

少人数で開発していると、やりたいことをどんどん追加してしまい、仕様が複雑になることが多いのですが、(本作品を作る上で)彼らはUnityは使わないという「捨てる」選択をしました。良いところを活かし、できない部分はバッサリと捨てることは、チームビルドが完成している証拠ですし、そこに感銘を受けました。

――最終的に決勝大会の枠が1チーム分追加になりましたが、審査はかなり大変でした?

そうですね。今回は審査チーム内で、審査点を基準としたときに、点数にへだたりがあった大きい議論がありました。最終的にゲームの分類や目指すべきコンセプトを考え、7作品に決定しました。

5作品に絞ってしまうと、方向性の選択肢が少なくなり「こんなゲームを作ってもいいんだ」といったU18部門が目指すメッセージングに偏りが出てしまいます。「応募するにはちゃんとしたゲームを作らなければいけない」という先入観を持たれないようにしたいんです。

――予選大会の作品の中で個人的に気になったものは?

やはり、去年銀賞を受賞した池上颯人くんの『手裏剣Jump』ですね。彼の独特のセンスや特長がゲームに現れていて、すでに作家性を持っているのもスゴイですね。今年もアクションゲームを作っていますし、ボクセルで表現したモデリングや、アクションとしての面白さにフォーカスしている、彼らしいカラーに惹かれますね。ホント、末恐ろしいですよ(笑)。

選出を喜びながら「決勝大会までにもっと頑張ってゲームを完成させます」と力強く話す池上颯人君

――DeNAとして、このような取り組みに今後どのように関わっていきたいと思いますか?

私は社内で新卒採用と育成に関わったり、業界の若い人にどうやってゲームの作り方を広めるか、チャレンジを続けています。ゲーム制作に自発的に興味を持てる場所とタイミングを、我々から提供していくことが大きな目標です。

タイミングを与える時期については、年齢的にできれば早いほうが良いと考えています。

高校より前にゲームクリエイターを職業と考えるきっかけがあれば、専門学校やゲーム作りを教えている大学などを選ぶ機会がありますし、いかに若いうちにゲーム開発者になる方法をアプローチできるかが、次のクリエイターを増やすカギになると考えています。

以前、新卒社員にヒアリングしたところ、インターンなどの時期でようやく「ゲームプランナーっておもしろそう」と気づき、そこから勉強を始めたと話していました。インターンからの成長を見ていると、もっと早い時期から勉強していたらどうなったんだろう?と思うことがあります。ですので、18歳以下の時期にゲーム作りに接点を持てるイベントがあるのは、とても有効だと思っています。

――U18部門で学んだこと、気づいたことを社内のチームにどうフィードバックしていきますか?

まずは、予選大会を終えて決勝大会が東京ゲームショウで開催されることに、社内の人間にも興味を持ってもらい、観戦してもらえるようにしたいですね。

――将来、自分の子供がゲームクリエイターを目指したらどう感じますか?

それこそ、まずはU18部門を目指してゲームを作ってほしいですね!

――それでは最後に、会場に来れなかった人に一言。

決勝大会や来年の予選大会では、ぜひ会場に足を運んで、プレゼンを見たり、試遊したりして会場の空気を感じて、若いクリエイターの勢いを感じてほしいですね。

――ありがとうございました。

取材・文・撮影:細谷亮介

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